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薔薇の輪



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【この小説が収録されている参考書籍】
薔薇の輪 (創元推理文庫)

薔薇の輪の評価: 4.11/5点 レビュー 9件。 Cランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.11pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全9件 1~9 1/1ページ
No.9:
(4pt)

錯綜するプロットをさばく手腕は健在

著者晩年の作品だが、本格ミステリのしての切れ味は抜群。

ストーリーが進むにつれて事件の全貌が徐々に明らかにされていくが、それでも最後の最後まで真相を読者に見破らせない手腕はさすがの一言。

少し前に読んだ「疑惑の霧」よりも好みです。
薔薇の輪 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:薔薇の輪 (創元推理文庫)より
4488262031
No.8:
(3pt)

面白かったのですが・・・

なんとなく最初の方で、筋が読めてしまったのですが、解決に至る過程を楽しむような作品なんでしょうか。
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4488262031
No.7:
(3pt)

「驚愕の結末」に惹かれたが・・・力量は感じる

正直、この作者については、イギリス好きの私が何故だか知らなかった。
アガサ・クリスティと比較されているようだが、プロットの構成とかがまったく違うと感じた。
「驚愕の結末」に惹かれたが、以外とそうでもなく・・・
プロットは上手いのだが、若干しつこい部分があるのは否めない感想。(特に警部・・・)
ゴーストライターというよりゴーストパーソン、でもないのかな・・・

でも、公衆電話を多様している点を含めて、現代に読んでも違和感を感じないのは、作者の力量でしょう。
薔薇の輪 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:薔薇の輪 (創元推理文庫)より
4488262031
No.6:
(4pt)

期待したほど「驚愕の結末」ではありません。(ネタバレ有、要注意)

クリスティと並ぶミステリーの女王ブランドの本邦初訳作品。
 障害のある我が娘についてのエッセイを新聞に連載することで人気を博した女優がヒロイン。しかし、刑務所に服役中だった夫が、病気のため恩赦で釈放され、娘に会いに来た。そして夫は死亡し、手下が殺され、娘が行方不明になり、捜索が行われる。
 当方がミステリーのドンデン返しに慣れてしまったせいか、帯カバーの「驚愕の結末」という言葉は空しく響く。
 いくら探しても娘は発見されない。となると、「そんな娘、本当にいたの?」と考えるのは普通じゃありませんか? しかも、「みんながあの子を探している間はこっちは安全だ」というヒロインの独白があるのだ。
 多分ブランドがこの作品を書いた頃は、まだ「驚愕の結末」として十分通用したのだろうが、残念ながら、現代ではあまりにどんでん返しが多すぎて、もうこの言葉はこの作品にはふさわしくありません。初訳が遅すぎたということです。
 でも、ヒロインと秘書、娘を預かっている夫婦の心理描写、真実を悟らせまいとするセリフのやりとりなど、読み応えがあるから、星四つにします。
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No.5:
(4pt)

まあまあですね☺

面白いと思いましたが最近読んでいる方が私的にはハマってるという感じです。もっと昔によめたらよかったです。
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No.4:
(5pt)

壮大化したゴーストライター事件の顛末。ブランドの本格長編ミステリー、11年ぶりの本邦初訳

ブランドの1976年刊行(メアリ・アン・アッシュ名義)の本格長編ミステリー。ブランドの長編小説としては、昨年の「領主館の花嫁たち」に次ぐ、本格長編ミステリーとしては「暗闇の薔薇」以来11年ぶりの本邦初訳である。(以下、誤解、曲解あればご容赦)
最初に余計な比較をしてしまうと、本書の重要な部分を形成する事件は、身体障害を利用している点、長年、マスコミ、大衆を欺いて、幻影を流し続けている点で、昨年大いに話題になった、某ゴーストライター事件によく似ている。本書229頁でチャッキー警部は言う。「ちょっとだけのつもりが、しだいにやめられなくなった」「法に触れることはしてない」「大勢の人間を興味津々にさせ、喜ばせてきた」。これと似たような発言を去年何度も聞いたような気がする。
なお、この指摘は、某ゴーストライター事件が話題になったので、本書が急遽出版された、などと言うつもりでは、全くない。
ブランドは、日本においては、クリスティに次ぐ人気を持つ、英国本格ミステリー女流作家と思うが、本書が本格長編ミステリーであるのに長年未翻訳であった理由を考えてみる。私見では、1.基本が、先天性身体障害児を利用する事件である、2.トリックが小粒で、ちょっと古い。3.一番犯人らしい人物が犯人(というより、実質的に皆共犯)で、どんでん返しはない、等。
しかし、本書が面白くないかというと、全くそんなことはない。本書は大変面白いブランド作品であると思う。面白い理由は以下の通りである。
●一種のゴーストライター事件である「スウィートハート事件」「スウィートハート神話」の中身が魅力的である。
●犯罪が起きるまでが、丁寧に、切々と描かれ、一種の倒叙ミステリーの趣きがある。
●「スウィートハート」がどうなったかという謎が興味深く、これに関してチャッキー警部が上げる3種の仮説が面白い。
●真犯人の人間像、人生が魅力的であった。そういえば、一昨年話題になった大演歌歌手の・・。
ちょっと気の毒な点
被害者二人は、いくら悪党でも、踏んだり蹴ったりではないだろうか。
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4488262031
No.3:
(5pt)

