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甲賀忍法帖
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甲賀忍法帖の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.53pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全77件 41~60 3/4ページ
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ニンジャスレイヤーは、すっかり超能力者となってしまった最近のニンジャが、外国人特有の日本観と融合してできあがった現代の申し子なのだ。 ……というわけでは全く無かった。 体色を変化させて壁に溶け込んだり、皮膚から相手の精気を吸収したり、体毛が針のように尖って相手を刺し殺したり、等々、どう見ても忍者ではなくニンジャである。 そんな人外大魔境の忍者大戦が発表されたのは1958年。 なんと50年も前から既にニンジャは存在していたのだ。 さて、江戸時代初期を描いた時代小説なのに距離がメートルであったり章タイトルが「甲賀ロミオと伊賀ジュリエット」とかまさにやりたい放題の本作。 時代考証も史実も無視した荒唐無稽な世界観。 こんな適当どこかで見たことありませんか。 そう、山田風太郎こそ、半世紀早かった元祖ラノベ作家なのである。 現代ラノベとは、登場人物がさくさく死んでいくという一点でずいぶんな違いがありますが。 ん? ということは、現代のラノベも半世紀後には文学として読まれている可能性があったりするのだろうか。 それはラノベ読みの立場としても、なんというか非常に嫌な未来予想図である。 | ||||
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私はアニメのバジリスク〜甲賀忍法帖〜を知った後、原作である本書を知りました。 アニメを凄く気に入ったので本屋で見つけたときに即購入しました。 「本当に素晴らしい小説だ」読み終えてすぐに思いました。 文章が巧みで、結末は物語の序盤で解っているというのに面白さで読者にページをめくらせます。 作者がすでに亡くなられていると知った時は、何故作者が生きている間に出逢えなかったのかと後悔しました。 まだ読んでいない方は損していますよ!読んで損はないと思いますし、 風太郎忍法帖の世界に興味がある方にはぜひデビュー作として読んでいただきたいです。 | ||||
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この作品を一言で表すのならば「壮絶」に尽きます。 まさに阿鼻叫喚の世界がそこにはあるのです。 ある陰謀により それぞれの流派10人ずつの どちらかが死に絶えるまでの戦いを しなければならなくなります。 それが意味するものは お互いに恋をしているものとも 引き裂かれることを意味します。 それはある男女が該当します。 忍術はこれまた強烈なもの 著者特有のエロティックなものあり、 人間の範疇を超えた口があんぐりと あいてしまうものもあり。 まさに「やりたい放題」でしょう。 ちょっとエログロなので 耐性のない人にはつらいかもしれませんが その本のテンポのよさは天下一品です。 | ||||
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このタイトルが、初めて読んだ時にこぼれた呟きです。 それがこの作品を表わすに最もふさわしい言葉ではなかろうか? すげぇ……ほんとにすげぇ。 今から50年以上前に、こんなエンターテイメント小説を考え出せる日本人がいた。 ほんとに感服いたします、山風御大! 本作は忍法帖シリーズの一作目ということもあり、 後の作品と比べると、実にシンプルな作品となってます。 が、それだけに入門編としてはまさにピッタリ。 誰もが知っている徳川幕府の歴史の裏に、こんなことがあったなら…… なんと浪漫溢れる作品なんでしょう! ちなみに本作がエンターテイメント界に与えた影響は計り知れないものがあり、 あの漫画界の巨人横山光輝までが、ほぼ本作の模倣の『伊賀の影丸』なる漫画を描いています。 | ||||
