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本陣殺人事件
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本陣殺人事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全65件 61~65 4/4ページ
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角川文庫新版を購入し、旧版にあった「解説」が無くなっていることに気づき唖然とする。旧版の「解説」では、大坪直行氏がこの小説の誕生背景を語ってくれていた。正史が岡山県吉備郡岡田村に疎開し、敗戦後直ちに執筆活動を開始したこと等。更に正史自身、『金田一耕助のモノローグ』(角川文庫)で、詳細に疎開前、疎開後、敗戦後の生活を具体的に語っている。が、この書も現在では古本屋でしか入手困難となっている。正史が、疎開前に既に本格的探偵小説の構想があり、瀬戸内海の島々を射程に入れており、岡田村に疎開した時、戦争絶対反対者であり、戦争協力せざるを得ない窮地時は青酸カリ服用・「家族無理心中」の覚悟をしていたこと、玉音放送を聞いた瞬間「さあ、これからだ!」と内心叫び、直ちに、執筆の準備を開始、執筆時は言葉があふれんばかりであったこと。岡田村界隈の探偵小説大好きインテリが情報を提供し、共同作品の様相。上京せず、岡田村発の作品を発表、まさしく日本国で「超然と孤立していた」と語る。この勢いが『本陣』では、見事にでている。伏せ字が伏せ字で無く読める近辺で生活している者達は有り難いやら得意であったり。尚、吉備郡は消失し(平成17年)、岡田村は真備町を経由して倉敷市に位置づけられている。 | ||||
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さすがに日本ミステリーの最高峰とか、言われてるだけのことはあります。凄い密室トリックです。こんな上手くいくのかなぁとは思うけど、現実で実行可能かは分からないしそんなの論外で、要は机上で論理的に解決されれば、本格ミステリーは上上なわけで。その辺は島田掃除のトリックに共通するのではないでしょうか。琴糸であるとか、日本刀であるとか、日本屋敷、そして本陣のある某村であるとか、、、昭和前期の雰囲気がとてもよく出てますんで、いいですね。それにしても、3本指のオヤジさんが、とても可哀想です・・。こんなとこ来なけりゃ良かったのにね(笑 残りの車井戸と黒猫亭も、かなりのレベルではないでしょうか。3編は横溝さんの黎明期のころのものらしいですが、さすがに完成度が凄いです。同時期に執筆されたという金田一ではないけど、蝶々事件がまだ未読なので、早く読みたいと思ってます! | ||||
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氏の戦後長編の中では若干評価を下げさせて頂きました。初めて読んだ中学生時、改めて読み返した現代に於いても密室トリックに不自然性と非現実性を感じてしまいます。犯行動機に到っては、おそらく現代ミステリーばかり読んでいる人には理解不能かもしれません。但し本作は、戦後本格推理小説の嚆矢的重要作であり、著者は本作以降、奇跡的勢いで傑作長編を残していきます。本書を最初に読んで、疑問符を感じた読者も続く「獄門」「犬神」「手毬歌」を読んで頂ければ、何故に未だに読み継がれているのかがお解りいただけると思います。あえて金田一初登場作から読む必然性は無いので高評価の「獄門島」等から著者の作に触れてみてはいかがでしょうか。併載の「車井戸」は短編ながら良く出来た佳作。 | ||||
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当時の日本の社会的な背景,日本的なモノを使った密室トリック,動機等々,どれをとっても和風な仕上がりなのに何故か洋物ミステリを日本風に置き換えたバタ臭い印象がぬぐえないのは,作者の初期の作品だからか?丁寧に書かれており、さらに真相の意外性という意味ではかなりの出来.読んでも決して損するようなことはない. | ||||
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金田一耕助初登場、いかにも日本的な密室、で有名な作品です。また、戦後まもなく書かれ、紙が不自由だったための中編。長編だったらもっととんでもない傑作になっていただろうことはよく言われています。が、果たしてそうでしょうか? この作品は、中編だからこそ名作として今まで残ったんじゃないかな。密室のトリックは機械的で味気ないし、いかにもな姿の名探偵もちょっと鼻に付く。今だからこそ、そう思ってしまうのでしょうが。 ただ、恐さ・まがまがしさ・緊張感が最後の最後まで持続しているので、読んでいるとまさに手に汗握るといった感じ。これが何百枚という長編だったら、この緊迫感が最後まで続かなかったのではないでしょうか。「本陣殺人事件」は中編だからよかったという理由です。 戦争の終わりを境に、本格推理を書こうと心機一転した著者の意気込みと、紙の不足という戦後の混乱の中だからこそ生まれた、時代が書かせた傑作といえると思います。 | ||||
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