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きつねのはなし
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きつねのはなしの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.91pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全94件 41~60 3/5ページ
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京都を舞台にした怪談話。 どれも読ませるし、文体も伝統的な現代語とでも言うべき流麗なもので、心地よい。 一読の価値はあるだろう。 | ||||
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腐れ大学生もので人気を博した森見さんの、また違った面が見られる短編集です。 全編薄闇に包まれたような雰囲気がたまりません。 文体もいつもとは違った生硬な妖しさが漂っており、器用な人だなあ〜と思わされます。 この引き出しの多さは、イコール読書量の多さなのでしょうね。 夏の夜に読みたい一冊です。 | ||||
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森見 登美彦には珍しく阿呆な大学生はでてきません。 京都を舞台にした怪談話四編。 他の森見作品にはない不気味さがありゾクゾクしながら読めました。 好きな話は「果実の中の龍」 読んでて妙にザワザワした気分になり読み終えたあとは少し切ない余韻が残るほど話に引きずり込まれました。 | ||||
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不気味な話でした。夜にガサガサと動く草むらを覗いていたら、いつのまにか静かになり、何かにじっと見返されていたような。 お話は全て京都を舞台にしています。 けれど、少しずつ違いがあるんです。まるで、きつねに化かされているように。 京都の街の描き方がとても丁寧で、行ったことの無い私でも街並みを想像しやすかったです。 | ||||
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森見登美彦氏の短編作を纏めた作品。 共通してるのは京都が舞台で、妖怪がチラホラと影を見せている事です。 妖怪の全貌を描く訳では無く、あくまで彼らが通り過ぎた足跡を「私」と取り巻く人達を焦点に話は進んでいく。 「四畳半」や「夜は短し」とはまた違ったシリアスな著者の文章が楽しめます。 | ||||
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著者の能天気な本はこれまで楽しく読ませてもらったけど この本はかなりダークサイドに振れている。 だけどしっかり面白い。やっぱりプロの作家はすごいな。 それぞれの短編は互いに微妙にリンクしていたりして、通常の短編以上の世界観がある。 読後、静かな怖さがずーっと心に残る本。 | ||||
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当作品では【太陽の塔】や【四畳半神話体系】とはまた違った様相をしていますが、その流麗な文体からはやはり著者らしさが垣間見えて安心感を覚えました。 幻想小説特有の掴みどころのない置いてきぼりの儚さは、たとえ怪奇とはいえ著者の柔らかな人間の描き方で優しく包まれておりフワフワした印象が心地好いです。 内容的には表題作がお薦め。ですが【果実の中の龍】は作品に綴られた其のままを【魔】と読み取りながら、しかし小説家など物書きの有り様を物悲しく語っているようにも見え、読者によって多くの解釈が出来る良作ではないでしょうか。 | ||||
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これはまた、ユーモラスな他の森見作品とはがらっと違った作風で驚かされた。ホラーとしては個人的には一番好きなタイプだ。 あれは高橋克彦の言葉だったか?「一番怖いのは、結局それがなんだったのかよくわからないという怖さ」だ、と。この小説に出てくる怖さ、気味悪さもその種のもので、じわじわと効いてくる。「これは幽霊だったのです。」「地霊のたたりだったのです。」「悪魔のしわざだったのです。」「組織の陰謀だったのです。」というようなはっきりした結論や説明は一切なされない。 異界とこの世を行き来しているかのような怪しい人物、これまた異界と繋がっているのではと思える吉田山の祭り、京都人が普通に日常生活を送っている街中の路地(ろうじ)に潜んでいる魔・・・。