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友罪
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友罪の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点3.99pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全112件 61~80 4/6ページ
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ここには過去に囚われている人物が多く登場する。 少しの勇気がなかったばかりに、中学時代の友人を自死させてしまった益田。 その母親。 元AV女優で、そのことをネタに脅され逃げ続けている美代子。 子供の無免許死亡事故で、今も贖罪を続けている山内。 前代未聞のケースのサポートに全力を傾けたあまり家庭が崩壊してしまった弥生。 そしてその前代未聞の事件、少年期に児童連続殺傷事件を起こし、日本を震撼させた加害者。 今はインターネットがあるから、隠そうとしても情報は溢れている。いくらでも調べられる。 地方都市でひっそりと、息をひそめるように生きていくことすらもできないのが現状なのか。 本作は加害者目線で描かれていない。「あの事件の犯人」と同僚になった益田の目線である。 はじめは否定、次に疑問、そして確定......。 疑問ですらぎこちない態度になりうる要素。確定となったら、どんな態度をとれるか? 友人としてそのまま変わらずにいられるか。―――普通の人間なら無理だろう。 益田の煩悶が手に取るようにわかる。 益田だけではなく、美代子の視点でも描かれている。昔AVに出たばかりに、バレては 仕事を変え、住居も変える。これは本人が任意で出演んだから、という意見もある だろうが、その過去を悔やみまっとうにやり直したいという人だっているだろう。 美代子の心のありようを、人間の弱さと強さをもって描いている。 加害者のその後を鋭く描いている本作、そして一貫して少年犯罪を描いている作者。 本作のラストには救いがある。もちろん賛否別れるであろう。しかしそこに作者の 優しさを感じた。 | ||||
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こう言われたらこう思う、こうされたらこう感じる、こんなことを見かけたら自分ならこうする、という共感がずれていていわゆるワイドショー的な劇っぽい印象。最後の手記の酔いしれてる感じとか言い回しとかが常に自分の想像の外側なので共感はなく淡々と読んで淡々と終った | ||||
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いわずもがな、鈴木青年は酒鬼薔薇事件の犯人がモデルです。 少年だろうがリンチ、強姦、殺人などの凶悪犯罪者は実名報道して実刑じゃボケ!! 、、と私は思っています。が、これはあくまで小説、第三者目線ではなく主人公の益田目線で考えなくちゃいけません。 人を愛したり、友達との信頼関係を築いたことがある人間ならば読み進めていくごとに苦しくなるはず。 結論を出す為の本ではないからね。 あくまでフィクション。酒鬼薔薇を美化してる!!なんて大人ならば現実と混同してちゃいけません。 この本を読んで、益田の罪と鈴木の罪は比較にならないって感じた?そうかな 自殺した益田の友人の母親からしたら、無関係な鈴木の殺人という罪より我が子をクルシメたたいじめっこの罪の方が何倍も重いものだし。 益田が最後に示した勇気、現実社会なら到底支持されるものではないと思う。 でも、小説読者としては よくやった、と称えたい気持ちです。 彼は実名で、鈴木を受け入れる気持ちを表明し、その罪の1ミリでも背負おうとしている。実名、これがポイント。 我々はしょせん匿名やHNで許せないだの許すだのほざいてるだけだからね。 薬丸岳さんの本はどれも優しい。 | ||||
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凶悪な犯罪を犯した人。 アダルトビデオに出演した人。 同級生のいじめを見ぬふりをして友人を自殺に追い込んだ人。 息子が交通事故で小学生を死なせてしまった人。 仕事に打ち込むあまり、家庭を壊してしまった人。 そして知らずにそういった人が身近にいる事に気付いてしまった人。 過去と向き合う事とはどういう事か。 彼らにしてあげる事はなんなのか。 なにか考えさせられる一冊でした。 | ||||
