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きつねのはなし
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きつねのはなしの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.92pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全96件 61~80 4/5ページ
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密やかに傍らにひそんでいる妖しい異形のものたちに、気がついたら囚われている恐怖。 水の気配が漂う、静寂とぞくりとする美しさに満ちた4つの物語。 特に「きつねのはなし」に引き込まれた。 『夜は短し〜』しかり『四畳半神話大全』しかり、『恋文の技術』しかり、 へたれな男子が登場する小説が好きな私にとって、 森見さんの小説はこよなく愛するものであったのだけれど、 まったく作風の違う本書が、こんなに面白いと思わなかった。 むしろ、こういうタイプの作品をもっと読みたくなった。 | ||||
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阿呆な大学生の生態を書き続けている作者が視点を変えて、京都に潜む怪異を描いた短編集。怪異自体はおぼろげで、それ故に怖さがある。実体のある物か人の心に潜む闇か最後まで言及しない。各作品が微妙にリンクしており、面白い。新たな作風で、その実力を証明した良作。 | ||||
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森見氏の小説の常として京都ものである。しかし、氏の他の小説と違ってちょっと怖ろしい怪談ものになっている。現代にあってもそこかしこに古さの残る街には、ちょっとしたきっかけで怪しい世界に足を踏み入れてしまいそうな危うさがある。何と言ったらよいのだろう、目には映らず普段は気づかないがもののけの住む異相世界があり、何かの弾みに人が迷い込んでしまう怖さのようなもの、森見氏はこの短編集でそんな世界に読者を誘ってくれる。 この短編集においては、森見氏の他の小説(たとえば『夜は短し歩けよ乙女』)のように外連みたっぷりの文章は陰をひそめ、非常に洗練された文章である。私は森見氏の外連みを帯びた文章の大ファンであるが、こうした美しい文章にふれるとなお一層森見氏のファンになる。氏が作品のテイストによって描き分ける力量を持っていることがはっきりと判る。 中川学氏のカバー装画も黄色が印象的ですばらしい。 | ||||
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本書収録二篇目、「果実の中の龍」。これはあくまで私の勝手な想像だが、森見氏は、〈籠の中の果実〉というフレーズから、本作の構想を起こしたのではないか。なんの変哲もないフレーズ。しかし、日常の世界に、ほんの少しのひずみが生じると、非日常の世界が口を開く。 〈籠〉の〈竹〉冠を取れば、〈龍〉。ひっくり返して、「果実の中の龍」。あるいは、〈龍〉を閉じ込めていた〈竹〉の代わりに、〈果実〉で閉じ込めて、「果実の中の龍」。なんて、やはりただの想像。 二篇目の〈龍〉は、四篇目「水神」において大暴れを演じる。〈籠〉る、という行為は、危険らしい。昔、中国には、「竹林の七賢」なんてのがいたようであるが、〈竹〉の内に〈籠〉るのは、自分の内に〈龍〉を飼いならすことかもしれない。なんだかこの話は、不思議な珠を呑みこんだ少年が、挙句の果てに、〈龍〉になった中国の民話を下敷きにしているような気がする。 れいによって、とんちんかんなことを書いた。詳しくは、本書を読んでのお楽しみ。 | ||||
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「きつねのはなし」「果実の中の種」「魔」「水神」といった謎を秘めた古都を舞台に描いた漆黒の作品集です。氏の作品において、明らかに異質なものとなっています。 闇に蠢くものと対峙する時、何が待ち受けているのでしょうか…。 「でもねえ、今でも思うんだけど、嘘だからなんだというんだろうな。僕はつまらない、空っぽの男だ。語られた話以外、いったい、僕そのものに何の価値があるんだろう」 | ||||
