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絡新婦の理
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【この小説が収録されている参考書籍】
絡新婦の理の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.49pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全93件 61~80 4/5ページ
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「京極堂」シリーズ中の最高傑作である。これまでの作品が本作のために用意されていたかのように、本作以前に登場した人物、舞台、エピソード等が、まるで題名の通り蜘蛛の糸にたぐられるように1つに収斂していく様は見事としか言いようがない。その分、これ以前の作品を読んでいない読者にとってはキツイかもしれない。地方の謎の名家と戦争直後の忌まわしい出来事との対比も巧み。被害者になってしまうのだが、これに絡んで登場する女性運動家の教師が印象に残る。 冒頭で犯人が明かされているように、作者が本格物を意図していないのは明らかだが(「京極堂」シリーズは全てそう)、上述の通り、作品を構成する諸要素が複雑かつ有機的に絡み合いながらも結末に向かって収束していく構成美が素晴らしいのである。結末で、その冒頭のシーンが繰り返されるのだが、京極堂と犯人とが対峙するそのシーンは美しいとさえ言える。木場刑事が1人で密室事件に取り組むというサービスも用意されている。京極ファンならずとも必見の名作。 | ||||
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読後の余韻はどこか「魍リョウの匣」に似ています。 私としては、初めて早いうちに真犯人を予測できたのがうれしかった! 著者の京極氏が、「女性性」というものをいやらしくない視点で的確に捉えていることに好感をもちました。(いやらしい視点で的確に捉えてる作家さんもいますが) 長い物語の中にいろいろな世界が詰め込まれており、ぼんやりしていると大事なことを取り落としてしまいそうになるので注意が必要。一見重要かと思われたことが小さく萎み、些細なエピソードがだんだん濃い影を帯びてくるような展開には、けっこう振り回されます。やがてそれらの世界がひとつの線で繋がるまで、読む方も緊張感を保たなければいけません。 最後の3割くらいで物語が一気に加速していくので、少し置いていかれそうになりました。特に憑き物落としの場面のクライマックスでは「おいおい、そりゃやりすぎだろう」と思わないでもなかったです。 しかしながら、前四作同様、まだ伏せられたままのカードがあるような 感は否めない。それが作者の意図なのか、単に私の理解が及ばないだけなのか、わからないところもまた魅力です。 うぶめで引き込まれ、魍両で驚愕し、狂骨で少し骨休め、というかトーンダウンして、鉄鼠では思いきりこけさせられ、気を取り直して挑んだ この絡新婦では再び、京極ワールドに絡めとられてしまった。 読者のこんな動きもちゃんと読まれていたのかしら。もしかして これも蜘蛛の罠? | ||||
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京極堂シリーズ第5弾「絡新婦の理」分冊文庫版の第3巻です。 事件の骨格が判明してきます。 一連の事件について、まったく異なる複数の動機が成立してしまうような複雑な構造。 それはあたかも蜘蛛の巣のようであり、その中心にいる「絡新婦」が真の犯人ということ のようです。 途中、羽衣伝説についての薀蓄が語られますが、その中で「機織」、「遊女」など 作品のモチーフとなるがキーワードが凝縮されているところなど、筆者の構想力に 感服するばかりです。 | ||||
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冒頭、榎木津探偵登場。例によって、まさに榎木津ワールドが展開されます。 続いて、京極堂登場!! 「ダ・ヴィンチ・コード」に先駆けること約7年半、既にマグダラのマリアについて言及しているあたり、著者の先見性を感じます。 その後、木場修の活躍もあり、バラバラのパーツが徐々に組み合わされていきます。 今回のキーワードは、女性?フェミニズム? どんどん展開が加速していく感じが堪りません。 | ||||
