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虚構船団
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虚構船団の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.22pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全31件 21~31 2/2ページ
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記憶に残る限り、初めて自主的に手にとって読んだ文学作品。 文房具たちの繰り広げるどたばた騒ぎとどこまでも続く文章に頭の中が「?」でいっぱいになり、 第三章のラストでは砂漠の中でつぶやかれる不毛な「希望」を、どう受け止めれば良いのかわからなくなった。 それがトラウマとなって筒井作品を次々と読む羽目になり、わけもわからないまま今も文学作品の世界を彷徨うことになったわけです。 初心者に向いているかといえば必ずしも自信はありませんが、 少なくとも私にとって筒井康隆の最高傑作といえばこれです。 | ||||
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まさに傑作。圧倒的な想像世界の物語。SF。実験手法。遊び。ドタバタ。歴史。心理学。狂気。正気。熱気。全てが迫ってくるようです。 しかし、あらゆる人に勧めて貸しても多くの人が未読で返してくる問題作。筒井小説未読者がいきなりこれは厳しいかもしれません。 ほとんど全員が気が狂っている文房具たちの紹介と残忍な鼬たちの歴史物語の後の第三章ではどこかブラッドベリの火星年代記に似た印象を受けます。 素直に世界観を受け入れられれば、何度でも読める、筒井氏の頂点を成す作品ではないでしょうか。 読後、ホッチキスが好きになりました。 | ||||
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筒井康隆は馬鹿馬鹿しいことを尋常じゃないバイタリティでやってしまえる人だと私は思っているのだが、その最たる例がこの作品だろう。気の違った文房具が船で旅をする、とこう聞けば単なるドタバタ小説かと思われるかもしれないがその描き方は全くもって真摯であって、数十種類の文房具による人間?模様は凄まじいことになっている。第二部にいたっては歴史のパロディで、延々と鼠の住む星について描かれる。ここがとんでもなく長い。そして二部での淡々とした進行をぶち壊すかのような第三部。ここにこの作品のカタルシスがある。600ページ超の長編小説。これを読みきるにはかなり疲れるし、上記の様な事を聞いて読む気にならない人もいるかもしれないが、筒井康隆が好きであればこれは是が非でも読まなければならない一冊である。どこまでこの人についていけるか、それがこの本では試される。最後まで読みきったからといってどうということはないが、私は筒井御大に拍手を送りたいような気持ちになったし、異常なほどの爽快感がある。長い小説を読みきったにも関わらず、それは単なる文房具の戦争である。馬鹿馬鹿しくもあるが、こんなことでも本気でやってしまえば芸術の域に達するのだということがわかる。全盛期の筒井康隆の圧倒的なパワーで描かれた傑作である。 | ||||
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筒井康隆の狂いっぷりが堪能できる大ボリュームの宇宙戦争史。 大きく分けて三章。 一章:戦闘艇内部のドタバタ 二章:惑星クォールの歴史 三章:戦闘 こんな感じ。 もう、とにかく一章の出だしで度肝を抜かれたというか、物語に引き込まれてしまった。最初の1行だけでノックアウト確定。ここで書くのは簡単なのだが、皆さんにもファーストインパクトを楽しんで貰いたいので敢えて伏せる。 最初の章はとにかく人物描写に凝っている。宇宙船の中の風景が思わず目に浮かんでくるほどリアリティがある。ドッタンバッタンしているうちに、二章へ突入。この章は正直ダルい。歴史・戦記好きにはたまらんのだろうけど、俺はちょっと……。作者の嫌がらせと思われる。そして三章。ここでついに今までの伏線が結実して一大スペクタクルとなる。 もちろん本来のストーリーだけでなく、筒井氏ならではの“大暴れ”も満喫できる。 個人的には一章全部と三章の前半のノリが好き。 | ||||
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個人的には『朝のガスパール』『パプリカ』等と並ぶ、SF作家、筒井康隆の最高傑作だと思う。筒井氏本人は、何冊も出る大長編になりえる話でも、一作に纏められるという話に出来るつもりだったらしい。。ポストモダンにおける“歴史”という概念を虚構世界だけで作り上げた逸品!『吉里吉里人』とセットで読むといいかもしれません。 | ||||