10年ほど前、京都魔界めぐりというブームがあり怪しいスポットをまわるのがはやったが、それは今、現在も続いているパワースポット巡りと共通するものがある。ただこの小説に出てくる魔はもっと日常的なごくごく普通の生活空間に潜む怖さだ。 自分は京都で生まれて育ったが、子供の頃かけまわっていた裏通りの路地が思わぬ所に繋がっている不思議さや、お寺、神社の敷地内に入ると、そこだけさっと空気の色が変わってしまうような異空間があることを肌で感じてきた。京都での生活が長い森見氏も、きっとそのようなものを日々感じておられるのだろう。 それぞれの短編は独立していて連作ではない。どれも少しずつタッチの違う作風だけれど、個人的にははずれなし。どこか雨月物語を思わせるような文学の香りがするホラー、ものすごくお気に入りの一冊になった。 | ||||
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「四畳半神話大系」「夜は短し歩けよ乙女」も好きだけれど、こんな妖しい 森見作品も良いなとは思うが、しかし・・・。 表題作の「きつねのはなし」は出色。 京都の街だったら、こんな妖しいことも然もありなんと思わせる。現代が 舞台だと忘れてしまうくらいの古めかしさも京都なら違和感がない。 この話だけ雑誌に掲載されたもので、この話の出来栄えが良かったので、 一冊の本にまとめるために、書き下ろししたのが残りの3篇ということなの だろう。 しかし、やはり書き下ろしの3篇は「きつねのはなし」に比べ、分かりにく かったり、ストーリー自体に魅力が乏しかったりと、肩を並べる水準には 無いように思った。 表題作は星5つ。残りの3篇は残念ながら普通。 | ||||
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タイトルだけにつられて買ってみました。 淡々と物語は進んでいくし、読んでる私自身、特にドキドキわくわくすることもなく 淡々と読み進めているつもりなんですが、気がつくと背筋にゾクゾクしたものを感じていました。 でも理由はよく分からない。 夢と現の間を行ったり来たりしている感覚で、読み終わった後はまさに狐につままれた気分になりました。 ポカン…と。「今のは一体なんだったんだ?」「よくわからない…」 本を閉じた後、そんな気持ちにさせてくれるのがこの本の魅力なのかな?と思います。 お気に入りの一冊になりました。特に「果実の中の龍」は何度も読み返しています。 | ||||
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個人的にはかなり好きな作家の1人である。軽快なテンポ、繋がっている世界、リアルと幻想が混じり合った京都の舞台、さらにはちょっと現実離れした、けれども良く目を凝らしてみれば何処にでもいそうな主人公達。これらが私の森見作品のイメージである。 決してこうしたイメージを本書は破壊しない。けれども何かが足りないと思ってしまうのは、欲張り過ぎが原因なのだろうか。重々しく描く京都は、不気味で幻想的であるかもしれないが、その不気味さとリアルが混じり合っているとはいえない。目を凝らす必要もなく、通りに出れば誰もが出会える主人公達。繋がっていそうで、糸はほどけていると言わざるを得ないストーリー。 そのような感覚を抱いた。しかし、森見作品にしてはという点を考慮するべきなのかも知れない。けれども何かが足りない。読み終えた後、もう一息欲しかったと思うのが残念だった。 | ||||
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古い歴史を持つ街は特有の空気を持っています。 鎌倉に良く行く機会がありますが、鎌倉には鎌倉の、京都には京都の空気と言うか 町自体が持っている息づかいと言うものを感じます。本作はそんな空気を闇と言うか 人ならざるもの影から描いたような神秘的幻想的な小説です。 四畳半に出てきた樋口師匠のようなキャラクタもいますが、その雰囲気はすっかり陰であり 乙女〜四畳半の比較的明るい雰囲気とは好対照ですが、セリフ回しなどをみるとこれも 確かに森見ワールドの一環と言う事が良くわかります。 | ||||
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きつねのはなし 私は夜は短し歩けよ乙女、太陽の塔、四畳半神話体系と読み進めた後に「きつねのはなし」を読みました。これまで私は森見氏は類まれな妄想力を武器にヘタレ大学生を面白おかしく描くことを専門とする作家だと思っておりました。しかし、本作は作者名が伏せてあれば森見氏だと気が付かないのではないかと思うほどこれまでとは作風が異なり、世界に名高い観光都市という華やかな表の顔とは一線を画す京都の妖しさ、薄闇、裏庭のような部分を鋭く上品に描いた作品です。そして独特でありながら目に浮かぶような優れた表現により、読者を裏庭へと誘うのです。 四つある物語はどれも完成度が高く、絶妙なほど贅肉を削ぎ落としてあり文章にもストーリーにも無駄がないです。また精神的な危うさを感じさせるナツメさんや若年性パラノイアと言いたくなるような先輩など、登場人物が実に魅力的です。ぜひ一読あれ。 | ||||
