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時間の習俗
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【この小説が収録されている参考書籍】
時間の習俗の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.11pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全21件 1~20 1/2ページ
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正に「点と線」を彷彿とさせるアリバイ崩し。芳子なるゲイが判明し、筑紫俳壇のカメラマニアが判明して アリバイが崩れるさまは、圧倒的な清張さんの世界。流石です。しかし、犯人の峰岡に目を付けたところは ちょっとリアリティが不足の感を禁じ得ない。 | ||||
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いつも感心することですが、殺人事件のトリックが実に緻密で計算されている。よくよく読んでみると、辻褄が合う。どうやってこういうことを考え出したのか、本当に天才としかいいようのない記述の数々に驚かされます。 | ||||
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展開がとても面白い 飽きないし、終わり方も清々しい気持ちです。 | ||||
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犯人の巧妙なトリックをベテラン刑事が解き明かすので、読んでいて読み手も推理しながらトリックを解いていける。清張ならではの時間のトリックも楽しめる作品です | ||||
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松本清張の作品は定番ですからね。本屋に行っても販売がない時があるからこそAmazon。 | ||||
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初めての松本清張でしたが面白かったです。色々な方が書いていらっしゃるようにトリックの謎解きにかなり比重があります。確かに刑事の勘所だけで推理が進んで行くところなどちょっと入れ込み過ぎかなとも思いましたが、その推理が読んでいる読者もしそうな道筋なので「うんうん、有り得るよなあ」と妙に納得しながらページがどんどん進みました。「この仮説はどうでるか??」と思うと途中で読むのをやめるのが出来なかったです(笑)その辺りの筆力はやはり素晴らしいと思います。また日本の行事や俳句などに事件を絡めていてそういった物に触れることができたのもボーナスでした。時代を感じる描写、表現方法なども読んでいて面白かったです。 | ||||
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神奈川県にある相模湖。その湖岸にある碧潭亭ホテルで食事をしていた一組のカップルが食事を終ると「少し湖岸を散歩してくる」と言って、ホテルを出て行ったきり夜になっても帰って来なかった。大がかりな捜索の結果、男の絞殺死体が見つかった。男は交通関係の業界紙の発行人で土肥武夫であることが分かった。不思議な事に女の行方は全く分からなかった。殺人事件の本部がおかれ、捜査を担当したのは「点と線」で登場した刑事、三原紀一だった。 三原は土肥の身辺を捜査している時に気になる男がいた。タクシー会社の専務で峰岡周一だ。被害者の推定死亡日時と思われる時間に、彼は空路羽田から九州へ飛び立っていた。仕事の出張と合わせ、本人の趣味であるという俳句の吟行のため福岡の門司を訪れていたのだ。この地方で古くから行われている習俗で、夜を通して行われる(現在でも行われている)和布刈(めかり)神事を見学するためだった。更に彼は、その神事の様子を持参したカメラのフィルムに収めていた。また明朝に訪れた小倉の大吉旅館では「記念に。」と言って女中を撮影するのだ。ひと休みした彼は、その後、取引先の大東商事を訪れている。それら福岡での足取りを裏付けするのが「点と線」の、もう一人の老刑事、鳥飼重太郎だった。大吉旅館での滞在、大東商事への訪問、航空機の搭乗の裏付けが取れた。フィルムの始まりには峰岡の会社で撮影した従業員たちが写されていて、それが時系列的に、その後、和布刈神事、大吉旅館の女中の順になっており、峰岡は相模湖畔での殺人には関われないと言う完璧な証明になってしまった。だが捜査本部も解散した数か月後、福岡で新たな身元不明死体が発見されるのである。そこから一気に三原、鳥飼のコンビによる峰岡周一のアリバイ崩しが始まる。「点と線」を彷彿させるような展開になってゆく。峰岡もズル賢くなかなか尻尾を見せない。消えた女は何処へ行ったのか?共犯だったのか?捜査範囲は大阪・名古屋まで及ぶ。 三原が、アリバイのトリックを解明してゆく過程が読者レベルで描かれており分かりやすい。アリバイ解明が徐々に核心に迫っていく段階では、峰岡の狼狽える姿を書いて欲しかったが「点と線」でも、あまり犯人描写はされていなかった様に思う。本書では福岡、門司の和布刈神事と言う古来の習俗をトリック作成の舞台にしているが、長きに渡る日本の伝統を知る上でも貴重な一作でした。現在の警察小説など読むとコテコテの科学捜査ばかりだが、松本清張氏の作品の様に地域や伝統に関連付けた小説を読むとホッする。名作でした! | ||||
