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李歐
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李歐の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.35pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全72件 41~60 3/4ページ
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心が凍り付くような残忍性を持ちながら、最後には理想を達成してしまう李歐さま、かっこよすぎて、ありえないでしょうと思いながらも 彼に惚れてしまった主人公と同じ気持ちになりながら、一気に読んでしまいました。 | ||||
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「わが手に拳銃を」の発展形なわけですね。 わたしは、『李欧』の形にまでなって、救われました。 これには、一種、青春ものの爽やかさがあります。 作中の桜の木の情景と、「レディ・ジョーカー」の最終場面が重なるのは、 わたしだけでしょうか。 色んな作品が、他作品の発展形や、変形になっているのを見るのは、 ファンの醍醐味です。 | ||||
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大阪・零細工場・中国大陸・銃・かけおちした母親 満開の馥郁たる桜 散りばめられた「情念」「因縁」「諦念」 そして、まさしく「惚れた」としか表現の仕様のない、男二人の遠恋(笑 高村さんは、男同士の愛を朧にしか表現しないのですが、 かえってそれで妄想が掻きたてられます。 そして高村さんには、珍しく大団円。 大団円に至るまでは、リンチやら、爆死やら、銃撃やら、 残虐な場面がたくさんあるのですが、 読み終えたあとには、それもこれも、なにやら宝石が散りばめられたように、 きらきらしたものしか残りませんでした。 登場人物全てを徹底的に描写する高村さんの技は、 市井の全ての人間が自分の人生の主人公であるということを思い出させてくれます。 そして、一彰と李歐。。。末永くお幸せにっ(笑 久々の、お取り置き決定の本でした。 とにかく圧倒されます。そして、久々に本で泣きました。 注意 高村さんは、独特の文体(とにかく、くどいっ)なので読みにくいと思う人、多いかも? それから、ストーリー自体理解不能であほらしいと思う人も多いかも? 私は、好きですが・・・ | ||||
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高村薫ならではの"これでもか"という人物描写・心理描写が物語に深みを、李歐の存在が物語に広がりを持たせて、一見平凡な機械工の人生が非常に壮大でロマンチック。 ただ李歐のカリスマ性に疑問が残る(致命的)のと、ラストが以外に平凡なので☆3。 | ||||
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タイトルの李欧が本編にほとんど登場しないのに圧倒的な存在感。これはなんなんだろう。 大阪という土地柄、リアリティがあり良かった。最後の桜並木はまるで映画のラストシーンを観ているような感動だった。墓場まで持って行きたい作品。 | ||||
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高村作品の中で最も浮かれた、春爛漫の青春を謳歌する作品だと思います。 その覚めない夢を主人公と一緒にどこまでも追い続けたくなります。 酔います。 ページを開くと、闇を染める一面の桜が浮かびます。 人が人と出会い、強烈に引き付けられる瞬間が描かれています。 | ||||
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本作に関しては、現実感が感じられず、それゆえの物語から受ける説得力もなかった。男同士の友情というか愛についての物語。そもそも李歐の存在が理解できない。そんな男そもそもいないだろ。そこが最大のネック。また主人公についてもなんでそんなにモテまくりなの。男からも女からも。そしてそこに冒険物語が流れている。あー付いていけませんでした。途中で出てくる中国語や漢詩についても物語を深める役回りどころか、読む気をなくしてしまいます。大阪の町工場に咲く桜から広がって、各人が自分の桜を持っている。そしてその桜を咲かせるために集まる男達。大きな流れはさすが高村薫。ただただ、枝葉で上手く物語りに入り込めませんでした。 | ||||
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男女関係無く、この小説の魅力は主人公達の生き様だと感じます。 高村薫の小説は好きでほとんど読みましたが、細部や社会環境は極めて現実的でありながら、内容は現実的には考えられない、けれどカッコイイ。というのが男の俺から見た感想です。 確かに同姓愛的な要素は、この作品でも他の高村作品でも多少なりとも入っている事が多いのですが、けれどそれを感じさせない。正確には不思議と嫌悪させられる事が無い。俺には何故か段々と、それが普通の事の様に思えてくるのがちょっと怖い(笑) たぶん、人間関係の描き方がすごく奥が深いからなんだろうけど。…因縁も含めて人と人が繋がっていく中に人間味を出しながら、枝葉のようにさらに広がりを見せて、そして再び繋がっていく。 実は、この「李歐」の元になっている「わが手に拳銃を」をかなり前に読んでいます。 「李歐」が改めて加筆修正をおこない手直しされている作品だとは知らずに購入し、読み始めてみて気がついて事実を知ったという状態だったのですが、結構大胆に改稿されてる所があったり若干の登場人物の設定変更もあるので、読み比べも面白いと思います。 ただし物語を通して結末まで、「李歐」の方が面白いとは思いますが。 結末に関して言えば「李歐」で良かったと思ったし、俺個人的にはこの作品の方が納得もできるしスッキリしました。 高村作品の中では珍しい結末だけど、たまには、こんな結末もありだな。 | ||||
