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爬虫類館の殺人



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爬虫類館の殺人の評価: 4.13/5点 レビュー 16件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.12pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全16件 1~16 1/1ページ
No.16:
(5pt)

あんまり書けないけど、戦争中も命がけで推理小説を書いていた特異な作家の執念を感じさせる作品

第二次大戦中のロンドンで、動物園の園長が、密室状態で亡くなっているのが発見され・・・というお話。

この作品の凄さについては、解説の大山さんや瀬戸川さんの「夜明けの睡魔」で語られているので、その他の部分を読んでみると、完全密室状態で遺体が発見されるので、自殺に見えるけど、大切にしていた動物を道ずれにして亡くなるのが不自然、と他殺の疑いが発生するところはリアリティがあったり、奇術師同士の長年の遺恨が話の推進力になっていたり、で推理小説としても、一応結構ができている様に思えました。

細かくみると、無理があったり、不自然な所があったりもしそうですが、個人的にはフェアプレイで書かれていて、こういうネタの作品としては、よくできており、90年代の日本の新本格以降の本格派に影響を与えているであろう事も含めて、重要な作品に思えます。

カドフェルシリーズで著名な、エリザベス・ピーターズの「カマフォード村の哀惜」という推理小説が、戦争が終わってからのイギリスを舞台にした作品で、勝つには勝ったけど、国民全員疲弊していたり、ドイツ系の人は居心地悪いし、など戦争ネタではないですが、戦後のイギリスの情景がでてきます。また、国は違いますが、マルセル・F・ラントームというフランスの人が戦争中ドイツ軍の捕虜で、暇つぶしに書いた「騙し絵」(4不可能推理小説)という作品も戦記文学(かどうか判りませんが)としても読めるので、この小説に反映されている戦争体験に興味がある方は読んでみては。

あんまり書けないけど、戦争中も命がけで推理小説を書いていた特異な作家の執念を感じさせる作品。是非ご一読を。
爬虫類館の殺人 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:爬虫類館の殺人 (創元推理文庫)より
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No.15:
(3pt)

新訳を!

多分、翻訳者村崎敏郎氏の文体に慣れていない為だろうが、今ひとつなのである。ヘンリー・メリヴェール卿の例によってのドタバタ+ミステリーにのめり込めないのである。新訳、多分、高橋治氏か三角和代女史だろう、が待たれる。
爬虫館殺人事件 (ハヤカワ・ミステリ 418)Amazon書評・レビュー:爬虫館殺人事件 (ハヤカワ・ミステリ 418)より
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No.14:
(5pt)

不気味な爬虫類館とユーモアの絶妙なミックス

先日から何十年ぶりかのカーの再読にはまっています。子供向けに書き直された「踊る人形の謎」=「曲がった蝶番」に夢中になったのは小学生高学年の時。以後は大人向けに普通に翻訳されたものを読むしかなく、創元推理文庫で「アラビアンナイトの殺人」や「帽子収集狂事件」などから始めたのは小学校6年~中学時代でした。改めて読み直してみて思うのは、怪奇色の強いものが好みだった自分はそちらの方に目がいってしまい、子供の頭では、他のさまざまな要素がちゃんと読み込めていなかったということです。

あらすじや密室殺人については他のレビューアさんたちが詳しく書いてくださっているので、ここは自分の感じたことなどを。
まずは、舞台となる薄暗く不気味な爬虫類館ですが、当時、ロンドンのロイヤル・アルバート動物園の中にありました。ここでは黒マンバ、サンゴヘビ、キングコブラ、水棲褐色モカシン、タランチュラに大トカゲなど、様々な種類の爬虫類が飼育されていて、その細かな説明だけでも不気味で、ドキドキしてきます(笑)。
そして傑作なのが、2mもある大トカゲと毒のあるヒーラー・モンスターが逃げ出してしまい、そこへたまたま居合わせることになったおなじみのH・M卿が大立ち回りを演じるところで、ここは爆笑ものでした。昔、読んだ時は、カーの好きなこういうドタバタ劇風のユーモアが少しも理解できていませんでした。他にも、先祖代々敵対している奇術師の名家出身のマッジとケアリが、言い争いをしながらお互いに惹かれて行くところもユーモラスで、これは「連続殺人事件」でも同じくパターンでロマンスが発生していましたね。

また、この作品は1944年のものですが、2次大戦が終わったのが1945年なのでロンドンはまさに戦時下。当時ロンドンに住んでいたカーも何度かドイツ軍の爆撃にあい命拾いしたそうですが、この作品でも、戦闘機の音が響いてきたり、爆撃の様子が描かれていて、古いモノクロのヨーロッパ映画を見るようなレトロな雰囲気がありました。
翻訳も1960年初版のためか、年配の登場人物が江戸のご隠居さんのような話し方をしていたり、ちょっと古めかしいところはありますが、私はそれもまた味があって好きです。特に探偵役のH・Mは、その傲岸不遜な態度と、実は大人で思いやりある個性的な爺さんの雰囲気がとてもよく出ていると思います。

