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(短編集)
雷の季節の終わりに
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雷の季節の終わりにの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.23pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全91件 41~60 3/5ページ
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主人公は、賢也という少年。 穏という、現実の世界から外れた小さな村に住む。 賢也には、姉がいたが、雷の季節に居なくなってしまった。 賢也には、風わいわいという物の怪が憑いている。 序盤は、賢也の穏での暮らしが描かれる。 中盤に差し掛かり、結果として殺人を犯し穏を脱出する。 後半には、トバという鬼衆が登場する。 ラストは、賢也とトバの宿命ともいえる対決へと向かっていく。 中盤以降は、息つく暇もなく物語は進んでいく。 賢哉と賢也の姉と風わいわいとトバとの関係が 徐々に明らかになっていく度に緊張感が高まっていく。 異世界と現世で繰り広げられる、幻想的な物語。 賢也の今後の人生と成長に、エールを贈りたくなった。 | ||||
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恒川光太郎の最高傑作かも。この世とはほんの少し違う世界、を描かせたら天下一品。 その景色が見えるような静かで精緻なタッチ。素晴らしい! 村上春樹や椎名誠にも共通するものがあるが、この人の作品には懐かしい静けさがある。 | ||||
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安価に購入させて頂き、寝る前のここ一週間程度、とても楽しませて頂きました。 ”穏”という、現実世界とわずかにつながりつつも霊的に離れた村と、現実世界を結びその行き来をする登場人物達を描いた物語で、古い村の因習によるホラー的要素もほどよくあります。 全体的にシンプルというより素朴ながら退屈せず、わかりやすくて、情景描写も想像しやすく、冒険、現実世界との時間的な楽しめる交錯もあったと思います。 複雑すぎず、しかも楽しめる。という印象でした。 簡単な書評ですみません。ともかく、こんなに安価で一週間以上も十分に楽しませてもらって感謝です。 | ||||
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違和感を唱えるかたもおられましょうが、なんとなく昔の萩尾望都の世界に 通じるものを感じました。 墓町のイメージなど実に漫画的ではありませんか。 | ||||
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文体が、読みやすい。内容も良い。映画や、アニメにし易い内容でした。児童文学的な要素。悪い子供は、鬼にさらわれるといった、モラルを子供に付けるテーマを、現代文で、ラノベ寄りな、文体で語られています。昔話を、現代ファンタジ〜に、ミックスして、モラルを子供に与える方法について、色々な、キャラクターからの視点からの結果と、心情を見せながら、大筋の物語が進みます。良い作品でしたが、主人公が、過去を話す話の為、やや緊張感に、欠けます。死なない事が、前提の為。 最近、この作者の新作読んでいます。スタープレイヤーと、言う作品ですが、まだ途中ですが、こちらも、良いです。 話は、逸れましたが、良い作品作者さん有難うございます。 | ||||
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良かった。不思議な世界に引き込まれ、あっという間に読み終えてしまいました。ハッピーエンドかと言うとどうかと思うが、とても充実感を味わえる本だと思う。是非また作者の他の本を楽しみたい。 | ||||
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著者の作品は夜市に続き二作品目として読みました。夜市の「風の古道」が好きな人なら間違い無く読んでみるべきです。この著者の作品をまだ未読な人には是非読んでほしい一冊です。何がすごいのか?「穏」という普通の世界から切り離された古い日本の神がでてくるような土地を舞台に少年が体験する奇々怪々な物語。読めばこの穏の世界が頭の中で巡ります。 | ||||
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300ページ以上にも及ぶ長編小説ですが、最後までとても読みやすかったです。 あまり世界を緻密に描写しない文章は、人によっては稚拙に見えるかもしれません。 それが作者の意図によるものなのか、単に文章力に欠けるのかは分かりません。 ただ、それが世界観をよい意味でオブラートに包み、古来の日本を思わせる様々なフレーズによって、読者にある種の旅愁を抱かせます。 ただ若干、物語中のあらゆる困難が、大した盛り上がりも見せずに解決したりするのには首を傾げてしましました。 特に最後の問題に関しては、どこかのアニメで観たような展開に終わってしまって残念です。 でも、やはり読み終えてみると、夜市のときに感じたような何とも言えない感慨に浸らせてもらえました。 素晴らしい小説だと思います。 | ||||
