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孤宿の人
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孤宿の人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全167件 81~100 5/9ページ
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場面がコロコロ変わり、重要人物の描写が全て中途半端に感じて、私にはあまり読みやすい小説ではなかったです。もう少し登場人物の気持ちを感じ取りたかったかな… でも、毎日を一生懸命生きる“宝”にとても感動して涙が出ました。“宝”は確かに物覚えなどは良くないのかもしれないけれど、自分の頭でしっかり考え、自分の心で感じたことに正直で、加賀様がくれた“宝”という漢字がとてもピッタリだと思います。身近な幸せを感じて、毎日キラキラした日々を送ってもらいたいなと願います。 宇佐や、渡部さんにも幸せになってほしかったので、読み終わったあと、とても寂しかったです。 | ||||
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ほうはあほうだから「ほう」なのだ、と生まれ育った家の者に言われ育った。 加賀さまは自分の妻子を手にかけ家来を手にかけ、狂ったと見なされ流罪となった。 死ぬのを待つだけの加賀さまの心に、無心、無知なほうの心が滲むように溶けていく。最後の最後に、加賀さまを救うために現れた神仏のような。 ネット上で「泣けました」とあったので、私涙もろいのでもっと泣けそうなのになと思っていたところ・・・、やられました!最後の8ページ!上下巻なのに、たったの8ページです!もうっっ最高に泣けました!!上巻は下巻への伏線的な感じで、だけど下巻に入ると様子は変わり、それこそ朝の4時まで午前様するくらいに、読み入ってしまいました。 | ||||
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上巻では若干話のテンポが遅いように感じましたが下巻は一気に読み終えてしまいました。 とても感情移入してしまって、ほうが心を寄せる事が出来る人が出来たかと思うと引き離され…幾度となくひとりぼっちになってしまうほうに「どうか最後はほうにハッピーエンドが用意されていて欲しい」と願わずにはいられませんでした。 …ラストは涙が止まりませんでした、この話の締め括り方に何と感想を述べていいかわかりません。 私がほうだったらほうのようにはなれない、放心して現実逃避をして…真実など飲み込まないだろうから。 | ||||
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作者自身が、途中で何度も投げ出したくなった、と書いているように、 これまでの宮部作品にはないような、きめの粗さ、というか、 登場人物の扱いが雑で、心境の変化とかストーリー展開も強引で、 なんだか全体的に投げやり気味で、手抜きっぽい感じがしました。 ぐっときたのは、「ほうは、あほうのほうです」というとこくらいでしょうか。 この一言を無駄にしないために、最後まで書き続けたのかもしれません。 丸亀市長さんとの対談で、丸海藩を舞台にした続編も考えている、 とあったので、今度は、もっと緻密なものを期待したいと思います。 | ||||
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ぜひ読んで頂きたい本です。 上下巻で、説明が丁寧な分中だるみになってしまう時があったのですが 終末に近づくにつれ心が高揚し涙で読み終わりました。 主人公のほうに会いたいときっと思われるでしょう。 優しく・正しい気持ちは宝なのだと・・・ 今の時代でも持ち続けたいと思いました。 宝とはこういうものだと!! | ||||
