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(短編集)
私に似た人
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私に似た人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.63pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全27件 21~27 2/2ページ
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貫井さんもデビューから11年。 デビュー作『慟哭』にハッとさせられたので、新作が出るたびに期待しているのですが、 今回もまた私にとっては凡打でした。 「ネットの中で右傾化して行く若者」には危機感を感じますし、 非正規雇用やひきこもりの若者による通り魔事件は、たしかに小規模テロの様相を呈しています。 そこに、「トベ」を配したのは、よい着想かもしれません。 事実、ネットの中で見も知らぬ人に煽られ、嫌韓、嫌中にばく進する人がこうも多いのですから、 それが「革命」であっても不思議はありませんから。 ただ、やはり、どこか浅瀬を流れる小川のような、さらりとした読後感。 過酷な背景を背負っている登場人物の「慟哭」が、今回もまた聞こえてはきません。 確かに、若い人たちにツケをまわすこの社会のありようは「悪」であり、 貫井さんの社会に対する目線はいつも正しい。 そして、おそらく読者は誰しも、思考停止したまま結果として「悪」に加担してしまっている 「私に似た人」をそこに見つけることができるでしょう。 しかし、見つけたとしても、読者の鈍麻した皮膚を切り裂き、 温かい血を流させるだけの力が、デビュー作以降の作品には感じられません。 貫井さんも、私生活でいろいろとご苦労がおありかと思いますが、 横山秀夫さんがうつ病に打ち勝ち、 まさしく行間から血がにじんでいるような労作・傑作『64』を上梓されたように、 ここはひとつ、作者も血を流し、読者もその返り血を浴びるようなクリーンヒットを、 ぜひ期待しています!! | ||||
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小口テロという、架空の小規模テロをテーマにしつつも、現代の日本で生きる我々の心情を様々な人間の角度から描いています。 右傾化で強くなろうとする今の日本において、リベラルであろうと考えつつも、気がつけば自分も、登場人物のような小口テロに加担してしまうような義憤を抱えているのかもしれないと客観的になる瞬間があり、ハッとさせられました。 作者のファンであれば、間違いなくオススメです。 またファンでなくても、是非今の若い20代、30代の方には読んで欲しいと思いました。 惜しむらくは、回収されない伏線が一点だけあり、そこが繋がれば個人的には星4でした。 | ||||
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というわけで、星3.5です。 あらすじは紹介文でだいたいわかると思いますので省略しますが、 世に蔓延る小口テロなるものに、大なり小なり関わらざるを得なくなった人達をそれぞれ各章で描いた、 連作短編集の形をとった小説です。 序盤から中盤まではとてもおもしろく読みました。 この人達がどう繋がり、どう収束していくのか。 また真犯人はどういう人物でどういう背景を持ってラストに向かって行くのか。 しかし、中盤を過ぎても形や立場は違えど、同じ題材で淡々と進んでいきます。 あっと驚くような展開もないままに最終章へ向かいます。 最近の貫井徳郎はだいたいこんな感じです。 題材やストーリーはいいのに、唐突にエンディングを迎える。(と、感じる) 最終章で作者の描きたかった物語は理解できます。 しかしそれではあまりにも説明が省かれすぎている。 動機は説明されているが、それからどういった経緯で事件に繋がり、広がっていったのかそれらが回収できていない。 ラストも今ひとつで、なんだか煮え切らないなと感じた読者は多いのではないでしょうか。 もう少しエンタメ性を取り入れてもいいのでは、と感じました。 | ||||
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「個人による小口テロが頻繁に発生するようになった日本が舞台。 10の短編から構成されており、それぞれの短編が少しずつ繋がっている。 その繋がりは絶妙で貫井さんらしさが出ていると思う。 ちょっとしたきっかけで「小口テロ」を起こしていく様子。 紙一重の幸せと不幸。 今の日本でいつ起こっても不思議ではないのかもしれない。 ちょっとした「きっかけ」があれば。 「トベ」はだれなのか。なぜ「トベ」になってしまったのか。 色々考えさせられる作品だ。 ちょっと尻すぼみな印象だが読む価値はあると思う。 | ||||
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男性の作家さんの中でもかなりお気に入りの貫井さんの新刊です。 小口テロと言う重いテーマなので難しいかと思いましたが、とても読みやすい。 10の短編から構成されていて10人の主人公が登場しますが、どの話にもすぐに引き込まれてしまいました。 いつもながら登場人物の人物描写・心理描写は素晴らしいです。 各登場人物が絶えず脳内映像で動いていました。 独立した短編ではなく、それぞれに関連性があり伏線も隠されています。 そして「トベ」の正体が気になり一気に読まされます。 テロはもちろん決して認めてはいけない行為だと思うけれど、ある主人公の言葉 「他人の痛みが想像できない人を、私は絶対に認めません」は常日頃から私が感じている事なので大いに共感出来ました。 エンディングもスッキリ、読後感も良かったです。 最近読んだ本の中では一番のヒットでタイトルも好きです。 貫井さんの次作も楽しみになりました。 | ||||
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「テロが日常的に起きるようになった日本」という舞台設定の元で、10人の主人公の物語がオムニバス形式で収録されています。 一つ一つは独立した話になっているのですが、繋がっている部分もあり、その繋がりの巧みさにハッとさせられました。 主人公達も当事者、被害者、傍観者など立場が多様で、性別、年齢などもバラバラですが、どの人物も心理描写が見事で説得力があります。 価格は少々高いですが、430Pというボリュームで読み応えも有りとても満足しているので、興味がある方は年齢問わず是非手にとってみて下さい。 | ||||
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個人による、小規模なテロが頻発する近未来の日本。 短編10篇により、今の日本社会が持つの歪みが描き出される。 物語の中核をなす、「トベ」。 もしかして、今、すでにこのような関係が生まれているかもしれない。 一般の。普通の人々の持つ恐ろしさ。 付和雷同の陥穽。 無頓着、無関心の導き出す脅威。 考えること、大事だなあ。 主婦北島和歌子の息子和久の進学はどうなるんだろう。 公安の猪原の娘寛海は学校に改めていけるのだろうか。 若い人のその後の生き方が気になる。 | ||||
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