■スポンサードリンク
暗いところで待ち合わせ
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
暗いところで待ち合わせの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.42pt |
■スポンサードリンク
Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全185件 141~160 8/10ページ
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
この作品、非常に単純なワンアイディアなんですよね。目の見えない女性がひとりで暮らしている家に、警察に追われている男性が隠れる場所を求めてその家に暮らしてしまう。で、なんとなく奇妙な同居生活がはじまってしまう、と。乙一は短編作家なので、短編のネタなのは当然といえば当然なんですが。とにかく、普通だったら短編になるはずのネタを長編にしてしまっています。それがすごいのなんの。別に何か重大なことが起こるわけじゃなく、それだと普通だったら絶対間延びしてしまうところを乙一は逆に魅力的にしちゃう。それともうひとつ、こんなちょっぴり非現実的な設定なはずなのに、ものすごくリアリティーがあるんです。こんな体験、絶対ないと言うのに、なぜだかどこかなつかしいような気持ちになります。で、僕は読んでいる最中、涙が出てきました。あたたかさに涙です。それと、なんとなく触れ合いを持ってくるふたりの過程、そのときに入れられる様々なシチュエーションにはしびれっぱなしです。帯にある乙一史上最高傑作というのも、あながち嘘ではないと思いました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
乙一作品の中では長めの話である「暗いところで待ち合わせ」は、私の最も好きな話のひとつです。盲目の女性と、罪を犯した男の一つの家での生活は、こころが温まる生活でした。特に孤独で引きこもりがちな人は見るべし。きっと感動できます。私がそうだったんだから・・・。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
奇妙な物語設定です。盲目の女性(ミチル)と、殺人犯と間違われ警察に追われている男性(アキヒロ)がその女性の家に忍び込み、女性に完全に存在が気付かれたときはもうお互いを心から信頼している仲になっているという話でした。けれどまた、そこがいいです。乙一さんの作品には、どこかしら、不思議な人物と共に生活する、という話が多いです。(EX、しあわせは子猫のかたち、死にぞこないの青、失踪HOLIDAY、等)この作品はその中でも、とても輝かしい作品だと思います。まず、知らないうちに信用しきってる仲になる、という話のスムーズさがいい。ミチルがカズエと喧嘩し、誤りにいけなくて悩んでいるとき、もうすでに信頼しあっている仲のアキヒロが手をひいて連れて行ってくれた場面は、ミチルとアキヒロはつらい人生を生きてきて、その中で偶然にも似たような運命をたどった二人が出会ったことに心から感謝していること(気持ち)を、温かしく描写しており、つい和んでしまいました。それと同時にアキヒロが警察に見つかり、もう自分から離れていってしまうのではないかというミチルの不安に、自分もハラハラさせられました。アキヒロはミチルの手をひいてカズエの家に行き、それからミチルがカズエと仲を取り戻したものの、アキヒロはミチルの家に帰らなかったときは、もうこれで話は終わり、ミチルはアキヒロを失った悲しみの中で生きていく終結なのかと思っていました。でも実際には、アキヒロがミチルの家にハルミが真犯人だということを告げに家に戻ったとき、ミチルとともに心から安堵しました。でもミチルはその後に、近所に住んでおり信頼していた優しいハルミの犯した罪、悲しい過去をも知ることになります。ハルミが捕まってしまい、気力をなくしたミチルですが、また、アキヒロがあの優しい雰囲気をつくってくれると思っています。読んだあとには、ため息がでるほど読み終わったという快感とともに、とても心が温かくなる素晴らしい作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
