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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年
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色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.41pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全1023件 181~200 10/52ページ
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良くも悪くも村上春樹ですので、好きな人はいいのではないでしょうか? | ||||
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著者の作品で一番好きなのは「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」です。現実にはあり得ない世界での事象がすんなりと頭に流れ込んできました。しかし「海辺のカフカ」、「1Q84」の世界には馴染めませんでした。 そのような中、本書の意味不明なタイトルには少し警戒しながら読み始めました。結果はストーリーとしては面白いけれど、イマイチ主人公の思索に同調できないまま読み終えました。「考え過ぎだよ」と声をかけたい気分です。 それに沙羅という女性に惹かれていく過程も、それまでの主人公の恋愛のパターンから変わる必然性が私には読み取れませんでした。 ということで★3つ。 | ||||
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練られた文章、的確な言葉の選択、リズミカルな語り、深い物語性、村上作品の質の高さを素直に感じます。音楽を効果的に物語に織り込んでいるのもいつものことですが、いいなあと思います。主人公が36歳、相手の女性が38歳というのは読者層が高年齢化している傾向を捉えたものでしょうか。自分のその年代のことを考えると、主人公達より遥かに落ち着いていたなと感じます。小説の中の様に、ドキドキはしていなかったなと個人的にはちょっと残念でした。 | ||||
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相変わらずの絵画的な巧みな形容で、 冒頭の掴みも流石で、キタかな!と期待したのだが、 いちいちステイタスをくすぐるように、 流行誌に特集されるような登場人物の関係を描いていく。 嫉妬され疎まれる気分、嫉妬し疎む気分をあえて味あわせるみたいに。 登場人物に色付けしている表現は面白い。その点が星2つ。 配色による錯覚で色そのものの明暗も彩度も違って見えてしまうように、 結局、人が確固たる自己を確立しているとしても、 ある事象の中に自分を置いたとき、比較されて見えかたが変わり、 面白いはずのことも面白く無くなるのはよくあること。 それが嫉妬になったりするから人は気を使う。 ただ ”名古屋にいる友達に、東京にただ一人出た”僕”が、頻繁に東京での出来事を報告する。” そんなの気を使える男ならしない。 配色を無視しマイペースで人の気持ちに鈍感で気の使えない”僕”は疎まれる。 歯が浮くようなキザったらしいセンスにうんざりしているアンチたちに 作家は疎まれまくってるわけで、 嫉妬を「世界で最も絶望的な牢獄」と表現するあたり、嫉妬する側に復讐でもしているかのような重さを感じる。 初見でピアノを弾きまくる夢の中で叫びが爆発している。 「色彩を持たない」としながらも”僕”の名字から連想してしまう「多崎つくる」→田崎→真珠→「すべての色を反射する」というまさかの駄洒落みたいな暗喩。 しかも自分については嫉妬は無縁というような表現がまた反感をかうのだろう。 そういうもつれが”僕”たちを健康でない状態にし、 それでも生き延びた”僕”たちは希望を持って生きていこうという話。 シロの理由があるにせよ、”僕”以外の全員が結託するには、それぞれが”僕”に感じていたやりにくさがあったからだろう。 ”僕”が巡礼に戻ってきた時には、それぞれが比較に耐えられる実績や生活力を持っっていたから受け入れられたのだろう。 しかし健康でない状態の人物を悪霊が憑いているような表現をしているのは救われない。 他にも色が薄くなった人、あっち側の人、終わった人、死んでいる人というような印象で表現してしまう。 基本健康で生活力のある”僕”たちが凹んだり立ち直ったりする青春への応援にはなるだろうが、 回復力もなく生活力もなく社会的に弱い中ででも「生きている」人へは、なんというか侮辱に等しい。 洗練された雑誌を読むような情報と芸術的な言葉のセンスに誘われるものの、 アフターダーク、スプートニック同様、最近はいつもなんだか嫌な気分にさせられて終わるので残念だ。 恒例の2つの世界に分けて描いていく手法だが、 単純に割り切りすぎていて無理があるんじゃないかと思う。 ”僕”が切られた理由は、はぐらかされる。 結末も風の歌を聴けとばかりに、ぷっつりと筆が置かれる。 ”僕”が切られた時みたいに。 読者に想像させる手法は嫌いではないが、この本には歯切れの悪さを感じてしまった。 どこを回ってもそんな後味の悪さを残す迷路みたいだ。 でもそれは、読者も”僕”の気持ちを味わうように想定されているように思える。 だとしたら、星2つの評価は作家の思う壺なのかもしれない。 そういう意味でこの作品は成功なんだろうなと思う。 後からじわじわいろんなことを思う作品。 | ||||
