(短編集)
由利・三津木探偵小説集成4 蝶々殺人事件
- 由利・三津木探偵小説集成 (4)
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時代背景が昭和初期なのでレトロな匂いがする作品集です。主人公の由利麟太郎が渋くてカッコいいですね。頭もキレて洞察力・観察力とすごいです。内容も少しおどろしくて怖いですが、ついつい読み進めちゃう面白さがあります。 | ||||
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表題作の「蝶々殺人事件」は、金田一のデビュー作「本陣殺人事件」と同時期に発表された作品である。 「本陣」は、第1回「日本探偵作家クラブ賞」を受賞したが、坂口安吾はこれを愚挙だと語っている。 「本陣」は、理論と推理によって密室トリックを解くことがほぼ不可能だからである。 作者以外に解けない謎は、謎ではなく自己満足にすぎないというのが、その理由らしい。 私個人としては、「本陣」のほうがはるかに好きである。 安吾が「蝶々」を高く評価しているのは、この作品が「探偵小説」ではなく、「推理小説」として、まっこうから作者が読者に知的勝負を挑んでいる作品だからである。 金田一人気の中で、埋もれていった感のある作品ではあるが、本格志向のある読者なら、存分に楽しめる作品だろう。 「蝶々」は、一連の由利シリーズの中では、唯一の超本格推理小説である。 「菊花大会事件」と「三行広告事件」は、「鬼畜米英」なんて言ってた時代の影響をモロに受けた作品。 「憑かれた女」は、昭和23年に書き下ろされた作品だが、実は昭和8年に発表されたノンシリーズ作品を由利シリーズに改稿したもの。 原形作は角川文庫の「喘ぎ泣く死美人」に収録されている。 「盲目の犬」「血蝙蝠」「嵐の道化師」は、 それぞれ戦前、書き下ろしで発表された「人形佐七シリーズ」の「狼侍」「蝙蝠屋敷」「嵐の修験者」に改稿されたことがある。 「カルメンの死」は、最後の由利シリーズ作品。 あとは中絶作。「神の矢(「ロック」版)」「模造殺人事件」は、近年、別の本に収録されたことがあるので、既読の方も多いだろう。 「むつび」版「神の矢」は、今回が初収録で、「ロック」版の原形作。 巻末付録として、「蝶々殺人事件」の初刊本のあとがきも収録されている。 ついでに中絶作の「皇帝の燭台」も収録して欲しかったところだが、「幽霊鉄仮面」「深夜の魔術師」「夜光怪人」(オリジナル版)などの由利・三津木シリーズのジュブナイル作品と共に別巻にまとめられることを期待したい。 | ||||
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怒涛の連続刊行で、無事に全四巻が発売されて、すべてが我が手元に。 これで一安心ということで、レビューを。 由利・三津木作品だけで大丈夫? 『真珠郎』と『蝶々~』以外に、あと二巻分ある? というのが、ほぼ金田一物しか読んでいない不誠実な横溝ファンの正直な気持ちでしたが、 完全に見積もりが甘かったと思い知らされることに。 まだ二巻目の『夜光虫』の途中までしか読み進んでいませんが、 物語としての面白さに、今さらながら感嘆。 月刊誌の連載作品らしく、一回分の盛り上げと次回への「引き」の巧みさ。 この集成で初めて横溝作品に触れる人はいないと思うので、すでに御承知のストーリーテリング。 もちろん、戦後本格の緻密さには至っていないことも事実。 (意外な真相が明らかに! でも伏線が荒い……、地の文での描写がアンフェア……) 潔癖なほどの本格主義者だった十代のころだったら、間違いなく本を叩きつけていたでしょう(笑) ところが、穏便な中年になった今なら、お耽美さや、胸に「ぐっ」とくる浪漫チックな流れが心地いい。 作品を読み終えるごとに、「ああ面白かった」と満足満足。 本として所有する満足度も高く、装丁(表紙や帯も、お耽美❤)や、 作品題名と本文とで字体を変えてある細やかな配慮が嬉しい。 編者解説の充実も特筆もので、別の編者の刊行物をお勧めする誠実さに驚くやら苦笑するやら。 もうここまで来たら、いよいよ次は本丸である金田一物を攻め落としてもらいたい、と願うばかり。 発表順ではなく事件発生順の事件簿形式で、是非! なにせ所有している角○黒背が、すでに四十年オーバーで、まるで古文書みたいな状態なので…… | ||||
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