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テンペスト
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【この小説が収録されている参考書籍】
テンペストの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.59pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全94件 61~80 4/5ページ
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やはり著者は宇宙人。並の感覚の持ち主ではありません。こんな物語の展開を思いつく頭脳には毎回感心しています。いつものように著者の独自の空間に引き込まれ、その世界だけに通用する世界観の中でドタバタしたストーリーを楽しんだ次第です。 悪役は悪役でありながらどこか憎めず、すべての登場人物の性格は極端・単純もいつもの通りです。 幕末から明治にかけての沖縄を背景に、最初はベルサイユのバラを下敷きにしたように展開しますが、それも2巻半ばまで。はらはらとしながら「こんな風に話が進むとは」と感心するのが3巻です。結末はいつも妙にハッピーなのに、少し罪悪感を感じるウチナンチュでした。 当時の沖縄の歴史を知らない人は、各巻の巻末の特別付録を先に読んでおくと理解しやすいでしょう。 追記:本書の映像化に際して歴史考証された上里隆史さんのホームページではいろいろな裏ネタが紹介されていて、面白いですよ。 [...] | ||||
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言葉や聞得大君などの言葉がどんどん 頭を浸食し、急に口をついて出てきたり するそこまでになったら、おめでとうございます。 あなたも立派なテンペストイストです?! | ||||
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読み始めると、あれれ?という、ご都合主義なのは否めませんが「そんなのいっか!」と思えてしまう展開の速さに飽きる事はありませんでした。 今まで琉球モノと言うと硬い文章ものが多くて始めは尻込みしていましたが、早く読めばよかった! 舞台化もされますがどなたか漫画化して欲しいです。 読み終えた私は、テンペストの余韻たっぷりに首里城へ行って一日堪能してみようと思いました。 11月3日は「琉球王朝祭り首里(古式行列、祝賀パレード等)」が見れますよ![...] この世界観に浸れた方にはたまらないお祭りかと思います。 首里城へ行った後、もう一度読み直すとまた楽しいだろうな。とワクワクしています。 主人公や周りの登場人物も、歴史上の人物をフューチャーしていて読んでいて楽しい。聞得大君の解釈は沖縄人の私には、とっても新鮮でした。こんなに欲深い神女ってちょっといないです。 | ||||
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沖縄好きを自認する人たちは多いが、その中で琉球の歴史に詳しい人はおそらく少数だろう。 大戦中の沖縄戦のイメージが強すぎて、特に本土の人々にとって沖縄は歴史的には語りにくい事柄である。 ところが、それをひっくり返したのが本作である。 沖縄の、しかも琉球の歴史、豊かで色彩に満ち、湿気や料理のにおいが身体にまとわりつくような感覚で、沖縄の歴史の転換点を描き出した。 あんなにちっちゃい島なのに、こんなにすげえ国だったんだ、とおそらく読んだ誰もが思うことだろう。 しかも、現代に通じる独特のユーモアが満載で、悲しくてつらいエピソードが多いのに、お笑いを見ているような心地よさ。 本書を手にした人に、これから第4巻を読み終えるまで、ジェットコースターのような興奮と新鮮な驚きをお約束します。 | ||||
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19世紀の琉球王国の話。 隣接する清国と日本(薩摩藩)はもとより、ヨーロッパ諸国の干渉を逃れ、独立国家を維持し続けようと、外交手腕を駆使し、もがき続ける王府。 侵略の危機、経済の危機にさらされているにも関わらず、城では、賄賂、横領、見栄と意地が横行し、贅沢の限りを尽くしていた。 腐りきった政府を立て直すため、王族の血をひく少女が立ち上がる。 ひとことで表現すると、琉球王国を舞台とした韓国ドラマ風小説 恋あり、死あり、笑いあり、涙あり・・・・急激な展開。 ワクワクさせる設定も、いっぱい散りばめられています。 主人公は、歴史の闇に葬られた王族の血を引く娘。 