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房総の女学校・聖ベルナール学院の教師が両目を抉られて殺された。 そして教師の本田幸三が絞殺され、生徒の渡辺小夜子が眼前で校舎から身を投げて死んだ。 聖ベルナール学院では何がおこっているのか? また、木場は色街で起こった殺人事件の捜査を進める。 それが、聖ベルナール学園の殺しと関係があるとわかって…。 榎木津がいい味出しています。 学園の中でも傍若無人。 京極堂が出てくるまで、どんどん事件が起こるだけで、これは収拾がつかないのでは?と思えるほどです。 なので、1巻では何が何だかわからないという感じです。 1巻を読むのが一番しんどいと思われるので、これを読んでやーめたというのだけは勿体ないと思います。 それと、今までの事件(ウブメから)の登場人物がどんどん出て来て繋がりをみせてくるので、これより以前にでた物は読んでから手を付けた方がいいと思います。 そうでないと、登場人物ばかりが多くて、しかも何のために出てきたのこの人?というのが多いです。 知っていると、えッ、そういう繋がりだったのと納得なのですが。 でも、京極氏の本は、あの厚みがいいのに、分冊する必要があるのでしょうか? 確かに持ち運ぶには便利ですが(特に女郎蜘蛛は最高に厚いですしね)、分冊を読んでやっぱりあの厚みが醍醐味というものだと、再確認しました。 | ||||
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京極堂のファンですが、この「絡新婦の理」はあまりの分厚さに購入を 躊躇しておりました。 分冊版が出たので早速購入、出費は倍近いですが、文庫本は持ち運びが 楽なのが一番ということを実感しました。 内容は、出だしからグイグイ引き込まれます。 特に聖ベルナール学院の件は、学園ものチックな雰囲気がお好きな方には、 たまらないのではないでしょうか。 京極堂の登場が待たれます。 | ||||
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京極堂のファンですが、この「絡新婦の理」はあまりの分厚さに購入を 躊躇しておりました。 分冊版が出たので早速購入、出費は倍近いですが、文庫本は持ち運びが 楽なのが一番ということを実感しました。 内容は、出だしからグイグイ引き込まれます。 特に聖ベルナール学院の件は、学園ものチックな雰囲気がお好きな方には、 たまらないのではないでしょうか。 京極堂の登場が待たれます。 | ||||
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京極堂のファンですが、この「絡新婦の理」はあまりの分厚さに購入を 躊躇しておりました。 分冊版が出たので早速購入、出費は倍近いですが、文庫本は持ち運びが 楽なのが一番ということを実感しました。 内容は、出だしからグイグイ引き込まれます。 特に聖ベルナール学院の件は、学園ものチックな雰囲気がお好きな方には、 たまらないのではないでしょうか。 京極堂の登場が待たれます。 | ||||
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房総の女学校・聖ベルナール学院の教師が両目を抉られて殺された。 そして教師の本田幸三が絞殺され、生徒の渡辺小夜子が眼前で校舎から身を投げて死んだ。 聖ベルナール学院では何がおこっているのか? また、木場は色街で起こった殺人事件の捜査を進める。 それが、聖ベルナール学園の殺しと関係があるとわかって…。 榎木津がいい味出しています。 学園の中でも傍若無人。 京極堂が出てくるまで、どんどん事件が起こるだけで、これは収拾がつかないのでは?と思えるほどです。 なので、1巻では何が何だかわからないという感じです。 1巻を読むのが一番しんどいと思われるので、これを読んでやーめたというのだけは勿体ないと思います。 それと、今までの事件(ウブメから)の登場人物がどんどん出て来て繋がりをみせてくるので、これより以前にでた物は読んでから手を付けた方がいいと思います。 そうでないと、登場人物ばかりが多くて、しかも何のために出てきたのこの人?というのが多いです。 知っていると、えッ、そういう繋がりだったのと納得なのですが。 でも、京極氏の本は、あの厚みがいいのに、分冊する必要があるのでしょうか? 確かに持ち運ぶには便利ですが(特に女郎蜘蛛は最高に厚いですしね)、分冊を読んでやっぱりあの厚みが醍醐味というものだと、再確認しました。 | ||||