カーの個性が典型的に出た作品といっていいと思います。カー初心者にもおすすめの一作です。
爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)Amazon書評・レビュー:爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)より
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No.13:
(4pt)

目張り密室トリックに加え、ロミオとジュリエット的なロマンス

カーター・ディクスンのシリーズキャラクター ヘンリー・メリヴェル卿ものの、第15作目にあたる本格ミステリ。

目張り密室トリックに加え、ロミオとジュリエット的なロマンスが彩を添える。密室の作り方は、真相が分かってしまえば何て事はない。だからこそ、余計、種明かしまで気付けないのが悔しくなる。本格ものは、その時代の背景や道具立てで、如何様にも謎を構築できるのだと認識した。本作品では、戦時という制約すらも、トリックに一役買っている。

怪しい登場人物たちへのミスリードも効いているね。
爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)Amazon書評・レビュー:爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)より
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No.12:
(4pt)

古臭い訳を楽しむ・・・

冒頭からいろいろと余計な連想をしながら読んでしまった。

古くからの奇術師の家系であるクイント家とパリサー家。この両家はどちらが先にファティマと呼ばれる自動人形を発明したかで、3代に渡って反目し合っている。その両家の若い当主であるケアリ(男)とマッジ(女)。この二人が爬虫類館で出会う場面からこの小説は始まるが、二人の痴話喧嘩めいた言い争いを揶揄して、園長の娘のルイズは「かゝる怨家の胎内より生れし薄運の二情人」とロミオとジュリエットを引用する。
これは「ロミオとジュリエット」の序詞に当たるソネット中のフレーズだが、訳者の中村能三氏はなんと坪内逍遥!の訳句(1910年・明治43年)を使っている。中村氏の翻訳は1960年のもので、当時の「ロミオとジュリエット」の定番は中野好夫の翻訳だったはずだが、この小説の舞台である1940年には日本では未だ坪内逍遥の訳が流布していたから、あえてそっちを使ったのだろうか?・・・などと関係ない空想をしてしまった。

中村氏の翻訳はもう50数年前のものでひどく古臭いが、こんなこと考えて読んでいたら、そういえば自分は子供のころから中村氏訳のミステリやSFを読んで育ったのだなあ、と思い至り、この古臭さに身を浸しながら読み通した。
近年、カー、ヴァン・ダイン、クイーン等の名作がどんどん新訳化され、現代人にとっては読みやすい翻訳になっていくのは喜ばしい限りであるが、中村翁の訳などはなんとも味のある部分もあり、無下に古臭い、誤訳がある、と裁断する気にはなれない。

それから、戦時猛獣処分の問題が出てくるが、実際、ロンドン動物園では爬虫類の大半が殺処分されたけれど、その他の動物のほとんどは地方の動物園に疎開させることで難を逃れたらしい。
日本では猛獣のほとんどが徹底して殺処分されたが、有名なのは上野動物園で殺された3頭のゾウの話。毒殺しようとしたがうまくいかず、3頭とも餓死させられた。『かわいそうなぞう』で、餌をもらうために必死に芸をしたりするゾウの姿が涙を誘った。

ひどく脱線してしまったが・・・
窓やドアをすべて紙で目張りされた密室。後にこの密室構成を真似たものやこのアイデアを発展させた小説は幾つも出たが、一応はカーのこの小説が元祖だろう。まあ、密室のハウダニットはいささか呆気ないが・・・。
でも、ドイツ爆撃機の空襲が激化しはじめた頃の時代背景が、実は密室トリックのミスディレクションになっていたりして、その辺の伏線の張り方はさすがに巧い。
爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)Amazon書評・レビュー:爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)より
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No.11:
(5pt)

なるほど

爬虫類館とは私には縁遠いもので、ちょっと敬遠していましたが、なるほど、ディクスンはいろいろとあの手この手で密室殺人を仕掛けてきます。
これも一気に読みました。おもしろい。トリックのネタはここで書きたいのですが、読んでない方にはあとのお楽しみとして、言わないでおきます。それは、結果を知るとあっけないからです。でも意外性があるので、おすすめですよ。
爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)Amazon書評・レビュー:爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)より
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No.10:
(4pt)

オールドファッションの探偵小説

久しぶりに読んだカーター・ディクスン、面白かった。今回の舞台は動物園の中にある爬虫類館。キングコブラやらオオトカゲやらタランチュラやらが出てきての一大狂想曲が奏でられる。第二次世界大戦の暗い足音が迫るなか、魔術師の名家の確執とロマンスなども絡めて趣向はたっぷりだ。ストーリーは直線的なので、読み始めると一気呵成にラストへと牽引される。

