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あなたが消えた夜に
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あなたが消えた夜にの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全50件 41~50 3/3ページ
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本書の紹介等から警察小説やミステリーを期待して読むと、後半やや期待外れの感じがします。三部構成となっており、第一部は通り魔事件が発生し、それを所轄と捜査一課のコンビが追う展開でミステリー色は満載です。 第二部に突入しても、事件は意外な広がりを見せ真相そのものに興味がそそられます。しかし、第三部では世界が一変し、ミステリーでは無く、男女の愛や心の闇が、それも意外な人物から語られます。 それが非常に濃密で、事件の奥深いところに繋がっていくので、まさしくミステリーと純文学の融合になると思います。 | ||||
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この作者の作品を読むと、いつも息苦しさを感じてしまう。 今回も、読み終わるとやりきれなさが残った。 生きること、生きていくことの難しさ。 生きにくいのは、世の中(環境)のせいなのか?本人のせいなのか? なぜこうなってしまったのか?分岐点は、選択肢はあったのか? 登場人物たちは振り返る。 「あなた」が消えた後、どうすればよかったのかを。 起こった事件の背景には、心の闇がある。 事件を追う側にも少なからずの闇がある。 いくつもの闇が交錯し、また新たな事件へとつながっていく。 複雑に絡み合ったストーリーのうえ、なかなか共感しづらい登場人物が 次々と登場するので、読み進めるのに時間がかかった。 息苦しい作品の中で、女性刑事の個性的なキャラが救いであり、 ラストシーンに「これから」を予感できて、ホッとした。 | ||||
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話の展開に途中までは引き込まれましたが、後半の内容には不明でした。 気持ち悪いです。繊細な人にはあまりお勧めしません。 | ||||
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途中の人物描写で気持ち悪くなった。 最後まで読んで少し良くなったが、あまりお勧めしない。 | ||||
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読んだ。読み終えてしまった。 濃厚・濃密な時間が終わってしまった。 この作品の空気とか雰囲気に飲み込まれる時間が終わってしまった。 帯のコトバを借りる、「圧倒的人間ドラマ」でした。 これはすごい作品に出会ってしまった。 ただの人間関係を描いたものではない。 それらの背景にある登場人物の内情を精緻に絡ませたまさに「圧倒的人間ドラマ」。 今の小説の最高峰ではないか。 オンリーワン。他にこんな作家はいない。 | ||||
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ミステリー読者ですが、この作者の著書は初めて読みました。 はっきり言ってよくわかりませんでした。 まず文体が特徴的なのか、何度か読み直さないと意味が掴めません。(これが純文学の文体?) 次に登場人物にもあまり実態感がわかず、感情移入出来ません。(実際こんな刑事さすがにいないでしょうし、加害者、被害者の言動にもまったくついていけません。)そして、ミステリー仕立てにしようとしたのでしょうが、謎を謎らしくみせようとしすぎで、かえって解決後のすっきりした感じがありません。 主要登場人物と脇役程度の人物が同じ重さで書かれていることも、誰が何をしたのかが分かりにくくなってしまっているようにい思えます。 他のレヴューを読んでもこの筆者のファン向けと思われます。 馴染みのない方には、この値段ではお薦めしづらいのでは? | ||||
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読み終わって表紙をながめて慄然とした。タイトルの「あなた」とは誰を指すのか。自分と同じような疎外された境遇に育ち、心を通わせられるこの世で唯一の人。わが身以上に大切に思える「あなた」に出会って、ふたりだけの愛をはぐくんできた。その「あなた」が突然この世から姿を消したときに、「私」の世界は音を立てて崩れていく。「私」は苦しみの底で狂気を帯びて彷徨うのである。 地方都市で殺人事件が起きた。コートを着た男が目撃されている。それを追うのは所轄警察署の中年バツイチ刑事と警視庁の特捜部から来た若い女刑事のペア。2人はちぐはぐなやりとりを交わしながら犯人に迫っていく。しかし、犯人を捕えたと思ったら、さらに大きな謎が立ちふさがった。コートの男は各地に現れ、模倣犯が捜査を混乱させる。自殺した医師が犯人しか知るはずのない情報を知っていた。めまぐるしい展開に読者は翻弄され、必死に追いかけるしかない。 後半に、傍流にいた意外な人物の突然の独白が始まる。この語りが本作品のクライマックスであろう。社会から疎外されて堕ちた底で結び付いた二人が、お互いを傷つけ合いながら歪んだ愛を生きようとする。家族に捨てられ、人に裏切られ、愛する人を失い、神を見失った彼らが、狂気に捉われて殺意を抱いたとしても誰が彼らを責めることができようか。人間には自分で自分をコントロールできない無意識の行動がある。人間存在の深みを描く、切なくて、哀しい物語である。 中村文則氏は「読者を異世界へ連れていく際に、警察ミステリーは有効な方法だと思います。人間の内面描写と謎解きを一体として書きました」と語っている。つまり、人間ドラマの手段としてミステリーを利用した作者は言っているのだが、この作品はミステリーとしても高い完成度を示している。前半に多数の登場人物と説明のつかない事実を次々に並べて読者を混乱させる。後半に犯人の独白で原因から結果を解明し、無関係と思われたばらばらの人物と事実が一本の線でつなげる。見事な手腕である。 作品は、現代社会の影に生きる薄幸の人々の崩れていく様を描いて究極の愛の姿を提示する。死も殺人も超越する狂おしい愛の結末を読者の眼前に突きつける。その愛を求める気持ちは、犯人を追う刑事の内面にもいつしか芽生えているのだった。ラストの携帯電話の震えの意味するところは重大である。読者はタイトルの「あなた」とは誰であるかを考え、自分にとっての「あなた」に思いをめぐらすだろう。 | ||||
