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本陣殺人事件
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本陣殺人事件の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.29pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全54件 1~20 1/3ページ
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横溝正史の代表作であり、国内ミステリーのベストにも挙げられる傑作。2023年にタイム誌が発表した「ミステリー&スリラー・オールタイムベスト100」にも選ばれていて、世界的にも評価が高い模様だ。既読作だが古典の再読を進めており、数十年ぶりに読むこととした。 本作については、機械的トリックがあまり好きではないこともあり、世間の高評価が少し不思議だった。ただ今回の再読で、このトリックばかり意識していたための誤解だったと痛感した。 あらためて感じたのは、機械的トリック以外の部分も非常に上手く作りこまれていること。展開がスピーディーだし、ドラマ性が高く読んでいて楽しい。金田一がある人物に写真を見せて否定されるシーンなどはとても鮮烈で印象的だ。真犯人の動機についても、かなり説得力があると認識を改めた。叙述トリック要素まで用意されていることにも驚き。 作中に世界のミステリー作家の名前や作品が数多く登場するが、これは著者・横溝正史が今後、世界の名作群に負けないような傑作を書いていくぞという、強い決意表明のように思える。 | ||||
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二百頁弱の中篇「本陣殺人事件」と、百頁前後の短篇「車井戸はなぜ軋(きし)る」「黒猫亭事件」を収めた一冊です。 ★★★ 本陣殺人事件 楽器の琴が活躍する、一柳家(いちやなぎけ)を舞台にした事件の謎を、探偵・金田一耕助が解きます。 密室殺人のからくり仕掛けは、まずまずの妙味。ただ、話そのものはいまいちの出来で、引き込まれるような面白味は感じられませんでした。 ★★★★ 車井戸はなぜ軋る 本位田家(ほんいでんけ)に起きた事件が、事件関係者の手記によって明かされていきます。金田一耕助は、ほんのちょびっとしか出てきません。 事件の複数箇所で、先般読んだ著者の『犬神家の一族』とちょと似ているなあと思いました。まあ、読みごたえは『犬神家の一族』のほうが断然上だけれど。 〝葛の葉屏風(くずのはびょうぶ)〟てのが話の中に出てくるんだけど、個人的にこのアイテムが懐かしかったです。昔、〈横溝島〉て場所で使わせてもらった名前だったので。 ★★★★ 黒猫亭事件 〝黒猫〟て酒場で起きた「顔のない屍体」の謎を、金田一耕助が解き明かす話。 話の中、ひょんなところから我らが探偵・金田一耕助が飛び出してきて、おっ! となりました。 作家の〝Yさん〟て金田一が呼んでるのは、横溝正史のことでしょう。ふたりの間に親しげな空気が漂っているのが嬉しかったっすね。 まあ、そんなにすごい名作じゃないけれど、本書のなかで一番面白かったのはこの短篇かな。金田一耕助からの手紙をYさんが受け取るところから始まる出だしからおしまいまで、すいすいと読んでくことができました。 ないものねだりを言わせていただけば、タイトルにも出てくる〝黒猫〟を、もうちょい、違った形で活躍させてほしかったかなあ。 | ||||
