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暗いところで待ち合わせ
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暗いところで待ち合わせの評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.42pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全185件 81~100 5/10ページ
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私の読んだ乙一作品の中で一番印象的でした。全体的な出来の良さは、他の作品よりやや低めかなと感じましたが、従来の作品とは違った趣があり、それが私のツボに見事にはまってしまいました。ちなみに、この作品は『死にぞこないの青』でボツとなった場面を書き直したものだそうです。『青』とどこか共通した世界観を味わえたら、一層楽しめるのではないかと思います。 | ||||
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人と上手に接することができない不器用さや、人に傷つけられることの恐怖、そこから逃れるための孤独、 そしてその痛みを知る人間だからこそ分かる優しい思い遣り。 それらをこの奇妙な設定でうまく表現されている。 お互いの恐怖から相手を想う感情へ少しずつ変化していく状況を微妙に繊細に絶妙なやりとりの心理描写が素晴らしい。 ミステリー性としては途中「おっ!」と小さい驚きがあって、あとはあっさりと終わってしまうが、それはそれでいい。 主要なのは二人の微妙な距離感で成り立っている関係なのだから。 ラストの言葉は、温かくて、優しくて、なんて心に響く言葉なんだろうと思う。 そっと、同じ不器用な人間が伝える、本当に優しくそっと背中を押すような言葉。 乙一は初めてだけど他の作品も読みたくなった。 | ||||
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転落事故の重要参考人であるアキヒロが、失明した女性の家に身を潜めるというシナリオがとてもおもしろかった。失明しているため誰かがいる確信がもてないミチルと、相手が失明していると分かっていてもいつバレるか気が気でないアキヒロのやりとりがスリルがあって特におもしろかった。また、転落事故の犯人も意外だったが、ミチルがその犯人を問い詰めるシーンは緊迫感があってとてもよかった。 | ||||
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光を失い一人ひっそりと暮らすミチルの家に、 殺人事件の容疑者であるアキヒロが逃げ込んでくる。 人付き合いが苦手で孤独に生きてきたアキヒロと、 盲目ゆえに自分の殻に閉じこもり社会との関わりを拒絶するミチル。 そんな二人が、暗闇の中互いの存在を意識し、確かめ合い、そして少しずつ心を開いていく。 乙一の訥訥とした語り口が、二人の不器用さや空気感を見事に描き出している。 ミチルと母の関係、ミチルと友人のカズエとの関係や、さらにはミステリ的要素も組み込んで 一個の物語を紡ぎ出す、乙一のストーリーテラーとしての実力に脱帽。 曇天の合間から射す陽光のような、晴れやかな読後感の良作である。 | ||||
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本書は『失はれる物語』のあとがきによると短編小説『CALLING YOU』、『幸せは子猫のかたち』に続く三部作だそうだ。 確かに三つの作品の主人公達は、不器用で他人と巧く関わることができず孤独な生き方をしている。 前述の二作品が、感動の余韻を残す実に素晴らしいものだったし、映画化もされた作品だし、大いに期待して読み始めたのだが…。 前半は、なんだかダラダラと間延びした感じ。エンディングは、さらっとし過ぎていてあっけない。 やっぱり乙一は短編に限るのだろうか?? | ||||
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この作品が、「切なさの達人」と評される乙一、挑戦第一作目。 周りに聞くと、「奥が深すぎて怖い作品が多い」ようなことを聞いていてなかなか手が出ませんでしたが、イザ読んでみたら・・・。まさしく深くてミステリアスで切なかった。 何故、「彼」は主人公の家に入り込んだか?何故、居間にばかり隠れるのか?その他、本当に細かいところに物語の伏線が散りばめられていています。後半からは、なんだか悲しいラストを想像して進まなかったはずの、ページをめくる手が、今度は止まらなくなりました。 気がついたら・・・。寝るのを忘れていました。(笑) 皆さんも、号泣と感動で、徹夜してみませんか? お勧めです!! | ||||
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とある殺人事件をきっかけに、盲目の女性の家に逃げ込んだ容疑者の男。 状況だけを挙げても十分にサスペンスタッチな作品ではあるが、それだけではなく、 方や盲目、方や職場の人間関係から自分の世界に引きこもらざるを得ず、寂しい思いをしている2人が外の世界へと踏み出そうとするまでを描いた作品で、 読み終わった後は心温まる気分だった。 とはいえ、サスペンスとしても仕掛けが施されており、 ミステリーとしても十分に楽しめる仕上がりとなっている傑作だと思う。 | ||||