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桜の季節になると必ず読みたくなる小説、それが李歐です。高村薫作品の中で最も好きな作品でもあります。桜は男の花だと言われていますが、朧な月夜に浮かび上がる夜桜の妖しさがこの本には溢れている気がします。 血で濡れているかのような美貌の殺し屋・李歐と、自分自身のことさえ掴みかね曖昧さの中で日々を生きている一彰が出会い、魂で惹かれ合う物語。高村薫の美しく艶やかな情景描写にハッとさせられます。 同性愛的な要素が多分に含まれていますが、もちろん現実世界のリアルさではありません。高村薫が極上の色彩で描き出した二人の人物が男女の枠をも超えた情熱で互いの心を捉え、どれほどの時間と距離が離れようとも想いの一点で繋がっている場面には、ひとたび運命で巡り会ってしまったならばその鉤爪からは決して逃れられないのだと思わされます。 最高の口説き文句がこの小説の中にはあちらこちらに散りばめられていますが、冷酷にも見える李歐の奥に隠されている炎と彼の纏う大陸の風が、どの言葉よりも一彰の心臓を撃ち抜いたのではないかという気がします。読んで絶対に損はない一冊です。 | ||||
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高村薫の作品の中でも一番好きな作品です。 幼い頃の両親の離婚、母の失踪(男と駆け落ち)、信じているはずの人からの裏切りがあっても幼い子供には抗う術がない。 自分の満足度の基準を下げることにによって傷つかないように自然と防御法を身につけていく。 そういえば、子供って大人が考える以上にしっかりちゃっかりしてるところがありますよね。 無気力・無関心の一彰がバイトを掛け持ちしてまでナイトゲートで働くからには、きっと母親探しの要素が十分含まれていて、はたしてどういう形で母と再会するのだろう? なんて考えていましたが、あっさり母を死なせるあたりは作者の潔さが感じられます。 (ほかに見所がたくさんありますから、これはこれで良しです) 男の友情と言ってしまえばそれまでですが、一彰と李歐のような二人をソウルメイトと呼ぶのでしょう。 本を読み終えて、なんともいえない満足感を感じ、しばらくはこの余韻に浸っていたいと思っています。 | ||||
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文庫化に当たってだいぶ加筆されたようだ。簡単に言えば、数十年に渡る男と男の友情を描いた物語なのだが、話が漠然としていすぎる。元々、二人の友情のキッカケが何だったのか判然としないのが致命的。ウラで拳銃作りに精を出す青年と、大悪人を目指す李歐。どこに接点があると言うのか。一目惚れですかね。 女流作家に良くある傾向なのだが、男と男との友情を誤解しているのである。本書のままでは、二人はホモセクシャルになってしまう。これだけの分量を費やして、ホモを描きましたじゃお話にならない。後の作品に見られるように、何か社会的テーマを対象にすると、作者の精緻な文章が生きるようである。 大陸に賭ける二人の夢も、本書では萎んでしまうなぁ。 | ||||
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嫉妬しました。何で男ってこんなに熱っぽく縛られずに生きられるんだろう。なりふり構わず燃え尽きるように、っていうのはやはり女の我が身には難しい。どうしても守ろうとしてしまう。地に根を張ろうとしてしまう。これじゃ大陸に行けません。くすん・・・。謀略、抗いがたい巨大な力、陰謀。そんな生臭くどろりとしたものの中心で、李歐と一彰の友情・・・いや、友情なんて陳腐だ。魂の共鳴?がいつまでも、本当にいつまでもけっして汚れず水晶みたいに光っている。「ああ李歐は生きている」魂を震わせながら一彰が零した言葉が印象的でした。自分はここまで誰かの生存を歓喜したことがあったろうか?ありません。ないからこそ、二人の絆が本当に美しく見える。泣けてくるくらいに美しい。それと、二人を囲む黒い影の中に点在している人々の人生のきらめきも 美しい。様々な命を懸けた人生が交差して、ぶつかり合い、きらめきを放つ。どんなに些細な役どころの人間の人生を取っても、その「生き抜き方」に感嘆の息を漏らしてしまう。愛しくて胸が苦しくなってしまう。覚悟を持った人生は、とことん生き抜いた人生は、こうまで美しく光るものかと思う。 それに桜の描き方も秀逸だ。日本人にとっては特別な花の桜の魔力を、希望を、ここまで相応しく使った物語を私は知らない。最後に一彰と李歐が再会する、桜に囲まれた村が目を閉じると浮かんでくる。それは夢の世界だ。読者にはけして辿り着けない、美しい夢だ。 本の最後のページを閉じた後、想わずにはいられない。一彰のそれから。李歐のそれから。きっと笑い合うんだろう二人のそれからを思うだけで、切ない幸福を感じる。この幸福。これがこの本を読んで得た一番の宝物だ。 | ||||
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主人公があまり動かなく、感情の動きが薄いので、展開も派手ではないです。その分サイドキャラはどれも味があっていいと思います。描写が独特なので、このねちっこさに耐えられるかどうかで好き嫌いが決まると思います。分厚いので。 | ||||