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1996年にノベルズを読んだとき、非常に感動しました。 ラストの1行に鮮烈な印象があり、文章も綺麗で心に残ります。 しかし……再読するには長すぎて辛いです。 私は何度も読め返せるような本を上位にしたいので、その点はマイナスです。 あまりにも人が死にすぎるのと、京極堂が全てを見通しているのが作りすぎにも感じました。 | ||||
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京極堂シリーズ第5弾 その分厚さに見合った内容で、グイグイ読めます。 私には京極堂が登場する後半までは全く収拾がつかず、 どうなってしまうのかと思いましたが…うーむ、さすが京極堂。 私の中では今のところ(1-5弾までで)魍魎を抜いて一番面白かったです。 導入部で相当「?」が出ましたが、最後の最後で「?」がすっきり消え、もう一度導入部を読みさらにすっきりしました。 うぶめから鉄鼠まで登場した人物があちらこちらで登場します。 是非ともシリーズを順番に読むことをお薦めします。 | ||||
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京極堂ものの第5作。だんだん長くなる。本書は新書版で800頁を超える。そして今回の犠牲者の数は著しく多い。 推理小説としての反則技は相変わらずあるのだが、一編の優れたミステリーとして読む限りにおいては、大して気にならない。愚かなる関口氏は最後に登場するだけで、この複雑な物語の途中では話の腰を折られずに済んだと思っていたが、最後に出てきたときに妙に懐かしかったのが、我ながらおかしかった。一方、今回、木場修は大活躍。愚鈍な道化役は警官たちと学校・企業関係者であり、被害者を増やしてさえしまうのだから手に負えない。この作者の描く「愚かなる人々」は本当に救いようなく愚かなので、読んでいて歯がゆい。これほど極端なのは作者として改良の余地があるのではないか、と思う。 ともあれ長い小説であり、また、出だしは少なからず退屈であった(前作「鉄鼠の檻」でも、序盤は辛抱が要った)。途中から俄然面白くなるが、如何せん長い。また、余韻を残した結末では、最後の謎解きが読者に委ねられているようである。私はその仕掛けをしばらく考えて、ようやく理解した(つもりである)。そうか。こういう方法もあるのか。 | ||||
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京極堂のシリーズで、今回初めて泣きました。 いつもなら京極堂がキレイさっぱりと憑き物を祓い落とし、読み終わった後は結構私自身もスッキリと晴々とした気持ちになっているのに、今作品は何故かスッキリしない!何かモヤモヤと春霞の中にまだ私だけ取り残されている気分。このモヤモヤ感は何? はっ?!蜘蛛に絡み取られてる? | ||||
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このストーリーの中で一番好きなのは榎津と美由紀のやり取りなのです!いいのです!いや本当にいい! | ||||
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京極堂シリーズ5作目。これまでシリーズで一番面白いと感じました。今回のテーマは一言で言うと女性。前作鉄鼠のテーマ禅宗と比べて内容的には理解しやすい話です。といっても相変わらず内容はいろんな意味で深く、民俗学的にも考えさせられる京極節は健在。真犯人はラストの数ページでどんどん変わりまくり、何度頭の中で真犯人を切り替えたことか。そして驚きの結末に。ただ憑き物落としに関しては今回はやや控えめかなとは思いますが、そのまとめ方が見事。とてもきれいに終わります。塗仏にも絡新婦がかかわってくるみたいなので楽しみです。 | ||||
