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あなたが消えた夜に
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あなたが消えた夜にの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.46pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全29件 1~20 1/2ページ
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第一部•第二部は極上のミステリ。第三部は純文学の趣きがあり、ドストエフスキーの「罪と罰」に登場するラスコーリニコフの独白を聴いているような気分にさせられる。ところで中島刑事のトラウマについては、どうなったんでしたっけ? | ||||
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めちゃくちゃやられた面白い 持ってかれる | ||||
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最初、ミステリーだと思って読み始めたら、警察内部のヘゲモニー争いが登場して「おや、これは警察-組織を描く小説なのか」と思ってさらに読むと、最後の3分の1は登場人物の独白で、そこには無意識やら洗脳やら人間の本性やら贖罪やら復讐やら神やらが登場する。 そういう構成を「面白い」と思うか「破綻している」とみるかは人それぞれだろう。私は、面白くないこともないが、独白がしつこ過ぎてバランスを欠くと感じた。 主役(?)である「所轄」と捜査一課の刑事コンビは魅力的。 | ||||
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この作者の作品は『教団X』から立て続けになる。 前作もそうだったが、この作品も不思議な読後感がある。 ジャンル的には警察小説になるのだろうが、登場する男女2人の刑事の会話が、斜めにずれている感じが不思議だ。 どんでん返しがかなり錯綜して織り込まれているし、一時流行ったメタミステリーのようでもあるし、心理ミステリーのようでもある。 刑事のトラウマが頻繁に出てくるが、最後にはあまり関係なくなってしまう。 収束しているのに拡散していく・・・。 読後感としては、そんな表現になる。 そんなところが、この作家が世界で注目されている理由なのかもしれない。 | ||||
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珍しく自我を抑えた文章だと思いました。どこかに宮部みゆきさんを意識したような構成かな。 彼が描く残虐性にはいつも戸惑ってしまうところがあります。 | ||||
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作者の作品は初期のものを何作か読んでいて、ミステリを書くなんてどんなものなのかと最初は二の足を踏んでいた。読み始めると主人公の刑事と女刑事がギャグっぽい会話をするから「え、これ本当に中村文則?」とびっくりしてしまうし。しかし読み進めていくとやはり中村作品というか、賛否両論あるようではあるけれど、自分は人間の暗い面をこれでもかと掘り下げていく後半の展開は胸に響いて印象的だった。人間はどこまで落ちることができるのか、踏み外すとどこまで狂ってしまうのか、その先には破滅しかないのか、まったく救いはないのか、そういうことが追求されている感じがして自分は傑作と思った。「あなた」はきっと登場人物それぞれに存在するんだろう。 | ||||
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文則さんの作品なので、基本的に暗い雰囲気の流れており捻くれた作品です。(そこが好きなのですが) 最初の辺りで連続的に起きる事件は複雑で、頭の整理をして読まないと関係性が分かりにくいですが、後半での回収はしっかりしていて美しいのでよく構想が練られたストーリーであると感じました。後半に行けば行くほど面白いので、1日の読書時間は徐々に増えたほどです。 彼の作品を全て読んだわけではないですが、個人的に1番楽しめた作品でした。というか、ここ数年で読んだ書物の中で最も個人的にドンピシャでした。 | ||||
