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(短編集)

私に似た人



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【この小説が収録されている参考書籍】
私に似た人
私に似た人 (朝日文庫)

私に似た人の評価: 3.63/5点 レビュー 27件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.63pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全27件 1~20 1/2ページ
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No.27:
(3pt)

澱のように不安が溜まった先にあるもの

テロの被害者のもと恋人、うだつの上がらない工員、公安刑事、OL、夫婦、テロを唆す者など10の視点から、澱のように溜まる社会への不安や不満を描いた小説。
派手な場面があるわけでもなく淡々とした筆運びですが、いわゆる社会的弱者は見えない存在として黙殺されていること、自己責任を容認するありがちな価値観が実はテロの温床になっていることなど、身につまされるエピソードが散りばめられており登場人物に感情移入しながら読み進めることができます。
10人が偶然接点を共有し合い、物語が立体的に立ち上がったあとに迎える結末はそれなりに衝撃があり、読んだ箇所を反復しつつ切ないものを感じさせました。
私に似た人Amazon書評・レビュー:私に似た人より
4022511710
No.26:
(5pt)

タイトルの意味

すごい作品です。

それは僕かもしれないし、隣のあの人かもしれない。
フィクションの世界とは思えませんでした。
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4022511710
No.25:
(4pt)

それなりに楽しめた

テロが身近に起こるようになった日本という、そう遠くない将来現実になり得る社会を舞台にした短編集です。

テロの実行犯や傍観者、さらに裏から操る者やそれを追う刑事と、様々な登場人物がそれぞれの視点で物語が描かれています。
全体的に読みやすく、テロの犯人の気持ちも、それを憎む人達の気持ちも両方共感できました。
黒幕に関わる部分では中盤叙述トリックがあり、個人的にはいい意味で予想を裏切られ満足でした。
私に似た人Amazon書評・レビュー:私に似た人より
4022511710
No.24:
(2pt)

残念な作品

SNSで知り合ったカリスマ的な人との絡みで
テロ事件が繰り広げられるという短編集でした。
刺激や衝撃も少ない肩すかし感のある作品で残念。
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4022511710
No.23:
(3pt)

思った本とはちょっと違いました

テロをテーマにした社会派小説かと思ったのですが、現代を生きる若者の姿を切り取った短編集でした。

今の日本の若者の閉塞感をよく表していると思いますが、一遍一遍それほど違いが感じられなかったということと、実はテロがこの本の重要なテーマではなかったという2点で、想像していた内容と少し違ったなと感じています。帯の売り文句と内容がずれている気がします。
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4022511710
No.22:
(3pt)

私の失敗だ^~~

著者珍しい、短編集だが、構成が、非現実的すぎて、読み込めない。平凡な作品になっている。
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4022511710
No.21:
(4pt)

2種類の人間がいて起こるテロリズム

小口テロと呼ばれるテロが頻発しだした日本。それを唆しているネット上の人物がミステリーの中心。
テロリズムはなにも過激な宗教の専売特許ではなく、差別を感じる人間とそれに憤るひとにぎりのインテリがいて出来上がるのかもしれない。
物語は、この2種類の人間をうまく描いていて面白かった。だが、やはり駒となるのは、底辺にいる人間であるというのがなんとも皮肉。
思想を植え付けて動かすのは、頭の良い人間であるのだ。
だからこそ、エリートでかつ義憤を感じて自ら行動したチェ・ゲバラは特異であり、英雄視されるのかもしれない。
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4022511710
No.20:
(3pt)

それほど面白いとは思わなかった

内容はどちらかと言うと平凡と言っていい。 意表を突くようなものはなかった。 構成の上からも「あ!一本とられた」と言う感動が無かった。
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4022511710
No.19:
(3pt)

うーん、重い。

乱反射のような展開を期待していましたが、そうはならず、残念でした。まぁ、こちらが勝手に期待しただけなので仕方ありませんが。
とにかく重かった。
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No.18:
(4pt)

最後はどう収束するのか楽しみだったのだが、意外とあっけなく終わったのが残念

貧困層と中間層、裕福層がしっかりと分けられ、貧困層は日々生きていくだけで夢も希望もない社会。そんな社会に抵抗するために無差別な小規模テロが頻発する。小規模テロを実行する者、扇動する者、別の手段を考える者、そんな様々な人間を描いた物語。

各地で起こる小規模テロは接点がないと思われていたところ、それを扇動する「トベ」という存在が明らかになる。そんな「トベ」が他の「トベ」をつくり、小規模テロが広がっていく。

今の日本で起こってもおかしくない社会背景をしっかり描きつつ、登場人物の微妙な心理がうまく描かれていておもしろかった。最後はどう収束するのか楽しみだったのだが、意外とあっけなく終わったのが残念だった。物語の諸所に出てくる、白黒はっきりさせる物言いをする総理大臣が事件にうまく絡んでいたらもっとおもしろかったかもしれない。
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No.17:
(4pt)

