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天地明察
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天地明察の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.20pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全338件 241~260 13/17ページ
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内容が史実に即しているかは分かりませんが、歴史小説のなかで算術、暦に焦点を当てている事に新鮮さを感じました。ただ、暦を改正するということの重大性(幕府の権威にかかわるとか)について認識が十分でなかったので、春海の感情変化がわかりにくい部分がありました。また、関孝和やことなどの人物描写が不明瞭だった気がします。もう少し脚色を加えても良かったと思います。それでも、暦、算術が歴史的に重要な要素であったことがことが良く分かり、面白く読むことができました。 | ||||
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作者の他の著作を読んで(SFでした)、 とても面白くはあったのですが強烈に生理的に受け付けなかったため、 2度とこの作家の作品を読むまいと思っていました。 がひょんなことから手に取ったら…ノンストップでした。 なんて清清しい話なんだろう? 何かに打ち込み、精進していく姿は 時に他人に疎ましく煙たがられがち。 が、晴海の生き方は、 時代の一流どことのおじさんたちから 「頼みましたよ」と まるで卵からひながかえるのを待つ親鳥たちの目で 温かく、優しく、期待を持って見守られる。 泣けた泣けた。 悲しみではなく、喜びでもなく、 与えられる慈愛の気持ちを主人公と分かち合えた。 なりふり構わないようでいながら、 常に人の和を考えて走り回る晴海。 おじさんの青春話だ。キラキラしていた。 | ||||
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映画化の話でこの小説を知り,作者を知って俄然興味がわいた。 個人的にSF・ファンタジー作家として認知していた冲方丁氏の時代小説。 緻密な世界観とそれを躍動的に描写する表現力がそのまま時代小説に活き, 主人公春海の生き様をあるいは淡泊に,あるいは濃厚に,生き生きと書き記されていく。 素晴らしい作品でした。 惜しむらくは後半,壮年期の春海の描写がやや淡々としすぎるように思う。 妻に尻を叩かれ星と算術に追われる春海をもう少し見たかった。 しかし,それも作品へ魅了された読者の常なる渇望の証なのかもしれません。 | ||||
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9月に公開する映画の原作ということで手に取りましたが、面白かったです! 中学生の頃にハマった夢枕獏さんの『陰陽師』シリーズで知った「土御門家」や「加茂家」などの名前が出てきたのでとっつきやすかったです。 暦に関する知識は皆無なので細かいことは若干読み飛ばしましたが、それでも十分楽しめました。 読後の感想はさわやか。 映画では本因坊道策を横山裕さんが演じるとのことですが、役と本人のイメージがとても合っていて映画が楽しみです。 | ||||
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3年ほど本から遠ざかっていましたが、この本をひも解いてから、読書熱が再燃。 久しぶりに、文句なく面白い本に出会ったという喜びで一杯になりました。 とにかく、登場人物がみんな魅力的です。 生涯をかけて、打ち込めるものを見つけた人は幸せですね。 2012年9月15日公開の映画も楽しみです。 | ||||
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本屋大賞、ベストセラー、ラノベSF作家ということで、かなり期待せずに、どうやってバカにしてやろうかと思って読んだら、なんだ面白いじゃないか。束髪を結わないってどういう髪型なんだか分からないし、まだ渋川春海の伝記と照らし合わせていないからどこからフィクションなのか分からないが、よく調べているし語彙も確か(ある種の直木賞作家よりよほど)。おかしいところがあったら直せばいいので、これで直木賞を落とすってのはないだろう、と思った。いくらか著者に嫉妬を覚えた。 | ||||
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難しいことは考えずに楽しく読みました。 ただ、もっと詳細に、ページ数を倍ぐらいにしたほうがよかったのではと思います。 歴が完成するまであっという間な感じです。 関孝和の人物描写も少ないです。どういう人物なのかわかりづらい。 でもいやらしい描写がないので子供に安心にて薦めることができます。 高校ぐらいになったら薦めます。 | ||||
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改暦事業に取り組む渋川春海の苦難の努力ぶりが、実に良く伝わってきて、物語として非常に楽しく読むことが出来ました。 それ以上に、この本で得た大きなものは、江戸の初期において、その後300年に渡って続く徳川政権の延命の礎が築かれたことが、良く理解出来ました。 保科正之の名前は知っていたのですが、その業績についてよく解りました。 そして、彼らの一言一言は現代にも通じることばかりで、人生について考えさせてくれるものがありました。 楽しみの中にこうした一言があると、たまらなく嬉しくなります。 それでこそ、一冊の本を手に取った甲斐があるからです。 非常に面白い本でした。 | ||||
