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夏を殺す少女



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【この小説が収録されている参考書籍】
夏を殺す少女 (創元推理文庫)

夏を殺す少女の評価: 4.05/5点 レビュー 44件。 Bランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.05pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全44件 21~40 2/3ページ
No.24:
(4pt)

欧州の雰囲気に英米風の活劇をブレンドーこの路線を続けてほしい。

(以下ネタバレあり)比較的高評価のためか、真相に直結するネタが各レビューに見られるようだ。ゆえにこれから本書を読む場合、できればあらすじも確認しないほうが楽しめるだろう。
まず冒頭シーンが非常に映画的で、掴みとして申し分ない。以後は異なる事件が同時並行に語られ、それが少しずつ交差していくーというのはよくあるパターンだが、ヨーロッパが舞台のためかちょっとした空気感というか、雰囲気が一種独特の重さと暗さを持ったまま展開していく。謎を追うのが男女二人の組み合わせではあるが、陰影を伴う冷えた空気(英米ミステリの雰囲気とは異なる)の中で真相に迫っていくところは、映画「クリムゾン・リバー」を思わせる(謎が重なる時点でバディ・ムービー風になるところも似ている)。
ちなみに欧州が舞台になると、本書のような児童虐待や人身売買(そのシンジケートを含む)がネタになることが多いようだ。そしてこれがまた、例えばアメリカにはないひんやりした空気感と陰鬱な空模様、雨に濡れた石畳や教会といった、静かで絵画的な要素と相まって、読み手に何とも言えない生理的な居心地の悪さを呼び起こす。本書と必ずしも類例ではないが、そうした欧州的雰囲気を味わえる作品として、映画なら前記のほかに「96時間」「アンノウン」「RONIN」、ミステリなら二階堂黎人「人狼城の恐怖」がお勧めできる。
それから最後に一つ気になった点を。虐待された少女の多重人格(人格交代?)を描いた箇所で、会話でなく地の文で「○○は…」と叙述するのは技法としてルール違反(実際は○○でなく別の人物なので)。
しかしながら、今後も読みたくなる作家であることは間違いない。創元文庫はヨーロッパミステリの紹介に意欲的だが、例えばHマンケルに雰囲気はともかく謎解きの物足りなさを感じる人ならば、このグルーバーを試してみることをお勧めする。
夏を殺す少女 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:夏を殺す少女 (創元推理文庫)より
4488160050
No.23:
(4pt)

食わず嫌いでも、楽しめます

ものすごい大どんでん返しのある作品ではないけれど、
癖がなくて、面白かったです。

主人公は、若い女性弁護士と、オジサン刑事、そして謎の少女。

若い弁護士は、エアバッグとマンホール訴訟に携わり、
オジサン刑事は、10代の子供の殺害事件に携わり、
そして謎の少女は・・・

全く関係がないようで、どんどん3人の距離が縮まっていくのがハラハラします。

ラストは、うわー、やられた!!みたいなことはないし、
ドイツやヨーロッパの事情なんてさっぱり分からないし、
名前になじみがないので、男性なのか女性なのかもよく分からずじまいの人もいたけれど、
それでも、作品に引っ張り込まれるのがスゴイと思います。
人物がよく作りこまれているのに、話完結なのが残念な感じ。
面白かったです。
元気になったパトリックも活躍する続編ができればいいですね。
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4488160050
No.22:
(5pt)

推理小説にはまる

去年か、今年か。

初めてミステリー、ないし推理小説系の本を読みました。
非常によかったです。
皆さんのレビュー評価を見ながら買った上での感想になってしまいますが…。

まったく違う事件を追っていた二人が、互いの事件のピースをつなぎ合わせて、まったく別の視点から、事件の真相に迫る。
後半は、映画を見ているようでした。

作者さんの文章能力、構成能力ともに素晴らしいです。
ミステリー系読んだことのない人でも入りやすいと思います。おすすめです!
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No.21:
(4pt)

