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鳩の撃退法
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鳩の撃退法の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 21~40 2/3ページ
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最初の文章から面白かった。 さらっとある話を語ったあと、後からその背景だったり、詳細だったりが徐々に解ってくる?ような展開。 とっても独特な文章だし、会話もセンスがあって、読みごたえ十分。最後の畳み掛けるような展開も素晴らしい。 ただ、話の時系列が過去にいったり現在に戻ったりと目まぐるしく、登場人物がやたらに多いので、読みにくいと感じる方もいるのかもしれない。丁寧に読めばクリアできるし、言葉一つひとつを大切に読みたい物語。 | ||||
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いかにも佐藤さんという感じの作品。 場面が行ったり来たりするので、最近の若い人は苦手かも。 私はとてもおもしろく読了しました。 しかし、佐藤正午さんの主人公の男には、なんとなくあこがれてしまします。 なんかよい意味でドライな感じで、あんなふうに生きることができたらよいと思います。 余談ですが、カーペットの場面は、ちょっとどきどきでした(笑)。 | ||||
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文学界で孤高を貫く作者の真骨頂の傑作である。「小説(家)とは何か」を追及し続ける作者の真摯な姿勢が如実に出た迷宮の様な作品である。本作の舞台背景には、一家三人神隠し事件と偽札事件があるのだが、それに対する解決は主眼ではなく、上述の作者の姿勢が主眼なのである。本作中には「作者と登場人物」とが一人二役で出て来る(勿論、私小説ではない)。この趣向は以前にもあったが、これに加え、小説家の私(=作者)の一人称の章(大半を占める)と私が書きかけの原稿の章とがカットバックで語られるという趣向がある。更に、その原稿の中身が登場人物としての私(=作者)と繋がっている(!)という多重構造の極みである。 良く言われる、小説における「事実と虚構(創作)」の問題を扱っている訳だが、過去に実際にあった事実(本作の場合は一家三人神隠し事件と偽札事件、しかも私が係っている)と過去に"あり得た"事実とを峻別し、後者をあたかも事実の如く描く事が小説家の役割という点が主旋律らしい。ここに、「小説家は虚構としての物語を創作しなければならないが、登場人物としての私(=作者)は事実を捻じ曲げて良いのか?」という懊悩が込められている点が奥深い。しかも、どうやら、小説における「登場人物と読者」の役割も追及しているらしい。目が眩む。これを和らげるためか、一人称の章では、Daigoの様(例えば、JFK=じゃあ二人で今夜...)な言葉遊び(文体実験?)も用いて、殊更、親しみ易い文章にするという気配りも見せている。一方、「小説家ぶる小説家は「小説を書いていると登場人物が勝手に動き出すと言いふらす傾向がある」」という批判を繰り出すかと思えば、「読まれない小説には意味があるのか?」という自嘲気味の言辞も飛び出す。 また、本作は「ピーターパン」をモチーフとしていて、そのテーマである「僕の声が"あなた"(読者)に届いて欲しい」という希求が込められている点が、上述の自嘲とは裏腹に、作者の本音の様でいて、これまた興味深い。文学好きの方に一読をお薦めしたい傑作である。 | ||||
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佐藤正午は大好きな作家なので、久々の新作に胸躍らせて読んだのですが・・・。 う~ん、これ、設定に無理がないでしょうか? 3400数枚の一万円札という大金のうち、一枚は偽札だと判明した。 だから、残りもそうかもしれないと考えるのは、当たり前です。 当たり前ですが、ほぼ無一文の「僕」であるなら、まずそれ、スーパーやコンビニで使うのでは!?だって、そんなところだったら、偽札かどうかなんて、レジの人、気にしませんもの。 それに、わたしなら任意に抜き出して、再度どこかで確かめますね。 話の筋より、そっちにイライラしてしまいました(笑)。 | ||||
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上・下巻1000ページほどありますがスラスラテンポよく読めました。 めまぐるしくかわる視点についていくのが大変かとおもいきや 文章がおもしろいのでがっつりと心掴まれて 時間を忘れて没頭してしまいました。 不鮮明な話の稜線が読み進めていくに従ってハッキリと浮かび上がってくる快感。 ダメな主人公が魅力的ですね。 映像化するならダメな男をちゃんと魅力的に演じられるひとにやってほしい。 | ||||
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ピーターパンとウェンディを 読んでみますと、 冒頭だけでけっこう 構造のレトリックの ニンマリさせる部分がありますよ。 | ||||