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最後は、思いがけず声を出して泣いた。 読み始めて3日、ここまで泣いてしまうほど主人公が自分の心のなかに入り込んでいたとは、意外だった。 世間から鬼のように思われている罪人の心に光をあてるこの著者の作品にはいつも引き込まれる。 『理由』もそうだった。罪を犯した人間は、(当然だが)犯す前まではただの人である。 鬼が人の心に入り込んで残虐な犯罪を犯すのか、状況が人を鬼に変えるのか。 いま世間で起こる犯罪についても、マスコミが報じる片側の側面でしか起きたことを捉えることができないがもしかすると実は、その裏側には複雑で切ない事情があるかもしれない。 いままで無関心だったが犯罪者が法で裁かれるとき、逆に法はどこまでその被告を救えるようになっているのだろう?どこまで、犯罪にいたるまでの環境や経緯を重視してくれるのだろう? 犯罪者を鬼に仕立て、「鬼だから退治してしまえ。」とするのは一番わかり易く世論もその場では納得するかもしれないが、それでは本書に出てくるたたりの噂話などで情報操作されて右往左往している丸海藩の領民と同じではないか? 決して面倒くさがらずに、人の心に光をあて自分の頭で考えるべきだ。 | ||||
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本の裏に書いてあるあらすじを読むと 毒殺した犯人を捜す推理型のミステリと思って買ったのだが、 予想に反し、最初から犯人がわかってしまった。 この作品は、架空の藩で生活する人々の生活が丁寧に描かれており、 実在したかと思わせてくれるほとの出来となっている。 その分展開が遅いのがちょっと難点かなと感じる。 幕府から流罪で流れてきた加賀殿とほうが心を通わせる部分の描写は秀逸で感動もの。 コンセプトは面白く素敵な作品だが、爽快感や驚きが少ないので星4つ。 | ||||
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上巻は読むのに少しもたつきましたが、下巻は一気に読めました。 おかげで、夜2時半、床につきました。 久しぶりに面白い本に出会いました。 この幸福感は何にたとえたらいいのでしょう。 悲運の少女をまわりの人々が世話をやく。 「ほう」という名は阿呆の「ほう」からきている。 少し頭の回転は遅いが、人を疑うことを知らない純真無垢な少女はさまざまな出来ごとに出会うが彼女には欲がない。 領民が「悪霊が来た、災厄を持ちこんで来た」と恐れる「加賀殿」と「ほう」はいつしか心を通わすようになる。 この二人のやりとりを描いた場面は秀逸です。 「ほう」は阿呆の「ほう」から「方」へ、そして「宝」へ。 若い医師が言います。 「あの子を通し、この私も御仏のお顔を垣間見たようにさえ思います」 さらに、こんな一節があります。僧侶が宇佐(ほうを妹と思い世話をする女性)に諭す場面です。 「加賀様の身は人のままだ。儚く、空しく、卑しい人の身。 じゃがその奥底には御仏がおわす。 御仏がおわす故に、人はけっして鬼や悪霊にはなれぬ。なりきれないのだ。 いっそなれた方がはるかに楽、はるかに安穏であろうにな。 わしはそのことがわかっておる。 加賀様の御心情は知らずとも、 それだけわかっておれば、人の理(ことわり)はわかる。」 人は奥底に御仏を宿しながら、板ばさみの状態になった時、 急に鬼や蛇に変わる。 人とは何と脆いものでしょうか。 でも、この弱さを知って、はじめて人が許せるのではないでしょうか。 世にはきっとこの様な方がおられるのでしょう。 心のふるえる書物を読みたいと思っておられる方、お薦めです。 | ||||
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上巻下巻合冊レビューです。 「震える岩」でデビューしてから私の好きなところは 丁寧な話の展開、得意分野は子どもを描くのが上手。 桐野夏生さまがおっしゃっていました。 「ブラックなものをだして書いたあとすっきり」 しかし、宮部みゆきさんには現代の殺人は似合いません。私が思うに。 人を殺す理由が浅すぎる感があるからです。現代小説に限って。それが現代なんですけど。 この作品は上巻を読んだあと私は悪夢にうなされました。 そして下巻を読んで涙しました。 本についてる紹介文はちょっとおどろおどろな感じがしますが その理由が読み終わればわかります。 丁寧な話の展開。ちとちりばめかたが上手いの かちりばめすぎかは好みによりますが。 情を感じ、子どもの無垢な心に大人の心が動かされると思います。 読み終わったあと自分の中に見えるのは鬼か仏か? 私自身は自分の欠点が指摘されたような気がした本でした。 | ||||
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「誰か」から、どうも昔の勢いがなくなってきたような気がします。 オビに惹かれて読んでみましたが、登場人物はそれぞれ魅力が あるので、全くつまらないわけではないのですが、テンポがとろく 退屈で、期待はずれでした。 | ||||