酒寄氏の訳が素晴らしい

巻末の酒寄氏によるドイツミステリおよびオーストリアミステリについての解説が非常に勉強になった。この部分だけでも読むだけの価値は十分ある気がする。それにしても謝辞でわざわざ「原稿の誤りを細かくチェックしてくれる厳しいテストリーダー」の存在を示唆しているにも関わらず、だれも、「1998年以来、毎月1000ユーロの送金」、という部分につっこみをいれなかったのはどういうことだろう。気になって導入時期を調べたけど、ユーロが現金として12か国で使われるようになったのは2002年からだそうですよ。
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No.20:
(3pt)

まだ、半分も読んでません

少し、退屈な文章でまだ半分も読んでい亜線。ミステリーが好きなのですが、翻訳本を増やしてください。
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No.19:
(4pt)

確かに、うまく行き過ぎの感がある

私立探偵のパトリックって、どんだけ有能なのよ。
彼のおかげで、どんどん事件の謎がほどけていく。
ちょっと都合良すぎ。それがちょっと引っかかる。
ただし、面白さには変わりがないけど。
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No.18:
(4pt)

2つの事件が平行して進むミステリー

若い女性弁護士が関わる数々の名士の不審死、と落ちこぼれ刑事が関わる少年少女の自殺に見せかけた殺人事件という一見無関係な事件を追いかけていくという話で、それら2つの事件がどう絡み合っていくのかがこの小説で一番読ませてくれるところでした。
これ以上書くとネタバレになりそうなので書けないのですが、一気に読ませる小説でした。

日本のミステリーはどうしても国内しかもある地域に限定した話になりがちですが、この本はドイツ、オーストリアを駆け巡る話で、ミステリーはこれくらいスケールが大きい方が私は楽しめますね。
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No.17:
(5pt)

夢中で一気読み

なにげに、土曜の夜の暇潰しで作者も知らず選んだ本でしたが、以前読んだ
世界的にヒットしたミレニアムを彷彿しました。展開が早く、ぐいぐい登場人物に感情移入
していきました。久々に一気に読んだ本でした。
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No.16:
(4pt)

大勢死にます

邦題は秀逸ですね。
TVドラマのクリミナルマインド、LAW & ORDER(性犯罪特捜班)の欧州版とは
言い切れないけどテーマ的には、共通するかな?
児童虐待を扱った作品は、ちょっと読んでて辛いです。
大勢死にます。
大勢死ぬと、一人ひとりの死が希薄になってしまうような気がします。
プロットは大変面白く一気に読みました。最後の主人公二人の清々しさ(?)
には、違和感を覚えました。
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No.15:
(2pt)

タイトルにひかれたが内容はちょっと残念

テンポの良さを狙ってか短めの文の羅列で文章に情緒がない。登場人物の味付けも少なく説明調で主人公を愛せない。展開は早いのだがそんなんでいいのって感じでご都合主義に話が進んでいく。途中で投げ出すほどではないけどこの本をもう一度読み直すことはないだろうって感じです。
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No.14:
(4pt)

期待していなかったのですが。

ドイツとオーストリアという舞台設定から、もっと陰鬱な雰囲気を予想していて、
amazonの評価が高いからダメ元で読んでみようか、程度のノリでした。

いやいや、これは結構いけます。
ミステリーとして極めてオーソドックスなストーリー展開ではあるのですが、
主な登場人物が根っこのところで楽観的なキャラクターに設定されていて、
重いテーマにもかかわらず読後感を明るくしてくれます。

ドイツの刑事ヴァルターとウィーンの女性弁護士エヴェリーン、それぞれ
個性的なこの二人が活躍する続編を、是非読んでみたいですね。
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No.13:
(4pt)

次回の作品にも期待

初めはあーまた小児性愛者という異常な犯人が出てくる作品かとかなり嫌気がさしていたのですが。確かに暗い話ではあったけれども、主人公2人のユニークさ、正義感、行動力、忍耐カと個性に引き込まれてしまい、ストーリーもひねりがあったりで清々しい読後感でした。弱者を強者。弱者の強さは人間の理性も超えたところに存在したという事でしょうか?楽しめます充分。
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No.12:
(5pt)