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表題作『きつねのはなし』が面白かったのは もちろんだが、4本目の『水神』もよかった。 話の内容はともかく、父や伯父たちと 通夜の晩に酒を飲みながら寝ずの晩をするという 設定自体が味わい深い。 | ||||
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なんともふしぎな'瑤八F'gのなかをさまよっている''なふしぎな湖'です。燕'恬仝きつねのはなし々麿3鐙の玉'ですが、畠悶に匯云の'で'がっているような音房'な音'殞兇気'嘘庶を宥ります。畢'ワ'`ルドお誼吭の''硬議な奨脅湖は、いつ'んでもすばらしい。 仟' 恠れメロス 麿膨鐙 (''刺舂''も 10-1) | ||||
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デビュー当時の森見は面白いけど、まだ文章が下手で未熟だったし気持ち悪かった。 森見の恋愛物は気持ち悪い。かわいい不思議ちゃんという現実には存在しないものに恋い焦がれる、モテない男の妄想語りだから。オタク男向け萌えだけ漫画に似てる。これを気持ち悪いという女性が少ないのは、森見を読むような文学少女崩れは大抵、「私は黒髪の乙女みたいなかわいくて賢い不思議ちゃん」と思っているから。恥ずかしながら、私にもそんな時期はあった。しかしそう思う女たちは、そんな勘違いをする点で賢くないし、だいたいはかわいくない。そして不思議ちゃんではなく、自己アピールが下手で変わり者なだけだ。 現実世界の賢くてかわいい不思議ちゃんは、江古田ちゃんでいう猛禽ちゃん。彼女らは森見を読んでる暇があるなら、男の人をデレデレさせながらかわいくワガママを言っている。 しかし、妄想語りの醜い蛹は洗練された幻想を語る美しい蝶になった。初期からの雰囲気とのんびりした感じはそのままなのに、淡々として練られた文章を書くようになった。プロットもよくなっている。初期よりも京都の特徴を生かした物語を作れるようになっている。格段にうまくなった。泉鏡花は敷居が高い、京極夏彦はエグすぎて嫌だ、でも幻想ものは読みたい。そんな人におすすめ。 妄想語りの恋愛物を書いてるくらいなら、こんな感じの小説を書けばいいのに! | ||||
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不思議な・・・とか、ちょっと不気味な話が好きな人にはいいと思います。ホラーという感じの怖さはないですが、なんだか地味に怖い。寝る前に読むと一層不気味さを感じられるかも。どの話にもいくつかの同じキーワードが出てきて、関連性を持たせているあたりがよかった。個人的には「水神」が好きです。もちろん、ほかの3話も十分面白いです。でも結局明確な答えは出してくれないので、自分の想像を膨らませて・・・モヤモヤが残ります。 | ||||
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京都を舞台にした短編奇譚集ですが、これまで読んだ森見作品とは、趣が異なる作品でした。 4つの作品が収められていますが、「芳蓮堂(古道具屋)」「胴の長いケモノ」「狐の面」などのキーワードで繋がっており、連作集といえなくもありません。 もちろん、個々の作品の内容は独立しているので、ひとつの作品として楽しむことも出来ます。 個人的なおススメは、「魔」という作品です。 人の心に潜む薄暗い部分が、ある瞬間に表出するような展開が、とても怖いです。 京都という古い街が持つ独特の雰囲気が、さらに怖ろしさを煽るのかもしれません。 芳蓮堂は何者か? 胴の長いケモノは、本当は何だったのか? 色々な謎は残ったままに終わっていますが、想像力を働かせながら、その余韻を楽しむことにしましょう。 | ||||
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表題作を含め4編の短編からなる。 すべて京都を舞台にしていて、その設定からか不思議な世界観が存在する。 古都、京都ならあり得るかも知れないと言う、暗黙の了解が読むものを引きずり込んでゆく。 キーワードは古道具屋の蓬蓮堂。 上手いのは、こうした小道具を無理なく設定する事で、全体の統一感が出る事だ。 同じ古道具屋と見せて、実は微妙に違う、まさに異世界を垣間見せてくれる。 決してきつねの話しではない・・・かも知れない(笑) 一夜の読み物にどうぞ! | ||||
