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(短編集)
私に似た人
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私に似た人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.63pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全10件 1~10 1/1ページ
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テロの被害者のもと恋人、うだつの上がらない工員、公安刑事、OL、夫婦、テロを唆す者など10の視点から、澱のように溜まる社会への不安や不満を描いた小説。 派手な場面があるわけでもなく淡々とした筆運びですが、いわゆる社会的弱者は見えない存在として黙殺されていること、自己責任を容認するありがちな価値観が実はテロの温床になっていることなど、身につまされるエピソードが散りばめられており登場人物に感情移入しながら読み進めることができます。 10人が偶然接点を共有し合い、物語が立体的に立ち上がったあとに迎える結末はそれなりに衝撃があり、読んだ箇所を反復しつつ切ないものを感じさせました。 | ||||
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テロをテーマにした社会派小説かと思ったのですが、現代を生きる若者の姿を切り取った短編集でした。 今の日本の若者の閉塞感をよく表していると思いますが、一遍一遍それほど違いが感じられなかったということと、実はテロがこの本の重要なテーマではなかったという2点で、想像していた内容と少し違ったなと感じています。帯の売り文句と内容がずれている気がします。 | ||||
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著者珍しい、短編集だが、構成が、非現実的すぎて、読み込めない。平凡な作品になっている。 | ||||
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内容はどちらかと言うと平凡と言っていい。 意表を突くようなものはなかった。 構成の上からも「あ!一本とられた」と言う感動が無かった。 | ||||
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乱反射のような展開を期待していましたが、そうはならず、残念でした。まぁ、こちらが勝手に期待しただけなので仕方ありませんが。 とにかく重かった。 | ||||
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扱っているテーマは非常に深いものだと思います。 もっと掘り下げれば面白くなるのに、もったいないなぁと思いました。 物語に重要と思えない描写は飛ばして読みました。 | ||||
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近未来?小規模なテロ=小口テロがしばしば発生するようになった日本。 目的は格差やいじめ等、社会に対する不満の捌け口として、不特定多数の人々を標的にするというテロ行為である。反抗は概ね個人であり従って小規模なものになっている。 しかしその自然発生的に見えたその小口テロに、実は扇動者が居た。その名は「トベ」という・そしてトベは一人ではなく複数居て、その大元のトベとは誰なのか? こういう状況で小口テロに絡んだ短編が10篇である。 前半、中盤はだんだん謎が明かされていくという描写で興味深く読んだが、ラスト近くになっても淡々と同じトーンで進んでいく。 そして最後の一篇で謎が明かされるが、あれ?なんか伏線あったっけ?みたいなラストである。 少し梯子を外されたような、謎解きでいきなり犯人が名乗り出た、みたいな? そこで思い起こすのはタイトルの「私に似た人」である。それを考えると多少納得しないでもない。 つまり。そういう書き方をしたんだと言えばそういうことである。 ただ、もう少し面白がらせてくれてもいいんじゃないの、とは思ってしまう読後感でした。 | ||||
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貫井さんもデビューから11年。 デビュー作『慟哭』にハッとさせられたので、新作が出るたびに期待しているのですが、 今回もまた私にとっては凡打でした。 「ネットの中で右傾化して行く若者」には危機感を感じますし、 非正規雇用やひきこもりの若者による通り魔事件は、たしかに小規模テロの様相を呈しています。 そこに、「トベ」を配したのは、よい着想かもしれません。 事実、ネットの中で見も知らぬ人に煽られ、嫌韓、嫌中にばく進する人がこうも多いのですから、 それが「革命」であっても不思議はありませんから。 ただ、やはり、どこか浅瀬を流れる小川のような、さらりとした読後感。 過酷な背景を背負っている登場人物の「慟哭」が、今回もまた聞こえてはきません。 確かに、若い人たちにツケをまわすこの社会のありようは「悪」であり、 貫井さんの社会に対する目線はいつも正しい。 そして、おそらく読者は誰しも、思考停止したまま結果として「悪」に加担してしまっている 「私に似た人」をそこに見つけることができるでしょう。 しかし、見つけたとしても、読者の鈍麻した皮膚を切り裂き、 温かい血を流させるだけの力が、デビュー作以降の作品には感じられません。 貫井さんも、私生活でいろいろとご苦労がおありかと思いますが、 横山秀夫さんがうつ病に打ち勝ち、 まさしく行間から血がにじんでいるような労作・傑作『64』を上梓されたように、 ここはひとつ、作者も血を流し、読者もその返り血を浴びるようなクリーンヒットを、 ぜひ期待しています!! | ||||
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小口テロという、架空の小規模テロをテーマにしつつも、現代の日本で生きる我々の心情を様々な人間の角度から描いています。 右傾化で強くなろうとする今の日本において、リベラルであろうと考えつつも、気がつけば自分も、登場人物のような小口テロに加担してしまうような義憤を抱えているのかもしれないと客観的になる瞬間があり、ハッとさせられました。 作者のファンであれば、間違いなくオススメです。 またファンでなくても、是非今の若い20代、30代の方には読んで欲しいと思いました。 惜しむらくは、回収されない伏線が一点だけあり、そこが繋がれば個人的には星4でした。 | ||||
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というわけで、星3.5です。 あらすじは紹介文でだいたいわかると思いますので省略しますが、 世に蔓延る小口テロなるものに、大なり小なり関わらざるを得なくなった人達をそれぞれ各章で描いた、 連作短編集の形をとった小説です。 序盤から中盤まではとてもおもしろく読みました。 この人達がどう繋がり、どう収束していくのか。 また真犯人はどういう人物でどういう背景を持ってラストに向かって行くのか。 しかし、中盤を過ぎても形や立場は違えど、同じ題材で淡々と進んでいきます。 あっと驚くような展開もないままに最終章へ向かいます。 最近の貫井徳郎はだいたいこんな感じです。 題材やストーリーはいいのに、唐突にエンディングを迎える。(と、感じる) 最終章で作者の描きたかった物語は理解できます。 しかしそれではあまりにも説明が省かれすぎている。 動機は説明されているが、それからどういった経緯で事件に繋がり、広がっていったのかそれらが回収できていない。 ラストも今ひとつで、なんだか煮え切らないなと感じた読者は多いのではないでしょうか。 もう少しエンタメ性を取り入れてもいいのでは、と感じました。 | ||||
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