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(短編集)
光の帝国 常野物語
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光の帝国 常野物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.14pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全108件 61~80 4/6ページ
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表題作「光の帝国」を含む全10編の短編集。 「常野」と呼ばれる場所からやってきた、遠くの出来事を見る力や、未来を知るといった不思議な力を宿した一族を巡る、 1999年の「象と耳鳴り」以来となる、恩田陸には非常に珍しい連作短編集。 「象と耳鳴り」のような共通した主人公が登場するわけでなく、あくまで常野一族というキーワードを軸に話は展開される。時間軸は現代から戦前まで(描写は江戸時代まで)幅広く展開されるが、登場人物が年齢を重ねて再登場したり、少しずつリンクしている。レビューの最後に、本作を的確にあらわす語りを載せたが、まさにこの通り、時代のうねりとともに一族は離れ、集まり…新たな時代を迎える、胎動を予感させる作品です。 この作品からスピンオフした作品「蒲公英草子」「エンド・ゲーム」がすでに発表されているが、あとがきで著者本人が語るように、この短編からのさらなる展開を心から期待したい。 「『常野』という言葉の由来を知ってますか?権力を持たず、群れず、常に在野の存在であれ。そういう意味だそうです。(中略)これから世界は新しい局面を迎えようとしているのかもしれない。常野の人々が時代の表面に出なければならないような世界に」 本文247ページより | ||||
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遠くの音を明瞭に聞く能力、物凄い早さで走る能力、念じただけで人すら燃やせる能力、素晴らしい音楽を生み出す能力、抜群の記憶力に加え、他人の人生までも読みとり、そのまま誰かに見せることのできる能力などなど、いろんな超能力を持った人々の物語を綴る短篇集です。 怖い話や不思議な話、感動する話など盛り沢山なんですが、ぼんやりとした、なんとも不思議な読後感です。 短篇ですが、少しずつ繋がっています。 実在の人物や建物も出てくるので、なんだかリアルです。 『あのさ、僕の尊敬するチェリストが言ってたんだけどね。 音楽にすれば全てが美しいって。 憎しみも嫉妬も軽蔑も、どんなに醜いおぞましい感情でも、それを音楽で表現すればそれは芸術だからって。 だから音楽はどんな時でも味方なんだって。 武器なんだって。心変わりしない。浮気もしない。いなくなったり死んだりしない。 そのへんの男よりかよっぽど頼りになる。』BY国道を降りて… 川添律 | ||||
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ふと読みたくなって何年ぶりかで読んでみた感想です。 どの話もそれぞれ続きが気になりますが私は「光の帝国」が一番好きです。何度読んでも 最後ツル先生に子供達が語りかける所で感動します。そして「国道を降りて」での再会で 終わる所がいいですね。ツル先生は不思議な存在で彼自身の人格を感じさせません。しかし 大きな存在感があります。きっと「常野」の象徴なんでしょう。 「常野」は恩田陸ファンにとっての故郷の一つなんだと思います。(もう一つはミステリーでしょうか) 超能力・時間軸・見えない敵との戦い・一般社会にありながらそれらに関わる主人公達、等 読み手にとっての恩田陸らしさのほぼ全てがこのシリーズに出て来ます。 これらの要素に会いたくて数々の恩田作品を読み、時々「常野」に帰ってくる。 自分を含め、そんな人が沢山いるだろうと思います。 個人的な意見ですが、この作品は時間を置いて寝かせてから是非再読してみて下さい。 きっと初めて読んだ時より堪能出来ます。 | ||||
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これは『常野』から来たと言われる彼らにまつわる、十つの物語を収録した短編集です。 一つ一つは独立しており、それだけだけでも読み応えありますが、全体を通して読んでみると驚くことに、 それらが『常野』や『常野一族』を中心点として繋がっていることがわかります。 そのため物語に出てきたのに、また別の物語で再登場する人物や出来事があります。 物語自体は表紙の月(?)と薄い雲と薄暗い空のように、穏やかで優しく、時には哀しく寂しい気持ちにさせます。 恩田さんの作る世界は常に平和だが、時にゾッとするような恐怖もあります。 常野一族はそれらに対応し、生きて、常野一族以外の人々に何かを訴えかけているような気がします。 物語を読み進めていくうちに、全てが繋がっていく面白さと楽しさと不思議さを、是非体感して、 恩田さんの常野にこの本を通して来てみてください。 | ||||