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他の作品とは全く違った「妖しい京都」を、 他の作品と同じように京都すきなんだなって感じさせるよーな筆致で描いている作品。 夕の公園で読んだのでぴったりだった。 怖くは無いけど「ケモノ」は想像すると不気味だったし、 オチ無しで暈し気味なストーリーもイイ意味で不思議な世界に迷い込ませてくれる。 森見さんはやはり独特な魅力を持っている。 38/100点 | ||||
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題作をはじめ、ちょっと気味の悪い話が続く。ホラーというより現代版の怪談といった感じ。 森見の独特の文体やユーモアは後方に引いて、むしろ、抑制された筆致が怖さを生み出している。 面白かったけど、彼のほかの作品のはちゃめちゃぶりの方が好きかな | ||||
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06年刊行作がこの度めでたく文庫化されました。京の街を闊歩する四部構成の連作短編、、、と聞くと「いつもの森見スタイル」をイメージもするのだが、本作が醸し出す読感は、どうしてこれまでの森見サンとはかなーり異なっている。 陽陰でいえば陰、ぬくぬくとした光も眩い陽下がりの京都ではなく、森閑として捉えどころがなく、ナニカがうっそりと潜んでおるような不気味を感じさせる、薄からぬ京の暗がりを炙り出したかの如き怪異譚。単純に「怪奇小説」というのとも違うが、しかしナニやら得体の知れぬモノがヒヤリその気配を匂わせるサマが、常になく不穏な景色を描いている。一見ユーモラスだが同時にそこはかとなく暗い情感を湛えた世界は、内田百'閧フソレにもリンクするよう。 凛として嫋やかな黒髪の女性(イメージ色としては青みがかった白を思わせる)が営む骨董店で、バイトとして働く「ぼく」が出てくるという設定こそいつもの森見ワールドなんだけども、しかしそこで浮き彫られるのはセンチメンタルな昂揚を擽る「出会い」ではなくむしろ冷え冷えとした「喪失」の記憶である"きつねのはなし"、「騙る」ことが生む世界の無限の可能性を描いた、というよりはむしろ、相対する現実の儚さこそが強く印象に残る"果実の中の龍"、しきりに強調される陰鬱な空模様を象徴に、四篇中最もダークな結末が迸る"魔"、そしてここに至るまでの端々で、作品のクログロとした気配の象徴として描かれる「主」の棲み処を舞台に一つの怪現象が勃発する"水神"へ・・・ 各話を構成する人やモノの様々が、端々で錯綜し繋がり合いながらラストのシンボリックな出来事へと収斂する・・・という毎度の技巧は今作にても存分に発揮される。さらには"果実の中の龍"において現実と妄想のあわいが溶かし込まれ、あるいは全篇に渡ってボカされていく時系列のカラミも相まって、読めば読むほどなんだか「きつねにつままれたような」不可思議さに苛まれること必至。これまでの「ファンタジック」な色合いをガラリ変えてみせることで、作者の並ならぬ技巧を十二分に感得できる快作になっていると思う。あらためてその才能に惚れ惚れ。素晴らしい作品です。 | ||||
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『夜は短し〜』は、どうもオタ臭い感じや登場人物が苦手でした。 今回の物語は、まさに幻想ファンタジー。 どの話もどこか余韻を残すような終わり方ですが 物語の世界観にワクワクします。 恒川光太郎など好きな人にもおすすめだと思います。 万城目学さんとよく比べられる森見さんですが 私は万城目さんはハマレたけど、森見さんはどうも苦手でしたが このようなテイストが他の作品にもあるのなら、 もっと読んでみたいと思います。 | ||||
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06年10月の単行本の文庫化で,4本の奇譚が収められている短編集になります. 『奇譚』と謳われているように,少し不思議で怖めの物語が収められているのですが, 怪談など直接的なそれらとは違い,後からじわじわとくる怖さといった印象を受けます. また,奇譚自体もよいのですが,そこに至るまでの大半を占める会話や日常描写が美しく, はなしの性質とは裏腹な,暖かく柔らかみのあるきれいな表現がなんとも心地よく感じます. ともすれば呆気なく,あれは誰だったのか,何だったのかとどれもが曖昧に終わったり, それぞれが別の時間や人たちのはなしのはずも,どこか繋がりのようなものが見えるなど, ぼんやりとしながらもじっとり汗がにじみ,気がつくとその世界へと引き込まれていきます. 確かにハッキリしない部分は残りますが,それを含めた余韻を膨らませるのが楽しみどころ. 暑い日の昼下がり,たまにはこういう作品で気分を入れ替えるのもいいのではないでしょうか. 一つ一つは100ページにも満たないのですが,思いのほかに濃厚でじっくりと読ませてくれます. なお,巻末の記述によると,今回の文庫化にあたり改訂が行われているとのことです. | ||||