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「教団X」と同時進行で書かれていた新聞連載の作品。 しかも、著者初の警察小説ということで、非常に期待して読み始めた。 本作品においても著者独特の歪んだ愛を持った男を描いており「遮光」と通じるものがある。その狂気は並みの作家では思いつかないような思考と行動を伴い夢中で一気読みした。また、警察の捜査における男女の刑事の会話にはがユーモアがあり、(暗い作品の多い)著者の作品では珍しい。 作品を読了した後には毎度のことながらぐったりするような気持になった。 歪んだ愛の形や想像もつかないような悪意を持った人物を描かせたら著者の右に出るものはいないと思った。 ボリューム感のある作品であったことから読了には3日間程度を要し、その間は他の本は全く読めなくなるような内容であった。 本作品は読み始めたら間をおかずに一気読みしないと、登場人物が多いこともあってストーリーが分からなくなるかもしれない。 著者のファンなら十分満足のいく作品だと思う。 | ||||
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中村文則さんの本は何冊か読んでいます。 「あなたが消えた夜に」は殺人事件の謎解きが主体の小説なのだろう、そう思って読み進めていたら、犯人の手記が出てきたあたりで、読んでいる自分に犯人の想いが侵食してくるような気分になりました。 ただ謎を解決して終わりという普通の展開ではなく、中村さんらしい人間の心の不安定な部分や闇を、これでもかというほど表現されています。ただ、最後の方はずっと犯人の手記が続くので、もう少し主人公の中島さんを出して欲しかったなと思いました。最後犯人に全部持ってかれれた感じがして、中島さんのそれまでの努力が~!と悔しくなりました。全体的に暗いお話ですが、主人公のパートナー、小橋さんがほんわかした行動や発言をしてくれるので、暗くなり過ぎずバランスが取れていると思いました。世界平和パフェ、食べたいです。 | ||||
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なるほも(あなた)とはそういう意味だったか。長いが挫折しなくてよかった。 前半は二人の刑事コンビが上司との確執の中で超能力?を発揮して核心に迫っていくが真相は不幸な人間たちの中でも途轍もないサイコパスの犯行だった。しかも偶然と人間模様の4方向からの迷彩で刑事との恋愛まである。なんだか書き溜めた複数のプロットを作者が詰め込んだ感じ。 最後にタイトルが二重の意味を持つが異常者の心理をもう少し丁寧に書いて欲しかった。ミステリーとしては一級、ドラマ化が楽しみである | ||||
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ミステリー小説として読むのが正しいのであろうが、殺人の心理に注目すれば純文学作品としても読める。 複数の殺人事件とその関連性が掴みにくい。登場人物の関係性が読んでもよく分からない。本書は少なくとも二度は読みたい本だ。 いまだによく分からないのだが、著者は殺人の動機として、人間本性に根差す「性」を主題にしたかったのではないか? 次回作の『その道の先に消える』に通ずるテーマがこの複雑な内容を持つ作品にあると思われる。疲れるのを覚悟でこの作品を読んでほしい。ファン必読の作品だ。 | ||||
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いく人かの、登場人物が、話の中で、複雑に絡み合う、すこし、難解な、ストリーだが、読み進めるうちに、コートの男が誰か・・・・・・、興味が尽きなくなる、面白さ、物語の複雑さが、作品に、重厚さをつける。 | ||||
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新聞に連載されていたときに本当のリアルタイムで読んでいました。 当時は一日ごとの展開なので、複雑な関係を理解できなかったのですが、今回文庫本(気になった作品は文庫化されるまで購入を待つ主義です)で一気読みして、ようやく事件のすべての概要が理解できました。 ・・・もしかして俺ってアタマ悪い? で。この作品を読み進める原動力(個人的に、ですよ)は、主人公の相棒、小橋さんです。 所轄の刑事である主人公(推定35歳、バツイチ独身男性)につけられた警視庁捜査一課の小橋さん(推定25歳、女性)。捜査の際、所轄と警視庁捜査一課とがコンビになるらしい。 