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(短編集)
雷の季節の終わりに
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雷の季節の終わりにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全91件 61~80 4/5ページ
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単行本版と比較し、文庫本では宿命というか、古い縁というか 個々のつながりを深くしたような感じがします。 少し作品の味わいが異なっていて、単行本と文庫本を 読み比べてみると面白いかと思います。 | ||||
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「夜市」を読んで、大ファンに!! この長編は、マジでヤバい! オイラは、こういうちょっと怖くて切ない話が大好きなので、カナリ壺にハマりました! このジメジメした感じを文章で表現するのはスゴイ技術です・・・、圧巻。 | ||||
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『秋の牢獄』や『夜市』は怪異が主体なのに対して、この『雷の……』は世界が主体に思える。 壮大な世界がまず第一にあり、その世界ではこうこうこういった謎がある……といった感じだ。 しかし、それが計算された美しさを持っている。 やはりここにも氏特有の人間のイヤらしさがあるが、何故そうなったのかが描かれている分、安心して読めた。 世界は広大で謎や秘密があり、そしてそれは時に人を怪物に変える。 本当にそんな世界があるのではないか、そう思わせる作品だった。 問題といえるかどうかは分からないが、すっきりと最後を終わらせているが故に違和感のようなものがあった。 あまり高い評価を受けていないようだが私は個人的に“こちら側”の世界を突き詰めた本を出して欲しいと思った。 あの人間達やあの現象についてもっと掘り下げてもいいんじゃないだろうか。 | ||||
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前半はかったるかったけど、後半は一気読みでした。 この作者の「夜市」という作品も今読んでいるがかなりいいですよ、 一度読まれてみては、、、。 | ||||
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地図にも載っていない土地「穏」。穏には春夏秋冬以外にもう1つ季節がある。雷季、それは雷の季節。2週間ほど雷が雨のように降るこの季節に起こることは誰にも分からない。 穏に住む少年賢也は姉と血の繋がっていない老夫婦と暮らしていた。そして姉は雷季に姿を消した。そして賢也はある日「風わいわい」に憑かれてしまう。「墓町」で賢也が目撃したものとは? 「賢也」「ナギヒサ」「茜」「トバムネキ」の四人の視点で描かれた物語。 ミステリーのようでホラー。かと思えばファンタジー、本当に不思議な世界へ連れて行ってくれる一冊。 クリアでどす黒い年齢関係無に楽しめる一冊だと思います。 4人の視点で描かれているので、たとえば「賢也」で感じた謎や見てきたものが他の誰かの視点によって頭の中で繋がる、そんなことが多く、頭の中で繋がった時のワクワクドキドキ感、と言うのでしょうか・・・分からなかった問題が解けたような感覚が味わえ、読み終わらないで欲しい、もっと読んでいたい、そう思わせてくれます。 迷っている方、少し興味のある方は取り合えず読んでみてください。一度読むと忘れられない、そんな一冊。 久しぶりにドキドキしました。ですので☆5つです。 | ||||
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恒川光太郎の第三作品、文庫での最新刊です。 デビュー作、前作同様に、この世界と微妙に重なり合う異世界を舞台にした幻想小説ですが、あいかわらず巧いです。もう何十年とこの世界で文筆業をしている老成作家のような落ち着きと技巧でこの小説は書き上げられています。才能というのはあるものなのだなぁとこの作家の作品をむと強く思います。 (同じようなオンリーワンの才能でも、SFの北野優作や、ペダンチックで硬質な佐藤亜紀などと比べたら、ジャンルこそマイナーだけれど受け入れられやすい文体ですし、この人はどこまで伸びていくんだろうなぁと思ったりもします) さて。作品のあらすじはというと、今回の舞台は「隠」という異界。この世界では、春夏秋冬に加えて、雷の季節、別名神の季節というものがあります。その期間には雷がなり続け、風が吹きすさび、到底人は外を歩き回れるような状態にありません。加えてこの季節には、神によって連れて行かれる村人も出たりします。その村に姉と弟の二人で暮らしていた少年が今作の主人公なんですが、彼の姉も雷の季節に誰かに連れ去られてしまいます。また、同じ時期に、彼には何ものかが取り憑いてしまいます。はじめは、ただただそこにいて、自分を通して世界を見ている「何か」。それに気付く村人もいれば、気付かない人もいますが、少年はそのことを気にかけており、どこか世界から隔離されているような弾かれているような疎外感を持っています。 そんな彼の転機になったのは、彼の知人の女の子が行方不明になったこと。