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清張初期長編のかなり多くが、アリバイ崩しの物語。 本作では「点と線」の鳥飼・三原コンビが再び登場し、鉄壁に見えるアリバイに挑む。 「点と線」の面白さに魅せられた人は読まずにいられないでしょう。 和布刈神事はじめ各地の旅情も楽しめる。 タイトルと中味の齟齬は相変わらずですが。 | ||||
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神奈川県にある相模湖。その湖岸にある碧潭亭ホテルで食事をしていた一組のカップルが食事を終ると「少し湖岸を散歩してくる」と言って、ホテルを出て行ったきり夜になっても帰って来なかった。大がかりな捜索の結果、男の絞殺死体が見つかった。男は交通関係の業界紙の発行人で土肥武夫であることが分かった。不思議な事に女の行方は全く分からなかった。殺人事件の本部がおかれ、捜査を担当したのは「点と線」で登場した刑事、三原紀一だった。 三原は土肥の身辺を捜査している時に気になる男がいた。タクシー会社の専務で峰岡周一だ。被害者の推定死亡日時と思われる時間に、彼は空路羽田から九州へ飛び立っていた。仕事の出張と合わせ、本人の趣味であるという俳句の吟行のため福岡の門司を訪れていたのだ。この地方で古くから行われている習俗で、夜を通して行われる(現在でも行われている)和布刈(めかり)神事を見学するためだった。更に彼は、その神事の様子を持参したカメラのフィルムに収めていた。また明朝に訪れた小倉の大吉旅館では「記念に。」と言って女中を撮影するのだ。ひと休みした彼は、その後、取引先の大東商事を訪れている。 それら福岡での足取りを裏付けするのが「点と線」の、もう一人の老刑事、鳥飼重太郎だった。大吉旅館での滞在、大東商事への訪問、航空機の搭乗の裏付けが取れた。フィルムの始まりには峰岡の会社で撮影した従業員たちが写されていて、それが時系列的に、その後、和布刈神事、大吉旅館の女中の順になっており、峰岡は相模湖畔での殺人には関われないと言う完璧な証明になってしまった。 だが捜査本部も解散した数か月後、福岡で新たな身元不明死体が発見されるのである。そこから一気に三原、鳥飼のコンビによる峰岡周一のアリバイ崩しが始まる。「点と線」を彷彿させるような展開になってゆく。峰岡もズル賢くなかなか尻尾を見せない。消えた女は何処へ行ったのか?共犯だったのか?捜査範囲は大阪・名古屋まで及ぶ。 三原が、アリバイのトリックを解明してゆく過程が読者レベルで描かれており分かりやすい。アリバイ解明が徐々に核心に迫っていく段階では、峰岡の狼狽える姿を書いて欲しかったが「点と線」でも、あまり犯人描写はされていなかった様に思う。 本書では福岡、門司の和布刈神事と言う古来の習俗をトリック作成の舞台にしているが、長きに渡る日本の伝統を知る上でも貴重な一作でした。現在の警察小説など読むとコテコテの科学捜査ばかりだが、松本清張氏の作品の様に地域や伝統に関連付けた小説を読むとホッする。名作でした! | ||||
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トリック自体は時代背景無くしては成立しないものですが、 物語としては描写や展開の面白さでグイグイと読まされてしまいました。 「点と線」から続けての読書をお薦めです。 | ||||
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古本で購入したのですがきれいな状態で申し分ありませんでした。対応も早くて満足です。 | ||||
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著者の作品は、もちろんたくさん読破しているつもりだったが、こんなに傑作が有ったとは、他にも、も っと探さなければと考えてしまう、とにかく面白い小説を、久しぶり読んだ満足感でいっぱいである。 | ||||
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病院の待合室に置いてある雑誌のブックレビューにあった。 旅行に持っていきたい文庫本として取り上げられていた。 一気に読んだ。一気に読まずにはおられないくらい面白かった。 つくずく松本清張はすごいなと思った。 松本清張の作品はあまた映画化、ドラマ化されているけどこれはまだだろう。 ぜひドラマ化してほしい。 | ||||
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恥ずかしながら、松本清張作品は本作が初めてとなるのだが、よく言われる社会派推理というイメージで読んだので、意外にも森村誠一氏の初期作品のような徹底したアリバイ崩し推理に主眼を置いた作品だったので、少々意外に思ったが、さすがのストーリーの面白さで一気に読まされてしまった。 点と線のコンビが再度登場する作品としても有名だが、松本作品の定番アイテムの俳句や地方の風俗を取り入れられており、読み応えは十分。犯人のアリバイも何重にも貼られており、それらを一つ一つ崩していく過程はこれぞ推理小説の醍醐味が味わえる作品と言える。 | ||||
