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孤宿の人
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孤宿の人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全171件 101~120 6/9ページ
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物語のそれまでの人間の怖さ、弱さ、愚かさ、ドロドロした部分、全てがラストシーンを美しく感動的にしてくれる作品でした。 最後迄読んだ時、涙が止まりませんでした。 そしてしばらくボーゼンとしてしまいました。 作品解説に連載を中断しようとしたエピソードが入っています。 それを含めて出会えて良かった。と思える本でした。 | ||||
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時代は、十一代将軍家斉の時、様々に身分があり、人の命の重さもその身分に比例していたのだと感じました。どうしようもできない事、受け入れざるをえないこと。そんな境遇の中で、様々な事件を通して、それぞれの立場の人々が葛藤に苦しみながら、毎日を懸命に生きていきていく姿が描かれています。 江戸から捨て子同然で讃岐国にやってきた少女「ほう」は、運よく藩医である井上家に奉公するようになりました。*「ほう」の名前の由来は阿呆の呆からきているのです。この名前からも彼女の江戸での境遇を想像できると思います。「ほう」は、ある事件の後井上家から追い出され、引き手見習いの「宇佐」と一緒に生活を始めます。ただその生活も短く、すぐに鬼として恐れられ、江戸から流されてきた、元勘定奉行加賀様のお屋敷の下女として働かされることになりました。 この物語は、無垢な少女である「ほう」と、様々な登場人物の葛藤、多くの人々の中にある鬼を通して、人間とは何か、本来あるべき姿とは何か、を見つめ直すきっかけになりました。 最後は、オビにあるように涙が止まらなかったのですが、本を閉じる時には、清々しい気持ちに変わっていました。それは、たぶん「ほう」の無垢な心が与えてくれたものだと思いました。 成長した「ほう」に、また、会いたいと思いました。 | ||||
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時代は、十一代将軍家斉の時、様々に身分があり、人の命の重さもその身分に比例していたのだと感じました。どうしようもできない事、受け入れざるをえないこと。そんな境遇の中で、様々な事件を通して、それぞれの立場の人々が葛藤に苦しみながら、毎日を懸命に生きていきていく姿が描かれています。 江戸から捨て子同然で讃岐国にやってきた少女「ほう」は、運よく藩医である井上家に奉公するようになりました。*「ほう」の名前の由来は阿呆の呆からきているのです。この名前からも彼女の江戸での境遇を想像できると思います。「ほう」は、ある事件の後井上家から追い出され、引き手見習いの「宇佐」と一緒に生活を始めます。ただその生活も短く、すぐに鬼として恐れられ、江戸から流されてきた、元勘定奉行加賀様のお屋敷の下女として働かされることになりました。 この物語は、無垢な少女である「ほう」と、様々な登場人物の葛藤、多くの人々の中にある鬼を通して、人間とは何か、本来あるべき姿とは何か、を見つめ直すきっかけになりました。 最後は、オビにあるように涙が止まらなかったのですが、本を閉じる時には、清々しい気持ちに変わっていました。それは、たぶん「ほう」の無垢な心が与えてくれたものだと思いました。 成長した「ほう」に、また、会いたいと思いました。 | ||||
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「金毘羅さままでは、峠をふたつ越えるだけ」の所にある、山と海に囲まれ温和な人々が暮らす小藩・丸海。この地に数奇な運命の末にたどり着いた少女「ほう」。のどかな町に突如持ち上がった“加賀様お預かり”とその騒乱にまぎれ動き出す人々の心に潜む「鬼」たち…。 この下巻では、「ほう」と彼女を取り囲む人々の運命の歯車が一気に加速していきます。巻末の解説で児玉清さんもS・キングの『小説作法』を引き合いに出していますが、さまざまな人々を通して引かれた伏線が終末に向かい一気に展開していく手法は全盛期のキングの小説を彷彿とさせます。そうした作者のストーリテリングの上手さももちろんのこと、一つ一つの言葉の使い方の美しさも光ります。途中、物語の流れが緩慢になってしまう部分もあるものの「久しぶりに小説を読んだ!」という気持ちになった一冊です。 | ||||