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重大犯罪を犯した犯人にも人権はあるのでしょうがそれが守られるのは一番最後で良いと思う 重大犯罪の犯人や若気の至りでしてしまった軽率な行動から発生する偏見や差別は自己責任でしょう それに苦しむ心情は解るが、それに関わる周りの人の心情を試すような、すがるような思いは迷惑を感じる 「真実を知っても、友達でいられる―?」この帯の言葉は、この本を読破した後で見ると嫌悪感さえ感じてしまう 色々な考え方の人がいて、色々な立場の人がいて、色々感じる思いは違う・・・ それは解るけれども、この問いを投げかけるには少し軽率なフィクションだと思った1冊です | ||||
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自分のすぐ間近に、過去に残虐な殺人を犯した者がいて、その者が普通の人間と変わらず、友達としても魅力がある者だったら、と考えると複雑な気持ちになりました。ラストのストーリーにもう少しヒネリが欲しかったような気がします。 | ||||
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もしも貴方の職場に残虐な児童連続殺人事件の犯人が同僚として潜んでいたとしたら・・・。 心に傷を持つ主人公がとある工場に就職することとなったところ、同日に採用となった同年齢の青年がいて、同じ寮で生活することになります。その青年も酷い心の傷があるらしく、何となく親しくなっていくある日、ふとしたことから、その青年が児童連続殺人事件の犯人ではないかとの疑念が生じます。 かつての神戸連続児童殺傷事件を思わせるような残虐な事件を少年時代に犯した青年が、その後名前を変えて社会復帰し、何の偶然か、自分の同僚になって親しくなってしまったとしたら、という設定で主人公が種々悩んでいきます。薬丸岳氏のミステリはいくつか読んでいますが、ミステリでなく、種も仕掛けもどんでん返しもない、「おぞましい犯罪を犯した過去を持つ人間に対し、人はどう振る舞うべきなのか」というテーマに真っ正面から切り込んだ力作です。綺麗事を言うのは易しいが本当に自分がその立場に立ったらどうするのか、種々の反応を見せる人達を本当に非難できるのか、臨場感と現実感を伴って読者に迫ってくるものを感じます。 むさぼるように読まして頂きました。結構な分量のある本ですが、本当に一気読みで、深い余韻が残りました。 | ||||
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薬丸岳先生の作品は今回初めてでした。 テーマに引かれ購入。 着地点が気になり、一気に読んでしまいました。 すこし設定が上手くいきすぎているところはありましたが、もう少し長編だと良かったのかと思います。 須藤が益田に問う《お前はその手に宝くじの一等券を…》のフレーズが大好きな映画のワンシーンにあったのでビックリ。 偶然なのかなー。 | ||||
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私たちが、事故・事件のニュースをみて感じ、考えなくてはいけないものはなにか。 それを起こした人物の、人格を否定することだろうか?そうではない。 それらを見て、なぜおきってしまったのか、どうすれば無くすことができるのか、少なくとも自分が巻き込まれない為にはどうすればいいのかを考える事だと思う。 とても、大切な事を教えてくれる作品なので、是非多くの人に読んで欲しい。 | ||||
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著者の作品はどれも、作品テーマが、非常に興味深いものばかりなので、すべて読むようにしているが、この作品も、考えさせられる、非常に重いテーマで、読み応え有りの一冊に書き上げてある。 | ||||
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あの事件の犯人はいったいどうなってるんだろうと、 考えさせられました。 と、思っていたらモデルになった事件の犯人は、 手記本を出すわ、ウェブサイトを作るわ。 こんな現実は、本当に想像できなかった。 | ||||