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私はここ10年くらいの村上さんの作品がトゲトゲしくて滲み出るおじさん臭もすごかったので、読んでいてもどうにも疲れてしまい好きになれませんでしたがこの作品は力が抜けていて好きでした。 現実ではあり得ない台詞だとかはファンタジーとして読んでいるので私は気になりません。たまにうざいだけで『村上春樹だな』って感じです。 村上さんは“一見シンプルに見えるが実は綿密に計算されたどうのこうの…”が好きなのに何故作品はシンプルにしないんでしょうね。起承転結の結をハッキリしやがれと思う時が多々あります。すっきりしない人がいるのも当然です。 文句言っている方達の気持ちも分かります。それでも私はこの作品が好きになりました。村上春樹の良さが出ていたと思います。 | ||||
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評価がわかれる作品だと思います。 まず、この物語には結末がありません。 謎をたくさん残して終わります。 何度か読んで謎についての解釈を探してみて初めて読み終わったと感じる本でした。 読み込むひとにとっては深いと感じる本だと思います。 結論がないのでスッキリしないのが苦手な方には合わないと思います。 | ||||
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他者との繋がりを喪った主人公が繋がりを取り戻し再生していく、そのような話として読みました。一つ一つのエピソードにはいつもの村上流の描写がちりばめられて、丁寧に描かれていますが、全体を通すと少し印象が薄いように感じました(一部、生理的嫌悪を感じる描写もありましたが…)。初期三部作のハードボイルドな雰囲気が好きな自分としては少し物足らない感じです。 とはいえ全体のエピソードの有機的な絡まり合いが掴めなかったので、もう一回読み直そうかなとも思ったりして。やはり心のどこかにしっかりと引っかかる作品だと思います。 | ||||
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いままでで一番つまんなかったです。「名前」にとらわれ過ぎている気がするし、話が強引。 | ||||
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僕自身村上春樹のファンで、ほとんどの作品(長編小説は全て)読んでいますが、面白さは率直に言って普通……です。 幻想世界と現実が交差する描写や、主人公の冒険など、これまでの村上春樹作品で散りばめられていた解釈の幅をもたせる印象的なパートが少ないように思えます。 本来村上春樹作品は筋だけを取り出すととんでもない作品のように思えますが(ノルウェイの森のコピペや、他の人のレビューにもあるようなすごく面白いあらすじなど…笑)、比喩や、その他の語句を丁寧に辿って読んでいくと、そこに込められた多面的な意味でつながり、なるほどなあ、と納得することができる作品がほとんどです。村上春樹氏はどこかでこれを咀嚼力と読んでいたような気がします。 ノルウェイの森だって、初期三部作だって、オサレで孤独な生活をしながら女の子と関係を持つ物語と、いささか乱暴ではありますが、要約できます。 多崎つくるもその例に漏れません。 村上春樹氏はどの長編も、コミットメント・デタッチメントを根底に敷いていると考えられます。初期はデタッチメントをメインに。そしてそれはねじまき鳥クロニクルあたりで、コミットメントへと変化しています。 簡単に言えば物語の終わりで、主人公がどうなっているか、で見ることができます。 風の歌を聴け・1973年のピンボール・羊をめぐる冒険・世界の終りとハードボイルドワンダーランド→なんだかんだでひとりぼっちでおしまい。 ノルウェイの森の→ひとりぼっちだけど、電話で繋がりを持っている。でも孤独。 ダンスダンスダンス→前作のヒロイン死んでひとりぼっちが続くけど、最後ヒロインとくっつく。 国境の南太陽の西→昔の好きな子が消えてひとりぼっちになるけど、妻のところに戻る。 ねじまき鳥クロニクル→ひとりぼっちだけど、黒幕からヒロイン(妻)を救出。 スプートニクの恋人→好きな子消えてひとりぼっちになるけど最後の最後で戻ってくる。 