波の塔
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松本清張には珍しい、女性向きのラブストーリー。取り立ててどうこう云うものでもないが、最後まで楽しめた。この手の男女の禁断の恋を描いた小説は、井上靖の「城砦」「青衣の人」「猟銃」などを、昔、子供なのに背伸びして読んだ頃が懐かしく思い出された。やはりわたしの真の好みは、あくまでも「或る『小倉日記伝』」や「黒地の絵」などだが、それでも清張の違う面を知るのも、それなりに楽しみなものだ。それにしても、多彩な作家ではある。 | ||||
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有名な富士の樹海の最後のシーン気持ちに残った。(後編) | ||||
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・清張氏は詰まるところ、『設定』と『筋』の作家だった、の感を深くした。『心理』が足りないどころか殆ど描かれていない。故にこの作のような長編になると、内容が一向に深まらない。短編であれば、如何様にも読み手が埋め得るが、長編ではそれが出来ず、中身に引き寄せてもらえない苛立ちが、徐々に募り澱となって行き、最後は意味をなさない記述の果てに、肝心の『筋』さえ蕩けて、読み終えるのに努力を必要とした。「男と女の奥底に潜む心の機微を描いた数少ない作品で、政財界の汚職事件、予期せぬ破滅へのシナリオが加速していくサスペンス性が、いっそうの感情移入を促す傑作」との紹介文が空しく、気鋭の作家である富岡多恵子氏も、全集18の解説で「この小説の最後は、やはりナゾ」、「そのナゾを解くのは、多分読者である」と預け放っている。 | ||||
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この一年、松本清張没後30年ということで、改めて小説や映画を見直してきました。久しぶりだったせいか、それぞれの作品を楽しめましたが、私の中で深い余韻を残したのは、やはり映画「砂の器」と小説「波の塔」でした。特に本作品「波の塔」(上)(下)は、二度読みしてしまいました。 松本清張には珍しい恋愛小説ですが、文学作品としても、例えばあの川端康成の名作「伊豆の踊子」や「雪国」などと比較しても決して引けを取らない優れた作品になっているように思われます。 しかし、この小説、主人公の二人は不倫の関係という設定になっていますが、誰が見ても二人に対する情状酌量の余地が充分あり、しかも昭和35年という古い倫理観が圧倒的に支配する時代の中で、不倫という境遇から抜け出すために、二人それぞれが苦しみながらも勇気を出して懸命な努力がなされているわけですから、最後の結末がもう少しなんとかならなかったものかな、と残念な気持ちが残ります。 松本清張先生がこう書いてしまったのですから、今更何を言っても無駄ですが、愛読者からすると、この結末はないよな、と、ついつい続きのストーリーを空想してしまいます。こうした余韻が残るのも、また名作たる所以なのかも知れません・・・ | ||||
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この一年、松本清張没後30年ということで、改めて小説や映画を見直してきました。久しぶりだったせいか、それぞれの作品を楽しめましたが、私の中で深い余韻を残したのは、やはり映画「砂の器」と小説「波の塔」でした。特に本作品である「波の塔」(上)(下)は、二度読みしてしまいました。 松本清張には珍しい恋愛小説ですが、文学作品としても、例えばあの川端康成の名作「伊豆の踊子」や「雪国」などと比較しても決して引けを取らない優れた作品になっているように思われます。 しかし、この小説、主人公の二人は不倫の関係という設定になっていますが、誰が見ても情状酌量の余地が充分あり、しかも、昭和35年という古い倫理観が圧倒的に支配する時代の中で、二人がそれぞれに苦しみながらも不倫という境遇から抜け出す懸命な努力がなされているわけですから、最後の結末がもう少しなんとかならなかったものか、と残念な気持ちが残ります。 まあ、松本清張先生がこう書いてしまったのですから、今更何を言っても無駄ですが、幸いなことに、本作品の最終の数ページは、他の作品のように「終わり」「FIN」の文字が目に浮かぶようなバシッとした終わり方にはなっておりませんので、ついつい続きのストーリーを空想してしまいます。 異変に気づいた旅館からの要請で夕刻に始まった捜索、見つかった頼子を手当てした医師の「軽い薬だったし、飲んだ量がそれほどでもなかったのが幸いした。それにしても本当に危なかった…… 」というつぶやき、故郷に戻って心身をいやしながら過ごす頼子、ある日散策に出ようとした頼子は門前にたたずむ一人の男の姿を見て立ちつくす、「ここを捜すのに時間がかかってしまって……約束どおりお迎えに来ました。」、古い家並みが続く静かな通りを歩きながら尽きないお互いのその後の話、「実は京都の法律事務所を手伝わないか、という話をもらっています。京都ならここから通えますし、この古い街が気に入りました。住んでみようかな・・」と小野木、一年後、小野木は佐渡島の遺跡を再び訪れる、遺跡発掘の若い研究者二人との再会、小野木の連れをみて「そちらは、もしかして…」と尋ねる二人、しっかりとうなづきながら「はい!」と答える小野木、とまあ、こんなストーリーを考えてみましたが、如何なものでしょうか・・・ こうした余韻が残るのも、また名作たる所以なのかも知れません。 | ||||
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