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前作を上回る完成度を高さ。書全体の構成度の高さはシリーズNo1でしょう。(但し次作は未読ですが)過去4作に係わった人物も多数出演。未読の方は通読してから臨んで下さい。本作は、多数の死者が発生します(10名以上)。しかもその接点が中々見出せない・その断片が上手く繋がらないので読中は整理整頓に苦労するとは思いますが、そこはじっと我慢。終盤必ず報われます。読み急ぐ事無かれ。今回は、後半に到るまで京極堂は登場せず、関口氏に到っては最終章のみ。だが他の登場人物各々の視点を以って物語りは進行し読者はタダタダ惹き込まれるのみ。特に女学生の視点を以って語る章には引き込まれます。(2作目もそうだったがホント上手い。思わず応援したくなってしまいます)9章もテンポが良かったが、圧巻は10章。11章では既に読者はノーガード状態なので作者の必殺パンチをただ受けるだけです。こんな作品を読んでしまうと次に読む小説探しに困ります。どんな名作と言えどナンカ霞んでしまいそうで。再読しようかとも思いましたが、流石にこの分量、もう暫く後に読み返して見ようと思います。 | ||||
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今回のテーマは女性性について、ですか。いつもながらの奥深い思想に裏づけされた、鮮やかすぎるほどに色濃く書き上げられた小説。 この作家の文章はいつも味が濃く、それでいて美しい。この厚さをものともせず、ひたすらに引きこまれる。 ただ、京極堂の出番があまりなかったのがイマイチ | ||||
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これは本当に見事としか言いようがない。 蜘蛛の糸が縦横無人に張り巡らされ、自らの意思で行動しているはずが全てが蜘蛛の思惑通りという、何とも恐ろしい事件。 当然巻き込まれてゆく京極堂の面々の行動でさえ、全て計算のうちという。 黒幕の蜘蛛はいったい誰なのか。 事件の犯人を見つける度に新たに発現してゆく事件と殺人。先周りしようが、事件に関わろうが止められない歯車には戦慄さえ覚えました。 京極夏彦の頭の中はいったいどうなっているのか 全くもってお見事です。 | ||||
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人気の「京極堂」シリーズの5作目にして、個人的にシリーズ最高傑作。まずは高い筆力を持ち、これほどの作品を書き上げた京極夏彦氏に拍手。 今までの作品では、心と体、医学倫理と未来予知、神や宗教、男性性と禅というものを扱ってきましたが、今回は、女性性や逸脱についての言及が多く見られます。 千葉の房総で起こる事件、目潰し魔、その他多くの事件が絡み合う中で、古書店京極堂店主、中禅寺明彦は、事件の中心人物蜘蛛に対峙する・・というのがあらすじ。登場人物や事件も多く、内容も、複雑多岐にわたります。 一見漢字も多く、硬いような文章ですが、内容は読みやすい上物語に推進力があり、硬さは気にならなくなります。自分は寝食を忘れ、5時間ほどかけて読了しました。複雑に絡み合った物語が解きほぐされていく快感は、今回も健在。エピローグに当たる部分は、読了後薄ら寒く、気持ち悪くなるほどの切れ味を持っていました。 やはり、最も楽しめるように、シリーズの最初から読むことをオススメします。まだ読んでない方が羨ましい位です。 | ||||
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読者(又の名を関口)が終盤以外一切出てこないため、最初は多少の違和感を感じた。のは最初だけ。どんどん読んでいくうちに本にのめりこんで行き、此れが噂の京極ワールドかぁなんて悠長な事を考える暇もなく、物語は一転二転。終盤に差し掛かるとあれよあれよと話が進み、気付けば冒頭のシーンになっている、という恐ろしい本。結局中盤からずっと鳥肌立ちっぱなしで、読み終えた時は数分(多分)ちょっと呆けた。周囲でもこの絡新婦が一番評判が高い。多数にあって複雑に絡み合う糸を、解く、までは云わずとも正体を確認して、させられていく。多くの登場人物が居るわりには役割がはっきりと決められている、というのは小説と一緒で、この話はきっと小説のことを書いているだろう。幾人も人が死んで、最終的にはハッピーエンドとは言えない。それでいて物語の美を保っているのはたぶん京極先生の美文のおかげだと思う。有難う先生。あぁ、本が読める国に居てよかった!京極先生と同じ空気を吸えてよかった!とかちょっとだけ思ってしまった。是非とも宴の前に読んで貰いたい。と云っても京極堂シリーズは順番が発行順からではないと、わかりにくいので違っている方もいないと思うが。 | ||||
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