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中盤まで読みすすんだまでの印象として、これは村上春樹の手法だな、影響受けてるな(悪い言い方すれば模倣だな)と感じた。作者の年代からして、学生時代に読んでいるだろうし。 世界の終わりとハードボイルドワンダーランド、ねじまき鳥、海辺のカフカ 特に、ハードボイルドワンダを思い出させる現実の世界と異世界の融合の話。 別に模倣が悪いとは言わないが、この年代の作家からもこういう手法を使う人が出てきたのだなという印象。 話は、中盤までは面白く展開する。 しかし、これが後半、失速し、読者をがっかりさせる。 以下、欠点 後半、話を進めるのが早い。 都合のいいようなキャラが唐突に出てきたりストーリーが展開したり。 穏出身の偵察の女性と茜が偶然に出会っていたり、 幼少のケンヤが唐突に出てきたりと。話をうまくまとめるための帳尻あわせがきれい過ぎる印象。 長編小説を書くなら(ましてやプロ作家なんだから)、 偶然は極力排除して、読者に「御都合主義だな」と感じさせないようにしないといけない。 トバムネキを倒すということでストーリーはクライマックスを迎え終了するが、 トバムネキは後半登場するし、ストーリーの展開上、読者にとっての「敵方」という印象はあまりないので クライマックスがさほど盛り上がってるとは思えない。 トバが茜の義母の親戚というものどこかしら都合がいい。 村上の手法を利用するなら、トバムネキ的な登場人物は前半から登場させてもっと読者の憎悪をあおらなくてはいけない。村上はきっちり憎悪を読者に持たせる工夫をしています。 冒頭時点では、描写がいまひとつで、穏の風景が全く想像できないのも欠点だ。 ハカマチあたりから非常に分かりやすくなるが、もっと穏の人々に焦点を当てたストーリー展開のほうが興味が持てるような気がした。 一言で言えば尻切れトンボなのである。 穏を舞台に壮大な話が展開されるかと期待したが、話を進めるうちに、 「落としどころ」が小さくなっていく印象である。 さらに付け加えると、波紋?鳥が肩に乗っている? なんだこりゃ、ジョジョの第3部の影響も受てるな! 村上春樹よりもいいとすれば、死に筋を作らずに、全部ハッピーエンドでしっかりまとめているところ。 描写力、ストーリー展開、どれももうひとつですが、創造性はあると思います。 可能性のある作家だと思うので、今後の成長に期待したい。 | ||||
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夜市が好きだったので読みました。 少し不思議なファンタジー、という 点では同じだと思ったのですが、 今まであったミステリー的な 「実はこうだった」という要素がなくなり ちょっと不満です。 | ||||
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先が気になってしかたないので、久しぶりに徹夜してしまいました。 作風は、前作の『夜市』同様、ホラーとはいいつつも決して猟奇的ではなく、どちらかというと幻想的な世界を描いた民話や昔話のようです。淡々と詩情豊かに紡がれる物語は、うっすらと死の香りをまといつつ、妖気的な魅力を漂わせています。そして、そこに少年の成長や葛藤というテーマが絡んで、きゅんと胸が切なくなります。 ただ、短編だった前作に比べ、今回は長編だったせいか、全体がやや間延びしてしまい、主人公の成長物語という要素が少しぼやけてしまった感もあります。全体を細かく章立てにし、各章ごとに主人公を変えたせいかもしれません。 ストーリーも、前半と後半でがらっと変わりすぎな気もしたりして、もっとタイミングよく伏線を張っていけば、これが「賢也と風わいわいの復讐物語だった」という本筋がはっきりしたのでは、なんて思ったりして。終盤になって、諸悪の根源たる悪者が唐突に出てくるので、あまりカタルシスも感じられず。 と、何ぶん期待値が高い作家さんなので感想も辛口になってしまいましたが、おもしろい作品であることは確かです。少年の成長、物の怪、仲間、ファンタジーといった言葉に引っかかる人は、ぜひ読んでみて下さい。 | ||||
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オリジナリティというのは、恒川さんの著書のためにあるような言葉だ。日本だけれど、普通の人には行けない場所『穏』 そこで育つ主人公を通して、読者は不思議な世界へ溶け込んでいきます。 風わいわい、鬼衆、墓場町、などなど特徴的な、けれども、日本という文化から乖離しすぎていない造語が雰囲気を盛りたてます。日本人と少し違った名前や、地名が、ここではないどこかに穏は本当に存在しているんじゃ・・・という気持ちにさせてくれました。 初めの頃は、日常的なやり取りが多く、あまり楽しくないのですが、墓場町へのエピソードから、サスペンス的というかミステリーな要素が増え、楽しくなってきます。後半の「茜」の主観部分は個人的に蛇足だと感じました。せっかく「穏」にという架空の土地に自分も住んでいる気分だったのに、急に街の雑踏にでもワープしてしまったような、そんな不快感がありました。主人公の生い立ちを考えると、仕方がないのかなぁ・・・。 とまあ、不満もありますが、久しぶりに読んでいて新鮮味を感じた所はグッドでした。やはり、たくさんの本を読んでいると、先の展開がなんとなく予想できたりしますよね。でも本書にはそういったものは全くありませんでした。そういう本ってなかなか出会えませんよね。 | ||||