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のちに「しまう」春田一家の御先祖で『蒲公英草紙』が「裏返す」拝島親子のその後として『エンドゲーム』が出版されました。 「常に在野にあれ」その名の通り特殊な能力を抱えながら在野に生きる常野一族。第1シリーズは短編形式です。 | ||||
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大昔、東北の山の中に 常野一族が住んでいた。 もの静かで穏やかなきもちのよい人たちだったが 少しだけちがうところがあった。 ひとりひとりが特別な才能を持っていたのである。 それは音楽の才能、突出した記憶力、未来を読むことができる、時間を跳ぶ能力、長命、と さまざまであった。 目立たないように注意深く暮らして、周囲から特別な目で見られないように気を配っていたのだが だんだんと人に知られるようになって、一族はなかば滅亡したようなかたちで全国に離散した。 常野物語は、この一族を巡る連作集です。 ひとつひとつの物語には繋がりはないけれど、どこかに必ず常野一族の気配がする。 十の物語が らせんのように絡みあって、全部を読み終わるとかなりの読み応えがありす。 超能力シーンは出てきますが、きわものという印象はありません。 自然に受け入れられるので そういうものがお嫌いな人でも抵抗なく読むことができます。 疲れてしまったとき、なごんだ気持ちになりたい、でも もの悲しい気分も残しておきたい。 だとしたら、常野物語はぴったりです。 もう少し整理してテーマを絞ると、「大作」になるのではないかと思いました。 もしかしたら、この本は大作準備号なのかもしれませんね。 | ||||
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名前から男の人だと思ってた。 それはおいといて、最近いい本に出会う確立があがってきた気がする。この作品は「すばらしい」の一言、自分の心に留めとくだけではもったいない。親子だとか戦争とか嫉妬やらなんやら…さわやかに感動できること請け合いです。 この本を読んだことを幸せに思えるはず。 | ||||
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不思議な話なのだけれど、自然と話がすーっと自分にはいっていきました。 常野の人たちはなんか月のような人たちだなと思いました。ひっそりと、でも静かな輝きをもって確実にそこに在るといったようで。。 読み終えた後、物悲しいけれど、どことなく淡い幸福感を感じました。 | ||||
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まず、この本を読み終えて感じたのは、悲しいなぁ。。という思いです。常野の人々のさまざまな能力が、いたるところに、哀しく、淋しくちりばめられています。 常野の人々の能力は、それぞれ違って、それをめぐるドラマがたくさんあります。話としては確かに面白いのですが、楽しみ、喜ぶことはできません。あまりにも哀しくて、儚い物語だったからです。 恩田陸さんの力が、思う存分見れる本だと思います。 また読みたいと思える本でした。 | ||||
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全くもって面白くない。陳腐でありがちの二言につきる。ありがちでも文才があるため素晴らしい作品は多々あるがこの作者は想像力も才能もない。小学高学年向けとしか言えない。 お金を出して読む価値皆無。本当に損をした。 | ||||
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やはりこの題になっている中盤の「光の帝国」はとても印象的であり、胸を裂かれるような苦しさを憶えました。 本当に人間は御しがたい、猜疑心と傲慢さに満ちた存在だと感じました。 このレビューを見ている皆さんにぜひとも読んで、ご自分の目で感じて欲しいと思います。 素晴らしいから薦めるというより、絶対読んで何かを感じてもらいたいからオススメしたいと思います。 | ||||
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描写力で圧倒する作家が増えている中で、短編連作でありながら、骨太の構想力、強い骨格を持つ物語性にずっしりとした存在感を感じて、他の作品を手にとったところ、さあ大変。止まらない、やめられない魅力のとりこになった。大抵、さらりと触れられただけの部分にもストーリがあることを知らされる小さな種が撒かれていて、その本では花開かないのに、別の作品であっと声をあげたくなる大輪の華が開くことさえある。「月の裏側」のように地下水脈でつながっているような深く広い物語世界が彼女にある。今回、「蒲公英草紙」を読み返した際に、「光の帝国」も再読してみたくなった。当初は、言葉の選び方が素朴だと思って読んだのだったが、豊潤な物語世界を知った後では、このシンプルな描き方すら、作為的なものだと分かる。私もまた、ゼナ・ヘンダースンの「ピープル」シリーズが大好きなので、「ピープル」シリーズへのオマージュともいえることを知って、同じ物語世界を作者と共有していることもまたうれしい。 | ||||