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上巻ほどではないが、ストーリー展開が面白い。どうなるかハラハラさせられる。 | ||||
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とても面白かったです!最近読んだ本の中で一番面白いと言えます。 | ||||
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いるのかな~、書きすぎにはならないと思うのに。 最近作者は「横道世之介」の構成展開を新聞で絶賛してたけど、 もう普通語りでは(普通に時系列で書いてもほんとうに語りはうまいのに) 技巧で満足できないんでしょうね。 直線縫いは論外と、ジグザグに縫った上で切り刻んで また裏表グチャグチャに縫いこんだら ちょっと穴が空いてるけどそれが味になってるアートファブリックのような。 語り手は途中から、群衆の中のひとりが画家の自画像という感じで、 ひょっこり顔を出すのだけど、時系列もいったりきたり、 登場人物の証言から読者はだんだん事件の真相を掌握できそうになるが 実際の老人の意図とか、ダムの心中の片割れとか、秀吉の確信の意味とか妻への献身の理由とか ケンジロウの寄付の理由とか、聞きただしたいことだらけである。 まあケンジロウは映画「Young Yakuza」の会長風といわれれば、なんとなくわかるんだけど。 また「いちんち」上下ででてました。 あと下の348ページ一行目句点抜け、 文庫化のときご注意願います。 | ||||
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ミステリーとして取り立ててトリッキーな訳ではない。 それでも、人称の使い方、時系列のテクニック、レトリック、力の入っていない描写力(自覚のある通り、官能小説部分だけには力が入っているが)はなかなかのモノ。少し噴き出してしまうところさえある。 | ||||
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「待ってました!」の佐藤正午。 上巻を読み終わり、こんな完璧な構成があるのかと。 緻密で独特な伏線が張り巡らされていますがあえて虚心坦懐に読まれることをおすすめします。 作者に身をゆだねるのがいいかも。 なまじに頭をつかうと失速の恐れありです。 読み終わるのがもったいなくてグズグズした一冊に久しぶりに出会いました。 至福の時間でした。 大いに余談ですが、最近の伊坂作品に物足りなさをかんじている向きにはとくにお薦めです。 | ||||
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「鳩の撃退法」という紛らわしいタイトルは、鳩や鴉を撃退するハウツーものの本のようで、佐藤正午という作家を知らない新米書店員なら、そのようなコーナーへ置きそうだ。従って、このタイトルを見定めるのも楽しい。途中、鳩を三羽飛ばすとか、鳩だとか野良犬とか轢かれた死骸はクリーンセンター行きとかの描写が有るが、どう関連するか判らない。 やがて、一家3人が忽然と消えたり、ニセ札が出てきたり、私の好きなミステリーの世界に似てきて、俄然、興味が拡がる。話の展開が読めず、めまぐるしいストーリーだが、登場人物が活き活きしていて眼を閉じると本当に居るような存在感が有り、自由気ままに書かれているようだが、気が付くとその整合性が凄い。 別の場所でふたりが出会っていれば、幸せになれたはずだった。のだから、小説家は別の場所でふたりを出会わせるべきだろうな。という文章にニヤリとし、過去に実際あった事実(現実)と、過去にあり得た事実(虚構)が錯綜し、後半は編集者まで登場するプロットに茫然とする。 ただ8割りぐらい読んだ辺りでタイトルの意味が解るが、単純に「三羽の鳩が飛んだ」というタイトルではいけなかったのだろうか? | ||||
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断片的な情報はパズルのピースのようで、それが最後にある種の完成形を迎えますので、そういうパズル的な謎解きが好きな人向けですので、感動的な大団円とか、何らかのハッピーエンドのような感情に訴える物語を望む人には決して向きません。 何も解決しなくても、その背後にある意図をあれこれ考えるのを楽しめる人には面白い小説でしょう。 同じ人物が違う呼ばれ方で何度か登場したり、関連のある数字が登場したり、読んでいてきっとあの時の○○が××のきっかけだったんだろうな、と起きた出来事同士の関連が予測される箇所が複数あり、そういうことを予測しつつ先を読むのはなかなか楽しかったです。そして、そういった出来事が最終的には一つに繋がりますので、私は割とスッキリしました。 池を巡るものはどこかで落ち合わねばならぬ、と作中で引用する漱石の一文を実行したような小説です。 | ||||
