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(短編集)

雷の季節の終わりに



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【この小説が収録されている参考書籍】
雷の季節の終わりに
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)

雷の季節の終わりにの評価: 4.23/5点 レビュー 91件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.23pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全91件 81~91 5/5ページ
No.11:
(5pt)

『夜市』から骨子をしっかりさせた第2作

デビュー作『夜市』の幻想的な美しさから、書き下ろしの第2作は骨子がしっかりした作品になった。

地図に載らない穏を舞台に、ラストに向けて複線となる前半は、ケンヤを中心にゆっくりと進む。

後半あかねが出てきてからは、ケンヤと交互に絡ませながら、歪んでゆく空間にも重なりながら、

物語の全体像を浮き掘りにしてゆく。

その仕掛けにラストは一気に読める。

今回はその骨子をしっかり練った為か、『夜市』にあった叙情的な美しさは無い。

そこが『夜市』に魅せられていただけに残念だった。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.10:
(3pt)

常野物語の二番煎じ?

この作者の作品は初めてですが、非常に面白く読めました。

ただ、3分の2くらいを読み終わってもようやく主人公が旅立つ場面にたどり着いたくらいで、

起承転結の「承」がずっと続いたような印象があります。

そして最終章のあたりの数ページでいきなり転・結という流れだったので「あれ?」と肩透かしをくらったような…

(もちろん物語はリンクしているので転・結が最後だけ、ということはないのですが

盛り上がるべき敵との対峙シーンがあれだけって…)

主人公の姉に関しての伏線は非常に上手く、後半で彼女と主人公の関わりが明らかになる部分は

あまりの意外さに唸ってしまいました。

そして大渡さんが主人公を送るシーンで泣いた…

ただ、非常に設定が似ている恩田陸さんの「常野物語」シリーズを先に読んでいたために

二番煎じのような印象を受けたのも事実。

さらに常野物語ほどキャラクターや設定に深みがないので、読み応えとしてはかなり物足りなかった。

でもデビュー二作目にしてこの力量なので、個人的に今後が楽しみな作家さんです。

デビュー作「夜市」も読んでみようと思います。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.9:
(5pt)

力がある

作者が今、沖縄に住まれてると書いてあり、イメージがぱぁーっと広がりました。石垣の感じとか、うんうんわかるかも。風わいわいと言う生きもの、闇番という職業、ホント、魅力的な作品です。夜市がおもしろかったから、手に取った作品なんですが、期待を裏切りません。もっと読みたい、次作も必ず読みます。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.8:
(5pt)

実力があるからこその作品

前作を高く評価しましたが、飽くまでも作品をであって、作者を気に入ったからの評価ではなかったつもりだった。
今作が店頭に並んだ時に思わず手が延びたのは、やっぱり作者の作風が凄く気に入ったからなんだと今にしては思う。
さて、作品については触れないが、本当に実力が無くては、受賞後第一作で、ここまでの完成度は、無理だと思える世界観を見事に作り上げている。とだけは言いたい。
後半がはしょっている感じがしないでもないが、長編として上手く纏めている。既に数百の作品を書いた事があるかのような、こなれた感が漂っている筆致には感心するばかり。
基本的に文庫しか購入しない私だが、この作品も前作と同じ単行本で、本棚に並んでいる。
単行本の値段が高いと感じたら、文庫になるまで待って良いのではないだろうか。
とは言え、是非読んで貰いたい、お勧めの作品である。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.7:
(4pt)

絵画あるいは映像的な想像力

ファンタジーだわな。世界観というよりも絵画的な世界だと思う。ストーリーも重要ではあるが、それよりは絵画あるいは映像的な想像力をかきたてられることが、この作品の根幹であり、読み応えだ。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.6:
(4pt)

