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鳩の撃退法
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鳩の撃退法の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全51件 1~20 1/3ページ
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佐藤正午の面目躍如。 読後感も悪くない。 佐藤正午さん嫌いな人も居るだろうな。それでいいのよ。私は激しくファンですので。 | ||||
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とても面白かったです | ||||
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面白かったです。小説とはこう書くんですよ、とでも言いたいような執筆のプロセスを見せてくれたような気がします。主人公が小説家だからなのか、表現や会話の仕方にこだわりというか癖があり、それを作中でも登場人物にいじられていますが、これらを面白いと思う人は読んでて楽しめると思います。表現が冗長であるので、その無駄を省けば物語は半分の長さにできるかもしれません。そもそも執筆の経過、筋立て、物語の構成など小説家としての思考が書かれているので、核となる物語だけにすればさらに短くなります。でもそうしてしまったら、それは単なるストーリーであって、本作品のような実験的な作法は試されなかったことになります。 会話は妙にしつこかったりする一方で、情景描写はさほど執拗でないので、読んでて飽きることはありませんでした(それでもヌマモト=ヌモトのくだり、トリカイ=トリガイ、ハラコ=ヒラコはいくら何でもしつこ過ぎるだろと思いました。これはツダのしつこさなのか、著者が本気で面白いと思って最後まで書いているのか?)。 実はaudibleで聴きました。上下合わせて30時間超の作品、我ながらよく聴いたものだと思います。1本のテレビドラマ約10回さえ最後まで観られない私が。audibleでは他の小説を聴いたこともありますが、展開が早すぎてアタマが追いつかなかったり、あるいは退屈な内容だったりで、audibleには小説は合わないのかなと思っていました。と言うより、この作品がaudible向きのような気がします。ある日の出来事が繰り返し出てくるので理解が追いつくし、実際の会話と描写中の会話が異なる声音で表現されたりするのでラジオドラマを聴いているようで楽しかったです。 ところで主人公の津田は終始ハードボイルドな口調だったのですが、小説家ってそんなにハードボイルドな人種なんですかね。やたらタバコを吸ったりオンナと絡んだり、初対面なのにエラそうな口ぶりなのも気に障ります。これはツダに限ったことなのか、著者自身の表れか? ちなみに映画化されていることを知り配役を見ましたが、どうもイメージと合わないですね。小説の終盤で配役を知って良かったです。読む前から知っていたら、どうしてもその役者の印象が頭に浮かんでしまいますから。秀吉役がまったく予想と違いました。しかも読んで(聴いて)いて、もしかして秀吉=倉田かとも思っていたので(話し方、声のトーンが似ている)。いきなり映像だとそういう読み解きという楽しみ方がスポイルされてしまいますね。 | ||||
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※削除申請(1件)
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評価が分かれていますが、私も読み始めは、つまらない本を買ったな、と思いました。でも、結論としては大変楽しめました。どうでも良さそうなことがだらだら書いてあるのでイライラして読み飛ばしていると、大事なキーワードが隠されていたりします。登場人物は30人以上。後から考えてみると、大まかにグループ分けできるのですが、それぞれ他のグループの人間とつながっていたりして話は錯そうします。また時系列が、作家が今書いている場面という設定で、シャッフリングされて出てくることと、グループごとの同時進行事件が入り混じって出てくるので、読者は頭の中が混乱します。またある1日にものすごい多くのことが関連しながら多発しています。だから、もう一度読み直して確認したくなります。そうすると、ああ、ここに確かに書いてあるなとわかるのです。昨今、本の価格は高いのに、すぐに読み終わってしまってもったいない感がありますが、この本は長いのと、人間関係と時系列を確認しつつ2度読みするはめになり、2度読みしても飽きないので、お得です。 | ||||
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文庫本で詠んでいましたが、どうしても単行本で所有したくて購入。配送も速く、商品も綺麗でした。しかも、初版という。また、欲しい本があれば注文させていただきます! | ||||