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薬丸さんの小説は、どれも最初からひきこまれ、読み始めると中断不可能になってしまいます。 抜群の面白さです。 ハズレがない作家です。 乱歩賞をとった 「天使のナイフ」も、近年レベルの落ち続ける同賞の流れの中で、完璧といっていいほどのレベルを見せていましたが、本作は切なさとハラハラドキドキが 最初からずっと続き、本から離れられません。 まさに天才です。 近年の乱歩賞作家の中でも一際レベルの高い本物の作家ですね。 | ||||
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もし自分の友だちに、同僚に、昔犯した凶悪犯罪の犯人がいたら、あなたはそれでもその人と関係を続けることができますか… 今の自分には非常にキツイ、心に刺さる物語だった。 一度罪を犯したものは、その後生きていることを赦されるのだろうか。 ちゃんとした生き方をしてはいけないのだろうか。 世間や周囲の反応をリアルに感じているボクには、 共感できるところが多く、望みの見えないものに思えたが、 ちゃんと発散させて物語が終わっていたのでそこは救いがあってよかった。 最後はぐいぐい読まされた。 面白かった。 | ||||
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空き時間に本を読むスタイルなのですが、早く先が読みたいと思わせる本でした。 最後が「そういう終わらせ方?」って消化不十分気味になりますが、全体としては〇。 評価は4.5と行きたいところですが、その様には付けられないので、4としました。 時間が経つと、ああいう終わらせ方しかないのかな?って気もします。 とにかく、引きつけられるので、読んで損はないと思います。 | ||||
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テーマが興味深い。 登場人物は極端にキャラ付けされている人達が多いが、そうすることでよりシンプルにテーマをつきつける形になっていて僕はこれで良かったと思う。 しかし、実際に親友が過去に凶悪犯罪を犯していたとしたらと考えると、いくら子供の頃の話とはいえ受け入れるのはきつい。 元AV女優の女性を愛するのとはハードルの高さが全く違う。 | ||||
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テーマに興味を引かれて買いました。 スッキリした文章で読みやすく、面白いと言えば面白かったけど、浅すぎる感も否めない。 読み終えられたのは、内容そのものよりテーマによるところが大きかったと言える。 途中から、周りの人間の設定や、主人公たちの状況が世間に明るみに出ることに、随分都合の いい人がたくさん出てくることに気づいてその時点で大分シラけたのですが、とりあえずどうなる のかとの思いだけで読了となりました。 主人公がジャーナリスト志望なのはいいとしても、中学時代に友達を裏切って自殺させた過去が あって、元カノは人気女子アナ。 同僚には若気の至りでAVに出た女の子、さらに息子が酒気帯び運転で罪を犯してしまった人も いる。 ただ普通の生活をしてきた人、というのが中心人物に一人もいないから、あまりリアリティが 感じられなかったし、鈴木の罪も、彼らのために、むしろ軽くなってしまった印象さえあった。 本書の核となる、 「周りにそんな犯罪者がいて、その口から罪を直接聞かされても、友達でいられるのか?」 についても、 たぶん無理。 という答えは、本書を読む前も読んだ後も変わらなかったから、この本はさほど参考というか、 私には衝撃はなかったことになる。 後半、主人公の書いた記事が知らぬ間に世に出るシーンも、週刊誌で働いたことがあるのだから、 彼らのやり口くらい想像できろよなー、と思ってしまいました。 先輩記者にスマホを簡単に渡して目の前で画像の転送までさせたい放題なんてバカすぎる。 その辺りでオチも想像できてしまいました。 美代子は大した事件の経験もない、ただ地味な人生を送り続けてきた女の子という設定のほうが、 過去のある益田との対比になってよかった気がします。 他の方も書いてますが、このテーマは別の作家さんだとどうなるのか、とても気になりますね。 誰か書かないかな。 | ||||
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テーマは重く非常に興味深い。 でもその掘り下げ方が詰めが甘いというかなんというか・・・。 登場人物の描き方はステレオタイプで、どこかで読んだことがあるような印象である。 いって見れば、一流の素材を使った凡庸な料理。 吉田修一がもしこのテーマで書いたならもっともっと読み応えのあるものになっただろうな、と思わせる。 | ||||