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元々対立していた甲賀と伊賀の忍達、しかし甲賀の頭領と伊賀の頭領は惹かれ合い近々結婚をして同盟を結ぶ……その時にとある理由からお互いに殺し合いをしなくてはいけなくなってしまった。 甲賀の忍10人対伊賀の忍10人……勝つのはどちらか?もちろん両方の頭領含みます。 すごく適当に書くと上記の物になります。 お互いに忍法を使った様々な戦いかた、そのテンポの良さに目が離せないです。また時代劇的な物を感じさせない、だけど確かにそれは時代劇である文章にも引かれました。若い人も読みやすい本だと思います。 | ||||
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本作が著者の他の忍法帖シリーズと比べていかにおもしろいかは、いまさら論ずる必要もないだろう。 それそれの得意技を持った忍者どうしが対決し、術を出し合っては死んでいくという設定、忍者同士の生き残りゲームは、まさに横山「伊賀の影丸」の世界である。 あれが本作を参考にしている、というのも有名な話だ。 そして、本作に特徴的なのは、微妙な恋愛が絡むことである。 それも、単に添え物としてではなく、プロットに深く関わるのだから始末が悪い。 単に忍法合戦だったら、ここまで評価されたり、映画化もされたりしないだろう。 主役級のふたりだけではない。 詳しくは本書を読んで確かめてもらいたいが、もっと深い深い恋愛感情が本作の底にはある。 マンガ化もされているらしいが、私は読んだことがない。 映画化されたものも見なかった。 風太郎作品のイマジネーションは、読者ひとりひとりの頭の中でイメージすれば良いのだし、それがベストなんだと思う。 映像化されてしまうと、そのイマジネーションが固定してしまう。 読むたびに、そのときの年齢、精神状態、持っている知識等で、頭の中で違うイメージは変わる。 そういう小説なのだ。 本作より長い風太郎忍法帖はある。 しかし、本作はこの長さでまとまっている。 この長さだからこそのキレの良さがある。 そしてこの余韻も。 これを傑作といわずして、何を傑作というのか。 間違いなく、著者一番の忍法帖である。 | ||||
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熟語が多用されていますが慣れてくるとすらすら読めるようになります。 当たり前といえば当たり前ですが、みんな死ぬ前に自分の忍法を読者の前にしっかり披露してくれます。 読んでいるほうはその忍法のあまりの奇想天外さに「うむ〜」と唸ってしまいます。 女忍者たちの忍法は、約束どおりその妖艶さと結びついているところがいいですね。 薬師寺天膳の忍法は飛びぬけています。反則すれすれです。 コミックやDVDが出ているようですが、どんなふうに視覚化しているか見てみたくなります。 | ||||
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忍法帖という1ジャンルを立ち上げるに至る記念すべき第1作である甲賀忍法帖。 今なお新たに復刊されるという化け物的な作品であり、その面白さも圧倒的だ。 忍法帖で一番最初に語られるのは荒唐無稽な忍法の数々である。 その発想の奔放さや豊かさは素晴らしく、少年ジャンプの能力者物の原形をこの忍法帖に求める人もいるくらいだ。 しかし原形だからと言って忍法帖に出てくる忍法が古いわけではない。 なぜならそれは発想のすごさ誇ることさえせず、展開の面白さを追求するべく効果的に使われているからだ。 つまり先の読めない展開が物語を引っ張るのである。 無類の強さを誇るかに見えた忍者も長所が一変、欠点へと変わり破れ去っていく。 甲賀忍者10人VS伊賀忍者10人の戦いの行く末、誰が誰を、そしてどのように倒すのかを知る方法はただ一つ、ページをめくるしかない。 さらに展開の面白さに振り回されているとメインプロットの魅力を惹き出したラストが立ち表れ、余韻を残して物語の幕が閉じる。 つまり、忍法帖は古びないのである。 そして、ただただ面白いのだ。 | ||||
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小説、映画、TVドラマなどで最もスタンダードで汎用性が高いテーマはやはり男女の愛の話なんだと思う。しかし、それゆえにそのテーマは使い古されていて作品を享受するもののハードルは果てしなく高い。だが、この作品を読み実感したことはやはり人間は男女の恋、それも悲哀に満ちたものを好むんだなと再認識した。この作品の主人公とヒロインはその関係性から序盤で「ああ、この二人にハッピーエンドは厳しいな」と察することが誰でもできると思う。だが、最後の結末がどうであるかなんてどうでもいいほどこの作品は圧倒的なまでにおもしろい。伊賀と甲賀の忍者が互いにしのぎを削って死闘を繰り広げる中、互いの血筋を嘆きながらも過酷な運命を受け入れるしかない主人公甲賀の弦之助とヒロイン伊賀の朧。朧のまっすぐさには誰もが心を打たれることになるでしょう。案外読みやすいので普段あまり小説を読まないかたにもオススメです。 | ||||