しかも、かなりの美少女(性を偽り、宦官になる。) さらには、13歳で、行政官試験を突破できるほどの神童 この娘が、嫉妬と憎悪が渦巻くドロドロの琉球王国のなかで、ほんの一握りの賢者(国王や伝説の参謀)の後押しを受けながら、知力と情熱で、外交の危機を乗り越え、政府の膿を出し、あんなことも、こんなことも・・・・それはそれは、痛快です(笑) 娘を取り巻く、男性二人の存在も見逃せない! もちろん、超イケメン(笑) 一人は、親友であり同期のライバル。 もう一人は、薩摩藩から交渉に来たイケメン武士。 宦官(男)だと信じきって、あついこころざしに共鳴し、 男同士の友情を築く一方、たまたま、女性にもどった娘と、同一人物とは知らずに出会い恋に落ちる。 あまりにも波乱に満ちて、速すぎる話の展開なので、ハラハラドキドキのまま、すべてのことをねじ伏せて、いつのまにか終わっている作品。 よくよく考えると、つじつまが合わないような・・・(笑) いやいや、そこが、いいんです! たまには勢いに身を任せて、ちょっぴりバカバカしいようなエンターテーメントの渦にのまれてみて下さい。 やめられない、止まらないのお話。 ぜひ上下巻いっぺんに揃えて読んでください。 | ||||
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おもしろかった、物凄く。ただし、これを読む時には、ライトノベルだ!と思って、エンターテイメントとして割り切って読まないと、肩透かしを食らってしまう。僕は、「そここそがいいんじゃあないか!」と思うけれども、歴史大河小説を期待すると、その「軽さ」とエンタメ重視の姿勢に、つまらなく感じてしまう人もいるだろう。けれども、こういう味付けをしないで、だれが、琉球王国の歴史なんて言うマイナーな部分を小説化してくれるだろうか?、そういう意味では、著者の戦略と功績は大きいと思う。もちろんある程度戯画化(カリカチャアライズ)されているとしても、なるほど、琉球王国というのはそういう存在で、そういう「美」があったのか!と思わせる、知らしめさせる物語世界の美しさには、感動します。ライトノベルの萌え小説として「も」読める、というところにこの小説の素晴らしさがあると僕は思います。これが売れれば、次があるもの。 | ||||
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あまりに分厚かったので、 後回しにしてました。 意を決して読み始めたら、 おもしろいこと、おもしろいこと。 この作家の知識の豊富さと、 その史実をベースにした創造力に脱帽。 半端じゃない。 舞台は琉球王国。 時代は日本で言えば幕末。 琉球は清国と冊封体制を結びながら、 薩摩藩にも従属国として扱われる。 南の島の小さな島国にとって、 王国体制を維持しながら、 生きていくとは、そういうことなのだ。 その属国としての従順さを示すために、 一切の武器を持たずに、 美と教養でこの国は世界に類を見ない、 特殊な王国体制を維持していた。 清の科挙よりも難しいといわれている科試という、 官僚になるための試験があり、 琉球中の男は、科試に受かるために必死に勉強していた。 それでも、1年に1人か2人しか受からないため、 科試浪人も珍しくない。 清がイギリスにより支配されつつあり、 世界地図の色が変わろうとしていたこの時代に、 科試合格最年少記録を塗り替えた一人の宦官が、 琉球王国を守ろうと、 王国府官僚への道を踏み出した。 【ネタばれ】 宦官の名前は、孫寧温(そん・ねいおん)。 実は彼は、宦官ではなく、 第一尚氏復興という望に命をかけた父を思い、 知識よりも美を極めたい兄を思い、 そして何よりも、あふれる知識欲に抗いきれない自らのため、 真鶴という女を捨て、 男の姿となり、科試に受かり、官僚となったのだった。 妖艶な美しさと、 誰をも寄せ付けない知識によって、 数々の難題を解決していく。 イギリス難破船問題、 王府の巫女である聞得大王の謀略、 薩摩藩からの無理難題、 王府には陰謀渦巻く、 あらゆる勢力が集まっている。 貴族、王族、そして、巫女や、女官たち、 清国の役人、薩摩藩の役人。 なかでも、紫禁城を追われた宦官により、 犯されてしまった孫寧温は、 最も自分を守ってくれていた理性を捨て、 自らの尊厳のために、その宦官を殺してしまう。 それがばれたがために、 八重山へ流刑となってしまうのだった。 | ||||