海辺のカフカ→ヒロイン死ぬけど、最後でサブヒロインと挨拶して世界の一部になる。 アフターダーク→いろいろあって眠り姫が目をさます 1Q84→紆余曲折あって男女が結び合う そして、今回のつくる。 →女の人は浮気してんだかしてないんだか不明。うやむや! これはこれまでの村上春樹作品で珍しいタイプなんじゃないでしょうか。 デタッチメントからコミットメントへ順々にシフトして行ったのにここにきてまたデタッチメント? と思いきや主人公のつくるくんはがっつりコミットメントを表明してます。つまり、好きだ、一緒になりたい、と強く求めています。 一方で、女の子の方が、こっちの都合で〜〜といった形で後回しにしています。 これまでの作品は、主人公くんが、孤独からつまりデタッチメントからコミットメントへの扉を開ければ、生涯なく繋がることができていました。いわばコミットメントを求めた時点でハッピーエンドになっていたわけです。 ここにきて、つくるにて初めて、コミットメントをもとめるつくるくんを拒否、まではいかなくとも保留した点で、村上春樹作品の新しい地点だと言えなくもないと思います。面白さは普通ですが、その点で、買ってよかったかな、と思います。 | ||||
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村上春樹初心者でしたがかなり楽しめました。 評価が賛否両論だったので心配していましたがおもしろかったので安心しました。 流石です。 | ||||
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職場の図書室にあったので、遅ればせながら読んでみました。粗筋については十分語り尽されているので省略しますが、多崎つくるが高校時代の友人から絶縁された理由が、もっと謎や憎悪に満ちているものと思っていたのに、意外でした。「えっ、そうだったのか」ではなく、「へえ、そうなんだ」程度で。シロの悲しい運命には同情しますが、主人公の主体性の無さには終始いらだちを感じていました。作者は現在日本でもっともノーベル文学賞に近い作家といわれていますが、このような作品がどれほどの評価を受けているか、疑問を感じずにはいられません。 | ||||
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内容は知っていて、文庫化を待っていた作品でした。 初版本をきれいな状態で入手でき良かったです。 | ||||
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痛みもなくきれいな状態でした。話題の本でもすぐ読めて良かった。 | ||||
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何点か謎が残る作品でしたが、明らかにしてほしい!とか、そんな事は全くなくて。過去の人とのすれ違いから、死にたいと考え、死の淵から戻って来た主人公、つくるさんは、生きていく上で一番大切な、色々なものを失い、それでも生還します。 人はどんなに苦しくてもなかなか死ねない。 心臓はそう簡単には止まらない。 それでも人生は続いて行くんですね。 そんな中でも、新しい出会いがあり、過去と向き合う決心をします。 過去の真相を知ろうとする事、それ以上に、他人に対して、自分の時間を割き、真摯に向き合おうとする勇気、その行為そのものが、つくるさんにとって、人生始まって以来の経験であり、自分探しの旅になったのかなーって思いました。 ラスト付近で、恋人の沙羅を失う事の恐怖感から、混乱し、また冒頭のつくるさんに戻ってしまったかのようになってしまいましたが、この物語を読んできた私には、つくるさんは困難を乗り越えていける力が、前よりずっと強くなっていると確信しているので、頑張って!どんな結果になっても、あなたは自信をもって、生きていって大丈夫だよ!と、応援しながら、読了したのでした。 | ||||
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心の機微が具体的に、芸術的に表現されていて、私には共感できる部分が大いにありました。 こき下ろしている人たちは、例えば抽象画のここが変だ、あそこが変だ、辻褄が合わない、と言っているようなものでしょうか。 | ||||
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ボリューム、内容ともに調度良い感じでした。 アフターダーク以降しっかり読めたの無かったのでなんだか久しぶり。 | ||||