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上巻からすぐに下巻に入りほぼ一気読み状態。「人名の呼び間違い」「家族の神隠し的失踪」「さらに夜逃げらしき行方不明者2人」「絡み合う男女関係」「ピーターパンの絵本と栞」「警察と裏社会からのプレッシャー」などなど小説を読むことの面白さを表現してくれた。 若干、東京編に蛇足感も残るが、実は現場から離れることで「2月28日」を浮かび上がらせる確信犯的手口は、まさに熟練の小説職人ならではの安定感。 ぜひ「鳩」とはなんであって「撃退法」はどうするのか、最後までお楽しみください。 | ||||
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もともと小説作法については定評のある作者ではあるが、どちらかというとギャンブル系無頼派短編小説家という印象が強かったが本作の出来はピカイチ。顔の前にブラッシュ・ボールを投げ込んでおいて、外角のボール球を振らせて、内角のシュートでボテボテの当りでゲッツー、みたいに読者は見事に手玉に取られてしまう。 ダメダメな男なのだがなぜか目が離せない主人公を結果的にはかくまってしまう何人もの女性たち。これでもか!というぐらいに張り巡らされた伏線の数々。過去と現在、事実と虚構を縦横無尽に行き来する構成。どうでもいいこだわりに見えるが、必ず後で効いてくる技巧。小説としての面白みをギュッと濃縮した極上の一冊。さあ、下巻ではどうはぐらかしてくれるのか。もう楽しみでならない。 | ||||
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「正午派」の方にはたまらない待望の長編小説! 才能があるのに女にだらしなく、ひょうひょうとしていて、はっきりしなくて、臆病者で、時々妙に優しくて、 人の話は受け流すのが得意で、でも何故か憎めなくて、やっぱり会いたくなる男・・・ 平成のダメ男を書かせたら天下一品の佐藤正午氏。こんな男とは実際付き合いたくも、関わりたくもないけれど、 小説の中だから、たまらなく愛おしいのだと・・・ お金もないし、煙草ももくもく吸うし、人を小馬鹿にするし・・・ そんな主人公、小説家「津田伸一」の身近に起こったとんでもない事件を、じっと覗いてみたく なったら是非読んで頂きたいです。 男女とお金と暴力の不思議な結びつきに目が離せなくて、長いけれど終わってほしくない いつまでもこの世界に浸っていたい・・・そんな作品です。 人間とは本当に弱いものだし、かっこ悪くてもいいじゃないかって・・・やっぱり佐藤正午はすごい!! | ||||
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この本を見かけたら、迷わず購入して読むべきだろう。 私に鳩を撃退できるのか、どうやって、鳩? そう、鳩と言えば、五木寛之氏の「鳩を撃つ」をあなたは思い出すかもしれないが、それよりあなたはこの佐藤正午氏の本を読むことになるだろう。 いや読むべきだ。 ところで、この本の津田伸一の生き方を最終的にどう思うかアンケートを取りたいが、男女で、また年齢で結果に違いが出る事は間違いない。 私の男の知人は羨ましいと言ったし、女性の知人は最低だと言い放ったし、私は私で、自分がこんな波乱万丈だったら素敵な人生だと思うと同時に最低だと嘆くに違いない。 ただ、様々な人々との出会いや交流、その日常、自由、ああ現代社畜の私には経験できない世界がそこに。 そう、佐藤正午氏の書く世界、人間臭さ、非日常のようでありながらあり得ない訳ではない日常、それがまた美しくも醜悪で、何とも魅力的だ。 読めば読むほどにあなた自身も津田伸一となり、魅了されていくに違いない。 | ||||
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長崎から東京へ。 なぜだろう、ここに書かれた世界、物語が実在の出来事、それをリアルに記されたかのように感じる興奮。 上巻からさらに畳みかけるように展開する津田伸一の毎日が、もう魅力的で仕方が無い。 何度も読み返したくなるし、何度も、また佐藤正午氏にしてやられた、と感銘する。 鳩の撃退法、こんな読み手の充足感を満たす書籍があっただろうか。 もう、読まずにはいられない。 | ||||
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佐藤さんの著書はじめてでしたが、歳も近いのでかなり時代・好みが似ているかなと。構成の仕方が素晴らしいというのか、ずるいといおうのか、肝心なところを抜かして書くから小説になるということも事実だし。 | ||||
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ネタバレは避けたいですが一つだけ。他の方のレビューにあった車の中のもう1人はT.Hと考えるのが妥当かと思います。HはNと失踪を企てる前に、T.Hを二股にかけているような描写がありました。 なぜHがT.Hと心中するはめになったのかは、推察するしかないです。何かしらの圧力があったからでしょうか。 しかし、相変わらず佐藤正午の筆力、具体的に言うと、情景の描写、会話の妙、一筋縄でいかないユーモア、どれをとっても一級品ですね。 5、も傑作でしたが、本作も間違いなく傑作です。また、新作を期待しています。 | ||||
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