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中身は最高ですが、表紙カバーのイラストのセンスに問題あるかと。本来のイラストで文庫盤出してください。 | ||||
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読み終わったとき、タイトルどおり茫然とした。 将軍家の愚かしい一声は、 平和が訪れ始めた甲賀伊賀の運命を哀しいものにしてしまった。 そうしなければ、この世界は成り立たないのだけど。 術の掛け合いは、凄まじくて、 躍動感があり、惹きつけられていった。 頭領の2人は、一国の姫と王子のようで、 付き従っている者達が苦労しそうなところなどは どの世界でもそうなんだな、と片隅でそんなことも想いつつ。 寝る間も惜しんで読みふけったこともあり、 あっという間に読み終わってしまった。 激走した後の爽快感と疲労感と寂寥感、 そんなものが、漠然と残る後読感に、 しばらくぼうっと身を委ねて、いつまでもそうして居たくなった。 (2009.11.11読) | ||||
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世界一面白い小説だと思う。少なくとも、ファンタジー小説の最高傑作だと思う。 まあ、面白さを説明するのなら、「ロミオとジュリエット」のような恋愛活劇だといっておけば充分かもしれない。実際に読んでみれば、甲賀弾十郎とお静が感動的に死ぬ場面まで読めば、これがただの戯言ではない傑作であることはすぐに気づくだろう。 なんでも、ヒロインの朧が大人しいいいなりの女であるため、あまり人気がなく、この作品自体の評価がにえきらないらしいが、しかし、こんなファンタジーがありえるだろうか。 | ||||
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山田先生の「忍法帖シリーズ」の代表作とも言える傑作。大坂の陣を前にした家康が、伊賀と甲賀の怨念のライバル忍者集団の勝負の結果によって、秀忠の跡継ぎの三代将軍を決める、と言う破天荒な設定の下、奇想天外な技を持つ忍者達の壮絶な闘いを描いたもの。その上、甲賀のプリンス弦之介と伊賀のプリンセス朧が"ロミオとジュリエット"状態にあると言うサービス付き。常に読者の満足度を考える山田先生らしい構想である。 そして闘いは、伊賀・甲賀の代表十名づつ。各忍者がこの世のものとは思えない秘技を披露して敵を倒しては、次に敵の忍者がこれまた新たな秘技でその忍者を倒す。そして、双方一人づつ舞台から消えて行く...。このパターンがその後の漫画や小説に大きな影響を与えた事は周知の通りであろう。山田先生の先進性が分かる。それにしても物理法則や人体構造を超越した奇妙奇天烈な技のアイデアが次々と湧き出る様には感心する。怪異なものから妖美なものまで。そして読者は欲張りだから、今驚いた技の次には更なる奇抜なアイデアを期待する。それにも見事に応えているのだ。しかも最後には愛し合う弦之介と朧との対決が待っている。弦之介は他を圧倒する至高の技を持つが、朧も全ての幻術を無力化する究極の無垢の"瞳"を持っているのだ。巧みな構成である。自由奔放に見えて、実は計算された筆運びなのだ。読む者は山田先生の世界に嵌ってしまい、現実性等と言う枠は飛び越して、ドップリと物語に浸れる。忍者達は死闘を続けながら駿府を目指して東海道を上るが、果たして結末は...。個人的には陽炎の凄まじい情念が印象に残ったなぁ。 私は「伊賀忍法帖」も読んだが、「忍者集団vs忍者集団」の闘いという意味では本作の方が優っている。山田ワールドの面白さ全開の娯楽大作の決定版。 | ||||
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とにかく、設定がすごい。 身分制の厳しかった江戸時代、 お世継ぎ問題にからめられて、 因縁があるにもかかわらず、 争いを封印していたふたつの 忍の里が、戦いをはじめる……。 なんと強引で、 わくわくするはじまりだろう。 10対10の戦いも、 正面切った果し合いのようなものではなくて、 どれもハラハラドキドキの場面が 用意されている。 おもろい! 早く読んでおけばよかった。 本末転倒だけど、 相原コージの『ムジナ』を なつかしく思い出しました。 | ||||
