九人と死で十人だ

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評判

九人と死で十人だの評価:

4.13/5点 レビュー 23件。 B ランク

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平均点4.13pt

Amazonレビュー一覧

Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全31件 1〜20 1/2ページ
No.31
(4pt)

なかなか巧妙な本格ミステリ

船上で殺人が起こり、犯人の血染めの指紋が残されている。
だが、船内にいる全員の指紋を調べても一致する指紋がない、というストーリー。

トリックはシンプルですが、実に巧妙なプロットに仕上げてある思います。

また、伏線の中には細かすぎたり知識を要するものだったりもありますが、一方で思い込みを利用した大胆なミスディレクションは見事としか言いようがありません。

ただし、第一の事件については、まったく無意味な行動で手がかりを残して捜査側にわざわざトリックのヒントを与えているし、第二の事件については、真相に至るための手がかりがほぼ皆無なのが残念でした。
九人と死で十人だ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ (創元推理文庫)より
4488118453
No.30
(4pt)

なかなか巧妙な本格ミステリ

船上で殺人が起こり、犯人の血染めの指紋が残されている。
だが、船内にいる全員の指紋を調べても一致する指紋がない、というストーリー。

トリックはシンプルですが、実に巧妙なプロットに仕上げてある思います。

また、伏線の中には細かすぎたり知識を要するものだったりもありますが、一方で思い込みを利用した大胆なミスディレクションは見事としか言いようがありません。

ただし、第一の事件については、まったく無意味な行動で手がかりを残して捜査側にわざわざトリックのヒントを与えているし、第二の事件については、真相に至るための手がかりがほぼ皆無なのが残念でした。
九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26)より
4336041563
No.29
(5pt)

うん

確かに九人と死で十人です。
そしてこれ以上かっこいいタイトルの本を私は知りません。
九人と死で十人だ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ (創元推理文庫)より
4488118453
No.28
(5pt)

うん

確かに九人と死で十人です。
そしてこれ以上かっこいいタイトルの本を私は知りません。
九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26)より
4336041563
No.27
(3pt)

カスタマー

船内で起きた殺人事件を捜査する物語です。
最初から最後の解決まで判りやすく読むことができました。
1点だけ指紋については、実際にできるのかどうか、と思っています。
九人と死で十人だ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ (創元推理文庫)より
4488118453
No.26
(3pt)

カスタマー

船内で起きた殺人事件を捜査する物語です。
最初から最後の解決まで判りやすく読むことができました。
1点だけ指紋については、実際にできるのかどうか、と思っています。
九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26)より
4336041563
No.25
(4pt)

読みやすい。

トリックそのものはあっと驚く様なものではないが、極めてテンポよく読めて、一気に最後まで読み切ってしまう作品である。
九人と死で十人だ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ (創元推理文庫)より
4488118453
No.24
(4pt)

読みやすい。

トリックそのものはあっと驚く様なものではないが、極めてテンポよく読めて、一気に最後まで読み切ってしまう作品である。
九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26)より
4336041563
No.23
(5pt)

〝戦時下サスペンス航海小説〟の仮面を被った〝本格もの〟

印鑑をキレイに押すのが下手だったりしないですか? まさに私がそうです。
まっすぐ押そうとしてなんとなく歪んでしまったり、朱肉に印面をつけすぎたり反対につけるのが薄かったり。
シャチハタや拇印なら問題ないんですけどね~。 〝拇印〟といえば・・・。


本作は『ユダの窓』『白い僧院の殺人』後の事件。

アメリカ東海岸からイギリスへ、爆撃機四機と高性能爆薬を輸送する大型客船エドワードディック号。
ひとたび北太平洋へ出たら敵国ドイツの潜水艦にいつ攻撃されるかわからない〝死と隣り合わせ〟の旅、
乗船した訳ありな客はほんの数人たらず。荒れた暗黒の海上を進む二日目にマックス・マシューズは発見した。
残忍に喉元をブチ切られたエステル・ジア・ベイ夫人の屍体を。頼るべき警察はいない。屍体にはクッキリ残る血の指紋。

数少ない乗客に容疑は絞られ正確な指紋採集が行われるが、屍体上のものと一致する該当者がなく、
クローズドな状況で加害者の船外逃走もありえない。では誰の仕業か?
そんな中もうひとり隠れたる乗客が・・・体重二百ポンドのあの人物、ヘンリ・メリヴェール卿(H・M)だった・・・。

作者カーが序盤で匂わせているように誰かが出航時に全乗客をもれなく観察しとけば事件は防げたかも。
この事がすべてのトリックに繋がっていくので頭の片隅に置いて犯人のたくらみをあばいてみてほしい。
動機が軍事スパイと関係あるのかないのか、そこも最後まで読んでのお楽しみ。