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本書は表題作である「本陣殺人事件」をはじめ、「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の3篇を収録した横溝正史の推理小説。いずれの作品も名探偵・金田一耕助が活躍する。 ●本陣殺人事件 昭和21年、探偵小説専門誌である「宝石」で連載が始まった「本陣殺人事件」は、横溝正史にとって戦後初の長篇推理小説。名探偵・金田一耕助の記念すべきデビュー作である。日本家屋には不向きとされていた密室殺人を戦後初めて描いた作品であり、世間から隔絶された村や呪われた名家、論理的整合性へのこだわりなど、金田一シリーズに共通するスタイルが既に完成されているのには驚かされる。 江戸時代に本陣を努めたほどの名家である一柳家。新婚初夜、雪の積もった離れで新郎新婦が血まみれの惨殺死体となって発見される。現場は日本家屋ながら密室であった。一柳家の周辺では数日前から怪しい三本指の男が目撃されており、三本指の血痕のついた金屏風との関係が疑われる。大切に育てた姪を無惨な形で失った久保銀造は、真相を突き止めるべくアメリカで知り合い面倒を見てきた金田一耕助を呼び寄せるのだった。 本作の舞台は作者の疎開地であった岡山であり、その後何度も金田一とタッグを組むことになる磯川警部も初登場するのがファンとしては嬉しい。岡山編は「獄門島」や「八つ墓村」など名作が多いが、なかでも「本陣殺人事件」は日本初の本格推理小説として高い評価を受けている。不可能犯罪の巨匠ディクスン・カーを敬愛する横溝正史だからこそできた偉業だろう。 <登場人物> 久保銀造 … 渡米し成功した果樹園経営者。一柳家の元小作人。 久保克子 … 銀造が亡兄に代わり大事に育てた姪。女学校教師。 一柳糸子 … 本陣の末裔という威厳と誇りを重んじる刀自。 一柳作衛 … 糸子刀自の夫。日本刀で刃傷沙汰を起こし死亡。 一柳賢蔵 … 糸子の長男。一柳家当主で学者。久保克子と結婚。 一柳妙子 … 糸子の長女。会社員と結婚し上海で暮らしている。 一柳隆二 … 糸子の次男。大阪の病院に勤務している医者。 一柳三郎 … 糸子の三男。兄弟中での不作。探偵小説マニア。 一柳鈴子 … 糸子の次女。虚弱で腺病質だが琴に関しては天才。 一柳良介 … 一柳家の分家の主人。賢蔵らの従兄弟。 一柳隼人 … 良介の父。軍役中に日本刀で割腹自殺した。 一柳秋子 … 良介の妻。平凡な女で子供が三人いる。 お直 … 一柳家の老下女。三本指の男から紙片を受け取る。 お清 … 一柳家の女中。 源七 … 一柳家の作男。良介と離家の雨戸を斧で叩き破った。 周吉 … 一柳家の小作。毎朝水車小屋へ米搗きに来る。 伊兵衛 … 川―村に住む老人。一柳賢蔵の大叔父。毒舌。 お冬 … どこかの島で一柳賢蔵が出会った琴を弾く女性。故人。 田口要助 … 一柳家の近所に住む百姓。三本指の男を目撃。 妹尾 … 保険会社の代理店をやっている男。 白木静子 … 久保克子が勤めていた女学校の教師で親友。 田谷照三 … 久保克子とかつて交際していた怪しい男。 清水京吉 … 右手が三本指の男。右頬に大きな傷跡がある。 木村刑事 … 久―村へ清水京吉のことを調べに行った刑事。 磯川警部 … 岡山県警の古狸。金田一耕助と初めて出会う。 金田一耕助 … 久保銀造が面倒をみている雀の巣頭の名探偵。 ●車井戸はなぜ軋る 「車井戸はなぜ軋る」は昭和24年1月「読物春秋」増刊号に発表されたものを、6年後に単行本化する際、金田一の登場部分が加筆された作品。そのため、本作は探偵役である本位田鶴代の手記を読み進める形で進行し、金田一耕助は最初と最後にそれぞれワンポイントで登場するのみである。 本位田家・秋月家・小野家という3つの旧家が登場し、前時代的な確執のなか起こる殺人事件。腹違いの兄弟が戦争で入れ替わるという「犬神家の一族」と似た設定ながら、異なる結末を迎える点が面白い。本人確認のために奉納手形を使うのはその後の作品と共通しているが、本作では二重瞳孔という特殊な要素も導入されている。真相を看破してもすぐに口外せず、本位田家の老婆が亡くなるのを待つ金田一らしい優しさが素晴らしい余韻を残した。 <登場人物> 本位田弥助 … 維新当時の本位田家当主。伝説の辣腕家。故人。 本位田庄次郎 … 弥助の跡継ぎ。貨殖の道に長けていた。故人。 本位田槇 … 庄次郎の妻。亡夫に代わり本位田家を支え続ける。 本位田大三郎 … 庄次郎の跡継ぎ。二重瞳孔の持ち主。故人。 本位田大助 … 大三郎の長男。戦傷で両目を失い義眼となる。 本位田梨枝 … 大助の妻。伍一と恋仲だったという噂があった。 