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ノア・P・シングルトンの告白
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ノア・P・シングルトンの告白の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点2.75pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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良い作品とは思えなかった。 「告白」とある全編に渡る述懐が、ミステリというカテゴリで出版されていることや、仮にそうでなかったとしても序盤に謎が提示される というミステリのフォーマットに則っている以上、素直に読むことが出来なかったからだ。 別にどんでん返しの有無という話ではなく、現代ではクリスティー以後「ミステリ作品の一人称は作中人物の叙述である以上何でも有り」 というのが作者と読者の共通理解になっていると思うが、その暗黙の宣言がなされている以上、 「何も無いかもしれない、でもあるかもしれない」という疑心暗鬼のなか、どういうスタンスで読み進めたらいいのか分からなかったということだ。 単に座り心地が悪かったという話ではない。 それが何らかのサプライズに関わるなら迂遠にすぎしその兆しが見えない、関係ないならばこれはどういう小説なんだろう、と判断がつかないのだ。 主人公の語り口も、私にとっては冗長に過ぎ、「信用出来ない語り手」感を煽っているようにしか思えなかった。 そのようなよく分からない感は一切棚上げにして物語に没入することもあるが、この作品に限ってそれができなかったのは、 ミステリか否かということが作品の根幹に関わり、その振り幅が大きすぎたからだ。 通常のミステリ作品のどんでん返しや、後になってからミステリ的な作品だったと明かして驚かせる作品とは話が違う。 つまり終盤までその答えがでない時点でどう転んでもどっちらけだったわけである。 通常ほとんどの作家は序盤で読者との暗黙の共通理解を取り付けているものだが。 ただ終盤に、おそらく創作のきっかけとなったと思われる核となるアイデアがあり、それに多少感嘆しなかったわけではない。 派手なガジェットの無いリアリズムっぽいミステリが本来の形だったのではないかと思う。 | ||||
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主人公が被害者を殺したのか殺してないのかという謎は、途中から意味を失う。 あくまで主人公の心の中で、ある「理由のすり替え」が行われることで、どうでも良くなってしまうのだ。 しかしそれでは、主人公以外の人々はどうなるのか。 読者にとっては特に、被害者の母親(非常に嫌な人物)を放置するような物語の終わり方をしたことは、かなり不満が残る。 全ての小説にカタルシスが必要だとは思わないが、意外な真実が明らかになるからといって、それだけで完結するものでもあるまい。 決してつまらない本ではなかったが、私はこの作家のファンにはなれない。 | ||||
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私には合わなかったようでなかなか入りこめず、残念な小説という印象です。 これはミステリー小説ではないです。 淡々と進みますが、ひねりがなく、盛り上がりもない。 何かが起こるのを最後まで期待したのに何もなかった。 これならばケイト・モートンの秘密、忘れられた花園の方がずっといいです。 | ||||
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うーん…としか言えない。 タイトルに告白とあるから、告白して終わるのかと… 物足りない、スッキリしない読後感 ミステリというより、心理的小説 | ||||
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死刑囚ノア。「好戦的」と作中にも描かれるノア。でもそうじゃない!母子家庭の裏側、銃社会の裏側、警察組織の裏側、司法制度の裏側、裁判員制度の裏側、死刑制度の裏側、学歴社会の裏側、格差社会の裏側、被害者女性の裏側、弁護士でもある被害者の母親の裏側、ノアの実父の裏側、そして「好戦的」と描かれるノアの繊細で聡明な裏側…世の中の面と裏なんて紙一重と気づかされる。読後の爽快感、達成感を求める人には向かないけれど、主人公を正視できる人なら、この小説の面白さがわかるはず。作者エリザベス・P・シルヴァーの長編小説デビュー作とのことだが、この視点は新鮮。 | ||||
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どう展開するのか、ずっと期待して読んできたけれど終わり方があれ?って感じでした。 何故 彼女は死刑になる道を選んだのか? 父親はやっぱり逃げたのか? マーリーンの関与をバラさなかったのか? Pへの謝罪のつもりだったのか? 私には理解しにくいことばかりで、面白くなかったです。 | ||||
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話の展開がどう変化するのか期待しながら読み進んでいる内は、面白く読めたが終わり方が物足りない。 | ||||
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ここしばらく読んだ作品の中で最高に面白かったです! 去年は、「その女アレックス」が翻訳ミステリNo.1だったと思いますが、今年のNo.1はこの作品なのではないでしょうか。 「その女アレックス」と共通しているのは、主人公ノアが「囚われの身」であるということ。 ただ、大きくことなるのが、アレックスが暴漢に誘拐されたということに対して、ノアは死刑判決の確定囚、つまり、法律によって囚われているということ。 さらに、ノアは自らの罪状を争う意思はありません。 となると、執行のその日をただ、待つのみということになりますが、ある日、死刑廃止運動に身をおく弁護士2人がノアへの面会に訪れ、再審、または恩赦によって、ノアの極刑を差し止めたいと、そう、ノアに申し出ます。 しかも、その弁護士のうちの一人は、ノアが起こした事件の被害者の母親で、法曹界の有力者です。 ただ、ノアは自身の立場について達観していて、この2人に冷めた姿勢で応対します。 この人物関係と状況設定にスタートからぐっと引き込まれます。 また、弁護士2人による真実の究明、事件の再再捜査が始まるのかと思いきや、本作のタイトルのとおり、ノアの告白が語られていくことになります。 その告白のスタートも「母は出産後、わたしをまっさかさまに落とした」と、これまでのノアの人生が、いかにもいわくありげで、ノアの悔恨が語られていくのかと思わせられるのですが、(実際、彼女自身の生き様の悔恨も語られるのですが)これも全く予想の裏切り、の連続です。 ストーリーの展開は、弁護士2人が面会にきてからの状況と、ノアの過去の告白の語り、この2本のプロットがノアの一人称で語られていくのですが、この展開にもう一本、太い軸が交わります。 それは、ノアの事件の被害者の母親の弁護士、マーリーンの娘への手紙です。 この3本のプロットが多面的に進行しつつ、事件の真相を巧みに見え隠れさせ、読み手にとって、ストーリーの先行きに予断を全く与えず、非常にスリリングに展開していきます。 この緊迫感の高い展開とあいまって、非常に印象的なのが、主人公ノアの皮肉とブラックなユーモアーに満ちた語りです。ノアの立場はとても笑いを呼び起こせる状況ではないのですが、あまりにも巧みな語り口に、つい、吹き出してしまうこともありました。 また、ノアの回想の中で本当に素晴らしかったのが、裁判のシーンです。彼女自身が、本作のスタートの時点で、死刑の確定判決を受けている状況なわけですが、それゆえ、ノアが判決を受けるまでの被告目線で描かれた、審理の拙さ、陪審制の問題をあからさまにしながらの法廷シーンは秀逸! 本作のクライマックスは、もう、一言たりとも触れられません。 死刑囚ノアがどうなったか、そして、事件の真相は。。。 すでに映画化検討されている、とのことですが、本作が映像化されたときには、映像よりも、おそらく、ノアの「語り」が暗鬱な音声でもって、深い深い、インパクトを残すことでしょう。 小説で読み終えた今、すでに、このような声なのでは、と、勝手にイメージを想起した、ノアの語り、告白が、未だに聞こえてくるような思いです。 | ||||
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