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「夜市」を読んでから、この独特の恒川ワールドに、もう一度浸かりたくて 手に取った一冊。 冒頭から、少年と少年の姉が登場し、物語が進んでいく。 何処か「風の古道」を思わせる、異世界感。 中でも”風わいわい”は、その存在だけで 想像力をかきたててくれる。 「穏」という、日本に位地するのに、地図にも載っていない 一種の異国に、外から来た少年が 育ち、あるきっかけが元で 命からがら、外の世界へと戻る。 この「穏」という村が、読みながら頭の中で勝手にイメージが出来上がっていく。 墓町や、闇番、鬼衆…と、全てのイメージが映像となってくれる。 これが、恒川さんの凄いところだと思う。 途中から、少女が登場する。 この少女の方は、現代の日本であり、外の世界のことで 穏とどう繋がっているのかが謎のまま、読み進む。 少年が何故、穏に来たのか…という下り。 少年と行方不明の姉の繋がりや、不気味なトバムネキの登場。 とにかく、面白かった。 ホラー・ファンタジーという、不思議であっても 何処か読後感の良い作品。 欲を言えば、ラストのトバムネキが もっと不気味であれば 盛り上がりがあったのかとも思うが、それでも 充分に満足感は得られました。 単純な言葉で言えば、この世界観が「好き」です。 恒川作品を、もっと読みたいと思える1冊です。 | ||||
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「夜市」を読み、この作者に大いに引かれ、早速この第2作を読んだ。 実はまだ“完全版”の文庫は読んではいない。 ここでも描いている世界は「夜市」同様の“異世界”。 ただ長編だっただけに、作者の作る世界の中にどっぷりと浸りきった。 面白かった。夜番との交流、“穏”から出てからの旅の描写も素晴らしい。 ただ唐突に現れる、現代世界の描写にはアレレという感じで、 物語がラストで着地したときの読後感は 読書中の心地よさを集約するものにはなりえていなかったのが残念。 さすがに長編なので失速したのだろうか。 失敗作ではないが、中盤からの展開には読んでいる際、違和感があった。 トバムネキのキャラももっと印象深いキャラクターになっていれば……。 ただこの人の次の長編を読むのは非常に楽しみ。 面白い読み物を書く作家だ。 いずれものすごい長編小説を何冊も残すのではと、期待してます。 続けて読んでいきます。 | ||||
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読みながらM.ナイト・シャマランの映画「ヴィレッジ」を思い出した。S・キングの影響を受け、上手に消化し新たな名作を生み出した女性作家は多い。この作品は恒川がうまく「ヴィレッジ」を消化し、生み出した佳作ではないのか?(後半にバタバタした印象がマイナス。もう少しこの物語に浸っていたかったというほうが正確かもしれない。) | ||||
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雷の季節に失踪した姉。姉の失踪と同時に「風わいわい」に取り憑かれた賢也は、その事実を 隠し、不思議な空間「穏(おん)」で生きていこうとする。だが、その暮らしは長くは続かなかった。 あるできごとがきっかけで、賢也は穏から逃亡した。彼を待ち受けていた運命は? 失踪した姉は生きているのか?死んでしまったのか?なぜ姉が失踪しなければならなかったのか? なぜ姉の失踪と同時に賢也に「風わいわい」が取り憑いたのか?逃亡する賢也の物語とそれらの 謎を解き明かす物語が交錯する。一見何の関係もないように思えるふたつの出来事が結びついたとき、 姉と賢也の悲惨ともいえる過去が浮かび上がってくる・・・。 ホラー的な部分もあるが、ひとりの少年の成長物語的なところもあり、読み応えがあった。不思議な 雰囲気を漂わせる、独特の世界観を持った作品だと思う。 | ||||
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ストーリーのアイディア、登場人物のキャラがよく練られていると思う。 それだけにと長編になっても良いからもっと深く掘り下げて欲しかった。そこが残念。 筆者のセンスのよさが伺えるし、後味のよさも好印象。 面白いと思います。 | ||||
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短編集の多い恒川さんですが、私は「風の古道」と並んでこの長編が大好きです。 正確で美しい文章、しっかりとした世界観に加え、精緻な構成が光ります。 美辞を並べれば並べるほど陳腐になりそうですが、とにかく読んで味わってほしい物語です。 | ||||
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デビュー作も素晴らしかったが、今作も秀逸。 独自の世界観を完全に確立されましたね、恒川さん。 相も変わらぬ美しく透明感のある文章と、先の読めない構成に、ラストまで一気に読んでしまいました。惜しむらくは、皆さんが言う様に、ラスト近辺で詰め込み過ぎな感があった事。それを差し引いても、完璧に近い作品です。 | ||||
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ここは「隠」という国。日本とは少し違う位相にある国。そこに僕はいた。姉と二人で暮らしていた。 けれどある年の「雷の季節」に姉は失踪する。姉はどこへ消えたのか。同じころ僕は「風わいわい」に憑かれる。 そして一人の暮らしは僕を孤独にした。 話がいくつも並行して語られて、初めは何が何だかわからないときがありました。 けれど全体にある雰囲気は特殊で、触れそうなのに触れない。とてもあやふや。 謎が謎をよぶ。世界観が不思議で隠の世界は本当にこちらとは違う。内容的には夜市などの作品とはちょっと違うけれど、不思議な世界に絶対的な悪がいる部分はけっこう変わらないなと思う。 風の古道にもいた。あの悪としかいいようのない人物。弱い心がねじくれてしまった醜い奴。嫌だなあ。 でも、あれが人の本質のような気が…。 それでもこの作品は水の深いところをのぞいているような気になる。 | ||||
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