甲板でマッチ一本つける事も憚られる海上の闇と、波に揺らぐ閉ざされた船中の不安な空間・・・。
トリックもさながらその雰囲気描写が見事で、時間にゆとりがあれば一日で一気に読み終えられる位に面白い。
もちろん堂々たる〝本格〟探偵小説だし、また第二次大戦時下サスペンス航海小説として読むのも可能だ。

原題は『Nine – And Death Makes Ten』といって『九人と死で十人だ』と人数を強調することで、
ここでもカーは読者に目くらましを仕掛けてるのだろう。もっとジャストなタイトル訳がありそうにも思うけど。


エンディングで謎解きを求められてH・Mは、私語が多くおとなしく耳を傾けようとしない人々に怒ったり、
説明を終わって「感謝のかけらもない!」とムクれる大人げないキャラクター。こんな人に私はなりたい。
解決後の謎解き場面でやたら周りの人々を立てて謙遜がいちいちわざとらしい金田一耕助より、
いいひと感の押し付けがないこの罵詈雑言男のほうが名探偵としてふさわしい。
九人と死で十人だ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ (創元推理文庫)より
4488118453
No.22
(5pt)

〝戦時下サスペンス航海小説〟の仮面を被った〝本格もの〟

印鑑をキレイに押すのが下手だったりしないですか? まさに私がそうです。
まっすぐ押そうとしてなんとなく歪んでしまったり、朱肉に印面をつけすぎたり反対につけるのが薄かったり。
シャチハタや拇印なら問題ないんですけどね~。 〝拇印〟といえば・・・。


本作は『ユダの窓』『白い僧院の殺人』後の事件。

アメリカ東海岸からイギリスへ、爆撃機四機と高性能爆薬を輸送する大型客船エドワードディック号。
ひとたび北太平洋へ出たら敵国ドイツの潜水艦にいつ攻撃されるかわからない〝死と隣り合わせ〟の旅、
乗船した訳ありな客はほんの数人たらず。荒れた暗黒の海上を進む二日目にマックス・マシューズは発見した。
残忍に喉元をブチ切られたエステル・ジア・ベイ夫人の屍体を。頼るべき警察はいない。屍体にはクッキリ残る血の指紋。

数少ない乗客に容疑は絞られ正確な指紋採集が行われるが、屍体上のものと一致する該当者がなく、
クローズドな状況で加害者の船外逃走もありえない。では誰の仕業か?
そんな中もうひとり隠れたる乗客が・・・体重二百ポンドのあの人物、ヘンリ・メリヴェール卿(H・M)だった・・・。

作者カーが序盤で匂わせているように誰かが出航時に全乗客をもれなく観察しとけば事件は防げたかも。
この事がすべてのトリックに繋がっていくので頭の片隅に置いて犯人のたくらみをあばいてみてほしい。
動機が軍事スパイと関係あるのかないのか、そこも最後まで読んでのお楽しみ。

甲板でマッチ一本つける事も憚られる海上の闇と、波に揺らぐ閉ざされた船中の不安な空間・・・。
トリックもさながらその雰囲気描写が見事で、時間にゆとりがあれば一日で一気に読み終えられる位に面白い。
もちろん堂々たる〝本格〟探偵小説だし、また第二次大戦時下サスペンス航海小説として読むのも可能だ。

原題は『Nine – And Death Makes Ten』といって『九人と死で十人だ』と人数を強調することで、
ここでもカーは読者に目くらましを仕掛けてるのだろう。もっとジャストなタイトル訳がありそうにも思うけど。


エンディングで謎解きを求められてH・Mは、私語が多くおとなしく耳を傾けようとしない人々に怒ったり、
説明を終わって「感謝のかけらもない!」とムクれる大人げないキャラクター。こんな人に私はなりたい。
解決後の謎解き場面でやたら周りの人々を立てて謙遜がいちいちわざとらしい金田一耕助より、
いいひと感の押し付けがないこの罵詈雑言男のほうが名探偵としてふさわしい。
九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26)より
4336041563
No.21
(5pt)

地味ながら完璧と言える作品

世界大戦下という環境を利用し、洋上の殺人を密室・不可能犯罪まで昇華している。容疑者たる九人の乗客から採取した指紋が犯行現場に残されたそれと一致しないことから、まだ見ぬ十人目の乗客といった「亡霊」が生まれる構図は見事。タイトルを脳裏にちらつかせながらページを繰る作業の心地よさと、犯人の誤算を見抜いたH・M卿の冴えわたる推理が一級品の作品と言える。惜しむらくは犯人を特定するキモに、現代に生きる我々では常識上知りえないものがあるところか。時を経て親しまれた名作の泣き所であろう。
九人と死で十人だ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ (創元推理文庫)より
4488118453
No.20
(5pt)