その少女は、ある日村からいなくなってしまい杳として行方が知れませんでしたが、ある日、彼はその女の子の幽霊に出会います。。。ここから物語は加速して、過去と現在がうまく繋ぎ合わされていくのですが、その構成が見事で先が気になって一気に読ませます。中盤からだいたいの人物の繋がりは見えてはくるのですが、どうしてそうなっているのか、本当に運命を操っていたのは誰か、などなど気になってしまいます。 前作前々作同様に、わかりやすい回答があるわけでもなく、明確な世界観があるわけでもないのですが、それがフラストレーションにならずにただただ世界の奥行きを感じさせるのが巧いなぁと思います。当分、作者はこの路線で行くのでしょうが、それでもワンパターンにならずにいけるほどにこの世界は広がりを持っています。物語の器として、いい金脈を恒川光太郎は引き当てたのでしょうね。 お勧めです。 | ||||
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ずっとこの話が終わって欲しくないと思いながら読み進めていました。 風わいわいや陰(おん)の世界をまた続けて欲しいです。 続編が出て欲しいと切に願って止まない一冊です。 | ||||
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前作「夜市」がもの凄く面白かったので購入。 とても面白かったです。 私の勝手な妄想なんですが、ある意味「夜市」と繋がってる気がしました。 夜市から自分が元居る世界には戻らずに穏に来た気がしましたww この順番で読めて本当に良かったと思います。 いくつかの物語りが進んでいきじょじょに合流し、最終的には一つにはまる。 本当いい作品だと思います。 おすすめです。 | ||||
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恒川光太郎さんの文章をあまりに美しく、読んでいるとついついこの世にいることを忘れてしまいそうになります。 1973年生まれのまだ若い作家なのだけど、この年齢でこんなに雰囲気のある世界を構築できるなんて素晴らしい! 穏という町の設定も味わい深いし、 風わいわい・闇番・墓町・獅子野・・・次々と現れる不思議な存在に読んでてワクワクします。 けど、「夜市」や「秋の牢獄」に比べるとちょっと荒い感じは否めない。 前半はあくまで穏を舞台にした賢也という少年が中心となる物語なのだけど、途中からそれとは別に茜という少女の物語も描かれます。 こちらは私達の住む現代に似たような世界が舞台なので、 せっかくの幻想的な世界に俗世界的なものが混雑してしまい、なんだかいい雰囲気が損なわれてしまうのです それだけでなく、このへんから話は意外な展開に転がり、しかも急ぎ足で進んでいくので、 なんだか読者はおいてきぼりを食うような寂しさに襲われそう・・・。 いまひとつ惜しい作品でした。 が、やっぱりこの人の世界観は素晴らしいので、これからの読み続けたい作家です。 | ||||
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「夜市」「秋の牢獄」と独特の世界観で圧倒されたあとで、本書を読みました。 短編でみせた異次元空間へ引っ張る筆力は、この長編にもしっかり生きていて、現代を生きている私たちの知らない世界は本当に存在して、この世にいる自分は実は本当の姿とは違うのでは?とぞっとさせられっぱなしでした。 ただ、スケールが大きいだけに現代との接点を作る手法に少し無理が感じられ、短編ほどにはすっきりしなかった。 しかし、次回作も必ず読むでしょう。 | ||||
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独特の世界観の構成は相変わらず この作品の魅力を言葉で説明するのは難しいですが、 もっともっとこの異世界の物語を読みたいと思いました。 | ||||
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受賞後第1作目というプレッシャーの中でこれだけのもの書いたのだから、満点でいいと思う。独特の世界観がきちんと隅々まででき上がっていて、とても楽しく読んだ。怖さもわくわく度もちょうどいいぐあいに交じり合って、精一杯書いたことがよくわかる。造語が実に上手なところも見事だ。 それだけに、3作目が少々トーンダウンしてきていることが気にかかる。もっともっと自由に書かせてやれば、それだけ伸びる作家だと思うのだが。 | ||||
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異世界の美しくもおどろおどろしい世界を描くのがうまいですね。 私的にはツボなので、この著者初の長編は堪能できました。 この著者の作品って、絵になりそうな格闘シーンがチラっと出てくること多いですね。 なんか、ゲームっぽいというか・・・。 まあそういうところ含めて大好きなのですが。 久々にネーム買いする作家さんです。 | ||||
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隠(おん)という、現世とは繋がってはいるが微妙にずれた異世界の町に住む少年の物語。 四季のほかに、神季または雷季という特別な季節の存在する世界。 行方不明の姉、風霊鳥、古くからの因習、殺人事件、墓町。 謎は、闇の向こうからの答えを待っている。 『夜市』第12回日本ホラー小説大賞を受賞した作者、恒川光太郎の長編第2弾です。 | ||||