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宮部みゆきの作品は、時代物、現代物を問わずスピード感があり、読んでいるとどんどん引き込まれて行くのですが、この作品は10日ぐらいかかってようやく読み終えました。 主人公の孤児の少女、ほう、を取り巻く登場人物の心理描写がしつこいほど長く、あーでもないこーでもないと繰り返し出てくるのでうんざりします。しかも、かれらが途中でどんどん死んでいくのでちょっとしらけた気分で結末をむかえる・・・。 結末は、純粋無垢な主人公を通して人々が「御仏を見る」、ということになって最後に泣かせます。 このような感想になってしまうのは、読み手である私自身に問題があるのでしょうか? | ||||
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宮部みゆきさんの本のおもしろさ、文章のすばらしさは十分に認識していたつもりでしたが、この本であらためて思い知らされた気がします。特に、下巻に入ってからは、ぐいぐいと物語に引き込まれ、終り間近では、思わず、涙が。久しぶりに、こういう本に出会いました。 連載中に、作者が続きを書くのを断念しようと思ったとか。書き上げてくれて良かったです。 | ||||
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仕事の休憩時間に読んでいて、思わず「やばい、泣く」と思って 明後日の方向を向いてやり過ごしました。 宮部さんの作品はかなり読んでいますが、これはいいです。 とくに、下巻、しかも後半の惹きこまれっぷりはすごかったです。 大人たちの勝手な思惑に翻弄されている少女「ほう」が健気で愛しくて仕方なかったのです。 「時代ものはちょっと・・・」なんて思っている人にこそ、読んでいただきたい! やっぱり宮部みゆきはすごい作家だと思わされた作品でした。 | ||||
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「理由」以降、ひたすらに作品が長くなっていっている宮部みゆきに限らず、ミステリ系では長い作品が増えていますが、そこまでの長さの割に作品全体の密度が低いというのも共通しており、この作品もその一つ。 他のレビューにもありますが、登場人物へのそれぞれの力点の置き方が最後まで収束しきれていませんし、エピソードも完結していない小道具が多い。さらに、ここまで大掛かりな道具立てをした割りには、藩の中の相剋も加賀殿の罪の真実もイマイチ明瞭でない。 「ほう」の造形は、宮部みゆきが初めて「少女」で「無垢」を作り出せた成功例でしょう。宮部みゆきはもともと「少年」を使って「無垢」や「純真」を、作品の中で動かすのを得意としてきましたが、どうしても少年に比べて「おませな」印象を持ってしまう「少女」の場合は、「知恵がたりない」という小道具を用いることで生み出すことに成功したのだと思います。 ラストはやはり涙しましたが、その感動と作品の完成度への評価とは別。 「火車」「返事はいらない」「龍は眠る」「蒲生邸事件」といった時代が、懐かしい。あれらの緊張感ある完成度ではなく、「レベル7」に見られるような、気を持たせておきながら、結局はなんとなくまとまりに欠ける、という傾向の方が最近強く出てきているようです。 「理由」も「模倣犯」も一般の評価は高いですが、初期〜中期の作品の緊密度の高さは、年齢的にもはや望めないのかもしれない…。話を発散させずに手元でぐっと引き締めておくには心身の体力が必要ですから。非常に寂しいです。 | ||||
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最近、宮部の時代物にハマっています。 書店で手にとって、後ろのあらすじを読んだ時、 内容がちょっと暗いかな〜と思いつつも、買ってしまった。 1度目に読んだ時は、うわ〜っと一晩で読んでしまった。 気が付いたら、朝だった。 2度目は、ちょっとのつもりが、また、引き込まれてしまい・・・ おもしろかったです、これ。 | ||||
