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友罪
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友罪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.99pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全112件 101~112 6/6ページ
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新聞の書評を読んで興味を持ち、買ってみた。 ある有名事件をモデルにしているが、焼き直し感が強く、事実よりもチープな印象は否めない。 過去に重大事件を起こした青年が主人公と「親友」になるが、その過程が簡単すぎて共感できなかった。 事件のノンフィクションを数多く読んだが、青年の心の闇は根深く、簡単に心を開くとは思えない。 物事を単純化しすぎて表面だけを撫でている。 というのが率直な感想。 それから、居酒屋と喫茶店での会話がやたら目につく。 会う約束をして店に入って、メニューを見て注文して…と、本題に入るまでが長くてイライラした。 無駄に長い。 | ||||
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サカキバラセイトと、 名乗る当時14歳の少年が起こした「神戸連続児童殺傷事件」。 世の中を震撼させたを、あの事件を題材にした小説である。 透明な存在という言葉のもと、 様々な解説が登場し、また映画や小説が生み出された。 その多くは動機不明な殺人を解明するべく 「なぜ少年は幼児を殺したのか?」を問うものだった。 本作は、以上のテーマとは異なる。 少年が更生施設を出て、一般社会で自立、 生活しようする姿を同僚の目線から描いている。 読者が問われ続けるのは、 「あなたは殺人鬼を受け入れられるのか?」ということだ。 この問いだけなら、ほとんどの人の答えはNOだろう。 しかし読了後、きっとYESとNOの間でその答えは揺らぐだろう。 それは、「親友」という目線が加わるからだ。 自分の身を助けてくれ、心から何でも話せる親友。 「友だち」はたくさんいるが、 「親友」と呼べるのはもしかしたら彼だけかもしれない。 そんな彼がもしサカキバラだったとしたら、 今まで同じように接する事は出来るのか? 小説や映画などは、作り話であるが伝えたい真実がある。 だから「本当を伝える嘘」などと言われる。 本作のラストに、リアリティはそれほどないかもしれない。つまり「本当」ではないかもしれない。 けれど、こうであってほしいという著者の願いを感じた。 排除より包摂を。 本作は「希望を伝える嘘」である。 傑作です。オススメ! | ||||
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(ねたばれ) 主人公は、同じ日に入社した同僚がかつての猟奇的小学生殺害事件(黒蛇神)の当時中学生だった犯人だと気がつく。主人公自身、自分の心無い一言が友だちを自殺への最後の一歩を後押ししてしまった罪悪感を抱えて生きてきたが、再び、同僚を友として受け入れるか、心が距離するかの間で揺らぐ。結局は週刊誌に暴露する一端を担ってしまい、同僚は静かに姿を消す。主人公は、雑誌への記名投稿という形で、友へのメッセージを送る。 (感想) 酒鬼薔薇聖斗のような犯人が少年院出所後近くにいるとわかったら、この小説のように人々は反応するものだろうか。 特に益田は、中学生の時の体験があるのに、雑誌への投稿を一時でも同意する、というのは違和感がある。 私は、ここまで極端な弾劾する人ばかりではないと思う。そっとしてやろうという人も多いだろう。 ただ、正直、近くに居続けることへの不安は理解できる。 また、本題ではないけれど、ストーリィの中に出てくる年配の同僚で、息子の罪を家族として償う為、親子3人、取った行動が切なかった。 女性事務員の話、とか、過去を背負ったいろんなストーリィが重なる力作でした。 | ||||
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これは現時点での薬丸岳の最高傑作と言って良いと思う。 とはいえ本作は実話世界を背景にしたフィクションとの見方もでき、ミステリ色はあまりない。 ただしその分、もしもの世界で描かれたリアリティ・緊迫感は半端なく、最後まで読者を惹きつけて離さないものがある。 普通ならどう考えてもありえないようなエピソードの数々を嘘臭さを微塵も感じさせず、「こういう感じって確かにあるだろうな」と読者の共感に訴える筆致はさすがとしか言い様がない。 実際に「どこかにいる筈」のあの人物に出会ったとき、どのような想いにかられるのだろうか。 また人として我々はどう対応すべきだろうか。そんなことを含めいろいろ考えさせられた一冊である。 | ||||