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手元に読む本が無くなり、祖母の本を借りました。 宮部みゆきは、少年物しか読んだことが無く少し抵抗が有ったのですが…良かったです。 歴史物自体、普段あまり読まないのですがこれはすごく読みやすいですね。 どんな話なんだろう、と思いながら読んでいたのですが最後の方は電車の中で物悲しい気持ちになりました。 こういった終わりの作品はあまり好きでないのですが、素直に受け入れる事が出来ました。 途中の人間関係の歯がゆさに、胸が苦しくなったのを覚えています。 恋愛関係に関しても、サッパリしていて、それでいてネチっこい素晴らしい書き方だと思います。 良い意味で、女性らしい作品だと。 久しぶりに、何度も読み返したい、また、誰かに自信を持って勧められる作品に出会えたと思います。 宮部みゆきの他の歴史物にも手を付けてみようと思います。 | ||||
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物語の骨子は、いかに形式重視の江戸武家社会が前提と云えども無理があります。 落雷の利用の仕方なども、文系ならではの無茶振りですね。 ただそんな事を無視できるくらいの筆力で描かれた作品です。 特にキャラクターの活かし方(あるいは死なせ方)。 作者の盟友であろう京極夏彦の造形した「又市」的に言えば「人死にが多すぎる」ということになるでしょうか、その冷徹な描写が見事です。 読者がある程度思い入れをするくらいにキャラを造形しておきながら、その死を至極あっさりと、場合によっては伝聞という形でしか描かないことで、大筋の荒唐無稽さを凌ぐリアリティが醸し出されています。 自ら生み出したキャラに溺れてしまう凡百の作家とはレベルが違いますね。 | ||||
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宮部みゆきの文章の速さは時代物に良くあいますね。しかもミステリ色が濃い。こういった作品はやっぱり宮部みゆきならではです。 ちょっと人が死に過ぎなので四点にさせてください。登場人物がばたばた死んで行きます。それでも暖かな読後感や希望のかけらのようなものが心に残るのは、薄倖な少女の造形の豊かさによるものでしょう。兎も角、見事な作品です。 | ||||
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あまりにもひどい仕打ちを受けてきた「ほう」が哀れで、わずか9歳なのに、 働いていないからご飯をたべちゃいけないという。 まずここで堪えきれなかった。その先も何度も涙が堪えられなかった。 この物語は、事件や事故で何人もの人が死んでしまい、妬み、陰謀など蠢く 凄惨な話でもある。その中で「ほう」の純真さが浮き立ち、せつなくもあり救われもする。 御霊と恐れられる流刑人「加賀様」の下女となったあと、ある事件をきっかけに 「加賀様」と毎朝会うことになり、「加賀様」は「ほう」を一人の人間として接し、 無学であった「ほう」に手ほどきをする。 「ほう」も懸命に加賀様に応えようと努力する。 疎まれていた二人のやり取りが一番人として真っ直ぐに生きているように感じた。 自分のため、流刑地「丸海藩」のため、死を望んでいた「加賀様」は「ほう」との やり取りが最後に人間らしく生きた証であり、安らぎだったと思う。 「ほう」も加賀様が死の間際に名を授け、阿呆の「ほう」から「宝(ほう)」に 昇華した。ラストも「ほう」に救われ、静かに読み終わることができた。 宮部さんの小説は本作が初めてで、禍々しい部分もあったが読み応えのあるいい作品だったと思う。 | ||||
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宮部作品が好きな理由は、どんな凄惨な内容でも読後には「人間ってすばらしい」と、パンドラの箱のような感情を持てるからでした。読者をぐいぐい引き込む文章力はさすがです。たった2行で涙がこぼれました。 でもこの作品にパンドラの箱は開かなかったな〜。 | ||||
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序盤は美しい港町の風景をゆったりと描写しながら、 登場人物が丹念に描かれていきます。 ’加賀殿’の登場によって起こる波紋が 彼らの人物像にゆらぎと深みを与えながら徐々にざわめきを大きくし、 やがて怒濤のクライマックスへ。 もちろんホラーではないのですが、 急がずあせらず伏線をたっぷりと張って、という筆運びが 御大スティーブン・キングを思い出させました。 やっぱり書くことに対する基礎体力がある人は違うなあと 改めて感心。ご本人も書いていて楽しいでしょうね。 ほうちゃんの幸せを祈りつつ、読了しました。 | ||||
