解錠師

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評判

解錠師の評価:

4.02/5点 レビュー 100件。 B ランク

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平均点4.02pt

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全183件 181〜183 10/10ページ
No.3
(5pt)

そしてきみの名を呼ぶ。

意識して声を発さないということは、実際にはかなり困難だ。
ため息、欠伸、咳払い…ことばにならない声の、なんと多いことか。
しかしこの本の主人公マイクルは、その存在さえ感じられないほどに、無音だ。
それがますます物語の緊張感を高める。

暴力や犯罪が身近にあった環境で育つと、ひとは否応なしに
その世界に引きずり込まれてしまうらしい。
似たような年頃の子どもを持つ親として、
読みながら何度マイクルを救いたいと思ったことだろう。

高校生活が語られる辺りから「これはYAだ!」と思って読み進めた。
不器用ながらも面倒を見てくれる大人が傍に居たり、
恋人同士が漫画を描き合うことによってこころを通わせて行くという展開も
いかにもYAらしい。
アメリアとの将来を予感させるラストも、
人生はやり直しがきくのだというメッセージを明確に感じさせる。
案の定ミステリの賞だけでなく、全米のヤングアダルト世代に読ませたい一般書に送られる
アレックス賞まで受賞している。

少年の成長とミステリを融合させた名作に
ロバート・B・パーカーの『初秋』があるが、それに勝るとも劣らない。
紛れもない傑作。
解錠師〔ハヤカワ・ミステリ1854〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 解錠師〔ハヤカワ・ミステリ1854〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018545
No.2
(5pt)

魅力的で類稀なキャラ設定で、心を打つミステリー&ラブ・ストーリー

十代の金庫破り(解錠師)で、悪党の呼び出しに応じては全国を渡り歩き、美貌に恵まれながらも
8歳の時の家族の惨劇がトラウマで口が聞けないが、そのハンディを恵まれた画才で補ってゆくクールビューティ。
通り名は「ゴースト・ジュニア」 、内面は負けず嫌いの高校生。
時には凄まじい銃撃戦に巻き込まれたり、裏切りに遭いながら、臨機応変切り抜け、愛しのアメリアと心通わせ
最後は、更生への道を模索して行くという、アメリカ人受け(全米図書館協会の賞を受賞)もバッチリな面白本。
最近の「十代のバンパイア」小説と多少設定が被っているのが気になりはしたが、ウインズロウ「犬の力」の悩める若き
殺し屋カランを彷彿とさせる主人公に魅せられて、殆ど一日で読了。
すっかり忘れていた作家(<氷の闇を越えて>読んでからもう十年以上)だったが、こんな面白本で復活とは...
私には☆5以外考えられない程、楽しめた一冊。


解錠師〔ハヤカワ・ミステリ1854〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 解錠師〔ハヤカワ・ミステリ1854〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018545
No.1
(5pt)

芳醇なイメージを見せる秀作

金庫破りになるまでの経緯と、金庫破りになったあとの姿を服役中の主人公が交互に振り返るという形で話が進んでいきます。
小説として特筆すべきは、金庫破りのシーンにみなぎる緊張感。全身の感覚を駆使して金庫を開ける主人公の緊張感は、生半可な小説のアクションシーンを遥かにしのぎます。また、言葉を発しない主人公が描いた絵に託してヒロインと思いを通わせあうシーンなど芳醇なイメージを残す印象的なシーンも多くあります。
幼少時に遭遇した悲惨に事件(これもなかなか類似作に無い悲惨さ)に遭遇した主人公が、犯罪者として生きた後、救いを得るに違いないと読者に強く願わせずにいられないラストシーンも爽やかな読後感を残します。
広い範囲の読者層に受ける傑作だと思います。

解錠師〔ハヤカワ・ミステリ1854〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ) Amazon書評・レビュー: 解錠師〔ハヤカワ・ミステリ1854〕 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150018545