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遅れ馳せながら、各所多々様々な波紋を呼んでいる今作を読んでみました。 まず、毎度の事ながら著者の容姿等を非難するレビューが散見され、更にそのレビューが多くの人に「支持」されているという事実が、 ティータイム感覚でセックスする今作の主人公、多崎つくると同程度に下品であると感じます。 各国のアマゾンレビューを読ませて頂きましたが、その様なレビューが表に立っているのは日本くらいです。 私が今作を読んで感じた事は、彼の小説はファンタジーであり、ミステリー小説であるという事です。 なぜここで多崎つくるはセックスをしたのか、なぜそんな不可思議な行動を取るのか、 そういうミステリーやファンタジーを究明していく小説です。 そして、彼にとって人間というのは何らかのメタファーに過ぎず、それは実際の人間と同等ではない。 この二点を頭に入れればあらゆるツッコミどころもうまく呑み込めるのではないかと思います。 | ||||
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この作品もまた、結末が??状態で終了しました。 作者は、自身の作品群について ”読者が想像し、それぞれの結末を解釈すればよい” みたいなことを仰ってますが、作者なりの結末を提示しないのは ”逃げ”に思えます。 一つの結末を提示するのは勇気がいります。その結末に共感できなかった読者たちは納得しかねるし、なにより 作品が固定化されてしまい、チープな印象を与えかねません。 曖昧にしておけば、誰からも、何時でも 一定の共感は得ることができます。また、作品が壮大なもののように勘違いすることもできます。 (作者が意図していなかった または考え付かなかった素晴らしい解釈も生まれるか もしれません) また、似たようなエピソードの使いまわしも それらが最期まで放置されることにも鼻についてきました。 そろそろこの手法ではなく、作者が提示した結末のある作品が読みたいと思います。 短編や紀行文・エッセイの方が、私は はるかに好きです。 | ||||
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主人公多崎つくるは36歳の駅専門の建築家。彼は高校時代に親密だった友人グループから20歳の時にいきなり絶交を言い渡されて自殺を考えるほどのショックを受け、それから他人と親密になる事ができなくなってしまう。 絶交の理由を友人たちははっきり言わなかったし、つくるも敢えて尋ねようとはしなかった。けれどそれから16年がすぎても、彼の心の傷は癒えていない。 彼の恋人の沙羅は2つ年上のかなり賢い女性で、つきあっているうちに彼のそういう事情を見抜いたのだろう。これからも交際していくのなら、その問題を解決してほしいと望む。 それから彼は、かつての友達グループのメンバーに16年ぶりに会いに行き、絶交の真相を探ることになる。 これは村上春樹にしては珍しいストーリー展開ではないだろうか。そんなにたくさん読んだわけじゃないが、私の印象では、春樹さんは辛い現実を傷ついた人の目の前に突きつけようとはせず、人を傷つけることは言わず、人が言いたがらないことを無理に聞きだそうとはしない人なのだ。それなのに、つくるは手間も厭わず外国にまで絶交の理由を尋ねに行くのである。しかも今作ではいつものようなファンタジー要素が全く無い。 以下、ネタバレです。 絶交の理由は、グループの1人で美少女だったシロが「つくるが自分をレイプした」と事実ではない事を主張したからだった。しかしそれはシロのファンタジーであり、グループの他のメンバーもそれにうすうす気づいていた。しかし彼らは、シロの夢の世界を守るために事実に目を閉じて、罪のないつくるを切り捨てたのだ。 こんな場合、いつもの春樹ならシロの味方をするはずだと思う。傷ついた心を守るための美しい嘘なら、春樹は決して否定しない。 しかし今回は違う。主人公はつくる、夢のために切り捨てられた現実の方であり、ファンタジーの世界にいたシロは滅びてしまうのだ。 「1Q84」では、発作を起こすほどのトラウマを抱えていた天吾に、春樹はその真相を決して明かさなかった。まだそんなに老齢ではない彼の父親を認知症と老衰で死なせるという無理な展開をしてまでも、苦い現実を天吾に突きつけなかった。だけどつくるは、それでは幸せになれなかった。優しくてあいまいな、傷つかない夢の中にいたら人を愛することもできない。だからつくるは、夢から現実に踏み出した。 どんなに居心地がよくても夢は夢。現実の世界は苦いけれど、それは正しい苦さであり、つくるは今度こそ本気で沙羅を求める事ができる。求めなければ拒まれて傷つくこともない、けれど手に入れることも永久にできないのだ。個人的には、これは春樹の最高傑作ではないかと思う。 | ||||
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始めに読んだ時から今までと違った。文章。雰囲気?作品が変わった。本当に書きたい文章があると職業としての作家に書いてあったと思う。その輪郭のようなものが感じられるのが嬉しくて、楽しかった。どこに向かっているのだろうか? | ||||
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