本位田慎吉 … 大三郎の次男。結核を患い療養所に入っている。 本位田鶴代 … 大三郎の長女。先天性の心臓弁膜症を患う。 お杉 … 本位田家の老下女。奉納手形を取りに行き転落死した。 鹿蔵 … 本位田家の下男。慎吉を診療所まで自転車で送迎する。 秋月善太郎 … 没落した秋月家の当主。井戸に身を投じて死ぬ。 秋月柳 … 善太郎の妻。大三郎との不貞を非難され井戸で自殺。 秋月りん … 善太郎と柳の娘。伍一の姉。本位田家を恨む。 秋月伍一 … 大三郎と柳の息子。大助とは同い年の異母兄弟。 小野宇一郎 … 没落した小野家当主。30年ぶりに神戸から戻る。 小野咲 … 宇一郎の後妻。神戸で酌婦をしていた評判の悪い女。 小野昭治 … 宇一郎と先妻の息子。お咲と喧嘩し家をとび出す。 吉田安 … 南方に行き消息不明だったがビルマで戦死していた。 吉田安 … 安の妻。銀の3つ年上。色白で可愛らしい顔立ち。 吉田銀 … 嫂の加奈江を嫁に貰う。小児麻痺で片脚が軽い跛。 正木 … 一人で歩けない大助を本位田家まで連れてきた復員兵。 田口実 … 崖の下でお杉の死骸を見つけ、本位田家に報らせる。 金田一耕助 … 獄門島からの帰り、事件の再調査を始めた探偵。 ●黒猫亭事件 「黒猫亭事件」は昭和22年12月「小説」に発表された中篇。戦後間もなくの頃、東京近郊のG町にある酒場「黒猫」の裏庭から、顔の判別がつかない女性の腐乱屍体が発見される。また、同じ場所から首がちぎれかかった黒猫の屍体も見つかった。店は一週間前に売られ空き家になっており、男女関係で揉めていたという元経営者夫婦も行方不明。警察はマスターが妻を殺して逃げたと考え行方を追う。 一方、マダムと愛人関係にあった風間俊六から依頼され、事件を調査することになった金田一を待ち受けていたのは、犯人が何重にもしかけた巧妙なトリックだった。本作は横溝正史がいわゆる「顔のない屍体」というテーマに挑戦した作品で、二転三転する推理が楽しめる。 また、本作では金田一が珍しく風間俊六とのくされ縁を語っており、冒頭に出てくる探偵作家・Yが「獄門島」がえりの金田一と初めて出会った時のエピソードも大変おもしろいので、未読の方はぜひご一読いただきたい。 <登場人物> 糸島大伍 … G町銀座にある酒場「黒猫」のマスター。 糸島繁 … 大伍の妻で「黒猫」のマダム。風間俊六の愛人。 お君 … 「黒猫」に住み込みで働いていた若い娘。 加代子 … 「黒猫」で接客をしていた従業員。 珠江 … 「黒猫」で接客をしていた従業員。 日昭 … 崖の上にある蓮華院の老師。中風でほぼ寝たきり。 日兆 … 蓮華院の若い僧。変人で無口だが老師おもい。 桑野鮎子 … 日華ダンスホールのダンサー。糸島大伍の愛人。 小野千代子 … 糸島大伍とともに中国から引き揚げてきた女。 江藤為吉 … 「黒猫」の改造工事を請け負っている大工。 池内省蔵 … 糸島大伍から「黒猫」を譲り受けた経営者。 三宅順平 … 相当の資産を持つ洋画家。松田花子に惚れ結婚。 三宅やす子 … 順平の母。教養の相違より嫁と確執があった。 三宅花子 … やす子刀自を毒殺せんとし、誤って夫を殺し出奔。 松田米造 … 三宅花子の父。深川の大工。 風間俊六 … 土建業・風間組の親分。金田一の同窓でパトロン。 おせつ … 割烹旅館「松月」の女将。風間俊六の愛人。 おちか … 伊勢音頭の万野みたいな「松月」の女中頭。 長谷川巡査 … 東京近郊のG町にある派出所詰めの警察官。 村井刑事 … 署長や司法主任と捜査にあたる所轄の老刑事。 金田一耕助 … よれよれ着物に袴姿の探偵。幽霊を探している。 Y … 探偵作家。疎開先の岡山で金田一と出会い、親交を持つ。 | ||||