一歩間違えれば起こりうる話

未来に希望の抱けない若い貧困層による「小口テロ」が相次ぐ日本のお話。
若い貧困層がどんどん増えて、人とのかかわりも少なくなり、ネットでしか人と繋がれない人も増えてきた今、
誰でもいい、計画性もない、ただ自分の命や未来を投げ打ってでも社会への不満を示したい・・・・。
一歩間違えば似たような行動を起こしてしまいそうな崖っぷちの人はたくさんたくさんいる。
この物語はフィクションですでは済まされない気がしました。

連作短編のような形になっていて、
テロを起こすもの・被害者・被害者の元恋人・テロ犯の家族・・・など様々な角度で語られます。
それにしても語り手の人数多すぎ?なかなか話が進まなくてイライラ。
語り手の人数減らして、もっと短くまとめてもよかったような気がします。

モヤモヤを抱えたままやりきれない思い出生きる若者をネットで見つけ出し、
言葉巧みに小口テロへと誘導する《トベ》という人物がカギを握っているのですが、
最後の最後で《トベ》の正体までたどり着くんだけど、この正体がなんとも・・・・。
ポカ~(o'д'o)~ン...でした。
読者に《トベ探し》もさせてくれない予想外の結末ってどうなんでしょ?
ちょい拍子抜け。

面白かったけど、もっとコンパクトにできたこと。
そして、読者をまったく置いてけぼりにした展開が残念なので☆は4つで。
私に似た人Amazon書評・レビュー:私に似た人より
4022511710
No.16:
(2pt)

荒唐無稽

格差社会の現実、スマホ依存者の短絡的思考等、扱おうとしているテーマはトレンディ。

だけど、「小口テロ」って発想があまりにも荒唐無稽。
自ら命を断とうとするテロリストが何故にテロのサイズを小さく纏めようとするのかしらん。ただの通り魔じゃん。
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4022511710
No.15:
(5pt)

ひたすらダークな空気感が醸し出す救いの無さが胸に迫る

どんでん返し系のミステリーにはまっていた頃、貫井氏の「慟哭」を読んだことがあり、新聞の書評で取り上げられていたので読んでみました。

ラストで多少の驚きはありますが、どんでん返しというほどではなかったです。
そこに期待していた訳ではないのですが、読んでみると、全編を覆っている、真っ黒い雨雲、かといってすぐには降りだしてこないもどかしい雲がそこここにあり、読者を暗くて深い筒の中に押し込んでいきます。
貧困ゆえのテロという、現代の日本で明日にでも起こってもおかしくないリアルさをもって描かれる世界観が、本当に救いようがありません。

そしてこれが決してフィクションではないのだなという現実に気付かされ、問題提起の大きさを噛み締めます。

よくある連作短編と違い、登場人物の絡み具合が絶妙で、2度3度と読むことで新たな発見と日本が抱える闇の深さを思い知ります。
この本を読んですべてをわかった気になってはいけませんが、今の日本を知り、これからの日本を考えるきっかけとなる著作であると思います。
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4022511710
No.14:
(3pt)

テーマは深いですが

扱っているテーマは非常に深いものだと思います。

もっと掘り下げれば面白くなるのに、もったいないなぁと思いました。
物語に重要と思えない描写は飛ばして読みました。
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4022511710
No.13:
(4pt)

10の物語を見事に書き分ける

小口テロにかかわる人々の全10篇の連作短編集。テロの被害者のもと恋人、加害者、その関係者、公安刑事、テロを追うもの、踊らされるもの等、実に多様な人々が描かれています。

中盤以降、やや中だるみの感はありましたが、各編50ページ弱ながらも心理描写もしっかりしており、エッジのきいた話もありテーマは一つながら、ストーリーはバラエティーに富んでいます。

テロや貧困層など暗く重いテーマながら、こと小説の世界に限って言えば、本作はエンターテイメント性も高く、ラストも分かりやすく、見事に着地しているように思い、さすが直木賞候補作と思います。
私に似た人Amazon書評・レビュー:私に似た人より
4022511710
No.12:
(2pt)

壮大な独り言小説

短篇連作がうまく絡みあっていくのかと思わせつつ、そうでもない感じでラストを迎えるので、延々と付き合わされた割には読後感が深まらない。なんでそんなことでテロにまで走らなければならないんだろうという疑問は最後まで晴れなかった。
私に似た人Amazon書評・レビュー:私に似た人より
4022511710
No.11:
(4pt)