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現代でさえ、うるう秒やうるう年を入れて調整する暦。 江戸時代に算術を用いて暦を作る作業はどんどん引き込まれていく。 誰のどこに視点を当てるかと言うことで物語は姿を変える。 この物語は、その点では素晴らしい着想を得ている。 | ||||
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読み終わったあとに爽快な気分に浸れました。 時代小説はほとんど読まないのですが、 とある理系の准教授が面白いと言っていたので手に取りました。 最初は、叙事的な文体の(詳しくはなさそうな)数学分野の描写で あまり読みが進みませんでしたが、後半は胸のすく思いで一気に読みました。 恥ずかしながら渋皮春海氏が歴史上実在の人物で、 成し遂げた功績も知らなかった私ですが 硬直した江戸時代に置いて何かを大きく変える試みに立ち向かった 一人の男性を爽やかに描写したお話です。 沢山の先達の思いを肩にしょって、何度も挫折し、泣いてあがいて、 天地明察を成し遂げる姿に、准教授は自分の姿を投影したのかもしれません。 この本を読んでその准教授に親しみを感じるようになりました。 | ||||
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昔、一気飲みってのが流行りましたが、これは一気読みの小説です。2冊でもあっという間。映画公開前に手にしてしまえば、一日で読めます。 というか、展開が気になってしまい、結果の想像は出来ますけれど、一気に行けます。美味しいお酒を目の前にしたあの感覚ですかね。ただ、残念なのは、下巻の筆致が羅列っぽくて、上巻ほどわくわくしないこと。もっとも、わくわくという感性こそ、めっちゃ個人的な解釈ですか。 | ||||
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現状に飽き飽きしている主人公が新たな学問に出会い、天才のライバル、ツンデレのヒロインがいるっていう、学問をスポーツに変えたら、ジャンプとかにありそうなものすごいベタな設定。 まあベタな設定なんだけど、それが悪いってわけじゃなくて面白く読める。 素材が変わってるだけに調理はオーソドックスにしました、っていう印象。 とはいえ史実なんでジャンプのようにはいかないよってことで上巻が終わり。下巻はどうなることか。 | ||||
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何とも幸せな読書だった。読んでいる間、本当に愉しかった。 主人公である渋川春海という、心地よい人柄に接しながら、その人生を追っていくのは嬉しかった。 これは居場所の物語だ。 居場所を求めていた者が、居場所を得る物語だ。それも一人で得た居場所ではなく、多くの人々の支えにより得た居場所だ。 勝負の結果は、その副産物にすぎない。それでもこの物語の結末は本当に嬉しかった。 最後の一行まで、渋川春海という人柄に接する事が出来た。 本当に面白かった。 | ||||
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すでに読んでいたのだけど、文庫落ちしたので改めて購入。 読んでいる間、幸福感に満たされる、何とも稀有な小説。 主人公である渋川春海の人となりが本当に好ましくて、周囲にいる人達が本当にいい人達で、 親近感が湧くと同時に嬉しい気分にさせてくれる。そんな感じで第二章までは人物紹介がメインだけど、 第三章が冒頭の言葉にあるように、幸せな旅で、これがまたよい。 特に老人二名がこの小説の進路を決定づけるぐらいの好々爺。 それだけに渾天儀の下りは、後の展開を知ってるだけに泣けた。 下巻も一気に読んだことは言うまでもない。 | ||||
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渋川春海 囲碁 暦 私には何ら知らない世界。 娘が面白いというので買ってみた。歴史好きの私は家綱 、保科正之 水戸光圀などが登場する後半部分になると俄然興味が広がりどんどん読み進めていけた。暦を作ることに没頭する春海の姿、それを世間に認めてもらえるようにする努力、廻りで支える人などの姿が生き生きと描かれている。その当時の日本の様子、幕府、朝廷、庶民の生活、武士の生活などのなかに、人間の生き様が感じられ、読んだあとに感動が残る小説である。踏まれても踏まれても立ち上がる春海の姿が私達に生きる勇気を与えてくれる。 | ||||
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下巻はいよいよ主人公・春海が27〜46歳の20年間を費やす改暦の大勝負が進行する。これは将軍・家綱から綱吉の治世での江戸幕府の武断から文治への大きな政策転換とリンクしていて、幕府の文化事業の象徴として行われる。その思想的支柱として会津藩主・保科正之が春海の前に登場。秀忠の御落胤で家光にひきたてられ、家綱の後見役だったとしかこれまで認識してこなかったが、戦国の気風を一掃する強い信念で政治を主導した器の大きな理想的な君主であること初めて知った。江戸の大火災時の危機・復興対策や領国の飢饉に備えた、民衆第一の政治は見事の一言。その正之が改暦事業を任せるに足る人材と見込んだのだから春海も相当なポテンシャルが高かったことが窺われるが、その正之と春海の対面が下巻の一つの山場。正之等の偉大な政治家を始めとする周囲の人々から学び続け考え続けて、難事業をやってのけるだけの知恵と信念を身につけたからこそ、春海の生き方に大いに共感できる。星の申し子は時代の申し子でもあった。 妻となるえんにも支えられた。その2人が原点とも言うべき場所を再訪するエピローグに余韻があって良い。 | ||||
