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李歐



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【この小説が収録されている参考書籍】
李歐 (講談社文庫)

李歐の評価: 4.35/5点 レビュー 72件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点4.35pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全72件 21~40 2/4ページ
No.52:
(5pt)

大陸の匂い。

李鷗は、わたしのバイブルです。
十何年ぶりかに読み直したら、やっぱり
よかったです。
わたしは、我が手に拳銃を、のリオウより
こちらの李鷗の方が顔が見えて好き。
李歐 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:李歐 (講談社文庫)より
4062630117
No.51:
(5pt)

ハードボイルドだけど女性受けが良さそう

銃と李歐の魅力に取り付かれた男の人生。 男同士の友情というよりもなにやら深い愛情にも通じるつながりと、そんな男が同じように・しかし確かめるように家族を愛する描写がすばらしい。 子供のころのエピソード、細かな描写も一級。 銃についての話にはちょっと興味がもてないが、高村薫はやっぱりすごいと思う。 ハードボイルドな内容ではあるのだが、この話は男性はあんまりはまらないのでは?と思うストーリーではある。
李歐 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:李歐 (講談社文庫)より
4062630117
No.50:
(5pt)

どちらも素晴らしい!

我が手に拳銃を、を読んでからこちらの李歐を読みました。物語は原作が完全に解体されて結末含めてまったく違うものになっています。特に物語のキーマンである笹倉の扱いが全く違う(笑)。
『我が手に…』のほうが疾走感があって高村薫自身の若さが感じられるかな。
こちらの作品では咲子をはじめとする女性の心理描写が女性ならではの感覚で巧みに表現されているのも、高村作品には珍しいかもしれません。
『我が手に…』と『李歐』、2冊読み較べることをオススメします。
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4062630117
No.49:
(5pt)

大陸が憧れの地であったころ

年配というほどではありませんが、一回り以上年上の方とお話する折、狭い日本の中にいてはだめだ、大陸は広い、というニュアンスに出会うことがままあります。
日本は確かに広い国ではありませんが、日本との対比に「大陸」が出てくるニュアンスが、井の中の蛙の私にはいまいちピンとこなかったのです。
中国との関係が日々デリケートになっていく昨今では猶更です。

初めてこの本を読んだのがいつごろか記憶が定かでないですが、その際はただただ物語のスケール感と重いストーリーに翻弄されたような覚えがあります。
三十を過ぎて読み返したとき、そこに私の見たことのない「あこがれの大陸」がまざまざと描き出されていることに気づきました。この物語が書かれたころ、日本人の心の中にまだ「大陸」という夢の地があったのでしょうか。

主軸となるのは、拳銃に魅入られた男たちの物語。
主人公の目に映る空虚な大学生活、先の見えない情事、うらぶれた町工場、酒と煙で濁った夜の街など、湿気を帯びて薄暗い日本の暗部が執拗に描かれています。
陰湿ともいえる日常の描写に対して、対照的に描かれるアジアの密林や、中国の広大な大地の描写は生命力に溢れ、そのコントラストに引き込まれます。
影の道を粛々と歩む主人公の憧れを体現しつつ、主人公の半身でもある「李歐」の妖艶な魅力はじわりと後を引きます。

高村薫さんの文章が苦手という方…近年の作品と比べるとずっと読みやすいです。これを読まずにおくのは惜しい。

自由への渇望、愛するものを想い身を焼く焦燥を体感させてくれます。
読後、穏やかな時代に生まれ衝動に突き動かされることも少ない自分がなにやら恨めしくなる危険な作品です。
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4062630117
No.48:
(5pt)

面白い!

高村薫さんの世界観にひきこまれました。
ほかの本もぜひ読みたいです。
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4062630117
No.47:
(4pt)

面白かったがやや不満も

登場する多くの人物にちゃんとしたストーリーが用意されているので、
世界観の構築という点では圧巻的といえる
だがその反面、話の中心であるべき李歐に対するページの分量が他の田丸や守山といった人物に
比べてそこまで多いというわけでもないので、終盤までやや影が薄かったのが残念
主人公の銃好き設定も生かされていない訳ではないが、やはりある程度ドンパチして欲しかった
サスペンス要素も序盤と終盤しかなく、全編通してそういったものを期待して読むとややだれるだろう
急速なサスペンスではなくじっくりと腰の下ろした一人の人生を綴った物語と読むなら
傑作といえるのではないだろうか
ただもうちょっと主人公と李歐が一緒に居る期間を長くして欲しかった
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4062630117
No.46:
(4pt)