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これはな、ワシ的にいうと筒井御大の骨盤や。 超可動計測SY35取り外しOK噴射付き骨盤に脳装備でウチュウニデタらコクピットに 御大が座するんやが輪ゴムは分裂‰消しゴムは男色/元ケテル司教は踊って脱糞するわガリトデクノボク マコンコンマソクボボウジャ垂水のツツイ白い御殿に呑まれてワシ聖天ツツイ読まん奴は読まんほうがええ。 ウツクシすぎる。 10歳にならんうちに御大の洗礼受けて以来のワシが言うんでマチガイ無い マチガイとしたらアノ洗礼以来ワシは狂っとる 読むんやったら全集読まな死ぬ。猛毒やがもう死んでる奴だけ無事や 読んだら誰もおらん世界で獄死や。 ワシは極美の檻のなかぢゃ。それに気がつく。 そうゆーこっちゃ。 | ||||
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これはな、ワシ的にいうと筒井御大の骨盤や。 超可動計測SY35取り外しOK噴射付き骨盤に脳装備でウチュウニデタら コクピットに御大が座するんやが輪ゴムは分裂‰消しゴムは男色/元ケ テル司教は踊って脱糞するわガリトデクノボクマコンコンマソクボボ ウジャ垂水のツツイ白い御殿に呑まれてワシ聖天ツツイ読まん奴は読まんほうがええ。 ウツクシすぎる。 10歳にならんうちに御大の洗礼受けて以来のワシが言うんでマチガイ無い、 マチガイとしたらアノ洗礼以来ワシは狂っとる 読むんやったら全集読まな死ぬ。猛毒やがもう死んでる奴だけ無事や 読んだら誰もおらん世界で獄死や。 ワシは極美の檻のなかぢゃ。それに気がつく。 そうゆーこっちゃ。 | ||||
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個人的に筒井氏の最高傑作だと思っている。3部に別れ、1部は「文房具」が主人公であり、2部はネズミの巨大な歴史絵巻。歴史の誕生が描かれる。3部はさらに勢いをまし、ジョイス顔負けである。 氏の、ありとあらゆる「書くことへの」冒険が試みられているように思える。 壮大な実験小説。 文房具が喋ることを想像したまえ。国の叙事詩を創る筆力を考えたまえ。 三部では、執筆時の筒井氏の状況さえも「小説」に描かれている。読みきるのに非常にパワーがいるが、読み終えた時の達成感は最高。 | ||||
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あらすじしか追えない忙しい読者の方には全くおすすめできません。ストーリーでは無く、聖書のように、参考書のように、部分部分を好きなときに開いて読むのが正解とみました。特に第1章の文房具のエピソードはちょっとだけ読んでも楽しめ大好きです。子どもの頃、絵本や昔話の好きなトコだけ読んだ楽しい記憶を思い出してください。2章の世界史部分はまさに教科書のパロディで、これまた受験勉強を思い出しましょう。この作品で筒井康隆はドタバタやハチャメチャなストーリーテラーという呪縛から開放され、その後の自由な作品を次々に生み出すことが出来たと思います。最高傑作です。 | ||||
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筒井康隆という作家ほど幅広いジャンルに手を出し、そして読者の人気を獲得し、高い評価を受けている作家も珍しい。SF、コメディー、純文学、ミステリー、ジュブナイル……、それぞれに代表作を持っており、尋常ではない質の高さを誇っているからだ。今のところ、評価は賛否両論であるが、後の世で日本文学の中でも「異彩を放つ奇才」として歴史に名を残すだろう。 そのような筒井康隆の作品の中でも『虚航船団』は異常である。高い知性と狂気が尋常ではない高さで均衡しているからだ。 世界史を明らかに意識した展開で鼬族と文房具(!)の終末戦争を描き、しかも表現において実験的要素を全力投球で投げ込んでいる。この作品までの筒井康隆の濃厚なエッセンスが凝縮されている、といえるだろう。<P!>おそらく、本を読み慣れていない読者(特に実験的な純文学を読んでいない人間)は途中で投げ出すはずだ。読者を選ぶ作品だから当然である。スライムで苦戦するような人間がゾーマと戦えるはずがないのだ。 ディープに文学に陶酔している玄人の読者および筒井康隆の心底敬服している人間にこの作品を勧めたいと思う。 | ||||
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全体の物語は3章からなっています。第1章では宇宙を進む大船団中の1ロケットの物語として始まりますが、なんと乗組員はすべて文房具であり、その大部分はパラノイアないし、本当に気が狂っています。自分の行動をすべてカウントするナンバリング、怒ると言葉を失い、コココココココ・・・と針を吹き出すホチキス、25人それぞれが同一人物として行動する雲形定規など、約60種類の文房具それぞれの個性と役割が見事に描出されているところが、さすが筒井文学といえます。第2章には船団が攻撃する鼬族の星クォールの歴史が詳細に記されています。古代ローマ帝国、中世からフランス革命、ナポレオンの台頭、ヒトラーの出現から第二次世界大戦と容易に対比でき(ヘド幕府、イイズナノカクエなど、日本がモデルになっている記述も豊富)世界史の復習にはもってこいです。第3章は、予言通り「天空の殺戮者」がクォールを襲った顛末です。文房具の運命はいかに? 鼬族の運命はいかに? そして最後の5行ですべてが救われる・・・。読みごたえのある大作です。もちろん、いつものように現実の世界が混在している場面があるので読み落とさないように。 | ||||
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