謎を解くのはご存じ、H.Mことヘンリー・メリヴェール卿。のべつ悪態をつきながら、最後はこけおどしの大立ち回りを演じる。トリックは、まあ知ってしまえば「ああそうですか」といったタイプの密室物なのだが、犯人はちょっと思いがけない意外な人物だった。若干の古色蒼然とした印象は否めないが、たまにはこうしたオールドファッションの探偵小説もいいなと思った。
爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)Amazon書評・レビュー:爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)より
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No.9:
(4pt)

H・M卿最大のドタバタ

1944年発表のH・M卿物です。カーお得意の密室殺人ですが、ドアや窓をガムテープで目張りされた完全密室なのが特徴です。

 爬虫類好きの動物園園長が自室でガスにより死亡しているのを発見したH・M卿。傍らにはペットの蛇(ペイシェンス)の死骸もある。しかし、彼がペイシェンスを殺すはずは無い、との娘の証言によりH・M卿の捜査が始まります。

 殺人直後に密室の意義が失われてしまうのは残念ですが、物語の展開上致し方ないところでしょう。しかし、戦時下のロンドンという状況設定によるミスディレクションや、登場人物のなにげないミスワードが秀逸です。

 H・M卿物につきもののドタバタは今回も相変わらずですが、最後に犯人に自供をせまるH・M卿のとった行動には皆さん大爆笑する事でしょう。H・M卿最大とも言える屈指の名場面ではないでしょうか?

 カーの数ある作品中では傑作とは言えない本作ですが、不可能犯罪の謎と状況設定によるトリックの合理的解決や、なによりもドタバタが強調された内容からファンはもちろん、カー初心者にもお奨めできる佳作と言って良いのではないでしょうか。
爬虫館殺人事件 (ハヤカワ・ミステリ 418)Amazon書評・レビュー:爬虫館殺人事件 (ハヤカワ・ミステリ 418)より
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No.8:
(5pt)

ファン垂涎の残酷さ。

これはまさにH・M卿ファンを
喜ばせるためにある作品です。
登場もまさにH・M卿らしく
やっぱりどたばたに巻き込まれてしまうのです。
そう、トカゲに襲われそうになったり…
ちなみに今回の事件は
いわば「不可能犯罪」です。
犯行状況からしても
自殺としか疑えないようになっているのですから。
だけれどもこれは看破されます。
さて、犯人はといいますと
これは一応ある程度怪しい人がおろかで
怪しげな言葉を残しているので
わかる人にはわかります。
したがってカーの作品では推理は容易なほう。
見所はラストの
H・M卿大暴れでしょう。
犯人に対して究極の行為に及びます。
まあ、犯人も犯人です。
H・M卿にたてついたんですからね。
爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)Amazon書評・レビュー:爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)より
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No.7:
(4pt)

〈目張り密室〉の元祖

ドイツ軍の空襲にさらされた、第二次大戦中のロンドンで、動物園の
園長が密室状態の部屋の中でガス中毒死しているのが発見される。

現場のドアや窓のすべての隙間が内側から厚紙で目張りされていたため、
当初は自殺と考えられたが、園長とともに、ボルネオ産の蛇までもが部屋
の中で死んでいたことから、一転、他殺の疑いが浮上する。

なぜなら、爬虫類を愛していた園長が、蛇を道連れにするはずがないからだ……。

単純で効果的な密室構成のトリックもさることながら、戦時という背景
を巧みにストーリーに取り込んで謎を成立させ、その上で、読者を誤導
する“罠”を何重にも仕掛けたミスディレクションの妙が素晴らしい本作。

カー作品では定番といえる若い男女のロマンス――二人とも奇術師なのですが、
曾祖父の代から対立している間柄――もあり、二人の和解と事件の解明が並行
して描かれていきます。

特に、両家の確執の源となった自動人形が、
密室を解く手がかりになっているのが秀逸。

正直、読者に対する手がかりにはなり得ていないのですが、
対立していた二人の奇術師が、同じ筋道で真相に到達する
――といった劇的効果の演出という意味で巧い、といえます。
爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)Amazon書評・レビュー:爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)より
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No.6:
(4pt)

戦時下という状況の密室トリック

原題は、
HE WOULDN'T KILL PATIENCE
(彼がペイシェンスを殺すはずがない)。

戦時下、空襲の危険にさらされるロンドンの
ロイヤル・アルバート動物園は、閉鎖が決まり、
エドワード・ベントン園長は、
別の場所に私設の動物園を開設しようとしていました。
そんな彼が園内自宅の書斎で死亡しているのが発見されたのです。
死因は毒ガスによるもので、
部屋は、施錠された窓やドアが厚いゴム引きの紙で
内側から目張りされているという、完全な密室状態。