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こういう時代なんだな と、なんだか空恐ろしくなった。 しかしオチのつけ方が甚だ不満。 もっと人間たちのぶつかり合いが読みたかった。 | ||||
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少年時代に子どもを殺してしまった鈴木くん。 同級生を自死させてしまった益田くん。 単身の寮長、山内さん。 鈴木くんの「母」、白石さん。 暴力男に貪られ、追い回され、徹底的に辱しめられる藤沢さん。 皆、家族とはともに生きられない。 「あの人はひとり」だと、においでわかる、と鈴木くん。 「ひとり」をわかる鈴木くんは、「友」を求める。味方になってくれなくても、厳しい言葉を投げつけられても、ぼくが死んだら悲しいと言ってくれる友達でいてほしいと。 きみが死んだら、ぼくは悲しい。ぼくが死んだら、その人が悲しんでくれる。 友情、いや、人と人とのつながりの根源。 鈴木くんの気持ち。 ぼくが自殺したら悲しい、ぼくが必要だと言ってくれる友達に出会えてとてもうれしい。 逃げても逃げても過去に追いかけられる。 普通に生きることが許されない。 死にたい。生きる価値がない。 ぼくを縛らないで欲しい。 ぼくには行くところがない。ここにおいてください。 ぼくみたいに大きな罪ではないだろうけど、きみも何かの罪で苦しんでいるのではないの。 どうやって生きていけばいいのかわからない。罪に苦しんでいる誰かと一緒に悩み、考えたい。どう生きていけばいいのかを。 鈴木くんのまわりの人たちの気持ち。 彼は間違いを犯したけれども、化け物なんかではない。 子どもを殺したことのある人間と顔を合わせるのが恐い。 彼の過去を告白されるのが恐ろしい。 憎悪はない。ただそばにいてほしくない。 犯した罪を反省しているのか。 被害者や遺族に対して罪を償いたいと思っているのか。 もう人を殺すことはないのか。 おまえと一緒にされたくない。 彼にも生きる場所が必要だ。その邪魔をしたいとは思わない。彼がこれからどう生きて行くのか見てみたい。 彼がしたことを知って、友達だと思えますか。好きでいられますか。恋人でいられますか。 彼には、根無し草の生き方しか残されていないのだろうか。何十年もそうするしかないのか。そう思うと、胸が締め付けられる。 彼の優しい面、弱さ、強さ、まっとうさを、おれは知っていた。だけど、それを他の人に伝えると、彼を擁護していると思われてしまう。 過ちを繰り返さず、自分の罪を深く見つめ、被害者や家族への償いの気持ちを深め、強く生きてほしい。たった一人でも、彼に寄り添う人がいてほしい。 きみが何の反省もせずに、のうのうと生きているなどとは、思っていない。 きみの優しさも知っている。 きみと一緒にいて危険だと感じたことはない。 遺族の言葉に共感するが、きみには、逃げないで、生きていってほしい 自ら死を選択しないでほしい。 ふたたび、きみの顔を見たい。 登場者の気持ち、心持ちに胸が詰まる思いで一挙に読み、最後の十数頁で、涙がこぼれた。 ただし、疑問も残る。元犯罪者を人間扱いしない表現、女性を性の奴隷とする描写。それを克服しようとする文脈であっても、文脈から独立して、傷ついた人をふたたび傷つける暴力を持っている。 | ||||
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鬼畜にも劣る犯罪歴を持つ男を美化しすぎている。周囲の人間たちが愚かで醜いので、鈴木という男がとてもピュアで優しく見えるのだが、その男の嘗て行った行為は幼児の目玉をくりぬいたことなのである。にもかかわらず、少年法に守られて社会に復帰しているのである。殺された幼児やその親の測り知れない無念さを考えたら、鈴木は人並みの生活、ましてや喜びなど絶対に味わうべきではない。 この本は、いかなる犯罪者であっても更生の機会は与えられるべきだし、周囲も理解すべきだと主張しているようだ。甘美なラストで終わらせることで、何にでもすぐに感動したがる人の涙腺を緩めることには成功しているが、私としては到底認められるべき話ではない。 | ||||
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