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特異な技を持った伊賀組、甲賀組それぞれの十人衆が、トーナメント勝負のような死闘を展開していくストーリー。一読、あまりの面白さに呆然とさせられ、しばらくの間、山田風太郎の作品をあれこれと、むさぼるように読んでいきました。 忍者それぞれの技が、実にユニークで奇奇怪怪、驚きに満ちていること。まるで妖怪変化の如き忍者たちの、尋常でない勝負の行方の意外性。「こいつはやるんじゃないか」と注目していた忍者が、ひとり、またひとりと消えていくスリリングな面白さ。傑作ぞろいの風太郎忍法帖のなかでも、キャラの無類の魅力と、ぎゅっと凝縮された話のスピーディーな展開にわくわくさせられたことでは、これが一番! 続いて、『柳生忍法帖』『柳生十兵衛死す』『魔界転生』あたり、首までずっぽり浸かって読みふけったものでした。これから読む方が、本当にうらやましい。 本作品をマンガにして描いたせがわまさきの『バジリスク 甲賀忍法帖』(単行本・全5巻)もいいですよ。おすすめ。 ちなみに、山田風太郎作品のマイ・ベスト5は、『妖異金瓶梅』『甲賀忍法帖』『明治断頭台』『おんな牢秘抄』『夜よりほかに聴くものもなし』。風太郎ワールドのめったくた楽しく、面白きこと哉。読書の至福のひとときに、きっとわくわくさせられますよ。 | ||||
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巻末、作家浅田次郎氏による解説「すばらしき非日常」、 日下三蔵氏による「忍法帖雑学講座(1)」、 そして、数度に渡って再刊行されてきた人気作ならではの歴代カバーイラストギャラリー(モノクロ)を収録していることだろう。 本シリーズのカバーイラストは天野喜孝氏。 寺田克也氏による角川文庫版、アニメ「バジリスク」のキャラクターを使用した講談社ノベルズ版、おのおのお好みで選ばれるが良い。 | ||||
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山田風太郎忍法帖は現在読んでも色あせていない大傑作シリーズですが、これはその記念すべき第1弾で、映画「SHINOBI」の原作でもあります。 忍法帖シリーズはいろいろなパターンがあるのですが、これは最もオーソドックスなトーナメントパターンです。甲賀、伊賀それぞれ10人の特殊技能を持った忍者が戦い、敗れて勝ち残ったもの同士がさらに戦っていく。スピード感があり、読み出したら止まりません。 最近のつまらないハリウッド映画よりもよっぽど楽しめますよ! | ||||
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文句なしに面白い。 奇妙にして精妙な忍法を持つ忍者たちの血で血を洗う殺し合い。それに引き裂かれる恋人。 騙し、騙され、殺し、殺される。 実に見事な作品だ。 しかし、私は難を二つ感じた。 一つ、単位が尺貫法とメートル法で混在している。これは、いわゆる時代小説として物語の雰囲気を壊すに足る要素ではないか。 二つ、平仮名を多用しすぎるきらいがある。表意文字である漢字を排し、表音文字である平仮名を多用しているため、多少なりとも読書をして漢字を読むことに慣れた読者にとっては読みにくいだろう。 無論、この二つは些細なことだ。物語としては文句なしに面白い。 | ||||
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他の山田風太郎先生の作品で、こんなに大人数で戦う作品は、名前と忍法だけで、キャラはたっていないが、この甲賀忍法帖は、大半のキャラが立っている。 一人一人の個性が際立ち、それぞれの忍法も『無敵じゃないか』と思えるほど、強そうなのだが、戦う相手が相性が悪く、負ける展開が実に面白い。 主人公、甲賀弦之介が、この忍法合戦を知り、戦う決意を固めるが、愛する朧を討てるのか? 朧が自分を裏切ったのかと悩むシーンが実に読んでいて切なくなります。 『バジリスク』のコミック、アニメを観た方も、是非とも本家本元の『甲賀忍法帖』を読んでほしい。 山田風太郎の文章の美しさ、魅せる文章の力に、のめりこむ事間違いなしです。 | ||||
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この本を読む前、きっとこの本に出てくる忍者たちは 正々堂々な戦いをするんだろうと、何故か思っていました。 読みはじめてみてびっくりしました。 戦い始めから、全ては殺すが勝ちの騙し合い。 きっと読むと惹き込まれると思います。最後まで展開が予想できません。 | ||||
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