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「太陽の塔」と同時期に執筆されていた短編も含まれている作家・森見登美彦の黎明期を垣間見られる一冊 ハードカバー版より文庫版の表紙の方が物語の雰囲気が現れていてこっちの方が合っていると思います ホラーではあるけれども「世にも奇妙な物語」とかああいった感じの怖さです 舞台となっている京都が持つ、歴史に裏打ちされた街の空気の微かな重みが物語に絶妙なリアルさを演出しています | ||||
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「太陽の塔」や「夜は短し歩けよ乙女」などとはまた違った雰囲気の4作品である。しかし森見ワールドには違いない。京都をよく知っている人なら、町の情景を思い浮かべて読むのが楽しい。前半2作品に比べて、後半2作品は少しだるい。単行本は古本の世界では文庫本より安いことが多い。家に置いておくには少々かさばるが、本棚の中ではきれいし、読みやすいというメリットがある。 | ||||
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表題作を中心に広がる妖しい世界。 森見さんの作品にある、くすっと笑ってしまうような陽気な妖しさを除外して、 ヒンヤリする異世界のみでの構成が、京都にとてもマッチしてるような。 短編同士で、波紋を作り合い、影響を与えあっている。 最後の「水神」での「水」がまた全体を象徴しているようにも感じました。 | ||||
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2006年に出た単行本の文庫化。多少の改訂がなされているという。 「きつねのはなし」、「果実の中の龍」、「魔」、「水神」の4篇が収められている。 きつねっぽい何かが共通して出てくる、怪しくも不思議なファンタジーである。読み心地は森見作品らしい、ノスタルジーと甘さに満ちており、そういう面では読者の期待を裏切らないだろう。 しかし、ストーリーについては、「普通の話だなあ」と感じた。なんというか、意外性がなく、発想もありきたり。もう少し突飛なものを期待していたのだが。 京都在住の私としては、良く知っている場所が出てきて、楽しかった。 | ||||
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森見登美彦さんの作品が好きで読んでみました。 短編がいくつか入っていてそれぞれ別の話ですが 所々に共通点があり、それが妙なんですがひょっとすると 実際にこの世界に起きている事の様に思えてきて楽しかったです。 人間の深い部分にある恐怖がじんわりと入ってくるような怖さがあります。 本当に怖いのはオバケや妖怪では無く、人間なのだと思い、 危なっかしい人とは関わり合いにならない方がいいのだ、と読み終えて 勝手に自分の中の教訓としました。 この作品はホラーでは無いし、派手さもありません。怖い話が苦手な方でも 落ち着いて楽しめる作品だと思います。 舞台が京都というのがこの話に合っていて、他の森見登美彦作品とはまた違った 京都の風景が見えてきます。 | ||||
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密やかに傍らにひそんでいる妖しい異形のものたちに、気がついたら囚われている恐怖。 水の気配が漂う、静寂とぞくりとする美しさに満ちた4つの物語。 特に「きつねのはなし」に引き込まれた。 『夜は短し〜』しかり『四畳半神話大全』しかり、『恋文の技術』しかり、 へたれな男子が登場する小説が好きな私にとって、 森見さんの小説はこよなく愛するものであったのだけれど、 まったく作風の違う本書が、こんなに面白いと思わなかった。 むしろ、こういうタイプの作品をもっと読みたくなった。 | ||||
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阿呆な大学生の生態を書き続けている作者が視点を変えて、京都に潜む怪異を描いた短編集。怪異自体はおぼろげで、それ故に怖さがある。実体のある物か人の心に潜む闇か最後まで言及しない。各作品が微妙にリンクしており、面白い。新たな作風で、その実力を証明した良作。 | ||||
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