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主人公津田は男女問わずいろんな人にかかわり合う性(さが)で特に女の人の場合複数と性的に深まってしまうのでやっぱり問題が起こってしまう。津田は小説家だけあって言葉に敏感で会話を流したりしない。この会話の中に伏線が散りばめられていて、それがちゃんと脳にひっかかるように書かれて、あらすじだけを追うような読書を許さない。文章の力がものすごい傑作。面白すぎて大事な約束を忘れないように注意。5というこの作品の前に書かれた津田主人公の作品もあるので、また続きの作品が待たれる。秀吉と倉田、みなみさんのまだすっきりしないことはきっと次の伏線だ。津田シリーズの次回作が待たれる。 | ||||
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取り立てて、大きな事件が起きるわけではないが、なぜか読んでしまう。この作者の世界に入り込んでしまう。場面展開が面白い。時間の罠に掛かってしまい、さてさてどうなるか?と最後まで読んでしまう。再読して作者の文章力に、唸りました。 | ||||
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生活と女にだらしないクズでややこしい性格、でも憎めない。 そんな主人公が恐怖と欲との葛藤に追い詰められていくのが面白かったです。 | ||||
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小学館の小説丸というサイトに糸井重里と著者の対談があり、そちらの方が解説よりずっとおもしろかったです。 こんな本をものにできる作家に悩みなんかあるんだろうか、と思うのですが、どうやら「売れない」という悩みがあるらしく、糸井重里という人が正月に読んでくれただけで日本中の人に受け入れられた気がする、的なことを言っていたのが印象的でした。 作者に引っ張りまわされ翻弄されるのを楽しむ読書時間でした。 | ||||
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この著者の作品は初めてである。 どうして買う気になったのかもよく覚えていない。 おそらく、何かの書評でも読んで買ったに違いない。 が、帯にある糸井重里の「こんな小説が書けたら嬉しいだろうなぁ」というコピーに促されて、何百冊も溜まっている積読書籍の中から拾い上げたのであった。 何というか、今まで読んだことがないような不思議な小説である。 ストーリー自体は、設定が変わっているが、不思議というほうどではないかもしれない。 元直木賞作家の「私」が、今はある地方都市に落ちぶれ、女性の部屋に居候しながら、デリヘル嬢の送迎の仕事をしている。 そこで、使ったある1万円札が精巧な偽札だったところから、事件に巻き込まれていく。 その偽札をだれが何のために作ったのかということは、本書のストーリーではどうでもいいことのようで、ただ、この偽札の動きをめぐって話は進んで行く。 問題は、その進め方だ。 本書は、この「私」が巻き込まれた事件を描写しているかと思うと、実はそれは「私」がこの事件に巻き込まれつつ、それをネタに小説を書いている、という設定に移行する。 そして、「ここまで書いて、私は、この次をどうするか考えた」というように、その作中小説かと思うと、それを書いている「私」のことを描写していたりする。 事件に巻き込まれている私、それをネタに小説を書いている私、その小説を書いている私を描写している私、という3段階の入子構造というかメタミステリーともいうべき建てつけになっていて、それを行ったり来たりしつつ話が進むので油断ならない。 が、それでも、面白く読めたのは、最後に糸井重里が解説で書いていたけれども、作家が楽しみながら書いている、ということが伝わってくるからかもしれない。 不思議な読後感のある作品だった。 | ||||
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もっと早く読めば良かった。 実用書と勘違いしたのがいけませんでした。 | ||||
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佐藤正午様、あなたの長篇小説『鳩の撃退法』(佐藤正午著、小学館文庫、上・下巻)には、この2日間、振り回されっ放しでした。これまでのあなたの作品たちにも右往左往させられましたが、今回は、その比ではありませんでした。 何しろ、あなたの分身と思われる元作家の「僕」が深夜のドーナツ・ショップでたまたま相席になり、『ピーター・パンとウェンディ』について語り合った男の一家三人が神隠しに遭ったかのように、忽然と消えてしまうわ、馴染みの古本屋の老店主の形見として届けられたキャリー・バッグの中に、『ピーター・パンとウェンディ』と3冊の絵本と3403万円が詰め込まれているわ、その1万円札が偽札と分かり、裏社会の「本通り裏のあのひと」に怯えることになるわ、高峰秀子という源氏名のデリヘル嬢が店に無断で姿を消してしまうわ、年上の危険な人妻を妊娠させてしまった郵便配達の青年が行方不明になってしまうわ――と、次から次へと謎だらけの竜巻に巻き込まれてしまったのですから。 それだけならまだしも、過去には直木賞を受賞し、10冊も本を出しながら、今は落ちぶれてデリヘル嬢たちの送迎を行うドライバーをやりながら、誰にも読んでもらえる当てのない小説の原稿(それが、この『鳩の撃退法』)を少しずつ書き継いでいく過程の内情暴露的な描写に付き合わされる羽目に追い込まれたのです。 さらに、「女好きのセックスべた」のあなたの見境のない、相手を選ばない手当たり次第の女性漁りの数々、いとも安易に一線を越えてしまう無節操ぶりを延々と見せつけられるというおまけまで付いています。 しかも、最終ページに至って漸く、謎に満ちた各ピースが然るべき場所に収まり、巨大なジグソー・パズルが完成するという凝りに凝ったストーリー・テリングの巧みさには、ひねくれ者の私も脱帽せざるを得ません。 あなたが苦労に苦労を重ねて完成させた『鳩の撃退法』を読み終わるのに、本当に、ほとほと疲れ果てました。このダメージを癒やすには相当の時間が必要と思われます。ですから、次回作を出すのは、暫く後にしていただけませんか。これは私の切なるお願いです。 えっ、何ですって。次回作は既に出版されていて、しかも、直木賞を受賞してしまったですと。もう、あなたには、呆れ果てています。 | ||||
