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犠牲者は誰だ
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犠牲者は誰だの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.80pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全5件 1~5 1/1ページ
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約35年ぶりにロス・マクドナルドの作品を読んだ。 この作品は未読だったが、この雰囲気はロス・マクドナルドそのもの。懐かしかった。 彼の作品中では最高傑作と言えないかもしれないが十分楽しめた。 ロス・マクドナルドはハメットやチャンドラーのような熱烈な信者は多くないかもしれないが、 エンターテイメントとしてのストーリー創出では彼らをしのぐのではないかと思う。 やはり偉大なエナターテイメント作者だ。 | ||||
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ロス・マクドナルド「犠牲者は誰だ」を読了。本作もリュウ・アーチャーが卑しい街を歩き回り、事件の核心を追っていく。彼はあくまで、我々の視線の代わりであり、我々読者が事件関係者を訪れる代わりに、彼が丁寧に人々を訪れてくれる。突飛な理論の飛躍がなく、地道な捜査が続く。アーチャーの心情も吐露される場面もあり、アーチャーの行動原理を理解できたりもする。最高傑作ではないが、本作も良い読書時間を提供してくれました。 | ||||
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ドライブ中のリュウ・アーチャーは道路で血まみれの男が倒れているのを発見し車を止めた。男はトラック運転手で銃で撃たれてトラックを奪われたのらしい。男は病院へ運ばれたが間もなく死んだ。奪われたトラックの積荷は数万ドル分の酒だった。その荷は酒場とモーテルの経営者ケリガンの物だった。ケリガンは妻とは不仲で、ある女性と駆け落ちする計画を立てている事を知ったアーチャーは、尾行するとやはり彼は女性と密会していた。アーチャーはトラックを奪われた運送会社社長の依頼を受け、さらに行方不明中の彼の娘のことも捜す事にした。そしてある日、モーテルでケリガンの殺された姿が発見された。アーチャーはこのラス・クルーシスの街に住む人々の裏側を探り出していく羽目になる。 リュウ・アーチャー・シリーズ第五作目。アーチャーのタフガイ探偵ぶりがまだまだ残っていて凛々しい。向ってくるトラックから身を避けて車窓に拳銃をぶっ放すという嬉しくなるようなアクション場面もある。やはり人間関係図は複雑で、どうしようもない暗い過去が浮かび上がってくる。ショッキングな真相が判る幕切れはあまりにも鮮やかで、シリーズ中でも傑作「さむけ」のラストと競えるくらいの秀抜さだ。 まさしくロス・マクドナルドはハードボイルド小説を文学の域まで高めた孤高の作家だと思う。 | ||||
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中田耕治さんの訳の独特の味わいが、良い。ジーンズ(ジーンズパンツのこと、訳註)などとあっておもわずニヤリ。マッガウァン爺さんの口調はどう転んでも、今時の訳者からは出てこないだろう。言い回しで、ちょっと今では使わないかなとおもわせる点もいくつかありますが、この作品を古く感じさせないのは、中田さんの翻訳力の大きさのためだとあえて言いたい。 | ||||
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リュウ・アーチャーの活躍するシリーズでは彼の下に失踪者の行方を捜す仕事が舞い込むという発端が定石ですが、本作ではドライヴ中にいきなり負傷者を発見するという出だしになっています。アーチャーは負傷者を病院に担ぎ込むが結局は死亡してしまい、アーチャーは自らの意思で事件を解決しようとします。どこか斜に構えたような後年のアーチャーとは違い、ここには社会正義に燃える若々しいアーチャーの姿があります。ロスマクの作品について「比喩が不自然」との批判を述べたのはレイモンド・チャンドラーですが、僕にはそれが今までピンと来ませんでした。しかし、ロスマクが自らの個性を確立しつつあった時期のこの作品を読むと、確かにかなり大袈裟な比喩が多用されていることに気づきます。ですが、私にはこの部分は欠点というよりも魅力として機能しているように思えました。ロスマクのこれ以降の歩みは、この大袈裟な比喩をその大袈裟さに気づかせないほど自然なものにしていく過程なのでしょう。 | ||||
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