重厚で豊潤なミステリーを読める幸福感

点と点が結ばれて、線になり、線と線が繋がって、面になりそれが立体となって事件の真の姿を現すという、王道ミステリーの直球勝負。

ドイツで自殺に見せかけた病院での少年、少女の殺人事件を追う刑事。彼は妻を亡くしたショックから立ち直れず偏屈で愛情表現が下手だが、抜群の捜査能力と行動力を持つ。

かたやオーストリアで法人民事訴訟専門の法律事務所に勤める女性弁護士は、泥酔してマンホールに落ちて死んだ医者や車のダッシュボードにおいたラジカセの直撃で亡くなった議員の遺族から会社側の管理の手落ちを指摘する訴訟の会社側弁護を担当する。彼女もまた幼児期の過酷な体験がトラウマとなっている。

交わるはずのないこれらの事件が繋がった時、おぞましき欲望に満ちた全貌が明らかになる。しかも、ウィーンや北ドイツの風土、サイコホラー、解離性同一性障害(多重人格)、土壇場のアクション、ストーリーに厚みを加える脇役陣などこれはもうミステリーを超えた小説としての醍醐味を十分に与えてくれる。

2013年翻訳ミステリーでのNo.1に強く推薦できる大収穫!
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No.11:
(3pt)

事件をおう二人はいい

作品のできはいい…ただし、性的異常性格者たちが登場するのはもうカンベンしてほしいね
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No.10:
(4pt)

構成の妙に脱帽

オーストリアのウィーンの女性弁護士が務める弁護士事務所。そこに、名だたる名士が事故死するいくつかの案件が持ち込まれる。それぞれ単純な事故死と思われたが、どの事故にも同一人物と思われる一人の少女の姿が目撃されていることがわかる。そのことに疑問を抱いた女性弁護士が事件を追いかけ始め、どんどん深みにはまっていく。
一方、北ドイツでは刑事が精神病院での死亡事件を調べ始める。そのうちに同じような事件がほかにもあることがわかり、こちらも深みにはまっていく。
弁護士と刑事の側の事件追及の様子が交互に語られ、やがて二人が接近してついに出会い、二つの事件の関連が明らかになり、そのあとは一緒に謎を追っていくという構成が見事で、最後まで読者を引っ張っていく。
ヨーロッパの推理小説で最近よく題材になる小児性愛の問題を扱っていて事件の内容は悲惨極まりないが、事件を追いかける二人のひたむきさが読むものに希望を与える。何か面白いミステリーを読んでみたいという方には、ぜひ一読をお勧めしたい。
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No.9:
(5pt)

一気に読みきりました。

刑事と弁護士が2つの全く無関係に見える事件をきっかけにしてそれぞれに犯人を追っていくという構成になっています。退屈することなく一気に読みきりました。
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No.8:
(5pt)

ジェットコースターに乗っている感じ!

とにかく、楽しめました!
展開が、ジェットコースターに乗っているかのようです。
内容は、ちょっと凄いです。
登場人物のヴァルターとエヴェリーンが大好きですし、
映画かドラマにしていただきたい位です。
ただ、「夏を殺す少女」というタイトルは、とても印象的ですが、
読み込んでいない私がいけないのかもしれませんが、
タイトルと内容の関係がちょっとしっくりこないのです。
ドイツ語のタイトルも「RACHESOMMER」ですけどね。
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No.7:
(5pt)

堪能しました

ライプツィヒ警察の刑事プラスキーは病院で少女が自殺したという報を受けて現場に急行する。しかし少女の様子は自殺に見せかけた他殺のようだ。プラスキーは上司の指示を無視して独自に捜査を開始する。
 一方、ウィーンの弁護士エヴェリーンは、先輩弁護士の転落死と自分が最近扱った訴訟案件とに奇妙な共通点を見出す。彼女もまた、上司と反目しながら真相を追い始める…。