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序盤からある程度は展開が予測できる話なのだが、それでも先の展開がどうなるのか期待が大きく膨らみ、最後まで一気に読ませる話だった。 語り手となる登場人物はそれぞれ過去に大きな傷をもっており、それが少しずつ表面化しながら現在に交錯していく展開は秀逸で、見事に心の闇が描かれていた。 ここまで闇を描きながらも、最後は十分満足できる終わり方になっていた。 | ||||
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著者は社会性のあるテーマを核心としたミステリーを描いてきた。本作でもシリアスなテーマで挑戦をしている。 増田純一はジャーナリストへの夢が行き詰まり、ネットカフェに屯する日々であったが、仕方がなく、埼玉のステンレス加工工場に勤めることになった。そのときに、いっしょに入社したのが、同じ歳の鈴木秀一であった。鈴木は、人付き合いが悪いというより苦手なようで、同僚たちに溶け込む気もなさそうであった。それに、なぜか、鈴木は毎晩、何かに、うなされているようであった・・・その声が聞こえたからである。そんなある日、増田は指を切断する大怪我を負うが、鈴木の適切な処置によって、指を失うこともなく済んだのであった。この事故を契機に、2人は互いに心を許す仲になってゆく。ここにもう1人、自分の過去を隠すために人の目に怯える事務職員・藤沢美代子がいた。彼女はAV女優であったことをひた隠しにしている。そして、彼女の過去を知る男の来訪がきっかけとなり、美代子は鈴木に惹かれていく・・・美代子は鈴木に自分と同じ雰囲気・匂いを感じたからである。ところが、増田は鈴木という男に或る疑念を抱き、ジャーナリストを目指したこともあった増田の行動が、非常に大きな波紋を喚起させることになる。 増田にも、美代子にも触れられたくない過去がある。それが、現在でも、2人の心の大きな負い目であり続けてきた。ところが、今では、心を許し、心を通わせるようになった同僚が、嘗て世間を震撼させた猟奇殺人事件の忌まわしき犯罪者、その人だったら・・・。中学時代と現在の姿の隔たりに動揺せざるを得ないであろう。さぁ〜作者はどの様な結末を用意しているのでしょう。この結末に読者の1人ひとりは満足できるでしょうか?このテーマに一意的な結末は難しいでしょう。それを知りながら、著者・薬丸岳は挑んだのであろう。 力作である。 | ||||
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強烈な内容にページをめくる手が止まりません。 長編を感じさせないくらい引き込まれます。 何らかの罪を犯した者に対し、私たちは裁ける立場にあるのか?ジャーナリズムは何のためにあるのか?など様々なことを考えさせられます。 登場人物と常に葛藤し続け、最後には読者のそれぞれの意見に分かれると思います。 犯罪でなくとも、今まで生きてきた中で何らかの罪の意識がある人には強烈な一作だと思います。 | ||||
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犯罪を犯せば加害者側の家族もバラバラにならざるを得ない理由がわかりますね | ||||
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著者は社会性のあるテーマを核心としたミステリーを描いてきた。本作でもシリアスなテーマで挑戦をしている。 増田純一はジャーナリストへの夢が行き詰まり、ネットカフェに屯する日々であったが、仕方がなく、埼玉のステンレス加工工場に勤めることになった。そのときに、いっしょに入社したのが、同じ歳の鈴木秀一であった。鈴木は、人付き合いが悪いというより苦手なようで、同僚たちに溶け込む気もなさそうであった。それに、なぜか、鈴木は毎晩、何かに、うなされているようであった・・・その声が聞こえたからである。そんなある日、増田は指を切断する大怪我を負うが、鈴木の適切な処置によって、指を失うこともなく済んだのであった。この事故を契機に、2人は互いに心を許す仲になってゆく。ここにもう1人、自分の過去を隠すために人の目に怯える事務職員・藤沢美代子がいた。