初めて乙一さんの著書を読みましたが、こんなにも胸に響く小説を読んだのは初めてでした。その時私は大学二年生でした。友達との仲がうまくいかず、でも大学生だし、授業や食堂で一人でも平気だと強がっていました。そんな時、この本は他人の大切さを教えてくれました。朝あいさつを交わす時、冷たいと思っていた周りの反応は、実は私の反応の裏返しだった。すごくショックでした。この小説には何らかの力があります。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まず私は、この本の題名に惹かれ、購入した。『暗いところで待ち合わせ』う~ん。なかなか琴線に触れるモノがある、そう思いませんか?まぁそんなこんなで、この本を読んでみた感想はというと、まず『目の見えない主人公ミチルの家に、もう一人の主人公、殺人事件の指名手配犯アキヒロが潜伏する、しかし盲人であるミチルには、その事に、容易に気付く事の出来る術は無く、そのまま二人の奇妙な共同生活が始まった』という内容に、心躍った。そして、表紙からしてミステリーだと思っていたけど、これはきっと恋愛モノとも言えるじゃないかなぁ、と思いました。それに、とても読みやすい文章も相俟って、とてもスムーズに読み終える事ができた。たぶん私が友達に、『乙一』と言う作家を進める際には、きっと迷う事無くこの作品を第一に進めるだろう、とそう思った。ただ星4つなのは私が頭の固い人だからで・・・・、あまり気にしないように。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
乙一氏には、「黒乙一」と称されるものと「白乙一」と称される2つのタイプがある。デビュー作「夏と花火と~」は「黒乙一」が強かったが、今作は「白乙一」だ。何がいいってやっぱり設定。目の見えない人の家に被疑者が隠れ潜む。普通なら思いつかないような話だ。二人の心の動きや、考えていること、繊細で、温かくなる。話の流れにも無駄がなくて、確かにこんな状況だったらこんな行動とるかもしれない、と思わせてくれる。ラストが近づくにつれ目も離せなくなり、最後は「良かった~」と安堵する。さすが「切なさの達人」という異名を持つ乙一氏だ。あとがきが、本編と全く関係なく笑わせてくれるところも良い。文句無しの★5! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
初めて乙一さんの作品を読みました。デビュー時騒がれていた頃から気にはなっていたのですが、今までずっと「乙一=気味の悪いホラー」と思い込んでいて、特にホラー好きでもない私は何となく敬遠していたのです。今回、思い切ってこの本を手にしてはみたものの、「目の見えない一人住まいの女性の家に、殺人の容疑者が隠れ住む」という設定がやっぱり気味悪そうだったし、冒頭では、視力を失いおまけに父を失ったミチルという女性の孤独な心のうちが描かれていて、「気味の悪いホラーで、おまけに絶望的に暗いのか?!」と、一瞬読むのを挫折しそうになりました。が、しかし、途中から「あれ?」と思い、読み終わったときには、「なんだよ! 切ない恋愛モノじゃないか!」と思いました。孤独で不器用だけど心の優しい二人の、密やかで切ない心の交流に途中泣きそうにもなりました。冷静に考えれば無理がありそうに思える設定さえほとんど気にはならず、二人の主人公のどちらにも感情移入して、おまけに応援して読み進み、最後にはホッとしました。サスペンス的な要素もあり、恋愛モノでもあり、最後にはそれなりのカタルシスもあり、久々に「やられた!」と思わせられた作品でした。タイトルと装丁がもう少し違っていれば、もっとたくさんの女性が手に取るだろうに、と思うとそこだけはちょっと残念なんですけれど。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
乙一さんは個人的に大好きですが、その中でもこれは飛びぬけて気に入ってます。盲目の女性が一人暮らしているアパートに殺人の容疑をかけられた男が逃げ込み同棲を初め、徐々にお互いを意識していくようになって…「って有り得んだろ!!」が第一印象でした。でもこの有り得ない設定の世界を作者はとても美しくまとめてくれました。人は独りではないんです。他の小説家には描けない独特な世界が織り成す人間模様は、新鮮過ぎて胸を打たれます。一度読んだほうがいいです。後悔しません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ZOOで乙一さんの作品のインパクトに驚き、慌ててGOTH、失はれる物語と読み進んでの4作目。他人となじめず、常に周りと自分から距離をとりながらも、仲良く暮らす周囲の人々に嫉妬してしまうアキヒロ。普通に他者と関係し、これから多くの可能性があるという時に視力を失う、という不幸な境遇になってしまったというのに、それを素直に受け入れ、自分の世界へと閉じこもっていくミチル。