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人との交流を避けて生きようとする、盲目の少女と殺人犯(?)の男。 でもやっぱり、ひとりでは生きていけないことに気づく。 読後、自分は自分らしくていいと肯定されたようでした。 乙一の作品はいつも、「人生はとるにたるものだ」と思わせてくれます。ミステリーだけど、癒されますね。 | ||||
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☆4・5 殺人事件の犯人として追われるアキヒロが、視力をなくしたミチルの家に逃げ込み、奇妙な同棲生活始めるというあらすじを見たときは、どんなものかなと思いましたが、よかったです。 ミチルもアキヒロも人付き合いが苦手な方で、一人でいるのが苦にならない、というか、どちらかといえば一人の方が好きという人間です。 そういう二人が、一方は存在を相手に悟られないように暮らし、一方はその存在を知りながら知らない顔をして暮らす。 その不思議な感覚が、読んでいて実感できました。 ミチルとアキヒロだけでなく、殺人事件の本当の犯人の思いもわかって、切ない中にも暖かみのある物語でした。 この前に読んだ「ZOO」は、いろいろな雰囲気の話が載っていて、中にはどうにも悲惨でやりきれないものもあったけれど、これは誰にでもお勧めできる小説です。 | ||||
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この手の小説(ミステリー系)は初めてだったので少し抵抗がありましたが、どんどん引き込まれて、一気に読んでしまいました。 今までこういうジャンルを読んだことのない人にもとっつきやすいのではないかと思います。 | ||||
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この本との出会いは、昨年暮にコンビニで、ふと最初の5ページ程目を通して、購入した。 この著者は初めてなので、やや躊躇はしたものの前々から著者に興味が在った。実力(ユニーク面等)はなかなかだと思うが、中間点付近で失速する感が否めない。私は、或る付近で作者の実力を見るのだが、やや粗削りの部分が著者にはあると思える。最初の勢いが急に無くなる。私が思うに、作者の度量が試されると考えている箇所は、物語で中間点付近とおいている。しかしながら、ストーリー性やアイディア性に及第点はやれると考え、星四つとした。 | ||||
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実は映画が気になっていて、観れなかったので、原作を読みました。 シチュエーションが面白かった。 視覚障害者の一人暮らしの女の家に、殺人犯の容疑者の男が逃げ込む。 お互いにばれてないと重いながらも、奇妙は共同生活が始まる。 女も男も、それぞれそれぞれ孤独であることを選んできた。 そんな二人が、直接触れることなく、いつの間にか依存しあっていた。 ラストのどんでん返しは、ちょっととんでたけど、痛快でした。 若干ありえないなぁ、なんてところもあるけど、それは、それ、ということで。 | ||||
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この作品は泣ける。男はその内向的な性格から、そして女はその身体的障害から、社会との関わりを断ってきた。一つのプラットホームでの突き落とし事件がその二人を引き合わせる。殺人犯にされた男と目の見えない女の奇妙な同棲生活。最初はお互いを怖れていた二人はやがてお互いの、そして人間の持つ本当の「優しさ」を感じながら、互いに惹かれあっていく。この微妙な感情の交差がたまらなく良い。真犯人とか事件の動機とかどうでもよくなってしまうほどの人間のあたたかさがここにはある。ラストは涙が止まらなかった。乙一の最高傑作だと思う。 | ||||
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乙一の作品はどうしても特異なシチュエーションとそこから生まれる巻末の「転」に眼がいきがちですが、この作品はそれだけではないものがあります。 一言で言うなら「あたたかさ」 片や盲目で社会と関わりを絶とうとする女性。 そして、殺人に関係して密かに身を隠す男性。 いわば二人の「自己不信・他者不信」者が偶然のように同じ場所に暮らし、お互いを認め合い、求め合っていく。一人では味わう事のできない幸せに気付く。 それは、関わりの断絶・社会への絶望から人間信頼・社会との絆の結び直し、ひいては「自己信頼・他者信頼」へと繋がっていく恢復の過程。 その意味でこの作品は「人間復興」の物語です。 乙一なりの「人間賛歌」に繋がっていく作品のように感じます。 これからが楽しみですね。 | ||||
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盲目の若い女性が一人で住む家に、殺人事件の容疑者として追われる男が忍び込み、密かに居座る…と聞くと、実に(作者も後書きで認めているように)異常なシチュエーションで、一歩間違うと猟奇小説か三流ポルノになってしまいそうである。 なのだが、そこはさすが乙一。 男「気づかれてはいけない」「気づかれただろうか?」「気づいているなら、なぜ…?」 女「誰かいるのだろうか?」「そんなはずはない」「誰かいる!でも気づいたことに気づかれてはいけない」… 一言の会話も無いまま(だって声を出したら「僕、忍びこんでました!」「やっぱり!」で終わっちゃう)にせめぎあい、変化していく二人の心理が丹念に描かれ、やがて冒頭からは想像もつかないラストへと導かれていく展開は見事! そして、最後まで読み進むと、「人は一人では生きていけない」という、驚くほどシンプルで力強いメッセージが伝わってきます。 | ||||