圧倒的な世界観

圧倒的な世界観。

手にとってから4時間ほどで、一気に読み終えてしまった。

私たちの住む世界とは異なる世界「穏」に暮らす少年。

雷の季節、彼は唯一の肉親である姉を失う。

それと同時に、彼には得体の知れない何かが憑依していた。

異界「穏」にひそむ秘密を知るにつれ、

彼は運命の波によって、彼の在るべき世界へといざなわれてゆく。

読み始めには、恒川光太郎の語感や表現に胡散臭さを感じていたのだが、

物語が展開するにつれ、そういった些細なことは、どうでもよくなってしまった。

まるで、本という名のブラックホールに吸い込まれたかのように、私は見知らぬ世界「穏」へと吸い込まれていたのだ。

異界を描いたファンタジーは多く存在するが、「雷の季節の終わりに」が描く世界観は、あの「指輪物語」や「ハリーポッター」の世界観にさえ、負けない魅力を持っていると思う。
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4043892020
No.5:
(5pt)

一口にホラーというけれど。

不思議な作品です。
ファンタジー、ミステリー、ホラー、歴史小説、青春もの、冒険もの、民話??
いろいろな分野が混じり合っていて、
実に魅力的な作品になっています。

おどろおどろしいシーンが多いのですが、
それがさらっと描かれいるのでうまく話のアクセントになって、
先へ先へ物語を読み進めてくれます。
登場人物のひとりひとりがいきいきと表現されていて、魅力的です。
非現実的な内容なのですが、
もしかしたらこれは現実かも・・と思わせるうまさがあります。

その中で少しケチを付けるとすると、「トバムネキ」のその後の様子です。
何となく付け足しのような気がしました。
いきなり主人公と対峙しても物語は成立したのではないでしょうか。
読み手としては、少しなかだるみを感じてしまいました。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.4:
(4pt)

惜しいな

中盤まで良い作品だったと思います。風わいわいと語る主人公の話が安心できて心地よかった。しかし、中盤以降話が詰まりすぎるというか後半は個人的にはもうひとひねり欲しいところでした。惜しい作品でした。
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4043892020
No.3:
(5pt)

映画化するべからず

多作とポップさを極めるもう一人の「こうたろう」(伊坂)に対して、こちらの「こうたろう」
(恒川)はミステリー大賞を受賞してからもいささか寡作にしてゴシックだ

受賞からやっと第一作目。何とも地味。いや、滋味である。受賞作と同じ所謂、「結界」もの
であるが、本作では「道」の結界から「世界」の結界へと舞台が広がっている。かつてこうした
物語は少なくなかったが、久方ぶりに真打の登場。ジャパニーズ・ゴシックというとドロドロ
したものだが、恒川作品は「濁点」をとってトロトロとした質感。あらわれる物の怪
たちもジットリではなくシットリと味わい深い(この点では傑作コミック「蟲師」に近い)

濁点なきゴシックはおそらく単に日本の神話、怪奇物語だけでなく原題の都市伝説に影響を
受けた結果と思う。日本刀ではなく、カッターナイフのようにスっと切れる

この切れ味、映像化は困難と見た。伊坂ものが次々に映画化される中、恒川ものはひっそりと
読み継がれてもらいたい
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.2:
(5pt)

先が読めない

読みやすくて、情景が浮かびやすく、独特の世界観にどっぷりとはまりました。

前作よりも残酷なシーンがありますが、作者独特の幻想的で美しい文章のおかげで、

よい読後感を満喫しました。

最後の展開まで目が離せなかったです。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020
No.1:
(4pt)

面白かった

プロローグの最初の一文から、作者が得意とする幻想的な世界が広がる。

前作同様、設定も上手くすんなりと物語の世界へ入っていける。

ただ、初の長編ということもあってか、若干話を詰め込みすぎた感じが

しないでもない。作品中における語り手の変更が、時間軸をも異にして

いる為、ストーリーの勢いを削いだ感じは否めない。

しかしながらそういったマイナス点を差し引いても、読み終わってみれば

深い満足感が得られる傑作である。
雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)Amazon書評・レビュー:雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)より
4043892020

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