地味ながら完璧と言える作品

世界大戦下という環境を利用し、洋上の殺人を密室・不可能犯罪まで昇華している。容疑者たる九人の乗客から採取した指紋が犯行現場に残されたそれと一致しないことから、まだ見ぬ十人目の乗客といった「亡霊」が生まれる構図は見事。タイトルを脳裏にちらつかせながらページを繰る作業の心地よさと、犯人の誤算を見抜いたH・M卿の冴えわたる推理が一級品の作品と言える。惜しむらくは犯人を特定するキモに、現代に生きる我々では常識上知りえないものがあるところか。時を経て親しまれた名作の泣き所であろう。
九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26)より
4336041563
No.19
(5pt)

やっぱり面白かった

本作は2度、図書館で借りて読んでいたんですが、再々度読みたくなって遂に購入。やっぱり面白かった。私、頭が悪いせいか推理小説が好きなくせに犯人や犯行方法をよく忘れてしまいます。本作もなんとなく覚えているような忘れたような・・・という状態で読書開始。カーの作品では特にカーター・ディックスン名義の探偵役であるヘンリー・メリヴェール卿の豪放磊落、自己中心的放言やドタバタ騒ぎが大好き。もちろん、なんとも不可思議な謎を提示して、それをどう説明付けるかというカーのアクロバティックなトリックの楽しみもあるんですが・・・。特に本作は怪奇性というより、戦争中にドイツの潜水艦に狙われながら航行する船の中の怪事件という緊迫性がいい。この本を読む直前に、たまたまミステリーゾーンの「審判の夜」という作品を観ていたことから、Uボートに狙われ灯火管制した船の状況が映像的にイメージできて雰囲気を充分楽しみながら読むことができました。その分、謎もトリックもすっきり頭に入ったし人間関係の結末(プチロマンス)も楽しく味わえました。
九人と死で十人だ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ (創元推理文庫)より
4488118453
No.18
(5pt)
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やっぱり面白かった

本作は2度、図書館で借りて読んでいたんですが、再々度読みたくなって遂に購入。やっぱり面白かった。私、頭が悪いせいか推理小説が好きなくせに犯人や犯行方法をよく忘れてしまいます。本作もなんとなく覚えているような忘れたような・・・という状態で読書開始。カーの作品では特にカーター・ディックスン名義の探偵役であるヘンリー・メリヴェール卿の豪放磊落、自己中心的放言やドタバタ騒ぎが大好き。もちろん、なんとも不可思議な謎を提示して、それをどう説明付けるかというカーのアクロバティックなトリックの楽しみもあるんですが・・・。特に本作は怪奇性というより、戦争中にドイツの潜水艦に狙われながら航行する船の中の怪事件という緊迫性がいい。この本を読む直前に、たまたまミステリーゾーンの「審判の夜」という作品を観ていたことから、Uボートに狙われ灯火管制した船の状況が映像的にイメージできて雰囲気を充分楽しみながら読むことができました。その分、謎もトリックもすっきり頭に入ったし人間関係の結末(プチロマンス)も楽しく味わえました。
九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26)より
4336041563
No.17
(5pt)

カーター・ディクスン

カーター・ディクスン大好きです。
この本は図書館で借りて読んだのですが消費税が上がる前に購入しました。
九人と死で十人だ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ (創元推理文庫)より
4488118453
No.16
(5pt)

カーター・ディクスン

カーター・ディクスン大好きです。
この本は図書館で借りて読んだのですが消費税が上がる前に購入しました。
九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26)より
4336041563
No.15
(5pt)

いいね!!

いいね!!と致しましたが速く文庫化希望!!
★評価は、5。 宜しくお願い致します!!

あと何年待てば復刻されますか??
九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26)より
4336041563
No.14
(4pt)

カーの諸作の中でも上位に入る作品

本作品は、1940年発表の作品で、カーター・ディクスン名義の第14作にあたります。

第二次世界大戦下、商船エドワーディック号は、ドイツの潜水艦による襲撃に怯えながら、ニューヨークを出港し、イギリスへと向かっていた。
軍需品輸送を目的とした航行だったが、船内にはヘンリ・メリヴェール卿を含む九人の乗客が乗っていた。
やがて乗客の一人、エステル・ジア・ベイ夫人の刺殺死体が船室で発見される。
着衣には犯人のものと思われる血染めの指紋があったため、乗客・乗員すべての指紋を採取し照合したが、誰のものとも一致しない…。