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本書のベストセリフ 「性には興味がない。 生殖能力と性欲をセットで失ったのだ。 失ってしまえば、ただそれは、 公平な判断を狂わす不必要な劣情としか思えなくなった」 「20億の針」「寄生獣」「うしおととら」を想起させる傑作。 出来の良いクーンツの雰囲気もある。 不死の敵を如何に封印するか?ネタはタニス・リーにも匹敵する。 これも加えたら誉めすぎだが、 「デビルマン」に通じるイメージもあります。 時制のトリックが見事に炸裂するミステリホラーの傑作、 人称のトリックはやや不完全だが、 「夜市」同様捻ったプロットの意外性に溢れる傑作。 文学の香りも漂う美しい文だが、 難しい漢字や難解な比喩表現は一切使ってないのも素晴しい。 美しいホラーなんだが、エンタメとして 謎の要素が多いミステリとしても傑作。 美しい文が書けるのなら純文学に擦り寄る事も考えるだろうが、 ブンガクとしてのふざけたテクニックは一切使ってない 物語の王道を行く素晴しい小説。 日本一のホラー作家は恒川光太郎でケテーイである。 | ||||
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架空の町と、現世での出来事が、いろいろな人の視点から書かれていて 穏という不思議な町の出来事と、現世の話が、平行的に描かれて、後半、重なっていく。 誘導されてるなーと思って読んでると、アレ?と思う意外な結末。 この作家の作品で、今まで、ものすごい悪者っていうのが出てきたのを、 あまり読んだことがなかったのだけれど この作品には、継母とか、鬼を名乗るトバムネキとか、有力者の息子のナギヒサとか 絶対的な悪者が登場するのだが、それが、理屈抜きに悪すぎて、 得体が知れなくて怖くていい。 あらすじを書きなおしてると、小学生の課題図書みたいだなぁって内容なのに 読んでいて、まったくそんな感じはしない。 何度も同じように褒めてしまうんだけど、やっぱり、文章のせいじゃないかと思う。 美しい文章。 視点を変えて、いろんな方向から書く手法は、わたしも大好きだし 長編も充分面白かったけれど、やはり、夜市や、秋の牢獄くらいの短編が この作家さんの本領を発揮できるのではないかと思います。 不思議感が、その方が薄れないので。 | ||||
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惜しい!惜しいといしか言いようがない。 物語の進め方も無駄がなく、ファンタジーなのにわかりやすい。 細かい描写も抜かりなく想像しながら読み進めるのが楽しかった。 表現が素敵で、伏線の回収も鮮やかだった。個人的に久々100点満点だと思った。 でも、ラストがなぁ〜!!ラスト直前、作者に何があった? めんどくさくなったの?飽きちゃったの? 最後のほんの数十ページの尻すぼみ、もったいなさすぎる!! 夜市の雰囲気そのまま持続した作者の次回作が気になるところだ。 | ||||
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ファンタジーなのですが、異空間に存在する街『穏』の慣習や風景を丹念に描写して、本当にこの街があるような気分にさせられました。 この作家さんの優れたところはひとえに描写力があることだと思います。ファンタジーだからこそ細部にこだわりリアリティを醸し出し、絵空事に思わせない説得力。まさに恒川光太郎氏は稀代の伝奇小説家です。 | ||||
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「夜市」、「風の古道」に続く、私たちの住む空間から少しずれた空間(私たちからは決して見えない)に暮らす人々の物語。著者の描く空間は、もちろん創作上のものだが、実は今でも日本のどこかにあるのではないか、とそんな気にさせてくれ、気がつけば著者の描く世界の住人の一人になっている自分を発見する。 今回も、穏、雷季、風わいわい、墓町、闇番、鬼衆、と魅力的な設定、登場人物により飽きさせない。プロットも主人公の物語に、姉の失踪の話、鬼衆の話が、時間、空間をこえて進み、前二作より複雑な構造になっている。主人公が「穏」を出るまでの前半は、「夜市」にもあった幻想的な妖しさをもつ、イメージの世界を十分堪能できる。しかし、主人公が「風わいわい」と一緒に「穏」から逃走する後半は、現代社会が投影されすぎている感じがして、前二作ほど「異空間で遊ぶ」ことはできなかった。 ただ、次作も是非読んでみたいと思わせる作品にはかわりはない。 | ||||
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ミステリーの構造を借りた、異世界伝奇小説である。ストーリーの整合性が高く、ストンと腑に落ちる。「風の古道」の世界観を、精密に練り上げた感じである。この世とは違う条理で、幸せとか因習とか地縁などをひもといているように思える。 「穂高」や「遼雲」などの人名や、「風わいわい」「獅子野」「鬼衆」など、一風変わった名詞群が『穏』の世界を形作っている。隠れ里『穏』の素朴さが、不思議と懐かしい。 | ||||
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