彼女はAV女優であったことをひた隠しにしている。そして、彼女の過去を知る男の来訪がきっかけとなり、美代子は鈴木に惹かれていく・・・美代子は鈴木に自分と同じ雰囲気・匂いを感じたからである。ところが、増田は鈴木という男に或る疑念を抱き、ジャーナリストを目指したこともあった増田の行動が、非常に大きな波紋を喚起させることになる。 増田にも、美代子にも触れられたくない過去がある。それが、現在でも、2人の心の大きな負い目であり続けてきた。ところが、今では、心を許し、心を通わせるようになった同僚が、嘗て世間を震撼させた猟奇殺人事件の忌まわしき犯罪者、その人だったら・・・。中学時代と現在の姿の隔たりに動揺せざるを得ないであろう。さぁ〜作者はどの様な結末を用意しているのでしょう。この結末に読者の1人ひとりは満足できるでしょうか?このテーマに一意的な結末は難しいでしょう。それを知りながら、著者・薬丸岳は挑んだのであろう。 力作である。 | ||||
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相変わらず薬丸岳は上手い。特にここ数年の作品には、必ず救いが用意されており、暖かみを感じる。 この作品で扱っているのは『もし、同僚が連続児童殺傷事件の少年犯だったら』という非常に難しい、重いテーマである。しかも、登場人物は皆、過去の十字架を背負っているのだ。読み進むほどに重い気持ちになりつつも、この先、物語はどう展開するのだろうかとページを捲る手が止まらない。 まさかの展開とあらたな過去に暗澹たる気持ちになりつつ、残りページは僅か。もしや、救いの無い結末なのかと不安がよぎる。が 最後はまさかの感涙。 『天使のナイフ』以来、薬丸岳の作品は全て読んでいるが、いつもながら 本当に外れの無い、高い水準の作品に驚くばかりだ。 | ||||
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ジャーナリスト志望の主人公益田は就活に失敗し、バイト先の出版社の上司には、青臭いとジャーナリスト失格の烙印を押される。すっかり落ちぶれ、住む場所も失い田舎の工場の寮に入り、そこで鈴木という影のある同じ年(27歳)の青年と仲良くなる 実は鈴木は過去に猟奇的殺人を犯しながらも、少年法に守られ、一人社会で生きようともがいていた 二人の間に友情は成立するのか その難題に薬丸岳は真っ向から立ち向かい、一つの答えを出す!! 薬丸さんの作品はほとんど目を通し、文章が読みやすく、上手い作家だと思っていました この作品を読み、ここまで書ける筆者に畏敬の念をもちました まさしくレビューにある通りヘビー級の傑作です 前代未聞の猟奇的殺人を扱いながら、読後感の良さは、作家の力量と、この作品にどれだけ心血を注いだかが窺い知れる最高傑作になりました 手紙をキーポイントにした作品と言うと東野圭吾の殺人を犯した兄が弟に手紙を送る感動作「手紙」、連城三紀彦の離婚届をラブレターとして夫に送るという「恋文」、そして忘れられないのが、太宰治の作。冷たくなった恋人に出した「さよならの手紙でいいからください」という衝撃の冒頭で始まるタイトル忘れた(涙) それらに負けてない心揺さぶる感動作!! 他の登場人物も切ない過去を抱え苦しみ、内容が現代を反映しているという点で、今期最高の傑作!! | ||||
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かつて世間を震撼させた連続殺人事件の少年犯が自分の身近で生活し始めたら? 現在の少年法では14才以下では刑法に問われないことになっていますから、どれだけ凶悪、残虐な事件を起こしたとしても、いずれ、社会に戻っくるわけで、主人公の益田純一の経験は誰でも遭遇する可能性があるといえます。 ジャーナリスト志望の主人公の観点での展開で、この「奇遇」が引き起こす人々の苦悩と混乱がありありと描かれています。 読む側としても、「正解」が見出せない重い問題なだけに、主人公の苦悩ぶりには大変共感させられました。 そして、この小説の大きなテーマは「親子の絆」なのでは、と感じました。 主な登場人物が、それぞれが複雑、そして悲しい事情の親子関係をもっています。 それらの事情が物語りの中盤以降、明らかになるにつれ、悲しみの中にも親子の絆のもつ慈しみが伝わってきます。 この物語は、非常に重いテーマを軸に、多くの悲劇が展開されますが、読み終えた時には、親子、そして人間の絆の尊さひしひしと感じ、「救い」と感動の気持ちに満たされました。 | ||||
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