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<意表をついて、「車井戸はなぜ軋る」の感想のみ> 初出は昭和24年で、事件は同21年8月の終りからから9月頭にかけてなので、金田一シリーズでは初期の事件にあたるが、なかなか成り立ちは特異である。 というのは、初出時には金田一耕助が登場しないノンシリーズだったのを、昭和30年の時点で彼がタッチした形に書き改められたからである。しかしこれがなかなか物語にいい余韻を与えていて、金田一耕助の事件年表を考えるうえで頭の運動にもなるw K村がどこにあるかは明記されていないが、これはやはり岡山界隈だろう。 犯人が金田一耕助宛てに書いた12/8日付の手紙に、「金田一耕助。……私はこのひとの名を獄門島の事件で知っていた。そのひとが獄門島からのかえりがけ、この土地に立ちよって、事件の再調査に手を染めた」(P.277)とあるが、『ロック』の昭和22年1月号からはじまった『獄門島』の連載第一回を読んで彼の存在を知ったというよりは、あの事件の噂が直接伝わってくるほどの位置に所在すると考えるほうが自然だろう。本位田という苗字が、吉川英治版『宮本武蔵』の本位田又八を想起させることも傍証であるw 本作の次に収録されている『黒猫亭事件』に、獄門島からのかえりがけの耕助が著者をはじめて訪れて、彼に“伝記作家”のお墨付きを与えたのは昭和21年秋の終り頃と記されているから、その後もすぐに東京に向かったのではなく、岡山界隈でうろうろしていたらしい。おそらくは久保銀蔵のところに居候していたのだろうw で、犯人がその時期の耕助の住所をどうやって知ったのかはわからないが、昭和21年12月中旬には手紙を受取ったのだろう。そしてその手紙を含む捜査資料一式を著者に託したと……。 さて事件の内容だが、やはり金田一耕助には、地方の旧家を舞台にした事件がよく似合う。なにやら謎の安心感を感じてしまうくらいだw しかし基本設定が紹介されてゆくに従い、基本設定が少々『犬神家の一族』と似過ぎていることに気がつくだろう。金田一耕助の登場していない原型作品は『犬神家の一族』より早いので、長篇のそちらへプロットを流用したということだ。 そして、それをさらにオマージュして、高木彬光が「湖上に散りぬ」を書いたと……w もちろん発想の元は同じでも、扱いは変えているから問題はないのだが、著者が自嘲したところのコネコネクチャクチャ小説と言ってしまえばそのとおりなんだよな。 しかし繰り返すが、雰囲気はステキ。 | ||||
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ほとんど新品でした。ありがとうございます。 | ||||
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「本陣殺人事件」「車いどはなぜ軋る」「黒猫亭殺人事件」の3作品を収録。どの作品もミステリーによくあるトリックが使われているのだが、古臭さを感じさせずに素直に驚きながら読めた。「本陣殺人事件」の殺人の動機が現代ではもはや動機にはなりえないのが気になったくらい。「黒猫亭殺人事件」のミステリーのトリックを重層的に組み合わせており、終盤でどんどん意外な展開が続くのが面白い。ミステリー作品はこうでなくちゃ!と思わせる。 | ||||
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本陣という由緒ある家柄の屋敷や、日本伝統である琴などが事件において重要な役割を担っており、妖しく浪漫的な魅力を物語にあたえている。その舞台仕立てのおかげでトリックのありきたりさも、割とすんなりと許容することができる。 三本指の男なども、人聞きの情報が伝わるだけで正体の判明は小説のラストまでお預けされており、なんとも不気味であり、その存在が効果的に読者の興味を物語の先へ先へと牽引していく。 短絡で極端とも思われる犯人の動機も、作者が、そこを納得できるような理由づけを、いくつか事前に書きあらわしているので、抵抗なく受け入れることができる。 総体的な評価は大傑作とはいかないまでも傑作であることは間違いないだろう。 | ||||
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数十年ぶりに読み返したが、やはり面白い。 犯人の動機は一見荒唐無稽に見えるが、実は秋葉あたりのアイドル崇拝者などに多い、潔癖妄想と同じ。 決して、非現実的ではない。松田聖子を昔、襲った暴漢と同じ心理だと思う。 | ||||