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主人公は織田信長でもできなかった改暦を成し遂げた渋川春海。日蝕・月蝕も予報する精緻な暦を作るには観測と数理の両方に通じていなければならず、さらに天の理を明らかにすることへの畏れを抱きつつ天に触れることを肯定する哲学、それも朝廷も納得させるだけのものが必要になる。江戸時代初期の春海はそのような多分野の知を窮めた巨人であり、朝幕の権威がぶつかり合うセンシティブな暦の問題を周到な手だてをつくして解決した卓抜な政治センスの持ち主。だが数学的才能があっても、哲学と政治センスは一朝にして観につくものではない。上巻では渋川春海は囲碁棋士・安井算哲として登場。暗記した棋譜通りに石を並べ る御城碁に飽き、算術勝負に惹かれて関孝和の天才に刮目し、幕府の天文観測隊に選抜されて日本中を旅する若き日のお話。 改暦に着手するのは下巻からなので、春海の青春時代に頁を割く上巻は教養小説の観がある。失敗にへこたれなかった人と言えるが、最初の大きな失敗がある。その痛手が旅で癒され、かつ人生の先輩から色々な事を学ぶ後半はロードムービーを観ているかのよう。カラッとしていてテンポがよく、すいすいと気持ちよく読める。かつこれまで知らなかった江戸時代初期の政治家、算術家、囲碁・騎士、神道家等に接することができるのは得した気分だ。 玄妙な算術=数学の美しさへの希求が春海を動かす。数学の美を正面から取り上げた小説は私にとって「博士の愛した数式」以来だが、その江戸時代版が現れたのは望外の喜び。 | ||||
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江戸時代の暦(こよみ)を作成した人を題材とした小説 冲方さんって、どちらかというと、ゲームやラノベの人かなぁという 感じがあったのですが、このような本も書いてられるのですね知りませんでした 元々は雑誌「野生時代」に連載されていたものだそうです。 あらすじは、江戸時代、場内で「碁」を打つ職業の人が、色々な 人の後押しにより「天測」を行い、気がつくと暦を作るというのが大まかな 内容になっています。 連載ものだったせいか、読み終わってから思ったのは、後半がかなり軽く 書かれていて少し残念ではありました。が、この主人公の春海が なかなか魅力的に書かれており、映画になるのもわかる気がしました。 ちょっと人物描写に傾いている気がしますが、とても楽しめる内容になっていました おすすめです。 | ||||
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話題作の絶好のタイミングでの文庫化。 難事業に挑む後半の展開よりも、前半の絵馬に関わるエピソードなどに興味をひかれた。 現代でも、数学や天文学が好きでしょうがない人って、ちょっと変わった人として見られていると思う。 しかしそれに打ち込む主人公の輝いていること。 下巻には養老孟司の解説も付いているが、この人の「サラッとして、若くて、面白かった」というストレートな感想が全て。 読み始めたときはずいぶんあっさりした文体だなあと思ったけれど、このテーマでベテラン作家にジックリジットリ書かれたら、かなり読むのに難儀していたと思う。たしかに直木賞を獲るような完璧な小説ではないんだけど、私はこの小説が好き!と言い切れる。 9月の映像化は不安半分、期待半分くらいで待ってます。 | ||||
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本来、必至が囲碁の用語と書かれていて、あれそうなんだ、知らなかったと調べてみると、どうやら将棋。詰めろ、必死という言葉。死に関する言葉は囲碁の言葉にもある。死んでもやる。これ人の命の話じゃない、石の生き死にの話し。仮にこの石が全て死ぬとしてもこの手を打つ。 本書を読む上で囲碁の初手天元には痺れてからの方がいい。これが最近では割かし簡単にできる。ヒカルの碁を読めばいい。 囲碁はもともと宇宙を碁盤に見立てたものだ。天元を北極星とすれば、その周りに八つの星を持つ。それが天文とも結びつくというのは不思議じゃない。 本書には「これでもし負けたら一生天元には打たない」の言葉は出ないが、その当たりが脚色と歴史との妙とも言える。渋川春海を初め登場する人物像はフィクションだが心地よい。更には江戸時代に対する作者の解釈がよい。今は江戸時代を注目すべき時だと思っている。あの時代こそが春の海辺だと思う。 本書は、囲碁・天文・政治・和算と当時(今の時代でも)天才とされる人がこれでもか、とばかりにわんさか出てくる小説である。もちろんフィクションだし幾つもの誤謬もある。だがそれが小説の面白さを興ざめするものでもない、作者がよく知らなかったんだろう、くらいに思って勝手な想像力で補えば十分だ。それ以前、当時の天才たちの言っている事を本当にお前は理解できると言えるのかと。 作者も小説内でちゃんと言っているではないか、明察ばかりが春の海辺ではないと。 プロローグを読んでいる時には三浦友和が演じる役者の顔が見えたし、飄々とした前半、関孝和の眉間に寄せた皺、この話を読んでいる道中、この小説は手塚治虫に描いて欲しかったと願った。陽だまりの樹やらなんやらの登場人物の顔が何度も浮かんでは消えてゆく。 本書には手塚治虫の絵こそがよく似合う。 これは全く個人的な体験なんだけど、もしそういう体験がしたければ読んでみてはどう? 文庫版も出た事だし。 きっとあなたも本書、明察とか言っちゃうってば。 | ||||
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