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友人に借りて今読んでいる本です。 乙一さん、知らなかったのですが なかなか人気のある作家。 得意はミステリーのようです。 「あらすじ:盲目の一人暮らしの女性宅に 殺人の罪に負われる男性が潜む。」 男の子サイド、女の子サイドからの ストーリー展開になっていますが きっちりとその段取りを踏んでいる訳ではなく 分かりやすく両方の見解が混じっていたりします。 どんどん、読み進んでいますが 電車で読んでいて 二人の心の触れ合いの所で 泣けそうになりました。 | ||||
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乙一の作品はどこか、非・現実的だ。 しかし、どんな夢物語よりも身近に感じるのだ。 そこには人間くさい、温かみがあるからだと思う。 この話は、電車事故を起こしたとされる男、アキヒロが視力を失くしたミチルの家に忍び込む と云う一見変わった内容だ。 ミチルはアキヒロの存在に少しずつ気づき、そして恐れる。 しかし、意外にも2人は心を開いていくのだ。 最後の最後まで結末がわからない、素敵なお話。 乙一の文章はとても読みやすいので、普段本を読まない方にも是非1度読んでいただきたい。 | ||||
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「警察に追われている男が目の見えない女性の家にだまって勝手に隠れ潜んでしまう」(あとがきより)物語で、 不思議な共同生活により自ら孤独を選んできた二人の価値観が徐々に変化していくのが見所です。 若干言葉の使い方・言い回しに拙さを感じるものの、簡潔でありながら必要なことは確実に表現する過不足無い文章を読ませてくれます。 一風変わった設定と少しずつ変化する二人の関係性・人間性にぐいぐい引き込まれ、あっと言う間に読み切ってしまいました。 もともとレンタルしたDVDに新作映画情報として予告が入っていたことがこの作品を知るきっかけだったこともあり、 とにかく原作を読みたくなって手に取り今度はとにかく映画を見たくなってしまいました(笑) とても魅力的な物語です。 文章力がまだまだ上がる余地があるように思うのでその点を考慮し4点にさせてもらいました。 何かもう少しふくらみ・豊かさ(重松清さん的な)があればより素晴らしい読後感を味わえそうなので。 ただ、余計なことを書いて興を削ぐぐらいなら本作はこの文章で良かったなぁとも思います。 くどくど語りましたが、心情的には文句無く5点の大切な一冊になりました。 それほど興味のある作家ではなかったのですが、乙一さんの最近の作品も読んでみようという気になりました。 多くの方に手に取ってもらいたい作品ですが、 特にこのレビュー・タイトルを見て何かしら思うところのある人には是非見ていただきたいです。 | ||||
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「一人で生きていけるというのは、嘘だった」 視力をなくし、独り生きるミチルと殺人容疑で追われるアキヒロの奇妙な同棲生活の物語。 殺人容疑者と視覚が不自由な二人の生活は非常に不思議な雰囲気を持っている。部屋の隅でじっと息を潜めるアキヒロ。その気配に気付きつつも、気付かない振りを続けるミチル。静寂の中で、互いの存在を感じながらも、近づけない二人の心が、やがてゆっくりと近づいていく。 「つらい社会で人の悪意に身をさらすならば、また、希望を持ってしまって裏切られるなら、いっそ一人で生きていこう、生きていける」と思っても、一度、人のやさしさに触れてしまうと、一人は耐えられない。だから、ひきこもるのではなく、勇気をもって踏み出そう。 静かに、静かに過ぎていく二人の不思議な時間がなんともいえない癒しを与えてくれる作品。おすすめです。 | ||||
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盲目の女性の家に殺人容疑者が潜む、というあら筋を人から聞いて、サスペンスだと思い読みました。とてもスリルがあります。でも同時に温かい優しさも感じます。「一人でいい」と思って生きてきた主人公と殺人容疑の男性が、次第に自分を必要としてくれる人がいることで強くなろうとする事に、共感しました。そして「点」だった全ての出来事が、「一本の線」になる驚きと温かさ。それをイメージするとしたら、冷え切った体を温める食事を、誰かが作ってくれるとか、冷たい手をポケットに入れてくれるとか、そういう温かさだと思います。一人でも頑張れる、一人で頑張ろう、それは、支えてくれる人がいるから出来ることなのかもしれませんね。主人公を中心とする登場人物の心の動きが、違和感なく入り込んできました。映画も興味がありましたが、この作品を読んだだけで十分満足したので星5つにしました。 | ||||
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