この小橋さんの容貌、ほぼ最初に主人公の口から「美しい」と形容されてます。読んでいるうちに他の登場人物の証言からも、美人さんなのが間違いないことが確認されます。 で。この小説自体はすごく込み入った、わかりにくい、でも気づくと理解できるんですが、そこに小橋さんが入ることで、いい緩衝材になるんです。重い事件を扱っているのに、小橋さんの言動で笑える(いや、本当に)。 途中、小橋さんが結構長く出てこない場面がありますが、それは別の興味をかきたたせるので、読み進むのに支障はありません。でも、小橋さんが戻ってくると、ほっとするんですけどね。 というわけで、僕は新聞連載中、小橋さんに恋をしました。 小橋さんに再会したいがために、この文庫本を買いました。 しかしね。「おまけ」も含めて、小橋さんは中島(主人公)のことをどう思ってるんでしょうね。そこらへんの小橋さんのわからなさが、逆にこの作品の良さなのを認めるのがつらい。 | ||||
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長い語り(独白の部分)がとにかく圧巻で、非常に引き込まれる。 全編通して感じたのは、文体や語り口の変化が乏しいかな。登場人物の語りがどうしても人物を通してというより完全に作者が語っている印象になってしまい、内容は魅力的なのに少し感情移入しづらいと感じた。 人物それぞれの人柄に応じた細かな言葉遣いの使い分けがとても甘いと感じる もう僕を味わうな、この表現に絶望感の至高の到達点をみた 中島と小橋さん人柄の成り立ちや二人の関係性をもっと緻密に描いて欲しかった。 とくに二人の言葉遣いから些末だが不自然なアラというか違和感が目立つ かわいい、茶目っ気がふっと和ませてくれる。ただキャラクターの設定にムラがある 性格というより変に意味もなく失礼なこといったり、無意味に思える言動が目立ってそこは少し不快。 口癖であるほお、とか、序盤で中島に食ってかかるときとか、それにはちゃんとした理由があったんだと思わせてくれるような描写が欲しかった 中盤でお互いが子どもの頃のことを打ち明ける機会があるんだけど、 そこで2人の抱える問題は安易に片付けた感がある。 とくに中島の過去は何度も現在に割り込んで彼を苦しめる 事件全体と絡めて終盤で彼の心情やトラウマがどのように変わっていくのかをもっと丁寧に描いて欲しかったと思う だけど、人の暗部に迫る心理描写や出来事を紐解く圧倒的な描写には非常に満足できました。 謎を解いて犯人を特定するだけのミステリーだったらさほど読みたいと思わない 、犯人がなぜ、どうして、そこに至ったのか、それを余すところなく伝えてくれたことで作品への根本的な満足感は充分すぎるほど得られた。 | ||||
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芥川賞受賞の人気作家・中村文則さんの長編作品。話題作『教団X』発表後、最初に出版された単行本になります。 まず読んで思ったのは、以前中村さんが書かれたミステリー小説『去年の冬、きみと別れ』に少し似ているなということでした。本作も犯人を追う人間の視点と、犯人の視点(手記)が混在したミステリーだったからです。 主人公は警察の刑事。昔の作品とは違い、今度は追い詰める方が主役です。彼は謎の連続通り魔〈コートの男〉の捜査を、相棒になった警視庁捜査一課の新人女性刑事と共に担当します。 大勢の読者が対象の新聞連載だったこともあってか、相棒の女性刑事はキャラクター小説風の天然ヒロインになっています。これは、初期からの読者からすると信じられない作風の変化だと思います。 一方で、新しさが加わっていると思ったのは、警察という大きな機構を扱うことで、無数の人間の利害の交錯する組織という存在を描いている部分でした。(作中に何度も『システム』という言葉が出てきます) これは作者の問題設定が、個人から社会へ変わっている証拠かもしれませんね。 全体としては、軽い文章のミステリータッチの作品でとても読みやすかったです。でも、初期作品のファンとしては『銃』や『遮光』が少し懐かしくもありました。 しかし、物語後半の、真犯人の男が発狂してゆく様を描いた手記の部分はさすがですね。 やっぱりいつもの暗黒な中村さんだな、と納得しながら手記の章は一気に読みました(笑)。 ミステリーのエンタメ性と純文学のハイブリッドという、日本ではあまり書かれない、とてもユニークでおもしろい作品だと思います。 中村作品をまだ読んだことのない、でも純文学は気が進まないというミステリー好きの人は、イヤミス感覚で読めるのではないでしょうか? | ||||