読み易い

「黄金を抱いて飛べ」の映画を見たら、久しぶりに高村薫を読みたくなった。
初期の作品は、男性のように硬質な文体で読みずらい印象だったけど、これは意外にすらすら読めた。
大阪の町工場、在日朝鮮人や不法滞在の外国人、キリスト教教会、イケメン殺し屋や何やら同性愛的世界
と高村ワールド全開。「マークスの山」や「レディジョーカー」よりは軽く読めてラストは残酷だが、少
しは希望が持てる。ここ最近のライフワーク的「晴子情歌」や「新リア王」も敷居が高かかったが読んで
みたくなった。
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No.45:
(5pt)

余韻が残る傑作

再読したが、読んだ時の精神状態が、前回とちがったのか、2度目は、話しの中にのめり込んでしまった、改めて、著者の力量に、感心させられた、
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4062630117
No.44:
(4pt)

好きだけど

高村薫の世界観は好きだが、学のない自分には正直読みにくい作品が多い。
その中でもこの作品は心をつかむ。
大陸への憧れ
言葉にできない思い
なぜか心をつかむ描写が多い魅力的な作品。
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4062630117
No.43:
(5pt)

李歐のスケールのでかさ!

とにかく、作者は女性なの?と思うほど、ディテールが細かい。
機械工の主人公一彰の性格を裏付けるためかもしれないが。
機械仕事、拳銃、そんな物理的なことが緻密に書かれていて、
読んでいて、正直疲れた。けど嫌じゃなかった。

そして飛び交う北京語と韓国語。

李歐と一彰の物語なのだが、
李歐はほとんど人から、彼の歴史が語られる。
なかなか再開しない二人にじれったく感じてしまう。
作者に心掴まれてしまってるな・・・。
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4062630117
No.42:
(3pt)

男性にとっては大団円ですが。

初めて高村薫さんの小説を読みました。知人の薦めによるものですが、読み終えてやはり人により好みがあるんだと実感しました。
工場での作業や拳銃の細部に関する描写は、本当に凄いと思いますが、興味がなければ読み飛ばしてしまいます。
そう言う意味で好みがあると感じました。
また、男性が友情や夢を全うするのはとても浪漫ですが、それに関わった女性達が本当に哀れだな〜と思いました。
女性の立場としてはいたたまれない気持ちになりました。
と言う意味で、作品としては素晴らしいのですが、好みとしては☆3つにさせていただきました。

高村薫さん自身がコメントされているように、阪神淡路大震災を経験後は作風が変わったそうですので、
私などは、「晴子情歌」などを読めば良いのかな〜と思っています。小説のうまさは変わらないと思いますので。
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4062630117
No.41:
(3pt)

男のロマンだなぁ。

男と男の儚く、そして美しい運命的な友情のお話。
でも、わたしは正直そこまで没頭できなかった。

一彰が李歐に魅かれたのは、丁寧な心理描写のために、まだ理解できます。
でも李歐の方は、なぜにある意味平凡な若者の一彰に、そんなに魅かれたんでしょう?
20年近く変わらず思い続けられるほどのもんだろうかと思ってしまう。
それが運命的な出会いだったからと言われれば、それまでなんですが・・・。

李歐については感情移入できないというか、あんまり好感が持てなかった。
もちろん、その掴みどころのなさとか、茶目っけとか、有言実行とか魅力的なのは解るんですが・・・。

一彰の心理描写は印象的で、わたしは好きです。
情に流されそうな時、ばっさり否定の言葉でそれを押し殺したり、肯定と否定が180度交錯する、その脈絡のなさが人間らしくていい。
二面性っていうのかな。
その辺は絶品でした。

でもな、わたしはやっぱり女なので、この2人の男の壮大なロマンと友情に身勝手さを感じてしまう。
ただただ美しいとは思えなかったです。

桜の描写や、ラストの広大な大陸の感じはよかった。
後味のいい終わりでした。

総合的に考えて、わたし的には☆3で。
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4062630117
No.40:
(5pt)

何度でも読み返したい

高村作品の中では最も気に入っている「李歐」。珍しく未来が広がるラストだという事もあるが、波乱万丈な人生の中で起こる一つ一つの出来事を、腹に落として前に進もうとする強さや潔さが好きなのかもしれない。
それにしても、高村作品の登場人物はきれい好きだ。毎日スニーカーを洗う男、爪を磨く男、食後に食器だけでなく食卓と流し台まで拭き上げる男。同性間の愛情を表現するには清潔感が必須という事なのか?
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4062630117
No.39:
(5pt)

 「え〜でも〜結局小説でしょ〜?」 とは言いきれない、巧さ!

