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(短編集)
光の帝国 常野物語
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光の帝国 常野物語の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.12pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全105件 21~40 2/6ページ
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長いファンタジーの序章と言うことで、手探り感が強い作品群。いわゆる「超能力」を持つ人たちらしいのだが、各話が関連があるのかも定かではないし、かなり曖昧模糊とした印象の作品群。しかしながら表題作は~帝国と言う言葉とは裏腹の、異能故に迫害を受ける一族の人たちの悲哀を描いたもので、涙腺崩壊ものの感動作。この作品だけでも最高評価を進呈したい。 知的で平和な生活を送り、異能はあっても決して目立った使い方をしない一族の人間愛が全編を通じて感じられ、逆にそういう人たちを放っておかず迫害する世界の醜さが浮き彫りになった。基本理屈でなく「感じる」スタイルで、本当の優しさとは何か考えさせられた。 | ||||
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通勤電車の中で読むことが多いですが、この短編集の表題作「光の帝国」のような作品にであうとホント困ります。 涙腺が崩壊しそうになるからです。 いい年をした男が小説みながら電車で泣いてる絵面はみっともないですからね。 人の優しい部分と醜い部分。 その醜い部分が勝つような状況(戦争)になった時、どれほどの優しい命が悲しみの中で失われていくのか。 そして残った者に傷を残すのか。 あらためて考えさせられます。 | ||||
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短編集なので読みやすいし、それぞれに興味がわく。 これから他の2作品を読んでもOKだった。 | ||||
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高校生の時にこの本を読み、社会人となった今でも未だに読み返すほど、この本の世界観に魅せられた一人である。物語はもちろんおもしろく引き込まれる内容であるが、それ以上に作品中に登場する言葉が美しく哲学的である。一人になったときに、ふと作品中の言葉を思い出して思索にふけることがたびたび。恩田陸さんの作品はいつもそうであるが、冷たい場面においても言葉が美しい。 | ||||
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久しぶりに恩田ワールドに浸れました。 ものすごく環境設定とストーリーが立っていて、物語にのめり込みました。 やはり、小説はストーリーが立ってると、想像力がかきたてれていいですよね。 わたしにも「大きな引き出し」があっていろんなものを「しまう」ことができればいいのに…。 常野の人たちは存在したのかも?しているのかも、と信じてみたくなります。 けれど、わたしたちの先祖たちも、特殊能力がなかったとしても こんな感じで、一族でひっそりと暮らしていたのかもしれません。 「光の帝国の中に、私は相違するイメージを再現した。つまり夜の風景と白昼の空だ。風景は夜を起想させ、空は昼を起想させる。昼と夜のこの共存が、私たちを驚かせ魅惑する力をもつのだと思われる。この力を、私は詩と呼ぶのだ。私はいつも夜と昼へ関心をもってきたが、決してどちらか一方を好むということはなかったからである。」 ルネ・マグリットの代表的な作品でも「光の帝国」というものあります。 初めてこの作品の題名を見た時、まずはマグリットの不思議な絵を思い出しました。 昼と夜が一つの絵の中に共存している作品です。 本来あるべき環境や文脈から切り離して別の場所へ移し置くことで、画面に異和感を生じさせる表現手法、なんだそうですが…。 お互いに異なる要素、1つの空間に同居しているものの常識的に考えるとおかしな要素が並存状態にあるイメージ。 この作品も、一族と普通の人たちとの共存もそんな感じで表現しているのかな、と思いました。 | ||||
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大人になってから読んだのですが、とても面白かったです。 子どものころ読んでいたら、また違った感想かも? 活字なのに漫画を読んでいる感覚です。良くも悪くも。 | ||||
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膨大な書物を暗記するちから、遠くの出来事を知るちから、近い将来を見通すちから―「常野」から来たといわれる彼らには、みなそれぞれ不思議な能力があった。穏やかで知的で、権力への思向を持たず、ふつうの人々の中に埋もれてひっそりと暮らす人々。彼らは何のために存在し、どこへ帰っていこうとしているのか?不思議な優しさと淡い哀しみに満ちた、常野一族をめぐる連作短編集。優しさに満ちた壮大なファンタジーの序章。 | ||||