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― ある町で突如発生した連続通り魔殺人事件。所轄の刑事・中島と捜査一課の女刑事・小橋は“コートの男”を追う。 しかし事件は、さらなる悲劇の序章に過ぎなかった。 “コートの男”とは何者か、誰が、何のために人を殺すのか。 翻弄される男女の運命。神にも愛にも見捨てられた人間を、人間は救うことができるのか。 ― 帯裏解説文より 心に闇を抱えた30代半ばの冴えない刑事中島と、独特の雰囲気を持つ若手女性刑事小橋を主人公に据えた著者初の警察小説。 ストーリーは小さな町に突然起こった連続通り魔事件とその犯人である“コートの男”の謎を主軸として進んでいきますが、徐々に事件が解決に近付くにつれて、隠されていたもう一つの悲話が浮かびあがる・・・とまあ、かなり大雑把にいうとそんな感じです。 ネタばれしてしまっては面白くないのでこの辺でやめておきますが、ここで特筆しておきたいのが主人公の相方として登場する女性刑事小橋さんについてです! 凄惨で悲壮感の漂う展開のなか、絶妙な間で繰り広げられる中島と小橋さんの漫才のようなやりとりには失笑必死(!?) 上昇する二匹のウナギ・・・ 奇跡のようなせんべい・・・ ソバと炭酸飲料・・・ 世界平和パフェ・・・ そして、「みにょ」・・・ 「教団X」でもその片鱗がちらっと見えていましたが、本作ではなにかがふっ切れたように著者独特のユーモアセンスが弾け飛んでいます。 まさか中村作品でここまで笑わせられる日が来るとは、嬉しい誤算です。 これまでの作品では見られなかった展開だったのでファンにとっては賛否が分かれそうですが、個人的には大歓迎なのでぜひとも次回作以降の小橋さんの再登場を望みます! と、なんだか小橋さん推しのレビューになってしまいましたが、作品全体としてのテーマとしては「人が人を殺すとはどういうことなのか」、あるいは「罪と罰」、「神の存在」といったこれまでの著者の作品のなかで繰り返し語られてきたことが違った角度から照らし直されており、胸の底に残る重厚さがありました。謎が明らかになっていく過程など非常に引き込まれるものがあり(ミステリーに関しては詳しくないので他の作家と比べてどうなのかよくわかりませんが)、それなりの分量も全く気にならず作品世界に没頭できました。 事件の真相に触れた手記の部分では読んでいて少々つらい箇所もあり、万人に勧められる内容ではないかと思い☆は4つにしましたが、改めて中村文則の小説のファンでいてよかったと、感じることのできる作品でした。 | ||||
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デビュー作からの大ファン。 簡素ながら練りに練られた短文が完璧なまでに整然と並ぶ。 言葉の選び方、心理描写、ひとつひとつに感嘆しつつ しかし突然、その中のあるフレーズが本の頁からふわっと浮き上がって、 心の奥の深く深くにすっと入り込み、言葉にできない感動が広がる。 そんな体験を味わいたくて、彼の作品を読み続けている。 だから、純文学からミステリーに路線が移っても気にしなかった。 彼が書くものなら、ファンタジーだろうが構わない。 ただ、近年の作品に関していうと、純粋にミステリーとして読むには、 そこまで面白くなく、彼の真骨頂である”簡素な短文の味わい”もキレがいまひとつ、 どっちつかずで中途半端なイメージが先行してしまっていた。 新たな高みを目指して、ものすごい試行錯誤を繰り返しているようにも感じられた。 そういう観点から言うと、この作品はひとつの到達点に着いたと言えるのではないだろうか。 ミステリーと純文学がバランスよく見事に融合している。 第二部の最後など、続きが読みたくてたまらなくなるミステリーの痛快さあり、 中村作品独特の(太宰っぽい)ユーモアも満載であり、 力強くブレのない筆致で描かれる登場人物の心理描写には、 (私が彼の作品を読み続けている理由でもある)心の奥深くにすっと入ってきて、 じわじわと大きく広がっていく感動と共に何度も涙ぐんだ。 ”共に生きましょう”という彼の言葉がすごく好き。 最後にひとつだけ、気になることを・・・。 どの作品からかあまり記憶にないのだけれど、 ”圧倒的”という修飾語をよくお使いになられます。 最初はすごくピッタリの表現だなと感じましたが、 あまりに多用されるので、感動が薄らいでしまいました。 この作品では、前半に全くその言葉が使われていなかったので、 ちょっと期待したんですけど、後半、結構連発してましたね(笑) 次回作で新たな表現に期待します! | ||||
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中村文則氏の世界にどっぷりとはまった。。 どこからか、霧か、靄が湧いてきて取り囲まれてしまったような。 連続殺人事件に取り組む中年バツイチ刑事中島と、優秀な若い女性刑事小橋。 アウトローの立ち位置で、事件に取り組み始める。 犯人の特定に至る過程で、描き出される中島、小橋が大変魅力的。 人間の持っている闇であったり、弱さであったり、逃れようのない環境に適応できずにいる人々の心中が、気持ち悪くなるほど、丁重に描き出される。 作家というものは、とんでもない人種だ。 文中の太字になっている部分が、他の部分となぜ分けてあるのか、ちょっと気になった。 どこかで、作者が発言しているか、探してみたいと思っている。 | ||||
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