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「本陣殺人事件」「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の3篇が入っています。私は最初に「獄門島」を読んでしまったのですが、獄門島では「本陣殺人事件で有名な金田一君」ということだったので、年代的にはこっちが先になるんでしょうね、たしかに金田一の若いころの事件ではあるようです。トリックもなるほど面白かったです。機械的トリックの作品としては、手が込んでいて現実性に欠けるところもありますが、何をどう使ったか、その思い付きを推理するのも楽しいですよね。「黒猫亭」で横溝と金田一の邂逅を果たすわけですが、ここで出てくる推理小説の3分類「密室殺人」「一人二役」「顔のわからない死体」のどれかに確かに今までの探偵小説は当てはまってしまいます。それを打ち破ろうとした実験作がこの「黒猫亭」なのですね。なるほど鮮やかに種明かしをされたときは一種爽快感を覚えました。初期の名作集です。お勧めです。 | ||||
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金田一耕助モノ3中篇を収録(「本陣」は中篇でしょうね)。血みどろの怨念の世界を堪能できます。 このカバーの絵は「殺」の一文字ですが、旧版のカバーは杉本一文氏の角川文庫シリーズでは出色の一作。猫と少女のオーバーラップ。1970年代横溝正史リバイバル・ブームの雰囲気が甦ります。 | ||||
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噂に名高い作品だが、未読だったので。 「本陣殺人事件」はトリックは古風だというのに、絵になるというか何というか…現代のミステリとはまた違う味がある。 他の二作品も夢中になって一気読みだった。 | ||||
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中古品だから仕方ないですが、美品ではなかったです。 でもどうしてもこの人の描く横溝正史シリーズはお気に入りです! | ||||
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はっきり言ってケータイの電子書籍に入っているのですが、やっぱり紙で読みたくて買っちゃいました。近くの本屋では売ってない!中途半端な田舎の頼みの綱です。 昔、読んだのですがトリックを忘れてしまいました。ので購入。 | ||||
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good | ||||
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金田一さんが第一作目から冴えた推理を見せてくれて、夢中になって読破しました! | ||||
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密室殺人に挑戦!!名探偵・金田一耕助衝撃のデュー作!! 「……農村に入って見給え、都会では殆ど死滅語となっている『家柄』という言葉が、如何に今なお生き生きと生きているか、そしてそれが如何に万事を支配しているか、諸君は知られるだろう。 今度の敗戦以来の社会の混乱から、さすがに農民諸君も地位や身分や財産などには、以前ほど叩頭(こうとう)しなくなった。 それらは今、大きな音を立てて崩壊しつつあるからである。 しかし家柄は崩壊しない。よい家柄に対する憧憬、敬慕、自負は今なお農民を支配している。 しかも彼らの言うよい家柄とは、優生学や遺伝学的見地から見た、よい血統を意味するのではないらしい………」 岡山県岡―村字山ノ谷―…旧幕自体の参勤交代の折には大名が宿泊したという、地元では由緒ある家系・一柳(いちやなぎ)家で起こった奇怪な殺人事件!! 昭和十二年、一柳家の当主である賢蔵は、小作人出身で財をなした久保銀造の姪・克子と婚礼の日を迎えていた。 人々に祝福され、離れで初夜をすごすことになった新婚夫婦……その深夜、人々は恐ろしい悲鳴と琴の音を聞いた!! 