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小説の分類なんてヤボな話で、たいした意味を持つわけでないのですが、読者に大まかに 『純文学』 とか 『大衆文学』 的な情報を提示できる程度の役には立つかもしれない。 そのカテゴリカルな分類法を用いるとすれば、彼女の小説は―――とりわけこの作品は――― 『大衆文学』 の中の 『娯楽小説』 に分類できる。 この作品は読者に、読む以外の、ほとんど何の努力も要求することはない。読者は、この作品をひたすら楽しみながら読めば良い。これは彼女の作品に対する悪口ではない、むしろ、こういった小説の存在理由は充分な根拠をもってあると思います。 私は、読者にも、読み進む以外の、ある種の努力や咀嚼力を要求している作品が好きなんだ、ということがこの本を読んで、あらためて自覚できました。 「ところで、この作品には何が書いてあったの?」 という問いには 「ごめんなさい、何か変な能力を持つ一族が出てきて・・・・ムニャ、ムニャ・・・・」。 『夜のピクニック』 で懲りなかった自分が悪いのです。 | ||||
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学生の頃、教育実習で中学(確か1年生だった)の国語の授業に参加していた時 教生から生徒へオススメの本を紹介してくださいと言われ 自分が何の本を紹介したか覚えてないけど、 一緒に実習に参加していた友人がこの本を挙げていたのは覚えている。 当時、恩田陸の名前は聞いたことはあったけど、一冊も読んだことなかった。 あれから数冊恩田作品を読んだし、友人もその頃すでに数冊読んでいた。 その中でも、この本を友人がオススメしていた理由が読んでみるとよくわかる。 これ、中学生が読んでも絶対おもしろい。 普通の人たちに埋もれてひっそり暮らすちょっと不思議な能力を持った一族という設定。 少年マンガや、少女漫画なら『花とゆめ』連載マンガの設定にありそうなファンタジックな世界観。 色々な人物が入れ替わりで主人公になり それぞれの話が少しずつリンクしていく連作短編という形態。 長編に読み慣れてない人にも溶け込みやすく、 且つ、次はどうなるの?って先を急ぎたくなる楽しみも味わいやすい。 短編集の中で、私が好きだったのは「オセロ・ゲーム」。 有川浩の自衛隊三部作のようなファンタジックさと緊迫感 詳細は語られていないが、過去にも未来にもドラマがありそう。 著者があとがきで、元は長編を予定してたと語っているのも頷ける。 この「常野物語」は、シリーズ化しているので、続編で「オセロ・ゲーム」の続きを読めるといいな。 | ||||
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面白いと聞いて手に取ったのに、「帝国」の二文字から受けるカタそうなイメージに惑わされてしばらく放置。 なんだか「帝国」とくると、謀略とか策略とか暗躍とかそういう印象があってめんどくさいなぁ、と。 物語の雰囲気は真逆でした。 どことなくノスタルジックなお話から幕をあける短編集は、都会の片隅にあるちょっと不思議な小料理屋さんのお話だったり、「いつ裏返されるのか?」という恐怖と背中合わせの日常を戦うお母さんのお話だったり、戦時中だったり、時代も切り口もカラーもばらばらなのに全てのピースが常野という糸でつながってすごく大きなお話になっています。 わー、なんかすごいの読んじゃった。 初読みだったんですが、恩田陸さんてどんな小説家さんなんだか、さっぱり分からなかったという小説でもあります。 だーっと気負わずに読めてしまうのに、最後まで読んでから一番最初の一番のんびりとした春田家エピにしか出てこない少年の名前が「光を記す」という名前だと思い当たった時、春田家のご両親が彼の名前にこめた思いの大きさがずっしりときました。 もっと長編で読みたい。 個人的にはチェリストの律くんのお話が一番好き。 | ||||
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光の帝国 ー常野(とこの)物語ー 題名がとても堅苦しそうでしたが、作者の不思議な世界観に引き込まれる作品です。10の短編からなり、いずれも短くて読みやすいです。1つ目の短編「大きな引き出し」でいきなり涙をもらいました。小学生の国語の問題集に一部掲載されていたを読んで、続きが読みたくなり購入しました。 | ||||
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汚い世界のうつくしい人たちのお話集。自分が大人になったからかもしれないけど、社会が荒れてきているように感じでしまう今日この頃。 人ってもっと優しかったような気がするんだけど、社会全体がギスギスしてしまってきているような気がしてくる。 大人になる過程で人の汚い部分や寂しい部分に触れざるを得なくなって汚い部分ばっかり目につくようになっているのかもしれない。 朝の通勤電車や駅のホーム。無言で人を押し込み、無言で人を押し出す。一言言えばいいのに。満員電車でたまたま体がぶつかっただけて舌打ちするサラリーマン。人ってもっと優しいんじゃないのかと思う。寂しい。 そんな自分もギスギスしてしまっていたり、人を恨んでしまうこともあって、そんなトゲトゲしい自分に気付いた時にはギスギスしないように意識することにしている。 とはいっても優しくない自分がいることにも気付かされる。 優しいけど、なんだか、厳しさを感じざるを得ない大人向けの物語。 普通の人は持っていない力を持っている常野の人たち。常野は遠野物語を意識しているのだと思うのですが、別のお話。 普通の人たちは持っていない力を持つ優しい人たち。彼らが普通に暮らしていくには社会はトゲトゲしい。 気づかないうちに彼らを傷つけているのかもしれない。 他の人に寛容にならないことはいろんなものを失っていることと等しいのかもしれない。優しい物語が優しい心に語りかけてくれる一冊。 【引用】 ニッポンはミンシュシュギの国なの。ミンシュシュギということは、つまりぃ、他の人よりも余計なものは持ってちゃいけないってことなの。 「常野」というのも、常に在野であれという意味らしい。権力を持たず、群れず、地に溶け込んで、という主義 僕たちは、無理やり生まれさせられたのでもなければ、間違って生まれてきたのでもない。それは、光が当たっているということと同じように、やがては風が吹き始め、花が実をつけるのと同じように、そういうふうに、ずっとずっと前から決まっている決まりなのだ。 | ||||