お互いに能動的・受動的という違いこそあれ、他者との間に膜のある二人が会話なしにおこなう奇妙な共同生活。あまり詳しいことを書けないのが苦しいですが、この設定でたとえばもっとエロく、あるいはホラー性を推してグロテスクに、今流行のベタな純愛物に、することは容易だと思います。でも、この作品にはそれがない。中身はあるのに嫌な後味が残らない。この作風は若い乙一さんならではかな、と思います。実際、身体障害者の登場人物というだけで偽善めいたものかと身を引いてしまう人もいるかもしれませんが、その心配は全くありません。こんな不思議な設定で、爽やかで嫌味の無い物語。乙一さん、さすがです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まずみなさんが言っておられるように、表紙はちょっと怖いですが内容は全くそんなことないです!様々なことを考えつつ同じ奇妙な空間を共有する2人お互いに相手の存在を認め…孤独というもの、他人との関わり。そういったものを読んだ後も考えさせられる物語です。2人の視点が交互に繰り返される形式で感情移入もしやすくページ数も少ないので一度読んでみることをオススメします! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ミステリアス&サスペンスフルで、かつハートウォーミング。主人公アキヒロとミチルの距離感の描き方が絶妙で、不覚にもうるうるときたシーンもありました。カバーとタイトルはホラー風味ですが、実はそんなことありません。ページ数は多くないので気軽に読んでみて下さい。まず損はしません。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
表紙がホラーチックですがほろりとくる良い話でした。まあ状況的にはそれなりに気持ち悪いんですが。視覚障害の人が、家のなかにひそむ誰かの存在に気付く話。ひそんでいたのは逃げている男です。職場で先輩に嫌われてしまって、漠然としたいじめを受けてしまう。彼はひそりと憎しみを育てて行き、ある朝電車を待つ彼の背中を押したくなる。通り魔的な、一瞬の殺意。視覚障害の女性は、家の中にいる男が殺人犯として追われていることに気付くのですが、それでもいつしか彼が家のなかにいることを受け入れる。他人とうまく付き合えなくて、ささいなことで傷ついて臆病になり自分のなかに閉じこもってしまう。覚えのあることで、だからゆっくりと戸が開いていく感触が大変やさしい作品でした。お互いに少しずつ許してゆく感じが良いのです。記述的にはミステリですが、それは期待しないほうがいいです。変にひねらないほうがすらっと読めてよかったような。まあ、それなりに意外で面白いです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
自らを押し殺したような淡々とした語り口。語られる物語は、静寂に満たされていながら、それでいて破滅的に緊迫したサスペンスだ。何よりも、「コミュニケーション」というものを、巧みな設定を生かして見事に描ききったことに驚かされる。一つ一つの情景描写・心理描写に、エネルギーが溢れている。暗闇の冷え切った空気に微かに流れる人の温かみが、読む者の心に響く。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
~ やられました。電車の中で一気に読んでしまいました。人物の動きがほとんどなく、登場人物の心理描写、些細な動きで物語が進んでゆく「静かな物語」。読んでいてなんかほっとするような、心温まるような話です。ラストの意外な展開にも驚かされました。~~ BUMP OF CHIKENの最新アルバム「ユグドラシル」の中のembraceという曲はなんかこの本の世界とすごく似ています。バンプのファンの方にはぜひ読んでもらいたい本です。~ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
まず、設定が面白い。裏表紙に書いてある簡単なあらすじを見て、そう思いました。文章も読みやすく内容も良い作品ですが、この設定を思いついた時点で勝負あったという感じです。乙一氏は人間の内面を表現するのが上手ですね。ミチルとアキヒロの距離が次第に縮まっていく、その過程が素敵。読み終わって優しい気持ちになれる作品だと思います。あとがきもなかなか面白くてグッド。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