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ツル先生の表情が頭に浮かびそうになりました。架空の設定が臨場感をもって迫ってきます。こういう舞台設定をさせたら、天下無双な書きっぷりです。やっぱり恩田さんの短編に引き寄せられます。 | ||||
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この本の魅力はやはり、能力を持っている人たちがひっそりと暮らしているところにあると、思う。また、物語の関連性があちこちに現れている、連作短編集は本当に面白い。例えば【大きな引き出し】に出てきた春田記実子が【歴史の時間】で、作品を飛び超えて出て来たり、またそこで登場した矢田部亜希子との、もっと古い過去と、現在とを結びつけて【黒い塔】で描かれていたり・・・。読者の興味を恩田陸は弄ぶかのように、様々な仕掛けを施している。そのことによって、【常野一族】が本当にいるかのような、錯覚を感じさせる。さらに、関係があまりなさそうに思えた【二つの茶碗】に登場したある人物さえ、重要な役どころを担っている点など、実に面白い工夫がしてある。 | ||||
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「手持ちのカードを使いまくる総力戦になった」という著者のあとがきのとおり、ファンタジー、ホラーとジャンルが多岐に富んだ短編集である。 架空の一族「常野」を上手く生かして、10篇をはれぞれ違った色合いで演出されている。 文体もやさしいので、SF色のある物語もすんなりと受け入れることができた。 作品からは作者のやさしさと、社会の矛盾点を突くようなメッセージ性が伺われる。 | ||||
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何気なく待合室で読み始め、覚にも涙が止まらず恥ずかしいかぎりでした。 本当は星5つにしたいのですが、一話一話をもっと深く描く事が出来たんじゃないかと、いや描いて欲しかったと言うべきですね。 登場人物達が歩み出す、又は歩んだ風景を恩田先生に早く描いて欲しいものです。 | ||||
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不思議な力を持つ「常野一族」にまつわる短編集。短編それぞれを長編にしても良いのではと思わせる内容で、これで終わりと、思わせるのはそれだけ中身が濃いからだと思います。 特殊な能力を持った人々の不安・焦燥・切なさがひしひしと伝わってきて 恩田さんの突き放したように終わる作品が多い中で、初めて続きを読みたいと思った作品でした。 | ||||
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恩田さんの小説に共通するキーワード「ノスタルジー」。 この小説もそんな雰囲気あふれる素敵な物語です。短編小説なので、それぞれの物語に主人公がいるのですが、 やはり核になっているのはツル先生だと思う。長生きでツルのような容貌をした、一族のまとめ役である「つむじ足」。 飄々と世の中を見つめながら、来る人を迎え、去っていく人を見送る。 楽しい出来事も悲しい出来事もみんなツル先生は受け止める・・・。どの話も好きですが、私はこの連作短編集を締めくくる「国道を降りて」が一番好きです。 人の想いが長い時間を超えて届いた瞬間を読んだ時、「ツル先生、長生きした甲斐がありましたねぇ。」と、ほろっとしてしまいました。それぞれの短編がそれぞれ長編小説の導入部であるような雰囲気で、 えーっ、ここで終わり? という感じが、またいい余韻になっているんでしょう。 | ||||
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数年前に一度読んだのですが、本書の姉妹編「蒲公英草紙」発売を機にもう一度読んでみました。やはり素敵でした。 短編同士が少しずつリンクしているのがたまらなくいい。 私は共通の登場人物を探したりするのが大好きなので、 一度目は純粋にストーリーを楽しみ、もう一度読み返して、今度はパズルを解く感覚で読みました。 心あたたまる、それでいてとても怖いお話だと思います。 不思議な力を持つ人々の不安・焦燥・切なさがひしひしと伝わってきて 読後はしばらくぼんやりしてしまいますね。「蒲公英草紙」とは春田家がリンクしているくらいで、(ツル老人が友情出演という感じで微妙に登場していましたが) そこまで関連はありません。 「蒲公英草紙」もいいお話でしたが、亜希子たちの活躍も早く読みたいです。 | ||||
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作者の作品を初めて読みました。 とっても映像的な文章ですね。ツル先生の容貌、脱走兵のくだり、カカシ先生の最後、まぶたの裏で映像が繰り広げられました。 生と死が輪廻のように繰り返され、常野の人々が集結していく。この本1冊では収まりきらない、壮大なスケールが感じられました。続編に期待したいです。 | ||||
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