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『あなた』の正体がわかったとき、グレアム・グリーンの『情事の終わり』(超名作!)で謎が解けたときに感じたのと同じ、驚きと喜びを覚えました。 純文学のようであり、上質のミステリーであり、恋愛小説のようであり、どれにもひとくくりにできない。中村文則作品としか言えない。 人物一覧でいちいち確かめないと覚えきれないほど登場人物が多すぎて、そのたび読書が中断されてしまったのが残念でマイナス1。 | ||||
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推理小説、ミステリー小説好きなので、純文学と知りつつついつい読んでしまいました。 純文学としての評価はどうなのかわかりませんが、ミステリーとしては十分楽しめました。 | ||||
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一気に読み終わった後、表紙の模様が「火を点けて燃やして、端が焦げてしまった紙」のように見えました。 この表紙デザインは、椎名めぐみの墓の前で燃やされた二冊の手記と関係あるのでしょうか? もしかして「あなた」は、神ですか? 本文中に何回も登場する「太字のセリフ」を語る人、「あなた」なんでしょ?神さま。 「黙れ」 そういうセリフは、神さまからしか出ない言葉。 昔はホステスだった、今は痴呆の椎名啓子、めぐみの母が言うセリフではないです。 目撃者は「コートの男」と言いました。しかし「コートの女」ではないとする根拠はありますか? いったい「コートの男」とは、誰なんですか?最後まで読んでもわかりません。 刺す相手は誰でもいいのが「通り魔」なので、この本の殺人を「通り魔」の犯行と決めつけた理由は、何ですか? 『罪と罰』のポルフィーリイのような名探偵は現実にはいない、と著者は言います。 著者なら、そのような万能の名探偵を簡単に創り出せるじゃないですか? 本書末尾で、その名探偵に、犯人は「あなた」だ、と言わせてほしい。 ラーストシーンで科原さゆりの最後の言葉。「携帯電話をつかみ、震える声で電話に出た。」 なんなん、こんな終わり方。新しい小説の「始まりのセリフ」でしょうが。 本署をすっきり終わらしてほしかった。 本文で、旧約聖書の「生きよ」という一節を引用し、あとがきで「共に生きましょう」と書く著者の意図は、何ですか? 「書く」ことは罪ですか?「書く」ことの罰は何ですか? 本書を読み終わったボクの、こんなにも、たくさんの疑問。 自分なりの「答え」を探して、本書を再読中。 追記: 原作で、新聞の挿絵を描いたゴトウヒロシさんをインターネットで検索して挿絵を見ました。本書のあとがきに「絵に感化されて書いたシーンもあった」と著者が書いていたからです。確かに、挿絵というやつは、原作者のイメージにかなり影響するだろうな、と納得しました。実際の捜査では、犯人像から人相書きを描くことがありますが、かなり危険なことです。犯人を取り違えるリスクがあるし、真犯人を取り逃がす可能性があるからです。この意味で、本書から挿絵を削除したことは賢明だったと思いました。 | ||||
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罪と罰のような話。 難しいテーマを複雑な構成で深く、でも分かりやすく書かれています。 ミステリー仕立てがなかなかうまく生きているのではないでしょうか。 昔から今も、こういう小説が読みたいんだよなあとあらためて思いました。 伊坂幸太郎さんや角田光代さんとどこか共通するものを感じます。 | ||||
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前半までは、「これは本当に中村作品なのだろうか」と、不思議に思いながら読んでいたが、 後半……「来たー!」(笑) これぞ中村文則!一気に読んでしまった。 中村さんの自問自答を繰り返す独白が大好きだ。胸の奥のどろどろしたものを全て掻き出してくれているようで、すっとする。 読み終わったあと、心が洗われたような気分になる。 こんな自分も歪んだ人間なのだろうが、中村作品を楽しめる自分で良かったと思う。 小橋さんも良い味出してる! こんな作家がいてくれることに感謝。 | ||||
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