以前から、高村薫の小説に興味があり、遅ればせながら今年読みました。

「マークスの山」などは、映画で観ましたが、イマイチでそれほどな作家でもないのかなと、
読まず嫌いだったのが、「李歐」を読み進むうちにそれを大反省させられることになりました。

今まで、ハードボイルド小説といえば「野獣死すべし」ぐらいしか、知らなかったので、
今回のこの本で、あらためて”本格スパイ小説?”に脳髄をやられたというか・・・。

「李歐」には、さまざまな社会問題が、詰み込まれているのですが、それを骨太なストーリーに
無理なく織り交ぜています。

例えば”貧困”、”離婚”、”同性愛”、”麻薬”などですが、これらを作家の視点、庶民の視点で、
切れ味するどく切り込んでいて、それがまた難しいというのではなく、
むしろ「ああ、こんな生き方もあるのか・・・」と思えてきます。

舞台は大阪の下町で、時代背景は’70〜’80年代でしょうか。

一彰の平凡な大学生活から始まり、バーテンダーのバイトでの銃撃事件から、急速に物語りは進み・・・
ここからは、ジェットコースターさながらに休むことなく、印象的なシーンの連続で圧巻です。

李歐を待ち続ける一彰は、咲子と結婚し、息子もいるのに李歐を忘れられません。
ただ、それほど男が男を愛せるか?と疑問も沸いたりしました。

そのあと、「ああ、これは小説だったんだ・・・」と、本気になっている自分にハッとさせられます。

・・・なにがいいたいのかといえば、それだけ巧いのです。文章も筋も細部のエピソードの積み重ねも。

1冊読んだばかりなので、偉そうにはいえませんが、高村薫の巧さは現代の小説家では、
やはりトップクラスなのでしょう。

他の小説も評価が高いのですから、ぜひ読みたいです。
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4062630117
No.38:
(5pt)

李欧に会いたくなりました。

高村薫さんの本を久しぶりに読みたくなって、
この本を買いました。
雑事を片付けて、読み始めればやっぱり
引き込まれます。
この人の文章は工場が舞台になる事が多く、
男の人の文章か?と思うほど機械に詳しい
記述が延々と続いたりします。
別の本『照柿』では旋盤を使った微細な
過程を長々と読まされて嫌気がさした
こともありますが、文章の切れの良さは
こういう辛さを差し引いても余りある
面白さです。
この物語の一方の主人公である李欧は魅力の
ある人物に描かれています。
もう一方の主人公吉田一彰はこの李欧に
男の魅力を感じます。
同性愛のような輝きをもって描かれて
います。男がオトコに恋をする。
李欧は一彰に言います。
『惚れたっていえよ!』

この二人は
お互いに22歳の頃に同じ工場の宿舎で
すれ違いながら、ほんのひととき暮らします。
拳銃、麻薬、人殺し、テロ、マネーロンダリング
など、危ない稼業を余儀なくするはめに
陥り、警察にいつも見張られるという生活を
するのですが、この作家には珍しく
明るい、明るい未来の生活が描かれて、
ほお〜っと心が浮き立ちました。

私もこんな風に人性が終わったらいいな
と思ってしまいました。

この話の真ん中に一本の桜が基軸に
あって、全てのお話や登場人物に
この桜が濃厚に影響しています。
桜は日本人にとっては欠かせない木であり、
生活の節目ふしめに色を添える木ですが、
李欧にとっても、大切な木になっています。

『黒竜江省に土地を用意した。・・・
ハルピンとチチハルの間の何もない
草原と砂漠だ。
河岸の湿地に桜の苗木を千本植えた。
来年も、再来年も植えよう。』

私もこの李欧に会いたい。
この作家が描く人物には魅了されます。
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4062630117
No.37:
(5pt)

