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(短編集)
間違いの悲劇
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間違いの悲劇の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.00pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全4件 1~4 1/1ページ
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短編集でした。 それぞれに面白く読ませてもらいました。 今まではすべて長編小説だったので、短編は短編で、また一味違って良かったです。 ここまでエラリー・クイーンの長編作品は、1冊を除いてすべて読破しましたが、最後の読んでいない1冊は、評価のコメントを読んでみると、あまり出来の良くない作品?らしいので、買おうかどうしようか悩んでいます。 。 。 | ||||
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読み終わったところから、本当の推理をあなたがはじめるミステリー。 事件自体は一応の解決を見せて、犯人は捕まって。 確かにそれなりの解決ではあるが、そんなにうまくいくのだろうか?あるいは犯人は何故こんなことをやったのか? 金が欲しいにしても、手に入れるだけならもっと楽な方法があったはずだ。別な犯人が別な真相があるのか。 思いは千々に乱れて。もう一度読み返すことになる。一体、犯人は何をしたのか。何故被害者は犯人の思惑どおりに動いたのか。 最後の神がかった犯人の独白。最後の日付。クリスマス。 そうやって考えると、ふと恐ろしい考えが浮かんでくる。考えてはいけない考えがわき起こってくる。 犯人は心底、被害者のためだけを考えて行動したのではないのか。被害者の心のかけらを広い、空いた穴を埋めてやるためだけに。 ただ世界が壊れ狂っているから。 被害者の求めたものは別な人間には唾棄すべき破壊すべきものだから、次の瞬間は壊されるしかなかった。 しかし、少なくともその瞬間瞬間は誠心誠意に、犯人は、被害者のためだけを思ったのではないか?行動しただけではないのか? 被害者はそれをわかったから、被害者は心の底から犯人を信じられた。付き従えた。奇跡的犯罪の成功はそういうことではないのか。 それ以外にあんなにうまく事件が運んだ理由は説明つかないのではないか? 起こってしまったことは、そういうおぞましくも哀しいことなのではないか。被害者の心の隙間を埋めるためだけに続けられた犯罪。 犯人の最後の言葉をそう思って読み直して欲しい。 人間が立ち入ってはいけない領域。新しいキリスト。 九尾の猫の母の日に並ぶ恐ろしい日付。 あの衝撃的モーゼ論のその先に行こうとした傑作。 ミステリー的には、犯人を明かさねばならず、最後、金を得ようと事件は露呈しなければならない。話を閉じなければいけない。 しかし、この犯罪は本質的にいつまでも続けられた。これを読んでいるあなたが被害者になることまで、含めて。 終わりはなかった。そして、それは現実の社会、世界の話でもなかったか。 こんな恐ろしい梗概を書いたフレデリック・ダネイ。 実際優れた作家の有栖川有栖は本作の梗概からのノベライズを打診されていたが、 本作の意図をつかめない、理解できなかったことを告白している。 このレビューで書いてあることを、新本格のクイーン、有栖川有栖も読みこめなかったのだ。 これを託せるのは、たった1人の男しかいなかった。 マンフレッド・リー。 ギリシヤ棺、エジプト十字架、X、Y、チャイナにスペイン、途中の家、災厄の町に十日間、九尾にダブルダブル。 そういう傑作を共にものしてきた、相棒じゃなければ、とてもこの高みまでついていくことはできかったろう。 梗概など渡されても理解することはできなかったのだ。リーにしか。 二人の間の神秘を教えてくれる傑作。 | ||||
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ハートがある上にスマートで、 洞察力と行動力に飛び抜けているエラリーの、 この格好良さときたら、 いつも感嘆させられるばかりですが、 長編と違って、若干希薄な感じなのかなと思いつつも、 いつものテイストで楽しめました。 | ||||
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本書はエラリー・クイーンの最新長編になるはずだった小説の精細なシノプシス(梗概)、『間違いの悲劇』と単行本未収録の7つの中・短編からなっている。 「本格パズラー」の巨匠エラリー・クイーンの“最後の事件”となれば、私のような、少年時代からクイーンの諸作品を読むことで育てられたミステリーファン、なかんずく「本格パズラー」のファンとしては、たとえ梗概でも読まずにはいられない。 『オセロー』をミステリー風に脚色すべく奮闘していたエラリーは、往年の大女優が『ハムレット』の舞台と同じ名で呼ばれる城で怪死したと聞き、シェークスピアの呪縛に苦悩しつつ推理を展開する。 諸般の事情で小説化されなかったのは残念だが、梗概とはいえ、クイーンらしい「本格のコード」が随所にちりばめられていて、そのテイストを十分味わって読むことができた。 なにしろ’74年邦訳(アメリカでは’71年発表)の長編『心地よく秘密めいた場所』以来32年。もうクイーンの新作は絶対読めないとあきらめていただけに、この梗概に触れることができて、それだけでもう感動モノである。 また本梗概により、リーとダネイによる合作作家‘エラリー・クイーン’の コンビの秘密を興味深く覗き見ると共に(ダネイが本梗概のような緻密なプロットを考案し、リーがそれを巧みな描写で小説化するといわれている)、リーが作品として完成させる前の、生(き)のエラリー・クイーンの姿を見ることができた。 併録されているほかの7編もファンにとってはこたえられない“クイーンらしさ”があふれる逸品揃いで、私もクイーンの諸作品を興奮して読んだ若き日々をなつかしく思い出した。 | ||||
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