弱者への視線

個人的には、すごく好感の持てる作品だ。時間とお金が許すのであれば、是非とも読んでいただきたい。
社会への不満から、日常的に小規模なテロが起こっている日本が舞台になっている。
もちろんフィクションなのだが、近い未来、ノンフィクションになることもリアルに考えられる。
現代の若者はかなり苦しい立場にある。このままの状況が続けば、近い将来、暴動が起こってもおかしくないと思う。それが大規模な革命的な行動か、本作のように小規模なテロが乱発するのかはわからない。
この作品が優れているのは、あるいはもっと正確に言うならば、この作品に好感を持てる理由は、弱者への視線である。通奏低音として、弱者への視線が流れる本作は、優しい小説である。
ただ、今回の直木賞で候補にあがっている米澤穂信の満願と比べた時に、どちらが面白いかと言われると、満願に軍配が上がるように思う。
繰り返すが、もし少しでも興味が湧くのであれば、個人的には読んで欲しい作品である。
私に似た人Amazon書評・レビュー:私に似た人より
4022511710
No.10:
(5pt)

個人的にはおすすめです。

「空白の叫び」を初めて読んで以来、貫井さんの本を読みあさりました。警察小説が好きなこともあって、好きな作品が多かったんですが、
最近は作風が変わったのかなと思うほど、読み終えて、よかったと思える作品に出会えませんでした。他の方も書かれていますが、あっさりと
終わってしまった感がしないでもないですが、逆に私は派手な展開よりも淡々と進んでいく展開に好意を覚えました。それぞれのストーリーがあって、別のストーリーと少しつながっているが、、独立した話として成り立っているのがよかったです。最後はたたみかけるように話が終わってしまいますが、だからこそ、派手な終わり方よりも、これで良かったと逆に私は思います。次はどんな作品を書いてくれるのかとても楽しみです。
私に似た人Amazon書評・レビュー:私に似た人より
4022511710
No.9:
(3pt)

「私に似た人」の意味

近未来?小規模なテロ=小口テロがしばしば発生するようになった日本。
 目的は格差やいじめ等、社会に対する不満の捌け口として、不特定多数の人々を標的にするというテロ行為である。反抗は概ね個人であり従って小規模なものになっている。
 しかしその自然発生的に見えたその小口テロに、実は扇動者が居た。その名は「トベ」という・そしてトベは一人ではなく複数居て、その大元のトベとは誰なのか?
 こういう状況で小口テロに絡んだ短編が10篇である。
 前半、中盤はだんだん謎が明かされていくという描写で興味深く読んだが、ラスト近くになっても淡々と同じトーンで進んでいく。
 そして最後の一篇で謎が明かされるが、あれ?なんか伏線あったっけ?みたいなラストである。
 少し梯子を外されたような、謎解きでいきなり犯人が名乗り出た、みたいな?
 そこで思い起こすのはタイトルの「私に似た人」である。それを考えると多少納得しないでもない。
 つまり。そういう書き方をしたんだと言えばそういうことである。
 ただ、もう少し面白がらせてくれてもいいんじゃないの、とは思ってしまう読後感でした。
私に似た人Amazon書評・レビュー:私に似た人より
4022511710
No.8:
(4pt)

閉塞した現在の日本社会と真摯に向き合った作品

『私に似た人』は、2014年に朝日新聞出版から刊行された貫井徳郎の長編だ。10人の登場人物の視点から描かれた、10の章で構成されているので、連作短編集という見方もできる。

「あらすじ」にあるように小規模テロが頻発するようになった(近未来の、あるいはパラレルワールドの)日本を描いている。

まず、書き出しが巧い。テロが頻発するのが日常になったことを、スマートフォンが日常生活に浸透した自然さに喩えて描かれている。ぜひ「なか見!検索」で1ページ目だけでも読んでもらいたい。

テロといっても本作で描かれる《小口テロ》は、私たちが想像するような特定の宗教や思想団体によるものではない。

自暴自棄になった貧困層(無職、非正規雇用者、ワーキングプアなど)が起こす無差別通り魔事件である。私は2008年に起こった秋葉原無差別殺傷事件を思い起こした。現実と小説が違うのは犯人が自らを《レジスタント》だと名乗っている点である。

《小口テロ》被害者の元恋人、《小口テロ》を起こした派遣社員、現場で被害者を介抱したOL、《小口テロ》を起こした犯人の勤め先の上司の妻、《小口テロ》事件を担当する公安刑事……様々な登場人物が描かれるが、その中に確かに「私に似た人」がいた。誰が自分に似ていると感じるかは人それぞれだと思うが、きっと自分に似ていると感じる登場人物がいるはずだ。

非正規雇用が増え将来に夢や希望を抱けない若年層の描写や、スマートフォンやSNSなど現代のネット社会の描写はリアリティがあり、貫井徳郎が常に時代と真摯に向き合ってきた作家だということを再認識した。

最後の章では一応ミステリー的な円環を閉じて終わるが、閉塞した日本社会に対する明確な「答え」とはなっておらず、やや消化不良だった。ここで強いメッセージを打ち出すことができれば傑作になりえたと思う。
私に似た人Amazon書評・レビュー:私に似た人より
4022511710

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