冷たく、そして静かなる官能

高村薫さんの作品を初めて読んだ。
友人に勧められて、桜の季節に読み始めたのだが、これが大正解だった。
現実での桜の美しさとリンクしていく小説世界の美しさ。
一彰と李歐の、ストイックとも言える、官能的な関係。
夜の闇に舞う、李歐の美しさ・・・・。
これから毎年、桜が散る様を見ると、その下で舞う李歐の姿が脳裏に甦ることだろう。
そして、私を虜にしたのは、表現の美しさ。
硬質で重く、冷たい。まさに黒鋼のような描写のはずなのに、
信じられないくらい官能的なのは何故なのだろう。
そこかしこに脳みそを痺れさせるほど美しい描写が鏤められていて、
非常に贅沢な官能を味わえる。
だが、官能、といっても直接的な描写は一切存在しないのでここで断わっておく。
そういう期待をもって読む小説ではないので。

とにかく、描写の美しさが素晴らしい。これに尽きる。
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4062630117
No.36:
(5pt)

生きてやる

生きることが嫌になり
なんで私ばかりと
身に降りかかった不幸
必要とされていない自分の存在に
ため息ばかりついていた頃
生かされている自分の命さえ疎ましく
どうせいつかは死んじゃうんだから
以前いつか読もうと考えていた本でも読んでみるかと
投げやりな気持ちでたまたまこの本を手に取った 

本でお腹は満たされない
本でのどの渇きは止まらない
本で傷ついた体は治らない
本で死んだ人は生き返らない

だけど
生きてやる生きていきたいという力を
もしかしたらくれる本がある

くやしい
生きてやる
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4062630117
No.35:
(5pt)

五千本の桜で…

百本の薔薇ならぬ五千本の桜でプロポーズ…。
ライトノベルかBLかハーレクインか悩ましい。
ハードボイルドだった『わが手に拳銃を』の
方が好きですが、別物と思えば面白いです。
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4062630117
No.34:
(5pt)

何度も読み返しました

「わが手に拳銃を」も高村薫作品も全く読んだことがなく、この本を読みました。
後半部分からは、色々なことで胸がいっぱいになり、涙がとまりませんでした。
こんなに涙をこぼしながら本を読んだことが無いぐらいに。
李歐の魅力もさながら、一彰の冷めた気持ちを持ちつつも、どこか素直な優しさを感じる部分の描写に、感銘を受けました。
李歐もかっこいいと思いますが、一彰もきっとモテオーラがでてるんだろうなぁ、と個人的に感じました(笑)
李歐 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:李歐 (講談社文庫)より
4062630117
No.33:
(1pt)

『わが手に拳銃を』と読み比べてみました

わが手に拳銃をから七年経って書き換えられたのが本作です。作家が若書きの小説を下敷きにして新たな作品を書くということは珍しくありませんが、七年というのは比較的短いし、しかも長編を下敷きにして同じくらいの長さのものを書くというのは稀ではないでしょうか。その意味でも興味深く、二作まとめて読みました。

『わが手に』の中で第二のテーマあるいは通奏低音として仄めかされていた吉田一彰と李歐の同性愛的関係は、本作ではむしろ主題として表に出てきます。ただし、一彰がいかに強く李歐に惹かれているかということは丁寧に記述されるのに、問題の李歐がどんな顔かたちをしているどんな男なのか、その魅力も含めて、読者にはどうもイメージし難いところがあります。

全体を通して言えば、語りのロジックは『わが手に』よりよく考えられており、一彰の幼少期のいきさつが丁寧に描写されることで人物像の一貫性もあり、そういう意味では一見、読みやすくなっています。しかし『わが手に』の所々にあるヒリヒリした緊張感を孕んだ描写や、様々な矛盾を内に抱えた存在としての一彰という人物の魅力が本作では失われてしまっているし、なにより、幸福を約束されたユートピアである櫻花屯のラストは、青春の夢というより中年の求める幸福像でしょう。七年での書き換えは短いと書きましたが、しかしもしかしたらこの七年の間に、高村薫という人の青春の記憶は失われたのかも知れないとも思いました。
李歐 (講談社文庫)Amazon書評・レビュー:李歐 (講談社文庫)より
4062630117

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