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【ネタばれ】 八重山に流刑になった孫寧温。 流人のみでありながら、 同志として王国府に上がった喜捨場朝薫により、 比較的不自由しない生活が用意されていた。 そんな寧恩のいる八重山に、 ふたたび、外国船籍の船がやってきた。 無理難題を押しかけられた八重山官僚に助けを求められ、 鮮やかに問題を解決する。 そして遠くない将来に、 琉球王府のある沖縄本島そのものが危ういことを予見し、 そのことを王府に知らせようとするが、 逆に流刑を受けてないことがばれてしまい、 新しい八重山官僚に、 王府時代に逆恨みを受ける寧温。 そして、チフスにかかってしまう。 山奥に捨てられた寧温は、 病気に苦しみながらも一命を取り留める。 そして、寧温の姿を捨て、 真鶴となって、暮らすこととなった。 そんな彼女は、 ふとしたことから、王府へ行くチャンスをえることとなる。 首をもたげてくる寧温としての自分。 一刻も早く国を救いたい思いから、 そのチャンスをものにする。 ところがそれは、王の側室候補としての集団試験への参加だった。 複雑な思いを持ちながらも、 真鶴は、側室となることになる。 そこでは、かけがえのない親友となる同じ側室の真美那と出会い、 これまでとは違う“性”で王府に生きる真鶴がいた。 そんな折、 ついに黒船がやってくる。 絶体絶命の琉球王府を救うために、 王が白羽の矢を立てたのは、 八重山に流刑となっている孫寧温だった。 かつてない恩赦によって王府に呼び戻される寧温。 鮮やかに、ペリーを口説き落とし、 有名無実な条約を結ばせることに成功する。 昼は宦官として、夜は側室として、 寧温と、真鶴の二重生活が始まった。 そしてついに、 真鶴が王の子を身籠ることになる。 これまで、琉球王府を守ることを第一としてきた、 真鶴=寧温だったが、 母となることにより、いよいよ真鶴>寧温と変わりつつある。 しかし、 嫉妬に狂った兄により、 真相が明かされてしまう。 琉球王国史上、いまだかつてない大事件となってしまった!! 確かな史実をベースに、 ダイナミックな展開により、 まったく飽きることなく、大長編を一気に読んでしまった。 読後にネットで検索してみると、 史実と重なることがあまりにも多く、感動。 また、沖縄独特の“神”についても、 物語の底辺を支えており、 主人公のみならず、 あらゆる登場人物たちが魅力的に描かれている。 ひとえに作者の、琉球愛以外の何物でもない。 作中の孫寧温の言葉を借り、 何度も出てくる“琉球独立論”は、おそらく作者の本音だろう。 それも、目に見える、明らかの独立ではなく、 現在の体制を維持しながらも、 実質的な自立を訴えるものである。 そしておそらく、 その願いや、あり方は、 ずっと昔からの“沖縄”の姿そのものなのだろう。 そこまで見透かして、 過去の史実を題材に、 未来を語る作者の筆力に、脱帽しました。 | ||||
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タカラヅカの沖縄モノをハリウッド映画にしたようなエンタメ歴史小説で、 とにかく面白いジェットコースター・ストーリーだ、と友達が言うので、 えー沖縄も歴史物も興味ないしな〜、と思いながら手に取った本書。 結論から申せば、面白うございました。 でもこれは、エンタメの皮をかぶった現代社会(文明)批判なんだなと、私は読みました。 琉球を我が物にしようとする列強の間を、美意識と教養を武器にして、 外交の力だけでかいくぐり、琉球王朝を守ろうとする寧温。 小国ゆえに矜持と知恵をもって大国にあたらねばならぬのは、 現代日本とて同じでしょう。 これを読んでハッとする政治家や役人の一人や二人、いなきゃおしまいですよね〜。 私は胸が熱くなりました。 日本に併合されて琉球王朝が滅ぶそのとき、真鶴は日本人の想い人に、 琉球という国は滅ぶけれど、美しく気高かったこの国を愛し続けてほしいと願い 恋人はそれを約束します。 日本人の青年が真鶴と交わした誓いの美しさと、 その後の沖縄のたどった悲運が、実に対照的ではありませんか。 先の戦争で沖縄は甚大な被害をこうむり、首里城は灰となりました。 その後も今日まで、基地の島・沖縄は日本国の捨石のようではありませんか。 寧温はこうした小国の末路を案じていたのですよね。 なんて書いていますが、私は別に何かのイデオロギーを持つ者ではありません。 むしろ歴史に疎いノンポリ(死語?)。 そんな私ですら、読み進むうちに琉球王朝とその歴史について知りたくなり、 なんかケバイわ〜と思っていた琉球の文物に惹かれ始める。 そういう力が、本書にはあります。 リアリティに乏しいとか、表現が軽いとか、皆さんがレビューに書かれている ことは、もっともだと思います。 でもね、たぶんそれはワザとだな。 内容にふさわしい重厚な文体の、ち密な歴史小説であったとしたら、 本書を手に取る人はこれほど多くはなかったでしょう。 作者は、エンタメの姿を借りて、 より多くの日本人にこう問いかけたかったのではないでしょうか。 日本の国家は美しいのか。 日本人に美意識はあるのか。 日本人は、あの誓いを忘れたのか と。 ホントは重い問いかけを、ライトに読ませる。 そういうコンセプトの本だな、コレは。 と思ったんだけど、深読みかなぁ〜。 | ||||