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物語のそれまでの人間の怖さ、弱さ、愚かさ、ドロドロした部分、全てがラストシーンを美しく感動的にしてくれる作品でした。 最後迄読んだ時、涙が止まりませんでした。 そしてしばらくボーゼンとしてしまいました。 作品解説に連載を中断しようとしたエピソードが入っています。 それを含めて出会えて良かった。と思える本でした。 | ||||
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時代は、十一代将軍家斉の時、様々に身分があり、人の命の重さもその身分に比例していたのだと感じました。どうしようもできない事、受け入れざるをえないこと。そんな境遇の中で、様々な事件を通して、それぞれの立場の人々が葛藤に苦しみながら、毎日を懸命に生きていきていく姿が描かれています。 江戸から捨て子同然で讃岐国にやってきた少女「ほう」は、運よく藩医である井上家に奉公するようになりました。*「ほう」の名前の由来は阿呆の呆からきているのです。この名前からも彼女の江戸での境遇を想像できると思います。「ほう」は、ある事件の後井上家から追い出され、引き手見習いの「宇佐」と一緒に生活を始めます。ただその生活も短く、すぐに鬼として恐れられ、江戸から流されてきた、元勘定奉行加賀様のお屋敷の下女として働かされることになりました。 この物語は、無垢な少女である「ほう」と、様々な登場人物の葛藤、多くの人々の中にある鬼を通して、人間とは何か、本来あるべき姿とは何か、を見つめ直すきっかけになりました。 最後は、オビにあるように涙が止まらなかったのですが、本を閉じる時には、清々しい気持ちに変わっていました。それは、たぶん「ほう」の無垢な心が与えてくれたものだと思いました。 成長した「ほう」に、また、会いたいと思いました。 | ||||
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時代は、十一代将軍家斉の時、様々に身分があり、人の命の重さもその身分に比例していたのだと感じました。どうしようもできない事、受け入れざるをえないこと。そんな境遇の中で、様々な事件を通して、それぞれの立場の人々が葛藤に苦しみながら、毎日を懸命に生きていきていく姿が描かれています。 江戸から捨て子同然で讃岐国にやってきた少女「ほう」は、運よく藩医である井上家に奉公するようになりました。*「ほう」の名前の由来は阿呆の呆からきているのです。この名前からも彼女の江戸での境遇を想像できると思います。「ほう」は、ある事件の後井上家から追い出され、引き手見習いの「宇佐」と一緒に生活を始めます。ただその生活も短く、すぐに鬼として恐れられ、江戸から流されてきた、元勘定奉行加賀様のお屋敷の下女として働かされることになりました。 この物語は、無垢な少女である「ほう」と、様々な登場人物の葛藤、多くの人々の中にある鬼を通して、人間とは何か、本来あるべき姿とは何か、を見つめ直すきっかけになりました。 最後は、オビにあるように涙が止まらなかったのですが、本を閉じる時には、清々しい気持ちに変わっていました。それは、たぶん「ほう」の無垢な心が与えてくれたものだと思いました。 成長した「ほう」に、また、会いたいと思いました。 | ||||
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「金毘羅さままでは、峠をふたつ越えるだけ」の所にある、山と海に囲まれ温和な人々が暮らす小藩・丸海。この地に数奇な運命の末にたどり着いた少女「ほう」。のどかな町に突如持ち上がった“加賀様お預かり”とその騒乱にまぎれ動き出す人々の心に潜む「鬼」たち…。 この下巻では、「ほう」と彼女を取り囲む人々の運命の歯車が一気に加速していきます。巻末の解説で児玉清さんもS・キングの『小説作法』を引き合いに出していますが、さまざまな人々を通して引かれた伏線が終末に向かい一気に展開していく手法は全盛期のキングの小説を彷彿とさせます。そうした作者のストーリテリングの上手さももちろんのこと、一つ一つの言葉の使い方の美しさも光ります。途中、物語の流れが緩慢になってしまう部分もあるものの「久しぶりに小説を読んだ!」という気持ちになった一冊です。 | ||||
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