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かけおちる



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【この小説が収録されている参考書籍】
かけおちる
かけおちる (文春文庫)

かけおちるの評価: 4.80/5点 レビュー 15件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.80pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全15件 1~15 1/1ページ
No.15:
(5pt)

流石

読み終わり後に残る満足感で一杯です。
かけおちるAmazon書評・レビュー:かけおちるより
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No.14:
(5pt)

あとがきに感心

著者による「遠縁の女」、「つまをめとらば」を読んで、勢いて本作。「駆け落ち」されたおっさんネタは「つまをめとらば」の表題作でも扱われていたと思いつつ、このような生々しい題名をつけても内容が端正なのが著者らしいと感じつところだ。一昨日初めて読んだくせにと思いつつ。
 本作品でも18世紀後半の社会的変動を背景に、鮭や蚕についての詳しい描写が歴史小説としてのリアリティをしっかり支えている。しかも作品の最初に主人公の順風満帆さが描かれつつ、破綻に向かう筋立てはとても「純文学」っぽく著者らしい感じてしまう。一方で結末の持って行き方は筆者が「娯楽小説」につい求めてしまう爽快感を落ちの意外性とともにちゃんと達成している。
 そう思いながらあとがきを読んだら、著者が自身の「純文学的出自」に言及しておられる。やっぱりなあと思い、ちょっと得意な気分となった。
 長坂藩が藤沢周平の海坂藩に重なって見えるようになってきた。所在地も越後から出羽の日本海側のどこかという点で割と近いのではないか。
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No.13:
(4pt)

かけおちる

ネタばれになるので筋は明かしませんが、青山文平さんの丁寧な筆致が良く分かる秀作だと思います。心現れる作品をご希望の方には是非お勧めします。
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No.12:
(5pt)

かけおちる

なぜ妻は逃げたのか。二七年の歳月を越えていま真相が明らかになる。
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No.11:
(5pt)

半席、励み場と読み、

本作を読みました、重いテーマでしたが、最後のページで

「この人は重いことを軽く言う」で、、、私の肩の力も気持ち良くストンと抜けた、傑作です。
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No.10:
(5pt)

青山文平最高傑作

中盤、序盤の背景説明がすんだあたりから、グイグイ読ます、面白さ、このようなドラマも、この時代背景なら、面白い、小説一冊に出来る。著者の文章力が、冴える。
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No.9:
(5pt)

この時代の小説を書く必然性

大きな時差がある通信手段、各藩ごとの興産の重要性、経済政策の失敗を解決する手段としての切腹、結果を出すまで続けなければならない女敵討ちと、いずれも現在とは異なる要素が全部そろってこの物語は成立しています。そして愛するものを救うためにはその相手から殺されるほど憎まれることを厭わずに秘策を実行する覚悟、というこれまた現代には実存しえない行動原理が全体を貫いています。
 あとがきも含め、本当にいいものを読ませてもらいました。
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No.8:
(5pt)

作品のよさは言うまでもないが、「後書き」に感じ入るものがあった

初めて読んだこの作者の作品は、「遠縁の女」であったが、そのしっかりとした文章に心地よさを覚えたものだった。久しぶりに読んだこの本も、きちんとした日本文に出会ったと感じて、清新な思いを抱きながら読み進んだ。

 題名となった「かけおちる」とは、現代語で言うところの、男女による「かけおち」のことである。読み進めていくときに、「かけおち」と筋書きとがどこで重なるのかといぶかるような中味である。題名を間違えたのではないかと思うくらいに重厚な話で、しかも中味の面白さが読者をぐいぐいと引っ張っていく。しかし、要所要所にさりげなく伏せられた言葉の一言づつが、最後にこの物語を完成させるのである。

 小説家として見事な手法であり、更なる作品を期待させるのだった。
 著者は、「後書き」で、小説家になった経緯と、その後の生活について触れている。こんなことを「後書き」に書く小説家には初めて出会った。厭味になりがちな内容がそうではなく、作者の意見に同意したので、これまでに作者が発表した作品をすべてキンドルで購入した。海外出張時の友としてもって行く積りである。
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No.7:
(5pt)

清廉なる人々の生き様

青山氏の作品を拝読するのはこれが2作目ですが、共通して言えることは、文章がとても静謐で品があることだと思います。ご本人による後書きによれば、本書を書かれた頃の氏の執筆動機はあくまでも「経済的理由」だったそうですが、とてもそんな風には思えない、受け狙いやあざとさなどとはまったく無縁の、レビュアーの「すずこ」さんのお言葉をお借りするなら「清らか」な作品です。

 主人公を始めとして、仕事仲間、娘婿など皆、正々堂々と、己の職分を全うすべく日々を生き、将来に向けての研鑽も怠らず、自分達の利益よりも藩が少しでも潤い、民が飢えることのない方策を探り続けることに余念がありません。
 しかし、そんな真面目すぎる人達が集まっても分り合えないこともあり、起こってしまう悲劇もあり‥‥。
 主人公・重秀に娘が言う言葉、
「語りたいのではなく、語ることができぬのでございます」
「私どものような言葉を持てぬ者が居ることが、(父上には)見えておられないのではないでしょうか」
 悲劇も起こりましたが、主人公達の将来の安堵が保証されるような終わり方で、安心しました。
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No.6:
(3pt)

面白い

新しい時代劇として面白く読めました。作者の次回作に期待します。
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No.5:
(5pt)

