象の白い脚
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書評:松本清張『象の白い脚』――時空を超える筆致と未完の真実 松本清張の小説『象の白い脚』は、55年前のラオスを舞台に繰り広げられる重厚な物語だ。現在私が住む町の過去を切り取った本作には、驚くべき「空気感」が宿っている。55年という歳月を隔てながらも、松本の筆は時間の壁を溶かし、読者を古きラオスの街角に引きずり込む。湿度を孕んだ空気、喧騒と静寂が交錯する街並み、政治と文化の狭間で揺れる人々――それらが緻密に描かれ、まるで自分自身がその時代を歩いているかのような錯覚に陥る。 しかし、物語が核心に迫るにつれ、読者はある種の宙吊り感を覚えるかもしれない。事件の真相は徐々に浮かび上がりながらも、完全には明かされず、すべてのピースが綺麗にはまることはない。ある種の「未完の美学」とも取れるが、明確な結末を期待する読者には物足りなさが残るだろう。それでも、この未完の余韻こそが、松本清張の持ち味なのかもしれない。 さらに、本作にはもう一つ興味深い側面がある。それは**「青年海外協力隊」**に対する辛辣な視線だ。当時の国際協力のあり方やその現地での存在意義が鋭く問われる場面が散見され、現代の読者にとってはやや刺々しく感じられるかもしれない。この点は小説世界にリアリティを与える要素ともなっているが、同時に賛否が分かれる部分でもある。 それでも、55年の時を超えてなお、本作が持つ力強さは色褪せない。ラオスという異国の地を背景にしながら、人間の業、真実への希求、そして歴史の影が静かに、しかし確かに息づいている。未完の真実に悶えることすらも、一つの文学的体験なのかもしれない。 | ||||
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奥深い時代背景と人間模様の描写に痺れました。他作と変わらずやるせないエンディングの真骨頂に魅せられる読書感が大好きです。 | ||||
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この御時世なので、「屈折回路」を読みたいと思い、 また「象の白い脚」と「砂の審廷」も同冊になっていて一緒に読めるので この本を購入しました。 日本で昭和35年、1960年に実際に大流行したポリオを題材にしたもので、 「私」が抱いた疑問を調査して歩くのですが、 北海道から始まった点も実際をモデルにしており、リアリティがあります。 登場するサブキャラが、実は後半のキーパーソンだったりして、 展開に意外性がありました。 最後の「第五章」は、驚くべき急展開でした。 | ||||
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松本清張は昔随分と読んだ。(しかし、彼の作品を全部読むということは、熱狂的なフアンなり研究家以外では不可能であろう。あまりに多作だから。) この度、ラオス絡みでこの作品を読んだが、短時間の情報収拾でよくもここまで当時のラオスおよびインドシナの状況を取材できたと、改めて清張の天才ぶりを思い知らされた感じだ。話も面白い。シモーヌとの絡みを一行で言ってのけるところ、谷口の末路をサラッと述べるところ、やはり清張の切れ味を感じないわけには行かなかった。 面白すぎてあっという間に読めてしまった。 | ||||
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もう廃刊になっているので手に入れて嬉しいです。私が5年前にヴィエンチャンで宿泊したランサーンホテルが出て来ます。 | ||||
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