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蒼ざめた礼服
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蒼ざめた礼服の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.88pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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主人公の片山幸一は、洋傘会社に務めているが、毎日の仕事があまりに平凡で、嫌になって転職を考えていた。ある日、気まぐれに古い雑誌を買ったところ、その雑誌を譲って欲しいとの「告知」をある週刊誌に見つけた。その雑誌を欲しがっている作家の家を訪問してから、片山の人生は大きく変化して行く。 普通の人なら見逃してしまいそうなことを、丹念にたどっていくことで、重大な事件へと迫っていくのは、松本清張氏の得意な手法である。 少し気になるのは、見つけた写真館が、全く別のことで大きな意味を持ったりするというような、あまり起こり得ない偶然が松本氏の小説では多いことである。ただ、この本を楽しむには、そういうことは気にせずに、精密な片山の推理と、援用される法医学や東京湾の潮流、国家機密などの知識などを楽しむ方が良い。 しかし、よく考えると、不審な死が続いて身の危険を感じながら、刑事でもない片山が好奇心だけで、どんどん深入りしていくことは、少し不自然な感じがする。 | ||||
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昭和36(1961)年頃に、週刊誌に連載された社会派長編小説!小さな本屋さんでは、メジャーな作品しか置いていないので、改版されて、文字も大きくなり、復刻されていたことに何年も気がつきませんでした。中身は細かく書きませんが、本の裏表紙の宣伝文句を読んだだけで、分厚い長編小説なのに、思わず買ってしまいました。時代背景は、50数年前の内容なので、電話事情など、あれっと感じるところも確かにありますが、それでも、戦後16年以上経過した頃だと、思ったより、交通事情など、そんなに今と違わないなと思いました。そんなに松本清張さんの作品を読んできたわけではありませんが、今回も、郊外の裏淋しい街や銀座の綺麗なお姉さんなども登場し、飽きさせません。中身は細かく書きませんが、とにかく、引き込まれて行きます。ただ、週刊誌の連載でしたので、その号から読み始めても、ある程度分かるようにか、何度も繰り返し、主人公が自分の頭の中を整理されるのが、何日もかけて読み進める方にとっては、分かりやすいといえば分かりやすいですし、逆に、一気読みされる方にとっては、くどいと思われるかもしれません。当時の時代の雰囲気も伝わってきて、とにかく、面白いです。 | ||||
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社会派推理小説家の大家、松本清張の600ページの大作。 主人公の片山は、しがない洋傘会社に務めるサラリーマン。ある日、気まぐれに買った古い雑誌を譲って欲しいとの新聞広告を目にする。とりたててどうこうするほどの中身もない雑誌を何をそんなにほしがるのだろうか?興味を持った片山は雑誌を求めている随筆家をつてに、調査会社に転職、身元不明の水死体が雑誌に関係していると確信を持った片山は事務所に内緒で個人的な調査を始める。やがて片山は、事件の背景に国防庁と関連会社、そしてアメリカの兵器会社が絡んでいることを見つける… 大作だけあって、かなり複雑な状況になるけれど、作品の途中で片山が自問自答する形で状況が整理されるので、こちらも一緒になって考えることができる。この辺が松本清張の読者のことを考えた作品の進め方で、さすが大家は違うと思った。 水死体が東京湾でどのように漂流するか、また、ホテルでの殺人がどう起こったかを図で説明したりとなかなか親切で、とても面白いんだけど、ちょっと盛り上がりに欠けるかなといった印象なので星四つにしました。 戦後の時代で今と違って新聞広告に実名、住所を載せたり、片山が調査に漁村にいったり、官公庁にいったりすると、みんな何でもしゃべってしまうところが面白いと思った。あと、偶然の手がかりが幾つかあって若干安易に調査が進む印象をもった。 | ||||
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個人読書履歴。一般文学通算113作品目の読書完。1977/01/30 | ||||
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一人の青年が、古本屋でたまたま手にした雑誌をきっかけに、政財界の裏で活動する経済研究所に入り、謎を好奇心から追っていく社会派ミステリー。流石に清張氏だけあって面白く読ませます。しかし、肝心の謎を深め行くストリーじーたてな為に、同道巡りで読んでいて少し切れ味のない作品ではあるが読ませる力のある佳作。多分、この時代特有の政治の裏、奇怪な謎を小説の形を借りて世に知ら示したかったのかなと思いました。 | ||||
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