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池上永一の作品は、文芸というよりは「語り」だ。それも破壊的に饒舌な。 映画にたとえて言えば、タランティーノ作品に近い。 だから、そのなりふり構わぬ暴走っぷりに戸惑うあまり、 文芸のフリしてるだけの「騙り」だと決めつけたくなる読者がいるのも よくわかる。というか、僕も正直言って、池上作品を読みながら、 眉をひそめたり、ほとほとあきれたり、バカらしくなって 本を投げ飛ばしたくなることは結構ある。 でも、このめちゃくちゃな語りのスタイルが、沖縄っていう矛盾に満ちた土地の 風土や人を物語るときに、変にぴったりマッチするから不思議。 『テンペスト』は、19世紀の沖縄を舞台にした王朝歴史物語(一応、形だけは)。 池上流の語りがいかんなく発揮されて、バカらしく面白い。 未来の東京を舞台にした『シャングリ・ラ』が、上滑りに上滑って 素寒貧な作品になっちゃってたのとは、ある意味で好対照。 この人はやっぱり、沖縄を書いていけばいいと思う。 本人は飽き飽きしてるかもしれないけど、読者はそんなもの知ったことか。 | ||||
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舞台は琉球王朝末期,冊封体制下の琉球朝廷で,清朝と薩摩の間を一人の男装の麗人が駆け抜ける! 沖縄県民,沖縄を愛する人のみならず,歴史劇を愛する人全てにお勧めです。久しぶりにページから手が離せないという経験をしました。 ストーリーの面白さもありますが,琉球王朝というものがどういうものであったかという知的好奇心も満たしてくれます。 | ||||
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すでに宣言してもいいが、私の中では今年度最高の小説といっていい。また池上永一の小説は好きだったけど、中でも一番いい。 中国でもなく、日本でもなく、そして 沖縄でもなく、琉球という国がこんなにも魅力的であったとは。 自分が琉球という国のことをほとんど知らないことに愕然とする。もちろんフィクションだから、主人公のような人物があの当時いたのかは分からないけど、ここに描かれた琉球という芸術・教養の国は確かに存在したのだろう。もっと知りたくなった。 歴史小説としても、そして恋愛小説としても申し分なし。そして上下2冊の分量も文句なし。 いい小説だった。 | ||||
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過去に二度行ったことがある沖縄。それでも首里城の深い歴史にまで思いを馳せることは正直ありませんでした。爽やかな読後感を得た後、改めて首里城の構図や歴史を興味深く調べている自分がいました。真鶴及び寧温の半生と共に琉球王朝最後を描いた素晴らしい作品だと思います。 | ||||
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まず、他の方のレビューを読んでいて思ったのですが、池上永一さんは、シャングリ・ラ以降自身で「直木賞受賞コルセットを外した」とおっしゃっています。 同賞の候補にもなった風車祭は文学的な部分とファンタジーが融合しておりますが、シャングリ・ラで彼はつきぬけたというか、今まで以上にアニメ的な表現で書いておられます。 なので、この作家に「文学」を求めては読めないと思います。 ある程度ライトノベル的なものに耐性のある方でないと。 作品自体は非常に面白いものでした。シャングリ・ラでついに東京進出か、と思えばまた彼の原点である沖縄にかえってくださいました。 彼の描く沖縄は極彩色で、随所に使われるウチナーグチもともなって、とても魅力的。 琉球王朝の歴史をベースに、歴史大河でなく、エンターテイメントに見事に仕上げられたと思います。 池上永一ファンは買って損はない作品だと思います。 しかし初めての方にはお勧めできません。せめてシャングリ・ラかぼくのキャノンなどを図書館などで借りて読んでみて自分に向いているかどうか検討して下さい。 | ||||
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読む人読む人それぞれに、様々な感慨を呼び起こす巨編です。 濃い人間ドラマが展開し、最後には余韻を残したエンドが待っ ています。まるで絵巻物を読み終えたような気持ちになりまし た。 主人公と同じ女性としては、もう少し真鶴に幸せになってもら いたかったです。余りにも、過酷な試練が多すぎて、気の毒に 思いました。 ですが、花も嵐も踏み越えて、逞しく生き抜く女と男と子ども がいて、南の美しい国・琉球は姿を変えて続いてゆくわけで…。 虚実を交えた話の作りが秀逸な、読み応えのある物語です。 | ||||