離れの座敷の新床の上には、賢蔵夫婦が血塗れになって倒れていたのである!! そして、犯行現場は、内側から施錠され、雪が降り積もった離れの外側には、犯人の足跡が発見されなかったのである…………… 《解 説》 戦前の探偵小説界では、 「日本家屋は、石造り中心の欧米の建築物と比較すると、隙間が多く開放的だから、密室殺人には向いていない」 というのが、通説とされてきました。 戦争で岡山県に疎開していた横溝正史は、あえてそれに挑戦し、きわめて純日本的な家屋である、「地方の旧家」を舞台にして、密室殺人事件を、鮮やかに描いたのが本作です。 また、後々の映画化ドラマ化などで、日本を代表する名探偵となった、金田一耕助のデビュー作となったのも本作であります。 「密室殺人という不可能犯罪」、 「トリック重視の本格探偵小説」、 或いは、 「あの名探偵の若き姿」 に興味を抱く方に、本作を強く推薦いたします。 | ||||
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密室殺人に挑戦!!名探偵・金田一耕助衝撃のデュー作!! 「……農村に入って見給え、都会では殆ど死滅語となっている『家柄』という言葉が、如何に今なお生き生きと生きているか、そしてそれが如何に万事を支配しているか、諸君は知られるだろう。 今度の敗戦以来の社会の混乱から、さすがに農民諸君も地位や身分や財産などには、以前ほど叩頭(こうとう)しなくなった。 それらは今、大きな音を立てて崩壊しつつあるからである。 しかし家柄は崩壊しない。よい家柄に対する憧憬、敬慕、自負は今なお農民を支配している。 しかも彼らの言うよい家柄とは、優生学や遺伝学的見地から見た、よい血統を意味するのではないらしい・・・」 岡山県岡―村字山ノ谷―…旧幕自体の参勤交代の折には大名が宿泊したという、地元では由緒ある家系・一柳(いちやなぎ)家で起こった奇怪な殺人事件!! 昭和十二年、一柳家の当主である賢蔵は、小作人出身で財をなした久保銀造の姪・克子と婚礼の日を迎えていた。 人々に祝福され、離れで初夜をすごすことになった新婚夫婦……その深夜、人々は恐ろしい悲鳴と琴の音を聞いた!! 離れの座敷の新床の上には、賢蔵夫婦が血塗れになって倒れていたのである!! そして、犯行現場は、内側から施錠され、雪が降り積もった離れの外側には、犯人の足跡が発見されなかったのである・・・・・ 《解 説》 戦前の探偵小説界では、 「日本家屋は、石造り中心の欧米の建築物と比較すると、隙間が多く開放的だから、密室殺人には向いていない」 というのが、通説とされてきました。 戦争で岡山県に疎開していた横溝正史は、あえてそれに挑戦し、きわめて純日本的な家屋である、「地方の旧家」を舞台にして、密室殺人事件を、鮮やかに描いたのが本作です。 また、後々の映画化ドラマ化などで、日本を代表する名探偵となった、金田一耕助のデビュー作となったのも本作であります。 「密室殺人という不可能犯罪」、 「トリック重視の本格探偵小説」、 或いは、 「あの名探偵の若き姿」 に興味を抱く方に、本作を強く推薦いたします。 | ||||
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密室の謎解きも面白いが、田舎の因習のドロドロした雰囲気も良いです。 | ||||
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先に犬神家や八つ墓村などの有名な長編をいくつか読んでしまっていたので、短編になるとちょっと物足りない気分になりました。なので、最初のほうに読むと良いかもしれません。探偵小説に興味がない方でも、戦前戦後の世界観や、地方の村の中での人間模様など、そういったものが自分の好みとピタリとハマる方にはオススメです。 | ||||