ミステリ、特に密室ものが好きな方なら、
思わず読みたくなってしまう設定の作品です。

事件に取り組むのは、
ご存じ、ヘンリ・メリヴェル卿。
現場には、園長が可愛がっていた
蛇のペイシェンスが一緒に死んでおり、
爬虫類を好む園長が
蛇を道連れにするはずがないことから、
自殺ではないと断定し、
殺害方法と、犯人の推理を始めるのですが・・・。

この作品の特徴は、戦時下という状況を
巧く作品に取り入れているところです。
舞台設定の動物園閉鎖というのも、
空襲の危険性が引き起こしたものですし、
何より、密室トリックと「戦時下」が
密接にからまっているところが、
うまい小説と思わせる所以です。

また、登場人物に若い男女の奇術師を配しているのですが、
二人の家柄は、それぞれ代々奇術師を輩出しており、
両家は過去のある因縁で憎み合っているという設定。
この二人が次第に惹かれ合っていくという、
どこかロミオとジュリエットを思わせる展開が
サブ・ストーリーになっていて、
その点も楽しみながら読むことのできる作品です。

ところで、75頁にヘンリ・メリヴェル卿の
過去に扱った事件のことが出てくるシーンで、
「ジューダズの窓の事件」というのがありますが、
これって、「ユダの窓」のことですよね。
変な訳だ。
爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)Amazon書評・レビュー:爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)より
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No.5:
(4pt)

さすがにカー、そこまでやりますか

カーの密室物の代表作の一つ。「内側から完全に目張りした密室物」を書こうとC.ローソンと競作したもの。この結果、ローソンは「この世の外から」という傑作短編を産んだ。
カーはこの長編で答えた訳だが、正直良くこういう事を考えるなぁと感心する。何しろ"あれ"を密室作成に使うんだもんなぁ。ポイントはこの事件が"戦時下"に起こったということであろう。何気ない描写が、後の密室構成の手段に活きているのである。カーの密室への執念に唸る一作。
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No.4:
(4pt)

ロースンとの知恵比べ

この作品はカーと親友の作家でもあり奇術師でもあるクレイトン・ロースンが「室内からすべての出入り口完全に目張りされた部屋での他殺」を小説として成立させうるかを競い合ったもののカーver.です。戦時中の厳戒下、完全に密封された部屋で死んだ男。自殺の様相を呈していますが、しかし、かわいがっていた蛇「ペイシェンス」まで道連れにするわけはありません。他殺なのは明らかです。でも、どうやって?カーはくそまじめにちゃんと密室を作り上げています。因みにロースンは同じ命題を本業の魔術さながら、ミスディレクションによって成立させて、短編を作り上げました
爬虫館殺人事件 (ハヤカワ・ミステリ 418)Amazon書評・レビュー:爬虫館殺人事件 (ハヤカワ・ミステリ 418)より
4150004188
No.3:
(4pt)

完全密室殺人事件

完全に密室と化した部屋での殺人事件です戦時中の雰囲気が良くでていて事件の陰影をより一層引き出しています
爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)Amazon書評・レビュー:爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)より
4488119026
No.2:
(4pt)

この世の外から

この作品はカーに対して親友のクレイトン・ロースンが「室内からすべての出入り口完全に目張りされた部屋での他殺」について合理的な回答を導けるか?と問いたことから書かれた小説です。戦時中の厳戒下、完全に密封された部屋で死んだ男。自殺の様相を呈していますがしかし、かわいがっていた蛇まで道連れにするわけはありませんでも、どうやって?カーはくそまじめにちゃんと密室を作り上げています因みに問題をだしたロースンは本業の魔術と同様、ミスディレクションによって同じ密室を成立させて、短編を作り上げました
爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)Amazon書評・レビュー:爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)より
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No.1:
(3pt)

魔術のスキル

内側からテープで目張りされた密室の中に転がっている死体。現在にあってはあまりにも手垢にまみれた設定に、密室の帝王カーター・ディクスンが正面から取り組んでいるまさに黄金期の作品。
 作品中に登場する奇術や動物園の爬虫類館などの独特な雰囲気や、名探偵なのか猿回しの猿なのかといった感じのHM卿など、まさにカー独特の世界を味わうことができる。またあんなものをトリックに利用するなど、おそらく彼が最初だったのではないだろうか。現在読むとたぶんにバカミスの趣のある本書だが、カーの世界にはまってみたい向きにはお勧めしたい1冊である。
爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)Amazon書評・レビュー:爬虫類館の殺人 (創元推理文庫 119-2)より
4488119026

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