大いなる母・西太后を喪い、清王朝の混迷は極まる。

列強諸国に蹂躙され荒廃した清朝最末期の北京。その混乱のさなか、紫禁城の奥深くでひとりの妃が無残に命を奪われた。

1000年後の日本。豊かな自然に抱かれた集落、神栖66町には純粋無垢な子どもたちの歓声が響く。

汝は必ずや、あまねく天下の財宝を手中に収むるであろう―中国清朝末期、貧しき糞拾いの少年・春児は、占い師の予言を通じ、科挙の試験を受ける幼なじみの兄貴分・文秀に従って都へ上った。

爆殺――その朝、英雄の夢が潰えた。 『中原の虹』完結から3年。

ぼくらを襲った事件はテレビのニュースよりもっとずっとどうしようもなくひどかった―。ある日、学校で起きた陰惨な事件。

なぜ「あの男」を自らの手で殺めることになったのか―。

江戸、四代将軍家綱の御代。ある「プロジェクト」が立ちあがった。

玄武書房に勤める馬締光也は営業部では変人として持て余されていたが、新しい辞書『大渡海』編纂メンバーとして辞書編集部に迎えられる。

急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。それがすべての発端だった。

高校生活最後を飾るイベント「歩行祭」。それは全校生徒が夜を徹して80キロ歩き通すという、北高の伝統行事だった。

衆人環視の中、首相が爆殺された。そして犯人は俺だと報道されている。

九十七歳の生年祝い「風車祭」を翌年に控えたオバァ・フジの楽しみは長生きと、迷惑をかえりみない他人いじり。

琉球王国の商都である那覇の街は、眩しい陽光と活気に満ち溢れている。

19歳の綾乃は島での楽園生活を満喫し、大親友のオバァ、オージャーガンマーと遊び暮らす日日。

1712年、琉球王に第13代尚敬王が即位した。

加速する地球温暖化を阻止するため、都市を超高層建造物アトラスへ移して地上を森林化する東京。

第二次世界大戦の米軍の沖縄上陸作戦で家族すべてを失い、魂(マブイ)を落としてしまった知花煉。

祭の島、竹富島では、女は踊り男は狂言を舞う。最南端の波照間島では、さらに南にあるという、伝説の楽園を目指す娘がいた。

都内の2LDKに暮らす男女四人の若者達。本音を明かさず、“本当の自分”を装うことで優しく怠惰に続く共同生活。

仕事と結婚に失敗した中年男・荒井尚人。今の恋人にも半ば心を閉ざしているが、やがて唯一つの技能を活かして手話通訳士となる。

保険外交員の女が殺害された。捜査線上に浮かぶ男。

寓話と現代文学が美しく融合した作品「カジマイ」ほか、みずみずしい感性が紡ぐ、切ない八つの物語。著者初の短編集。

緑豊かな桂川渓谷で起こった、幼児殺害事件。

結城中佐の発案で陸軍内に極秘裏に設立されたスパイ養成学校“D機関”。「死ぬな、殺すな、とらわれるな」。

人類が衰退し、マシンが君臨する未来。食糧を盗んで逃げる途中、僕は美しい女性型アンドロイドと出会う。

犯行時刻の記憶を失った死刑囚。その冤罪を晴らすべく、刑務官・南郷は、前科を背負った青年・三上と共に調査を始める。

水不足の村に現れた悪徳役人・伊舎堂。村人の窮状に追い打ちをかけ、強制労働の果てには、信仰や娯楽まで禁止してしまう。

島の豆腐屋で働く津奈美はシングルマザー。

舞台は西暦二〇〇〇年の沖縄。米軍から返還された天久開放地の荒野に巨大な魔法陣が出現する。

悪党・八神俊彦は自らの生き方を改めるため、骨髄ドナーとなり白血病患者の命を救おうとしていた。

義母の富江は心の底から喜んだ。孝之介が文壇最高の権威「日本文芸大賞」の候補になったというのだ。

爽快感200％、とってもキュートな青春小説！！ オカマと同棲して気楽な日々を過ごす「ぼく」のビデオ日記に残された映像とは……。

花沢支配人は青ざめた。

平均年齢おそらく世界最高齢のアマ・オーケストラ「梅が岡交響楽団」(略称・梅響)に、高校教師・中島は間違えて入団してしまう。

公園にひとりで座っていると、あなたには何が見えますか?スターバックスのコーヒーを片手に、春風に乱れる髪を押さえていたのは、地下鉄でぼくが話しかけてしまった女だった。

元刑事で一人娘が失踪中のD県警広報官・三上義信。

「戦いまする」三成軍使者・長束正家の度重なる愚弄に対し、予定していた和睦の姿勢を翻した「のぼう様」こと成田長親は、正木丹波、柴崎和泉、酒巻靱負ら癖のある家臣らの強い支持を得て、忍城軍総大将としてついに立ちあがる。

『のぼうの城』から六年。

「妻を殺しました」。現職警察官・梶聡一郎が、アルツハイマーを患う妻を殺害し自首してきた。

長崎で最新の医学を学び、江戸に戻った保本登は、突然小石川養生所に呼び出され、見習い勤務を命ぜられた。

義父母をはじめとした世間から虐げられてきた双子の兄弟、竜一と竜二。

強大な帝国・東乎瑠にのまれていく故郷を守るため、絶望的な戦いを繰り広げた戦士団“独角”。

6時間後の死を予言された美緒。他人の未来が見えるという青年・圭史の言葉は真実なのか。

阿部看護婦長、またの名を“血まみれのマリア”は心に決めた。温泉に行こう。

埼玉県天木山山中で発見された白骨死体。

極道小説で売れっ子になった作家・木戸孝之介は驚いた。

署内で一括保管される三十冊の警察手帳が紛失した。犯人は内部か、外部か。

緑豊かなニュータウンを騒然とさせた九歳の少女の殺人事件。

これが運命だというのなら、神様に感謝すべきなのか。

果てしない未来と、果てしない不安。甘いお菓子が、必要だ。

休暇で沖縄に帰ってきたリョウは、親孝行のため「おかあさん」と3日間島内を観光する。

店を開くも失敗、交通事故死した調理師だった父。女手ひとつ、学食で働きながら東京の私大に進ませてくれた母。

裏稼業で数億円を手にした達也は、チェロのレッスン帰りの女性が車に轢かれる現場に遭遇。

国立署の新米刑事、宝生麗子は世界的に有名な『宝生グループ』のお嬢様。

警察一家の要となる人事担当の二渡真治は、天下り先ポストに固執する大物OBの説得にあたる。