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李欧と一彰が色っぽい。作者の文章は、基本的に"へたうま"すれすれに硬いのだが、時折ぞくりと下半身にくるような凄絶な描写がある。 その瞬間を求めて、分厚い作品をせっせと読んでしまうのだ。『我が手に拳銃を』を読んでから読んだので、作者の成長とも言うべきものが感じられて興味深かった。 | ||||
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男が男に惚れる? う~~~~ん 最後まで理解できませんでした。 とことんまでディテールにこだわる高村節は健在でいいんですが、 主人公のオトコの行動の動機が、「オトコのために」なのですから、 違和感が付きまとって離れません。一言、「楽しめませんでした。」 | ||||
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高村薫作品では一番心に残っています。 同著者の「わが手に拳銃を」をベースとしています。 が、両作品を比べる必要はないでしょう。 別物です。 そしてどちらも酔わせてくれる良い作品です。表紙の華やかさと内容のギャップもまたよし。 あまりにもファンの間には知れ渡っている李歐の 「惚れたって言えよ」 ですが、それ以上に惹かれる言葉が作品の中にはたくさんあります。 | ||||
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誤解を恐れずに言えば、高村作品には定型がある。自らか、または誰かがでもやっぱり自ずと、外へ出る扉をひとつひとつ閉じていくような閉塞感の中で、犠牲か放棄でしか生きれない男達。潔いというか、どうせいつかたどり着くならと駆け足で絶望に向う男達の物語。 それでもこの李欧だけは一片の希望を垣間見させてくれる、珍しい作品と言えると思う。密輸拳銃を盗む時の声を上げたくなるようなスリルな展開ももちろんあるけども、李欧の圧倒的な立体感ある一声、一声がすごい!閉じていたドアを軽々と開け、『こっちへ来い』と言う。 李欧が誘う大陸は、絶望の果てにある男の理想郷に見えてしょうがない。 | ||||
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まず、私はこの作品の下敷きとなった『わが手に拳銃を』を読んでいない。よって、それとの比較ができない。大学生であった一彰と、殺し屋であった李歐の出会いから始まる運命をたどっていく物語。 この物語で最も深く感じたのが、それぞれの持つ人間模様。一彰の李歐に対する思いが話の中心に座っているのは勿論であるが、一彰への償いを心へと秘める守山、暴力団組長であり一彰を「飼う」という原口、様々な方向へ転がりながらも李歐に惹かれていく笹倉、敵対する立場でありながらも一彰らを見守ってきた田丸、そして敦子、房子、咲子などといった女性たち・・・。それらが幾重にも重なって重厚な物語を作り上げている。 くどいと言えるくらいの心理描写や思い出話、裏社会といったどちらかと言うと暗い、色褪せた雰囲気の物語と、物語のキーポイントに必ず表れる桜の色彩の対照的なイメージが実に鮮明に映った。素晴らしい作品だと思う。 | ||||
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私は高村作品の中では『李歐』が一番好き。 何と言っても文章の描写が際立って美しく、装丁も帯のキャッチも心惹かれるものがあります。 『わが手に~』と比べると、より李歐の美しさ、人を惹きつける魅力がクローズアップされた展開になっています。激しい展開や李歐の男らしさは薄れたものの、こんな穏やかな(?)二人もいいかな~などと思ってしまうのは高村作品のハードな世界に慣れすぎ!?カモ。 友達にこの本を勧めると拳銃ネタが多いせいか「ハードボイルドもの好きだねぇ」と言われてしまいますが、そんな言葉で割り切れない奥深い作品ですよ。 ぜひ主人公と共に、李歐の魅力に魅了されてみてください。 | ||||
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「李歐」を先に「わが手に拳銃を」を後に読みました。かなり設定が異なっており、死ぬ人間、死に方のみならず一彰、李歐の性格も変化があります。李歐は「わが手に~」より大人でやり手。茶目っ気はあるが只のワルではない。 チンピラ度は低め。大風呂敷の有言実行は前作同様変わらず。(笑)一彰は「わが手に~」よりずっと一般人っぽい。積極性に欠け思い悩む事が多いが人間らしい。話の筋がしっかりとしています。何より、一彰の感情表現がくどいまでの描写(といわれてしまっていますが・・・)でしっかりと読者に伝わってくる。只李歐の魅力に狂うだけでは無く、そのハザマでしっかりと現実を見詰めようとするカズくんの姿はよく書ききれていると思います。一方、李歐は意外と出番が少ない。少ないだけに発言にも重みがあり、読者にも心配をかける。「李歐は今どこに?」人伝に入ってくる情報にイチイチ胸を痛め一彰とシンクロして一喜一憂するのは読んでいてツライかもしれませんね。桜の花の美しい描写と機械工場の無骨な取り合わせのアンバランスが美しい。二転三転して、最後の最後・・・暖かな安心感と共に読者を巻き込んで15年の旅が終わった寂しさで一杯になるラスト。必見です。前作の二人も好きでしたが、偶にはこういう終わり方も良いのでは?高村さんらしくないですが、この一冊の陶酔に★を五つ捧げます。出来れば、未読の方は、荒削りだけど話の展開に力のある「わが手に~」もお手にとってみてください。どちらが気に入るかは、その人次第かと思います。 | ||||
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