 片や北ドイツ、片やオーストリアの首都という、遠く離れた場所で発生した事件。そして一面識もない男やもめの刑事と女性弁護士。一見何のつながりもない事件と主人公たちが、じりじりと距離を縮めながら、やがて切り結んでいくという物語展開が実に見事です。450ページ超の長編小説ですが、ページを繰る手を休めることが全くできません。一刻も早く真相にたどり着きたいという、はやる気持ちを抑えることがかなわず、私はシンガポールへ出張する飛行機の中で、一気に読んでしまいました。

 事件の真相をここに記すことは許されませんが、この物語で描かれる類いの罪を犯す国民が多いのは、アメリカ、ドイツ、そして日本だという話を耳にしたことがあります。ですからこれは決してドイツ/オーストリアだけの物語ではないと思って読むべきものかもしれません。

 翻訳は酒寄進一氏。ネレ・ノイハウス『深い疵』やフェルディナント・フォン・シーラッハ『犯罪』『罪悪』『コリーニ事件』と、一連のドイツミステリーを水際立った翻訳手腕で読者に差し出してきてくれた人物です。今回の『夏を殺す少女』も、酒寄氏の流麗な翻訳文だからこそ、苦もなく素早く読みとおすことができたというのは間違いありません。
 もはや、酒寄氏が翻訳を担当しているという一事だけで、その書を手にする理由としては十分であるということが分かっているので、今回もどんな物語であるのかは一切予備知識なしで読み始めたほどです。
 近いうちに、酒寄氏の最新訳書であるネレ・ノイハウス『白雪姫には死んでもらう』を読むつもりです。

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No.6:
(5pt)

予告していた題名と違っていたのが残念です。 創玄社の歴史に傷つきます。

素晴らしい作品です。構成も見事、文学的な高尚さも感jられます。 ミレニアム以降、ヨーロッパの作品が多く出版されるようになり、大歓迎です。知的水準が高い(やや難しい、ストーリーが込み入っている)せいで、出版が遅れているようですが、(へニング・マイケル等、2000年代初期の作品を 初版で売り出しているのは何故ですか。版権が始めの内はたかいからですか?)
 例えば、世界で8000万部と言われたミレニアムの国別の出版部数を披露してください。 あの頃、フランスで800万部と宣伝にありました。 日本の文化のレベルを教えてください。
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No.5:
(4pt)

再生の物語でもあります

アンドレアス・グルーバー『夏を殺す少女』は、ドイツ語圏のミステリでありながら、人名、地名を除くと、英米の翻訳ミステリと言われても違和感がない。国境を超えて広く読まれるには良いのだろうけれど、読みやすい反面、”らしさ”を求めるのなら物足りなさを感じるかもしれない。

主人公は、オーストリアの女性弁護士エヴリーンと、ドイツの刑事ヴァルター。プラハを挟んで対象の位置にある二つの都市ウィーンとライプニッツが物語の始まりだ。

ストーリーは、エヴリーン、ヴァルターそれぞれの捜査を軸に展開していく(二人のタフな行動力を見よ!)。エヴリーンに時折フラッシュバックする暗い過去。ヴァルターの、亡き妻、そしてひとり父の帰りを待つ娘への思い。正義を貫こうとする二人の胸の内が、キャラクターに厚みを与えている。まったく別の都市で起きた事件を追う見知らぬ二人。一方は、少女による連続殺人、一方は、少年少女を狙う連続殺人だ。この二つの事件がどう絡み合っていくのかに興味深々となる。エヴリーンとヴァルターが北ドイツで出会うシーンは、待ってました!なのだ。

本作品は、エヴリーンとヴァルターそれぞれの再生の物語と見ることもできる。良い作品。
夏を殺す少女 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:夏を殺す少女 (創元推理文庫)より
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