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李歐
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李歐の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.35pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全8件 1~8 1/1ページ
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上梓されたばかりの頃に一度読んでいますが、もう一度読みたくなって手に取りました。 レビューが多いので、今更私の感想を書くのもなんですが、高評価があまりにも多いので少し 辛口をと思います。 初読の感想は主人公の同性愛傾向に驚き(一昔前ですから)町工場と空を覆う桜と、幻のような 中国系美青年の印象が強いだけでしたが、今回読み直してみて、改めて高村さんの他の作品との 類似に原点を見る思いでした。 母親譲りの美貌で背の高い青年が、破滅願望でもあるのか、高学歴なのにそれを棒に振るかのような 振る舞いをしてドロップアウトしていく。母親に対する複雑な思いからか、選ぶ女は趣味が悪いの一言。 そして女を捨てるか、女に捨てられる。それから女々しい。 「晴子情歌」「新リア王」の彰之と良く似ています。名前の漢字も一文字同じですし。 登場する女性は業が深そうな人ばかり。高村さんは女が嫌いなのではないかと邪推しています。 中国共産党とアメリカ情報部の暗躍も、笹倉や公安の刑事からの伝聞のみで、絵空事のよう。 それはまあ小説ですし、仕方ないかも知れませんが。底が浅いような気がしました。 このあたりは「リヴィエラを撃て」の諜報合戦の様子と重なります。 最後に日本を去って、幼い男の子を外国で育てるのはリヴィエラと同じ。 結局、作者の書きたいものはいつまでも一つで、男性の好みも変わらない。 評価が高いのは、高村さん好みの美青年二人が魅力的で女性の読者にうけているからでしょうね。 ごめんなさい。水を差すような意見で。初めて読んだ時はおもしろかったんです。 きっと私が年を取ったんでしょう。 | ||||
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文章が読みやすく、次の展開も気になるのでスラスラ読めます。工場での作業とか拳銃については興味ないので読み飛ばしましたが。。 李欧と一彰の関係は、そうだったら格好いいな、ロマンがあるなという願望的な気持ちから、受け入れることができました。 李欧は、クソみたいな裏社会に生き、それでも一種の純粋さと楽観さが同居してる。それってカッコいい! でも、笹倉が李欧に惚れ込んで、李欧のために人生を捧げる理由がピンと来ません。違和感がある。 裏社会で生きてきた、非情で利己的な人間が、腕まで切るか?誰も人質にとられてないし、何の弱味も握られてないのに?しかも、自分は李欧に恨みがあるのに? 男ってねちっこくて、執拗に仕返ししそうなイメージあるのにな~と。 でも、まずまず面白いです。 読んで損ナシです~ | ||||
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初めて高村薫さんの小説を読みました。知人の薦めによるものですが、読み終えてやはり人により好みがあるんだと実感しました。 工場での作業や拳銃の細部に関する描写は、本当に凄いと思いますが、興味がなければ読み飛ばしてしまいます。 そう言う意味で好みがあると感じました。 また、男性が友情や夢を全うするのはとても浪漫ですが、それに関わった女性達が本当に哀れだな〜と思いました。 女性の立場としてはいたたまれない気持ちになりました。 と言う意味で、作品としては素晴らしいのですが、好みとしては☆3つにさせていただきました。 高村薫さん自身がコメントされているように、阪神淡路大震災を経験後は作風が変わったそうですので、 私などは、「晴子情歌」などを読めば良いのかな〜と思っています。小説のうまさは変わらないと思いますので。 | ||||
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男と男の儚く、そして美しい運命的な友情のお話。 でも、わたしは正直そこまで没頭できなかった。 一彰が李歐に魅かれたのは、丁寧な心理描写のために、まだ理解できます。 でも李歐の方は、なぜにある意味平凡な若者の一彰に、そんなに魅かれたんでしょう? 20年近く変わらず思い続けられるほどのもんだろうかと思ってしまう。 それが運命的な出会いだったからと言われれば、それまでなんですが・・・。 李歐については感情移入できないというか、あんまり好感が持てなかった。 もちろん、その掴みどころのなさとか、茶目っけとか、有言実行とか魅力的なのは解るんですが・・・。 一彰の心理描写は印象的で、わたしは好きです。 情に流されそうな時、ばっさり否定の言葉でそれを押し殺したり、肯定と否定が180度交錯する、その脈絡のなさが人間らしくていい。 二面性っていうのかな。 その辺は絶品でした。 でもな、わたしはやっぱり女なので、この2人の男の壮大なロマンと友情に身勝手さを感じてしまう。 ただただ美しいとは思えなかったです。 桜の描写や、ラストの広大な大陸の感じはよかった。 後味のいい終わりでした。 総合的に考えて、わたし的には☆3で。 | ||||
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心が凍り付くような残忍性を持ちながら、最後には理想を達成してしまう李歐さま、かっこよすぎて、ありえないでしょうと思いながらも 彼に惚れてしまった主人公と同じ気持ちになりながら、一気に読んでしまいました。 | ||||
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高村薫ならではの"これでもか"という人物描写・心理描写が物語に深みを、李歐の存在が物語に広がりを持たせて、一見平凡な機械工の人生が非常に壮大でロマンチック。 ただ李歐のカリスマ性に疑問が残る(致命的)のと、ラストが以外に平凡なので☆3。 | ||||
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本作に関しては、現実感が感じられず、それゆえの物語から受ける説得力もなかった。男同士の友情というか愛についての物語。そもそも李歐の存在が理解できない。そんな男そもそもいないだろ。そこが最大のネック。また主人公についてもなんでそんなにモテまくりなの。男からも女からも。そしてそこに冒険物語が流れている。あー付いていけませんでした。途中で出てくる中国語や漢詩についても物語を深める役回りどころか、読む気をなくしてしまいます。大阪の町工場に咲く桜から広がって、各人が自分の桜を持っている。そしてその桜を咲かせるために集まる男達。大きな流れはさすが高村薫。ただただ、枝葉で上手く物語りに入り込めませんでした。 | ||||
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文庫化に当たってだいぶ加筆されたようだ。簡単に言えば、数十年に渡る男と男の友情を描いた物語なのだが、話が漠然としていすぎる。元々、二人の友情のキッカケが何だったのか判然としないのが致命的。ウラで拳銃作りに精を出す青年と、大悪人を目指す李歐。どこに接点があると言うのか。一目惚れですかね。 女流作家に良くある傾向なのだが、男と男との友情を誤解しているのである。本書のままでは、二人はホモセクシャルになってしまう。これだけの分量を費やして、ホモを描きましたじゃお話にならない。後の作品に見られるように、何か社会的テーマを対象にすると、作者の精緻な文章が生きるようである。 大陸に賭ける二人の夢も、本書では萎んでしまうなぁ。 | ||||
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