物語の構成としてはミチルとアキヒロの視点をほぼ交互に描かれていくので、どちらか片方のなにげない行動がこういう心理からきてたのか・・・・・・。と納得させられる部分が多々ありました。乙一氏独特の柔らかい文章によって、二人の繊細描写がより際立たされて、いいと思いました。乙一氏の「夏と花火と私の死体」と比べると、この作品は人間性の要素が大変高いものとなっています。そこが一番の魅力ではないかと。買って損をすることはないと思います。個人的には。是非機会があれば一読してみてください。下手なレビューで申し訳なかったです。ここまで読んでくださった方、ありがとうございました。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
乙一さん曰く【3部作】の中の1作にあたるこの作品。随所随所に作者特有のホラー感覚と切なさが入り混じり、読み手を引き込みます。目の見えなくなった女性と逃げる男の関係は、奇妙だけれど何処か温かいものを感じさせてくれました。確実に二人の間に【見えない絆】が形成される過程が素晴らしいです。個人的に物凄く好きな話であり、これから乙一さんの作品を読んでみたい、という方には強く本書を推したいと思います。表紙で牽制している方は勿体無いので是非、一読を(笑) | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
特定のレビューに対して何かをいうのは初めてですが、これから購入しようとしている人が読むということを前提としないで小学生の読書感想文のようにストーリーをほとんどレビューに書かれるのはいかがかと思います。この作品は私にとって乙一作品でもっともよいものだと思います。ぜひみなさんに読んで欲しいと思います。幸いほとんどネタばれをしたレビューを読む前に読んだので楽しめました。しかし、そのあとで当該レビューを読んでしまい言いしれぬ怒りを感じました。ストーリーを書き写すしか感想がないのならレビューを書かれない方がいいのではないですか? | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
面白いなあ。今回も前回同様飽きさせずに読ませてくれる。12月10日からクリスマスイヴまで。目の見えない家に忍び込んだ殺人犯と盲目の女。奇妙な共同生活と裏表紙に書かれてどんなんだと気にしていたがこれは面白い。 ミチルは盲目ながら昔ながらの友人のカズエの助けを得ながら日々生活していた。しかし生活と言っても自堕落だろう。この体質は乙一なのか、とも思ってしまった。何をするわけでもなく家で殆どありきたりな日常を送っていた。それはあくまでもアキヒロが来るまでだが。 アキヒロは社会にとけ込むのが苦手で勤め先の印刷会社でもイマイチという存在。自分にそんな経験はないが、そういう人物像だと言うことは自身の描写と語りで分かる。小心者だということだ。探せばごまんと居る。それは盲目なミチルも同じではある。 そのアキヒロが上司を駅で突き飛ばし殺人犯になってしまう。逃げ込んだのは駅の近くのミチルの家。見えないミチルはニュースで彼のことを知る。アキヒロはばれないようにひっそりと過ごすことに。 設定からまず面白いと思ったわけだし、内容が内容。ミステリー的な要素としても最終的にそうなってしまうのか、と。自堕落なミチルと小心者のアキヒロ。似たような2人が出会ってしまうわりにはほっとさせられる場面が多いのに少々苦笑しながら一気に読んだ。殺人犯がいるというのに、なあ。 アキヒロがミチルの生活を覗くことで得たものはなんだろう。生活そのものではないが、忍び込んでからクリスマスイヴまでの2週間はただの日々ではないことは明らかだ。いつ警察に突き出されるか。ミチルは何を考えているのか。当然ながら不安は募る。けど最終的に上手にまとめたなあ、と思うと乙一上手いじゃんと思う。 読後の爽快感は前作同様だったかな。前作と比べると格段と本作のほうがよい。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
社会的に見れば弱い立場に立たされそうな二人を主人公に話が進みます。ミステリーの要素が入っているにも関わらず、さらさらと静かに流れていくような文章がとても魅力的です。主人公の二人は現実ならあまり人に好かれる性格とはいえないのですが、乙一さんのフィルターを通して見るとピュアで優しい二人になります。そんなところもまた乙一ワールドなのでしょうか。これを読んで静かな話なのかと思われるかもしれませんが、そんなことはありません。どんなジャンルが好きな方でも比較的楽しんで読める話です。 | ||||
| ||||
|
■スポンサードリンク
|
|
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!