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筋があるようでない、いや無いようである、そして登場人物の無駄話ややり取りがやたら長くその分作品が長い。現在と 過去が入り乱れて話が進行するので、何が起きているのか分からない。というと、如何にもこの作品をネガティブに捉えて いるかのように思われるだろうが、ページを捲る手を止めることは至難の業だ。つまり、読者、少なくとも私は作者の 筆力とマジックに近い筋運びに翻弄されているということだ。主人公であり、この作品の語り部であり、そしてこの物語を 小説にして書いている(というややこしいシチュエーション)津田はかつて直木賞も取った実力派の作家、だが、今は落ちぶれて デリヘルのドラーバーとして働き、偶然知り合った女のところで居候する情けない男。彼の周りでどうも事件が起きているようだ。 親子3人の一家失踪、偽札事件、何となくこの作品はミステリーなのかなと思うも、どうもそうではないらしいということも 薄々感じ始める。何が現実で、何が津田自身の小説の為の想像かもごっちゃになって来る(少なくとも私には)。私に とて佐藤正午の作品は初めてだが、作者の格段の筆力を見せつけられた作品となった。正直書評を書くのは難しい。 しかし、小説を楽しむ時間を十分貰ったことだけは言えると思う。 | ||||
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上巻はどうしたものかと思っていたが、下巻にはいってから、ストーリーの展開もテンポよく、ああそういうことだったのかと振り返りつつ、終わってしまうのが最後、惜しくなる。 傑作と言っていいのでは。 | ||||
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この作者の本は初めて読みました。作者が投手として生まれたのなら、ナックルボールを駆使した投手になったでしょう。とらえどころのないそれでいて読者はまんまと打ち取られている感を覚えることでしょう。 | ||||
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後半の舞台となる「中野ふれあいロード」界隈には多少の縁があって、そういう目から見ても、その描写は確かなものであると思った。 元作家・津田伸一がバーテンとして働くバー「オリビア」と思われる店はあの辺にありそうだし、彼がMacBookで執筆にいそしむ「中野通り」に面した角の「ドーナツショップ」はその場所に存在しており、「白線通り」では「餃子の王将」が営業中である。津田が交通事故に遭う「早稲田通り」もあそこなのだろうし、搬送された救急病院は「東京警察病院」である。しかし、それらはあくまでも作家・佐藤正午が作り上げた物語のなかの「虚構」であるわけだが、綿密な取材に基づいてのものなのだと強く感じた。 小説としての本書の構成はいささか複雑であり、幾度も前のページへ戻りながら読み返すこととなった。津田が現在進行で体験していること、過去に経験したこと、記憶と想像によって書かれた「小説」とが入り組んで時間軸を錯綜しながら語られていく。作家の想像力に翻弄されながらも「巻擱くを能わず」(本書下巻のオビより)最後まで読み通すことができた。登場人物が右往左往する舞台装置の描写はこの虚実ないまぜの物語に不思議なリアリティを与えている。 この小説で重要なアイテムとなる「ピーター・パンとウェンディ」(福音館書店)という本。興味がわいて図書館で実物を手に取ってみた。ハードカバーのずっしりとした手触り。これならば波乱万丈な展開に巻き込まれてもいつの間にか何食わぬ顔で持ち主の手元に帰ってくる気がした。まるで伝書鳩のように。 | ||||
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妻と幼い娘とともに暮らす幸地秀吉は、ある日突然、一家そろって姿を消してしまう。なんらかの事件に巻き込まれたのか、それとも単なる自主的な失踪なのか。私こと津田伸一はたまさか失踪直前に幸地とドーナツショップで二言三言ことばを交わしたことがあった。 そんな中、津田の知己である古書店主が病死し、キャリーバッグに入った遺品が彼に届けられる。中には絵本と、3000万円相当の一万円札の札束が入っていた…。 -------------------------- 2007年に上梓された小説『』の主人公である放蕩作家・津田伸一が2014年、実に7年ぶりにこの小説『鳩の撃退法』で帰ってきました。 津田の出鱈目ぶりは健在です。