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京都を舞台にした、幻想短編小説集。 奇妙な骨董品を商いする法漣堂、薄気味の悪い何かを飼いならす老人、狐の面を被った男、そして細長い身体をしたケモノ。そういったものをモチーフにした、繋がっているような繋がっていないような全作品が繋がっているようないないような短編集です。 前に読んだ「夜は短し歩けよ乙女」とは全く逆ベクトルといっていい、暗く幻想的なタッチの作品で読む前の印象と読んでからの印象が大きく違った本でした。 ただ、作品の評価としては表題作の「きつねのはなし」はずいぶん高くつけますが(この話はとても面白かったし、幻想的だったし、叙情的だったし、怪談としての完成度も高くて文句のつけようがなかったです)、それ以外の作品や本全体としては微妙な感じでした。あくまで個人的な感想ですが、どこかしっくりとこない、こなれていない感じがしました。それは最初に書いたように、いくつかの共通するモチーフや、人物が4作品を通じて出てくるのですが、それが作品ごとに別々の人物・モノとなってでてくるので違和感がどうしても先にたってしまうというのが第一点。それから、もう一つは、こちらは自分の能力的な衰えなのかも知れませんが、幻想小説の持ち味であるはずの見えないものが見え、見えるものが見えないといった幻視能力をかきたてる部分ですんなり世界に入り込めなかったのがもう一点です。 尤も、これはさきに個人的な能力の衰えと書きましたように、自分自身の持っている幻視的に小説世界に入り込める力が弱っているからかも知れません。昔は小説の世界、漫画の世界に簡単にそのまま入り込めてどっぷりと浸かりこめたのが、最近はそういう風にさらりと世界に入り込むことがときおり出来ない時があります。だから、作品そのものがどうというよりはこちらの能力の衰え(もしくは欠如)部分が、作品全体の評価を微妙とさせているのかも知れません。 ミステリ小説や、純文学と違って、幻想小説や怪奇小説などはその能力・感じ方によって評価が変わってしまう特性がありますので、そのあたり注釈としてつけておきます。また、この作品において描かれる京都は現在もしくは近過去の京都であるものの、その闇の濃さ、不条理さ、そして幻想的な美しさという点では他の作品にない濃い色合いを見せてくれていて、そのあたりにはとても感服したことも付け加えておきます。恒川光太郎のような風合いでした。 | ||||
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短編集なのだが、どの作品もいくつかのキーワードで世界が繋がっているところが面白い。 森見作品には珍しいホラーなのだが、戦慄するような恐ろしさではなく肌にまとわり付くような湿り気を帯びた冷気を窺わせる上質の"怪談"である。 私個人としては『果実の中の龍』が面白かった。ある短編のメタファーになっているところは驚かされた。 | ||||
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好き嫌いわかれるだろうけど私は好きです。怪しいなって感じがすごい出てて。見えるようで見えない感じとか、ああいう感じが私のドツボでした。おおっぴろげーなホラーは好きじゃないんで。 | ||||
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書店で幾度か見かけて、 不思議大好きっ子にはたまらない題名と表紙につられて買いました。が、 ・・・ん〜 全然文章とかもうまいしいいと思うけど 読んでくうちに”続きが読みたい!”という衝動にかられないんですよ。 はじめて本を読んでいて退屈になりました。 ストーリーもたぶんものスゴく深いと思うんですけど、わからない。 自分の読解力がたらないのもあるとおもうんですが、 それ以上にストーリーにひきつけられない。 これといって怖くもないし、楽しくないし、 けして人にすすめられるような本ではありません。 でも、表現力がすごくて、その本の舞台の情景が目に見えるようです。 それが、唯一この本のいいとこかな?と思います。 ホラー系と思っている方は、たぶん満足されないと思います。 ん〜、これが文学というやつなのでしょうか? | ||||
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