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大変面白かった。「点と線」、「時間の習俗」、「影の車」の三作品。松本清張作品1冊目。 一般文学通算11作品目の読書完。1973/01/01 | ||||
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業界と社会を絞り込み、アリバイ崩しに比重を掛けたいわゆる本格ミステリーの傑作。メカニカルトリックと心理トリックを使い、人間の盲点を突いた作品です。書き出しから、映像的な描写で読者を作品世界に引きずり込んで行く力のある本に仕上げています。読めば、読むほど面白い作品でお勧めです。 | ||||
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この清張のミステリーには、阿刀田高の解説文がついているが、どうも的外れな清張の読み方の好例なような気がする。第一に清張は実際の現場を取材せずに、写真とか資料で再現している場合が多い。たとえば得意分野の考古学だったら、三角縁神獣鏡なんて見なくても写真で確認して推理を進める。だいたいあまりの忙しさでいちいち現場取材してたら、身がもたない。せいぜい昼の時期外れのシーズンに、和布刈神事の場所に行くのが最大の取材だろう。これすら怪しい。そんなことに疑問をもつ前に、なぜ話が、「時間の習俗」で九州から相模湖に飛んだりするのかの必然性に疑問をもつべきだ。その後、また九州の水城にもどったりする。これは清張得意の古代史、隼人の足跡をたどっているのではないか。相模国の大住郡と大隅半島の隼人族の関係とか・・・。和布刈神事も隼人社になる。とにかく唐突に九州や関東に話が飛ぶのには理由がある。殺人事件は単に清張にとって読者の気をひく材料にすぎない。問題は殺害の場所が、ころころと追加されることにある。ところで、清張のこうした形而上学的・物語・作成法を17世紀のオランダの画家・フェルメールの絵解き解釈に応用したのが、「宇宙に開かれた光の劇場」上野和男・著である。実際に清張のような方法論も、この本でフェルメール解釈に一躍買っている。一読の価値はあるだろう。手前みそでごめんなさい。 | ||||
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松本清張の点と線に出てくる三原警部補と鳥飼刑事のコンビによる、アリバイ崩しの推理小説だ。 点と線同様に、三原警部がまず犯人の目星をつけ、執拗に追っていく。 犯人には鉄壁と思われるアリバイがあり、その「鉄壁さ」に三原警部補が怪しさを感じるのだ。 小説の中の出来事にあれこれ考え始めるのは、その小説が面白いからなのだけど、 あんなに知恵を巡らす犯人なのだから、完璧すぎるアリバイは不自然ということに気づかないのだろうか? 用意周到なのはわかるけれど、園までアリバイを計画した時点で「自然さ」という観点で自己チェックしないものなのだろうか? まあ、自然なところまでアリバイにスキを作ってしまうと、三原警部補が怪しさを感じなくなってしまい、アリバイ崩しができなくなってしまうけど。 さて、この「時間の習俗」の完成度だが、アリバイ崩しの推理小説なので、犯人の殺害動機やストーリー展開に付いてごちゃごちゃ言ってはいけない。という完成度だ。 アリバイ崩しも読み終えてしまえば「なーんだ」ということなのだが、読み進んでいるうちは、「ははーん、そうなのか」と三原警部補の冴えに感心してしまう。 最後までわからないのが「時間の習俗」の意味するもの。 習俗とは習わしなのだが、時間の習わし、時間の習慣。 時刻の推移に引きずり回される先入観に三原警部補が立ち向かったということなのだろうか? | ||||
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『店と線』でも活躍した二人の刑事が、 東京と九州で互いに探りあいながら、 最後はひとつの結論を導き出す魅惑的な展開。 読者にはいろいろなヒントを提示し、 とてもフェアーに話しが展開してゆくので、 最後の大団円に妙に納得してしまう。 素晴らしいアリバイトリックである。 そして、清張のタイトルの付け方に、 いつもうまいなぁと感心させられるのであった。 | ||||
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『点と線』で登場した三原警部補と鳥飼刑事が再び協力して、東京と九州にまたがる事件に立ち向かうという話です。松本清張にしては珍しく、社会派的な色彩は殆どなく、ひたすらアリバイ崩しに徹した作品となっています。ひょっとしたら彼は社会派というレッテルに抵抗感を持っていたのかも知れません。社会悪に対する糾弾や社会の犠牲になる人の悲しみといった要素を排除しても、松本清張は十分に読者を惹き付けることができるということを本作は立証しています。 犯人は殆ど冒頭近くから分かっているのですが、彼が考案したアリバイ作りはスゴいです。ひとつアリバイが崩れるとまた別のアリバイが現れるといった具合でなかなか破れません。他に犯人の候補が全くいないにもかかわらず、途中で「ひょっとしたらこの人は犯人じゃないのかな?」と思いかけてしまったくらいです。 | ||||
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