かつては出会い系サイトを通じて自分でも数えきれないほどの相手との後腐れのない逢瀬を重ねていましたが、最後に彼はひとりの女性と縁故を得て岩手県と青森県の県境で旅館業に携わるため去っていったはず。 それがいつの間にやら、(「手まぜ」という言葉が登場するところから推して、おそらくは九州の)どこかの街でデリヘルの運転手をしながら、女子大生の家で居候生活の身です。相変わらず人生設計などないまま、その日暮らしを送っている津田の前に、一家消失事件と、謎の大金相続事件が舞い降りるのです。 事の真相はどこにあるのか。 前著『5』に比べれば、多少なりともミステリー仕立てにはなっていますが、真相追究しようとする思いを寄せつけないものがこの小説にはあります。巻頭には「実在の事件をベースにしている」と映画『ファーゴ』ばりに“騙り”の言葉を掲げた純然たる<ウソ>です。『鳩の撃退法』は『5』同様、津田伸一の一人称視点で描かれた虚構と妄想の世界に遊ぶ小説といえるでしょう。 しかし、この上下巻あわせて950頁強の全き仮構世界を駆け抜けた今、読者である私は世界のある実相を見た思いをしています。 それは好むと好まざるとにかかわらず、人は他者とのあいだに縁(えにし)を結びながら人生の歩を進めていくのだなという感慨です。 津田は思わぬ形で幸地と出会い、その知人たちに手玉に取られ、またその傍らで古書店主の遺した煩わしい遺産にもてあそばれます。そうした出会いと別れのひとつひとつが、人生の中で繰り返しあらわれる偶然の妙(みょう)を浮き彫りにしていきます。 そして表題が示す「鳩」を飛び立たせるものもまた、こうした巧まずして起こる人間関係だったことを知り、この小説の筋立ての鮮やかさに心が震えたのです。 そもそも津田がこの小説内で口にする「ほえ」という滑稽な言葉は、前作「5」で登場した若い女性の言葉です。その言葉が津田を介して今度は『鳩の撃退法』内で別の女性へとリレーされていく。そこにも津田の人生における人間関係の軌跡を見て取ることができます。その意味でも文庫化された『』を再読しておいてよかったと思います。 津田は人生を自らの鋼鉄の意志で切り開いていくようなタイプでは決してありません。それでも彼が私の眼にこのうえなく魅力的な人物に映るのは、私たちもまた、人生は己ひとりで自立させられるものではなく、明日もしくは明後日起こる思いがけない出会いによって図らずも動いていくものだということに、みずからの人生を振り返っていくつも思い当たるからでしょう。 「私たちが生きていくあいだに、私たちの上にきみょうなできごとがおこり、しかも、しばらくは、そのおこったことさえ気がつかないことがあります」(上巻151頁に掲げられた『ピーターパン』からの引用) この『ピーターパン』からの引用句を思い返すと、下巻の最後の最後に現れる一行がずしりと胸に響きます。 実に見事な小説です。 | ||||
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佐藤正午さんの「鳩の撃退法」読みました。 面白かった~~ ラスト、もうちょっとピリッと落ちをつけてほしかったけど 結構長いのに ずっと楽しく読めました。 このシーンって何かに関係あるのかとか これが重要なキーの場面になるのかとか 期待しながら読んでるのですけど そうでもないようなそうでもあるような でも、登場人物やその場面場面が全て魅力的で 読ませます。 単館でやってるあまりメジャーではないけど ちょっと面白い映画がすきとか ハードボイルドの小説がすきとか ダメ男のダメっぷりがすきとか そんな人は絶対面白い本だと思います。 なんかよく分からんけど面白い 私、村上春樹よんでも 同じような感じになります。 佐藤正午さん なかなか凄い作家さんですわ! | ||||
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屁理屈を言う人や、嫌味ばかり言う人が苦手だ。 そう思いますか?と問えば、多分じゅうにんちゅうはちにんくらいは、はい、とこたえる、と思います。 ただし、小説という舞台においては、必ずしもそういった常識が普遍的ではなくなる、そういった事を教えてくれる、類い稀な傑作だと思います。 佐藤正午は、寡作だということです。 納得です。 こんなに表現にこだわりぬいた文章をものす人が、多作な訳ないでしょう。 上巻に続き、レビューさせていただきました。 | ||||
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好き嫌いがハッキリわかれる小説だと思います。万人受けもしないし、直木賞を取るような小説でもありません。物語の中で起こった事件は取り立てて目新しいものでもありません。けれど、他の小説にはない、興奮と驚きと喜びがある小説です。読み手はただ文字を追うだけではありません、事実、捏造、推測、想像、ありとあらゆる事柄を自分の頭を使って再構築しながら物語を追いかけることになります。時間も進んだり、戻ったり。ぼんやり読んでいると目の前で何が起こったのかわからなくなります。読み手を選ぶ小説だと思いますが、私はこんなに興奮しながら読んだ小説は本当に久しぶりでした。佐藤正午さん、初めて読みましたが読んでよかった。ぜひ、あなたも試されてみてください。 あと、ほんの少しでも物を書いたことのある人間には刺さる言葉がたくさん含まれています。 自分への尻叩きにもぜひ。 | ||||
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