屈折回路
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昭和30年代に日本で実際に起きたポリオを題材にした作品で、 このご時世なので、参考にしようと選び、 ポイントにアンダーラインを引きながら読もうと、文庫本を購入しました。 同じ見開きの、第四章の最後が右ページ、第五章の冒頭が左ページで、 この二つは同時に目に入らない方がいいので、 ページをめくって初めて第五章が目に入るレイアウトもいいのかな、と感じました。 | ||||
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この御時世なので、「屈折回路」を読みたいと思い、 また「象の白い脚」と「砂の審廷」も同冊になっていて一緒に読めるので この本を購入しました。 日本で昭和35年、1960年に実際に大流行したポリオを題材にしたもので、 「私」が抱いた疑問を調査して歩くのですが、 北海道から始まった点も実際をモデルにしており、リアリティがあります。 登場するサブキャラが、実は後半のキーパーソンだったりして、 展開に意外性がありました。 最後の「第五章」は、驚くべき急展開でした。 | ||||
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思っていたよりとてもきれいでした。本は書き込みとかなければ読めればいいと私はおもってます。一冊でいくつかの作品を読めました。 | ||||
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『文学界』に1963年3月号から1965年2月号まで連載されたが、単行本化は12年後の1977年7月。 松本清張の筆力がやや衰え、量産できなくなった時期に刊行された、過去の失敗作の1つである。 九州の衛生試験所に勤務していた従兄が、突然自殺した背景には、何か大きな陰謀が隠されているのではないか。 その疑惑に取り付かれた東京の有名大学(モデルは立教大?)の英語講師は、休職願いを出し、個人的な追求を始める。 主人公の頭の中に浮かんできたのは、隠された、恐ろしい謀略であった。 ・戦時下に731部隊として細菌戦の研究をしていた面々は、昭和30年代の後半には大手製薬企業(例:ファイザー製薬の日本法人)の重役におさまっている。 ・今も米国の指示で、中国や北朝鮮や東南アジアでの使用を想定した細菌兵器の研究が続いており、日本の農村地帯でその実験が行われている。 ・たとえば昭和35年に北海道の夕張地方で突然ポリオが大発生したのは、細菌兵器の実験だったのだ。 このような謀略説を小説の形で表現するにあたって、作者の頭に浮かんだのは、黒澤明監督作品の映画『生きものの記録』(1955年)だったのではあるまいか。 あの映画では、核戦争の恐怖に取り付かれた男が精神的におかしくなっていくが、こちらの小説では、細菌兵器の妄想に取り付かれた男が、次第におかしくなっていき、最後には破滅する。 その破滅に至る過程を描くのに、従兄の妻との肉体関係を設定したのが、この小説の大きな失敗だったと思う。 主人公の男は、従兄の自殺の報を受けて、遺された妻子の家に弔問に行った時から、妻の身体ばかり見ている。 妻の方もその気になったのか、主人公が親から受け継いだという遺産の額が大きいと誤解したのか、簡単に身体を許し、あとはダラダラとした関係が続いていく。 黒澤映画なら『悪い奴ほどよく眠る』(1960年)のような展開を範として、従兄を謀殺された復讐心や一種の正義感から、巨悪に立ち向かい、敗れて破滅に追いやられる話なら、まだしも主人公に共感できるのだが。 残念ながら、従兄の妻との愛欲におぼれた挙句、嫉妬心から次第に世間一般に対して猜疑的になり、妄想を膨らませて自滅したようにしか、思えない。 これでは、謀略説にも、何らの説得力がなく、読んでいて索漠とした思いしか残らない。 あるいは、主人公を作者の分身である作家とし、九州時代の知人の自殺を聞いて、あれこれ調べるうちに疑惑を抱くのだが、さてどのような形で発表したものかと悩むところで終わる形でまとめれば、半分の分量の、引き締まった構成の中篇になったはずである。 着想は面白いのだが、小説化には大失敗した作品だと思う。 なお、この作品中に出てくる、1937年に大牟田市で起きた三井三池染料工業所の大爆発事故と、その直後から発生した集団赤痢感染に関する謀略説については、清水一行が小説『毒煙都市』を書いている。 こちらの方が、小説としては、ずっとよく出来ていた。 | ||||
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大変面白かった。個人読書履歴。 一般文学通算39作品目の読書完。1973/10/15 | ||||
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