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琉球王朝の名残は沖縄の至る所で見られ、また現代までもつながるユタの存在などは見聞きしていたものの、実感として分からなかったが、この作品で生き生きと琉球王朝末期の姿を見ることができ、沖縄が身近に感じられるようになった。 作品そのものも、荒唐無稽な荒っぽさ、漫画っぽさを含みつつ、テンポ良く話しが進むのでありえないと思いつつもついつい、話に引き込まれてしまう。 書きたいエピソードをすべて盛り込んだ、ゴージャスなバイキング料理を食べた気分でちょっと胸焼けもしてしまうが、止められない面白さです。 二時間映画では描ききれないが、一年がかりの大河ドラマとか長期にわたる韓流ドラマでならぜひ映像化してもらいたいと思います。 絢爛豪華で知識盛りだくさん、それでいて読みやすくて、値段分のもとが取れる極上のエンターテイメントです。 都合よく物事が進みすぎる点で一点減点。 | ||||
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話題になっていたので読んで見ました。 ストーリーは、琉球王朝末期の沖縄を舞台に、類まれな美貌と才能を持つ女性が性別を偽り、官僚となって活躍するも、ある事件が元で失脚。宮廷を追放されるも、今度は王の側室として舞い戻る・・。という波乱万丈のストーリー。 こう書くと重厚な歴史物語を思い浮かべるかもしれませんが、中身はいたってライトなノリで、エンターテイメント性にあふれた小説です。 琉球という独特の文化を持つ舞台設定、ジェットコースターのようなストーリー、エキセントリックな登場人物など、楽しんで読むことができました。 ただ、長い。そして、多い。 上下巻に詰め込めるだけ詰め込まれた情報量。そして、キャラクター。 これにはちょっとおなかがいっぱいになってしまいました。 また、個性豊かな脇役に主人公が埋もれてしまった印象も受けました。 もう少しコンパクトに、主人公を際立たせて欲しかったような気もします。 連載ものだからしかたないのかもしれませんが・・・。 全体的に辛口になりましたが、おもしろい小説であることは確か。 ただ、上に書いたように非常に長く、情報量が多く、アクの強い小説であるので、自分に合うかどうか、上巻だけ買って試してみるのが賢い選択かもしれません。 | ||||
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ストーリー展開が面白くて、ページが次々に進んでいく フィクションではあるんでしょうけど、あまりに面白くて、結局琉球史をちょっと調べてみようというところまで、引き込まれてしまいました。 つい映画化されたときのことを想像して、主人公は誰になるんだろうって。 一気に下巻へと突入していきました | ||||
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新聞広告で読んだ時は 大人向けの歴史物だと思ったのだか、 読んでみればこれは若い人向きかなと思った。 読む人によっては歴史を面白おかしく脚色していて いい評価をしないかもしれないが、 物語としては面白い。 沖縄の歴史を殆ど知らないで読んだのだが、 とれもわかりやすく書いてある。 読み始めは、 登場人物の身分の琉球表記がなじまなかったが、 挟み込みの「主な登場人物」「用語一覧」を見ながら読み進めるうちに 慣れてくる。 昨年の大河ドラマ「篤姫」と同じ時代なので 登場人物に関連性があって へぇ〜と思うところもあった。 最後は死んで終わりかなと思ったら 陳腐といわれてしまうかもしれないがヒロインが幸せになるところで終わる。 肝心の息子は最後どうなるの?と思いはしたが、 読み終わりは悪くなかった。 沖縄が好きで何度も行っているが この本を読んだ後は 地名や名所を違った目で見ることができそうだと思った。 | ||||
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本書の内容を一言で表現すれば、琉球物語に舞台を借りた現代日本の描写である。そこに着目するから、絶賛の書評が生まれるのである。そう考えれば、稚拙に思える文章表現も国会答弁に通ずることに気がつくのではないだろうか。 読者の書評を読んで、アンソニー・ウェストンが『ここからはじまる倫理』で述べたことを思い出した。彼は、“重要な問題のほぼすべての立場に一理ある。どの立場にも耳を傾けるべきことが含まれているし、どの立場にもどこか正しいところがある。従って、我々は複数の正しいものの中から選ばなくてはならない。「善か悪か」ではなく、「善か、あるいは、もう一つの善か」なのだ。どの理論が正しいのかと問うのではなくて、それぞれの理論はどこが正しいのかと問わなければならない。”と述べている。 せっかく大著を読むのだから、幸せな気持ちになりたいものである。そのためには、気づきの心(mindfulness)をもって、行間に籠められた気配にも目を向けることも必要ではないだろうか? | ||||
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