驚くべき現代性と辛辣な物語の魅力

障害を持つ我が子をテーマに綴ったエッセイで虚名を得る女優という、何やら現代のブログやSNSで私生活を切り売りする芸能人などの存在を予言したかのようなテーマの斬新さに吃驚。
七十歳という晩年の作品(1977年発表)だが、あの驚異的技巧の『ジェゼベルの死』や他人の悪夢に迷い込んだような鬼気迫る中編「ジェミニー・クリケット事件」といった名作にも通じるシニカルな物語展開と底意地の悪い辛辣な人間描写は健在。
代表作の数々にプロットの緊密さや結末の意外性は及ばないが、作中念入りに張り巡らせれた伏線の巧妙さにはやはり脱帽。ブランド後期の作品に顕著なゴシック風味の展開を経て、題名の真意が明らかになる終盤の戦慄こそブランドを読む醍醐味であり、解説でも引用されている山口雅也氏曰くミステリ史において五本の指に入る作家という評が至言であるのを実感する。
薔薇の輪 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:薔薇の輪 (創元推理文庫)より
4488262031
No.2:
(4pt)

"本格"の香りが漂い、女史の本格ミステリ作家としての力量と"遊び心"を感じさせる秀作

私は本格ミステリ作家としてのブランド女史のファンなので、本作が幻の様に突如出版(本邦初訳の由)された事を喜んだ。本の帯に「全てが驚愕の結末のために」とのキャッチ・コピーがあったが、それ程以外な解決ではないものの、女史の熟練の技巧が楽しめた。

ヒロインは女優のエステラ。エステラは自身の娘ドロレスの(創造上の)<日記>によって人気を博している。ドロレス(ウェールズの隠れ家に棲んでいる)はエステラの夫でギャングであるアルのために障害を負っているが、それを含め、神秘のベールに包まれている点が<日記>の人気に拍車を掛けている。ところが、アメリカで収監中だったアルが病気を理由に特赦され、ドロレスに面会を申し込んだ事によって事件が発生する。アルの心臓発作による死亡、アルの用心棒の射殺及びドロレスの失踪が同時に起こるのだ。これを捜査するのはチャッキー警部。大抵の読者にとって、犯人(真相)を当てるのは難しくないと思う。見所は、人柄の良いチャッキー警部が頭を捻って、紆余曲折しながらも、真相に辿り着く過程と、その過程を女史一流の高踏的な諧謔と皮肉に満ちた筆致で描く女史の筆力であろう。これが読者を惹き付けるのである。晩年の作品という事もあってか、"論理の冴え"というよりは"遊び心"を大切にしている様に映った。冒頭に、ウェールズ語の発音に関する女史の注記がある点が目を惹くが、ウェールズ自身に対する何かしらの皮肉も込められているのかも知れない(一応、事件にも関係しているのだが...)。

上で、「犯人(真相)を当てるのは難しくない」と書いたが、昨今の薄っぺらなミステリに比べれば、遥かに"本格"の香りが漂う。女史の本格ミステリ作家としての力量と"遊び心"を感じさせる秀作だと思った。
薔薇の輪 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:薔薇の輪 (創元推理文庫)より
4488262031
No.1:
(5pt)

ミステリ界の氷の女王ブランド晩年の佳作

まず最初に巻末の福井健太氏の解説が短いながら秀逸。
本格ミステリの書き手として日本でも高い評価を受けてきたブランドですが、
この解説で福井氏はブランドを「クリスティに比肩する」とまで断言しています。
ブランドの凄みは「冷徹さと知性が重なった時に生じる恐怖」であるとするのも
既訳作を思い出せば納得の表現です。

本編はどういう内容かというと、障害を持つ娘との交流を綴ったエッセイで
人気の女優エステラ。しかし娘の父親であるギャングが死期を前に娘にひと目会いたいと
アメリカからやってくることになります。娘に会わせまいとするエステラや周囲の人たちを
よそに、彼らは娘の住む田舎の農場へやってくる…。

誤解を恐れずに言えば過去作ほどの論理のキレはないですし、
最後にドンデン返しが待っているわけでもありません。
容疑者は片手で数えるほどなので犯人も容易に割り出せます。
今作の真骨頂は「真相を知ってからの再読」にあると個人的には思いました。
序盤で交わされる何気ない会話にあの真相があったかと思うと怖気を感じずにはいられません。
まさに福井氏の解説通りのブランド節健在です。
探偵役のチャッキー警部も魅力的でこの作品が最後の登場なのが惜しい限り。
最後に愚痴を一つ。このタイミングで「猫とねずみ」を復刊するべきだったんじゃないでしょうか××書房様。
薔薇の輪 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:薔薇の輪 (創元推理文庫)より
4488262031

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