人間性が美しくて

氏の小説を読むのは、最初に鬼、次に白樺、そして「かけおちる」は3冊目になります。
どの作品も、主人公と、主人公を取り巻く人々がみんな美しいのです。
この人を切ったら、きっと赤い血が流れるのではなく、
清らかな湧き水が出てくるんじゃないかと思うくらいに皆美しい。
こんな風に美しく生きたいと思うけれど、こんな風に美しく生きるのは辛いのではないかと思います。
こんなに頑張らなくてもいい、もう少し楽に考えてよって、本の中に声をかけたくなるくらい。
それが辛い結末になったり、寂しくなったりするのですが、
本作は幸せに満ちた終わり方で良かったです。

あとがきに、食べるために書いたと書かれていましたが、買いますのでたくさん作品書いてください。
お願いします。
登場人物だけでなく、文章がすごく清潔感にあふれ、とても好きです。
もっともっと、たくさん読ませてください。
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No.4:
(5pt)

言葉に出来ない思い

言葉を生業とする小説家が言葉にならない思いをテーマに書いた作品であることがおもしろい!と思う。人工的に鮭の産卵場を作る策や誰でも本を読める文庫を作って人材を集めたり、人が集まることによって地方を経済的に潤そうとするなどの興産の工夫や努力は、現代の地方起こしなどを想像させて興味深い。後半はストーリー展開のテンポが速く、一気に読んだ。作者は男性なので、理津や民江は自分の理想の女性象なのでは?リアルな女性は男性よりしたたかで、民江や理津のように自分の身を捨てても男の恩と愛情に報おうとはしない。が、言葉ではなく、言葉に出来ないがゆえになおさら真摯に自分の思いを貫こうとする心のありようは同じ女という性に生まれた者として共感できる。直木賞作家の書いた本という興味で読んでみたが、思いのほか(失礼)おもしろく、とても得をした気分。
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No.3:
(5pt)

藤沢周平の亜流ではないが

藤沢周平の亜流っぽい匂い。だか、それでも、亜流と言い切れるなら大したもの。新潟、山形方面の話で鮭の人口遡上を促す取り組みの結果の成功から始まっている。藤沢周平が、もっぱらコメの話だったので、これは少し新しい。本草学、荻生徂徠などの名の下に村上鮭に迫る産業を起こそうとする。干物を作る手順の試行錯誤が描写される。思わず、荻生徂徠の著作を帰りの書店で探してしまう。そのような、畳み掛けるリアリティーがある。とりわけ、興産の場所に芭蕉碑のある地域を選択するというのは、キット作者苦労の発見だろう。
しかし、後半、問題の駆け落ちの場面、やはり女は、話し方や内容が現代的すぎる。裏表紙の惹き区をみて危惧していたことだ。いくら、時代を借りて今を語る小説と言っても、これでは、興産の部分がぶち壊しではないだろうか?それでも、一度生かした老いた妻を切る場面で、ともにかけおちるという展開は、映像であれば、思わぬどんでん返しと映るだろう。
そして、最後に本当のどんでん返しがやってくる。ちょっと出来過ぎとも読めるが、ユーモア感を残すまとめは、誰かが映像化したくなるだろう。また、映像作品になる場合、あまりキャストを選り好みせずとも魅せるものになると確信する。
この小説というか、文庫本に一つの難点があるとすれば、解説氏が欠け落ち問題しか、語っていない事だ。時代小説としては、そこはどうでも良いことだ。中心は、興産の話にある。ネタバレを気にしているのか?そうも思えないが。
かけおちるAmazon書評・レビュー:かけおちるより
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No.2:
(5pt)

やられました

読後感が気持ちいい、久しぶりにやられたという感じでしょうか。 この時代の女性が持つ夫へのひたむきな愛の表現。 うちのかみさんに望むべくもございませんが、爪の垢でも煎じて飲ませたい・・と、これを言ったら「あんたにこそ飲ませたい」とつっこまれそうですが・・。 興産掛というはじめて知ったお役目といい、鮭や蚕のお話、そして迫力ある立ち会いなど、なかなか読者を放しません。 国(藩)のために私財を投じても信じる道を行く、現在の役人にもここまでとはいいませんが、少しは見習ってもらいたい。 彼らのような先達がいたからこそ今の日本があるのだと、あらためて納得した次第です。
かけおちるAmazon書評・レビュー:かけおちるより
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No.1:
(5pt)

リアルな新感覚の時代小説だ

2011年、松本清張賞を受賞した作家の長編2作目。農政の実務に強い執政の父。窮乏する藩の興産係として日々藩の将来を考える長男(わずか七ヵ月で取立免状取得の伝説の剣士でもある)。藩のために惜しみなく力を発揮しようとする次男。鮭の孵化事業、本草学、文庫、養蚕など興産へのそれぞれの必死な思い。そこに妻と娘の成り行きが絡んでゆく。玄猪稽古、蕎麦、小茄子、磨利市天など江戸の匂いや情景がいきいきと伝わってくる文章・文体の洗練度は素晴らしい。「かけおちる」にはこんな背景があったのかと、天明の時代に引き込まれつつ1行の文の重みを楽しむ本でもある。無駄のない吟味された内容はこれが江戸・天明か!!と思わせるほどリアルな新感覚の時代小説だ。短編でいいからもっともっと読ませてほしい、そしていつか映像になったものも見てみたい。
かけおちるAmazon書評・レビュー:かけおちるより
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