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本作は「常野」とよばれる、ある一族を描いたシリーズの 記念すべき第一作目となっています (第二部:蒲公英草子 第三部:エンド・ゲーム) 三冊はどれも独立したお話として読むことができますが こちらは、短編をいくつかまとめた形になっているため 読みやすいかと思われます 不思議な力を持つ一族が その能力のために、迫害を受けたり 捉えられて殺されてり・・・ とにかく悲しくなる悲劇の歴史がちりばめられています もちろん、フィクションのお話ですし 常野一族はいません しかし、実際にこんな一族が 日本にはいたのかもしれない そんな気がしてなりません 悲しいような、暗いような 話の筋やオチはわかったんだけれど なにか釈然としない もやもやとする・・・そんな なんとも言い難い気持ちになる小説ですが これが恩田陸ワールドです!(笑) これにはまったら、もう抜け出せません 彼らの苗字や持ち備えた能力から 関係図を整理しながら読むとおもしろいですよ! 第二作からは 明治から戦後まで時代が飛んだり かと思えば第三作は現代を舞台にしたり、と 一族の歴史が バラバラのパズルのピースを一つずつ見ているような 感覚に陥ります 私はこの小説で 恩田さんの世界にはまった読者です | ||||
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説定やキャラが面白いなと思ったのですが中盤頃にあるエピソードを読んで女性が書いてる感がすごく出てたのが少し不快でした。 男性をそこまで下げる必要性が感じられなかったので… | ||||
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私は恩田陸さんはホラーものじゃないものがいいと思うのですが…夜のピクニックは最高でしたがやはり思わぬ人物が現れたり…あの人物が出なくてもいい作品なのにと… | ||||
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常野の人たちがなんなのか最後まで読んでもわからなかった。ただその世界観には面白さを感じたしもっと知りたいと思った。とりあえず続編も読んでみます。 | ||||
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これはなかなか宝石箱のよう…手を拡げすぎたため、不思議感が増して特殊な作品集になりました。 超能力を持つ常野の人たちをめぐる連作ですが、ランダムに読んでも十分に楽しめます。 私のお気に入りは、大きな引き出し、二つの茶碗、歴史の時間、黒い塔などです。 | ||||
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『常野物語』という副題は勿論『遠野物語』を踏まえたものであるだろうし、実際続く長編『蒲公英草子』では柳田国男の名前が登場するし、久美沙織の解説においても柳田国男『遠野物語』に言及されている。従ってこのことは確かなことだろう。しかしそれよりも気になるのは『光の帝国』というメインタイトルの方である。解説の久美沙織は「帝国軍と反乱軍だか革命軍だかがさんざんドンパチやりながら、最後はやっぱ光が勝つ」ような物語を想像したようだが、此方が連想したのはルネ・マグリットの手になる、まさに『光の帝国』という一連の絵画作品である。 画面下半分に、闇に沈んだ家並みがある。街灯が一つ、ポツンと灯っている。しかし空は青く、白い雲が浮かんだ昼の明るさである。夜と昼の共存、マグリットはそんなテーマで幾つもの作品を描き、それらを悉く『光の帝国』と名付けた。不思議に静かな印象を受けるその絵が、この物語を読んでいる間頭を離れなかった。 作者がマグリットの『光の帝国』について知っていたか否かは不明である。が、この物語にも「不思議な力を持つ人々の、普通の人々との共存」というテーマが読み取れるわけであって、それゆえマグリットの作品が実に似つかわしいこともまた、確かなことではないだろうか? そもそも何故タイトルが「帝国」なのか? そのことを考えたとき、作者もまた、マグリットの作品を知っていたのではないかと勘ぐりたくもなるのである。 後のシリーズのプロローグとしての位置にある短編集。 | ||||
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はじめて恩田陸さんの小説を読みましたが 『光の帝国』というタイトルと 不思議な能力を持つ一族という設定から 五木寛之の『風の王国』の類に属するもの という印象を受けながら読んでいました。 構想と流れはもちろん違いますが 底に流れるテーマの一つは 案外近いところに ある書のように思います。 何百年も生きているツル先生を象徴的な長に据えながら 「常野」一族は 現実社会といろいろな接点を もちながら みな何かの役割を背負っています。 お話は ファンタジーだったり 東北地方のもつ不可思議な 世界を彷彿とさせたり ミステリアスだったり それぞれの短編が 独立していたり 思いがけなく続きだったり・・ 読者をいつの間にか「常野」の住人にしてしまう魅力が 満載です。 | ||||
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なんとなく手にとって読み始めましたが、こんなにおもしろいとは!超能力や不思議な力といったのが好きな人ははまります。海外ドラマ、ヒーローズのような感じ。でもジーンと感動する物語がいくつもあり胸が熱くなりました。一気読みしてしまいました。また読み返したいと思える作品です。 | ||||
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