いつ潜水艦から攻撃を受けるか分からないという、緊迫した状態のもと、船内で進められる捜索は、スリリングな場面もあり、割合と起伏に富んだ物語展開となっていますが、そのトリックや真犯人は、正直なところ、あまり意外性のあるものではありませんでした。

しかしながら、この作品を高く評価したくなるのは、その風変わりな題名にあります。

「乗客は九人。そのうちの一人の死によって、もうひとりの人物が船内にいるらしいということになった。それならば、乗客は十人だ。」
−−といった意味の題名ですが、読み終えてみると、なぜ作者がこのような題名を付けたのか、そこに込められた思いがけない策略に、読者は深く納得させられるはずです。

カーの諸作の中でも恐らく上位に入るのではないかと思われる本作品ですが、かつての探偵雑誌「宝石」に昭和32年に掲載されたのみでずっと入手困難であったそうです。
本書の刊行により容易に入手でき、しかも読みやすい新訳で本作品に臨むことのできる現代の読者は、私を含め、大変幸福だと言えるのではないでしょうか。
九人と死で十人だ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ (創元推理文庫)より
4488118453
No.13
(4pt)

カーの諸作の中でも上位に入る作品

本作品は、1940年発表の作品で、カーター・ディクスン名義の第14作にあたります。第二次世界大戦下、商船エドワーディック号は、ドイツの潜水艦による襲撃に怯えながら、ニューヨークを出港し、イギリスへと向かっていた。軍需品輸送を目的とした航行だったが、船内にはヘンリ・メリヴェール卿を含む九人の乗客が乗っていた。やがて乗客の一人、エステル・ジア・ベイ夫人の刺殺死体が船室で発見される。着衣には犯人のものと思われる血染めの指紋があったため、乗客・乗員すべての指紋を採取し照合したが、誰のものとも一致しない…。いつ潜水艦から攻撃を受けるか分からないという、緊迫した状態のもと、船内で進められる捜索は、スリリングな場面もあり、割合と起伏に富んだ物語展開となっていますが、そのトリックや真犯人は、正直なところ、あまり意外性のあるものではありませんでした。しかしながら、この作品を高く評価したくなるのは、その風変わりな題名にあります。「乗客は九人。そのうちの一人の死によって、もうひとりの人物が船内にいるらしいということになった。それならば、乗客は十人だ。」−−といった意味の題名ですが、読み終えてみると、なぜ作者がこのような題名を付けたのか、そこに込められた思いがけない策略に、読者は深く納得させられるはずです。カーの諸作の中でも恐らく上位に入るのではないかと思われる本作品ですが、かつての探偵雑誌「宝石」に昭和32年に掲載されたのみでずっと入手困難であったそうです。本書の刊行により容易に入手でき、しかも読みやすい新訳で本作品に臨むことのできる現代の読者は、私を含め、大変幸福だと言えるのではないでしょうか。
九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ 世界探偵小説全集(26)より
4336041563
No.12
(4pt)

題名の付け方の妙に感心 !

第二次世界大戦中、ニューヨークからイギリスに向かう客船兼爆薬輸送船の中で起こった不可解な殺人事件を偶々乗り合わせたH.M.卿が解くという物語。カーの作品で船という巨大な密室の中の殺人を扱ったものでは「盲目の理髪師」が有名だが、そのような狂騒性はない。その代り、時代設定に合わせ、船は灯火管制下、即ち夜は真暗闇で殺人には打って付け。乗客には軍関係者が多く、スパイが混じっている事も示唆される。そして最大の謎は、第一被害者の婦人の遺体に残された指紋が乗客・乗務員の誰とも一致しない点。また、乗客数はH.M.卿を含め9人なのだが、題名(原題の直訳)の意味する所は ?

乗客全員に配られる救命胴衣とガスマスク。事件と並行して乗客を襲う敵の襲撃の恐怖。その中で起きる第二の被害者はフランス軍人だが、自殺の可能性もあると共に、スパイかつ第一の殺人の犯人である可能性もある。限られた人数の中で、話の錯綜のさせ方が相変わらず上手い。そして、魚雷接近の警報ベルが鳴り...。

指紋の解決はやや平凡だが、題名の付け方の妙には感心した。全体構成に破綻がなく、安心して楽しめる。「爬虫類館の殺人」と同様、戦時中という状況を巧みに利用しているのも印象的。これまで存在すら知らなかったが、カーの作品中でも上位に入るのではないか。
九人と死で十人だ (創元推理文庫) Amazon書評・レビュー: 九人と死で十人だ (創元推理文庫)より
4488118453