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雪が降る日本家屋の離れで起きた密室殺人。何と新婚初夜の新郎新婦を斬り殺した凶器の日本刀は庭の石灯籠? に突き刺さっており、犯人は庭に出て逃亡したと思われるのに出口のない完全密室状態で、庭の雪についている筈の足跡も残されていない。果たして真相は? と言う本格ミステリで、作中に欧米の密室殺人を扱った先行作品について書かれており、作者がそれを戦前の日本を舞台に置き換えて書いてみた事がよくわかる。おまけに被害者の弟であるミステリマニアがそれらの本を完璧にコレクションして持っており、それが実際のこの事件と深く関わって来ると言うのがミステリファンの心をくすぐる。密室のトリックとして物理的なものはつまらない、と言う言及があるが、本作でのトリックは相当手の込んだ物理的なもの。さすがに無理を感じるトリックではあるが、伝統的な日本家屋で密室を構成しこのトリックを編み出した作者の力業には敬服である。 しかしながら本作の真骨頂は密室殺人のトリックでなく、意外な犯人とその動機を巧みにミスリードする面白さにある。謎解きの場面で、作者はクリスティの「アクロイド殺し」を参考にしたなどとミスリードそのものを告白しているが、それはさすがにあざといと思うものの、日本の本格ミステリを書くぞと言う横溝正史の気概が感じられた。それにしてもこの犯人といい、その動機といい、凄い。いかに戦前日本の因習が強く残る旧家での話とは言え、ね。 だが荒唐無稽とも思われるこんな動機での殺人、現代ではあり得ないかと言えばそうでもないと思うのだ。異常に潔癖症な中年男で、処女を崇拝しているので結婚にも消極的。ようやくこれはと言う清純な女性と巡り会って結婚を決意。ところが絶対処女だと信じていた相手がレイプされていた過去を知り、思いあまって・・・理解不能な動機での殺人なんて現代でも沢山起こっているではないか。盛大なネタばらしですみません。 「車井戸はなぜ軋る」では金田一耕助が出てくるのは名前だけで、ほぼ何も活躍していない。外見がソックリの異母兄弟、違うのは目だけ。が、一人は資産家の御曹司であるのに対して、もう一人は没落した家で貧窮している。二人は同じ戦地に赴き、一人は戦死するがもう一人の資産家の御曹司は両目を失う大怪我を負いながら復員して戻って来る。だが戻って来た彼はまるで別人のように妻さえ遠ざけてふさぎ込んでおり、病弱な妹は二人が入れ替わっているのではないかと疑うのだが・・・と言うストーリーで、妻を初め次々に家族が死んで行き、やはりこの男が入れ替わって復讐しているのかとミスリードされる。果たして真相は? と言うストーリーも面白いが、「本陣殺人事件」と同様に妻の貞操を疑っての殺人と言うのが時代を感じさせるところだ。 「黒猫亭事件」は密室殺人などトリッキーな犯罪を知りたがっている探偵小説家(横溝正史?)に、「顔のない殺人」だとして金田一耕助がよこした手紙を小説として構成したと言う趣向。徴兵された金田一が戦地で麻薬をやっていたなどと言うエピソードも出て来て、とても興味深い。で、復員した金田一が「獄門島」(次に読む予定)の事件を解決して一躍有名となり警察も一目置く存在となっている設定。考えてみれば当たり前だが名探偵のシリーズものはそれぞれの事件がつながっているのを再認識。それと金田一の捜査法や存在感は誰かに似てるなと思ったら、この間読んだエルキュール・ポアロだった。これは当然横溝正史の方が西欧ミステリーの影響を受けているわけだが。さて作中に「顔のない殺人」について言及されており、ほとんどが被害者と容疑者が逆になるトリックで、それが途中でバレたら探偵小説としてはまずいのだとか。そんな余計な情報まで与えられて展開する「顔のない殺人」劇、作者の思うツボとは思っても疑心暗鬼になってしまい、意外な真相まで一気に読ませてくれた。 2作とも名作とされている金田一耕助初登場の「本陣殺人事件」に劣らないレベルの作品だった。現代の目からは考えられない犯行動機だったりするが、それをも含めて横溝正史の味である。そしてコナン君を生み出した金田一耕助は実に魅力的で、やはり今でも日本が誇るナンバーワンの名探偵だな。 http://blog.livedoor.jp/nattolove-002/archives/12620143.html | ||||
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