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宮部みゆきの作品は殆ど好きだが、最近は中でもこの作家の時代物の妙味に魅力を感じている。 一気に上、下巻を読んでしまった。 宮部作品には珍しく、多少途中に冗漫さなどを感じたりもしたが…。また登場人物の描写にも多少らしからぬ物足りなさなども感じなかったではないけれど、やはりこの作家のラストにかけて描いてゆく筆力にはどうもくする。 一気呵成に終局へと雪崩れ込むが…何とも切ない思いを次々と残した幕切れで…本当に久方ぶりに涙を流してしまった。「ほう」を見ていると、何故だかドストエフスキーの「白痴」のムイシュキン公爵を思い出してしまった。本当の無知無心のみが、唯一魂を美しいままに保てるのではないか?和尚が、ほうが見た仏は、普通のほんの少しの煩悩すら捨て去ることの出来ない普通の人間には決して見ることの叶わぬ仏だ…という意味は何となく分かるような気がする。そして、ほう自身の無垢さが、多分相手の仏性を引き出すのではないだろうか。小児が全て無垢などでは決してない。ほうだからこそ相手の仏性を引き出すことが出来るのだろう。ほうは加賀様にこれ以上大切なものがないほどの名を頂いた。ほう自身が宝なのだ。加賀様は、自身の最期に於いて、きっと救われる気持ちがしたことだろう。ほうが好きな人、可愛がってくれる人が次々と亡くなっていく中で、それでも悲しむながら淡々と生きてゆくほうの姿は、胸塞がれる思いがするが、ラストの情景は、流石宮部みゆきの真骨頂とも言うべき筆の置き方だと感じた。 ところで…タイトルの「孤宿の人」というのは、ほうのこと?或いは加賀様のこと?残念ながら、読解力の乏しい私は些か頭を悩ませてしまった…。誰か教えて下さい。? | ||||
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生まれつき知恵の足りない少女が、周りの人間に助けられ苦しいながらも純粋に生きていく物語に感動しました。 宮部みゆきさんの描く時代物のなかでは、ずしんと心に響くお話です。 頭に景色が浮かぶような読みやすさはそのままで、あっという間に読みきりました。 登場人物の抱える背景や心情も細かく描写されており、引き込まれます。 最後は涙が止まりませんでした。 | ||||
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届く商品は、みんな きれいで きちんとしています。しかも はやく 届くのでとてもうれしいです 読みたい本が すぐ みつかるので とても 便利に利用させて頂いてます | ||||
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四国讃岐国丸海藩は温和で豊かな海に面し金毘羅詣で賑わう平和な小藩であった。しかし藩には変事の予感があった。海に白い小さな波が立つとき土地のものはうさぎが飛んでいると言う。それは嵐の予兆であった。丸海藩は幕府から困難なお役目を仰せつかった。元勘定奉行という要職にありながら六人の人を殺害したといわれる船井加賀守守利の身柄をを預かる事になったのだ。加賀守は悪霊に憑かれ鬼に変じたと人々は恐れた。丸海に災いを運びこの地に古くから住む悪霊を呼び覚ますと。幕府の狙いは丸海藩が役目に失敗し藩を取り潰しにしてこの地を天領にする事であった。丸海藩を動かしている人々はそうはさせじと画策する。江戸から丸海に流れ着いた知恵遅れの少女ほう。丸海の人々は10歳のほうに藩の大事を託し加賀守の幽閉されている涸滝の牢屋敷に送り込む。読者をぐいぐい引っ張っていく時代小説です。 | ||||
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この物語はおそらく人にとって真の知性とは何かという話なのだろう。知恵遅れの少女ほうは何も持ってはいない。家も、面倒を見てくれる身内も、困った時自分で何とかする知恵も。それ故にほうはいつもまっしぐらに核心に辿り着く。ほうがつっかえつっかえ語る言葉は限りなく人の心を動かす。余計な事を知らず考えぬ時、人の心は何と罪が無く例えようも無く美しいのか。それ故丸海藩の人々は10歳のほうに藩の命運を託した。或いは罪の無い命を失う事になるかも知れないがこの子にしか出来ないのだと。神の怒りのごとく丸海藩を落雷と暴動と火事が見舞うクライマックスまで一気に読ませ感動間違いなしです。これを読んで泣かない人がいるとは信じられません。時代小説ファンも宮部みゆきファンも必見です。 | ||||
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前半から中盤にかけてのもったり感は山本周五郎の作品にも共通する「臭いものにはフタ」のようなその時代の(特徴と思われる)ことなかれ主義だと思うとあまり気にはならない。 宮部みゆきは子供、特に少女の成長を描く事に非常に巧みな作家だと思う。 この少女の悲しみに共鳴するところがあるせいかラストの哀切な「ほう」が「おあんさま」に語りかける場面ではやっぱり、わかっていながら作者の術中にはまって泣いてしまう・・しかし、心地よく心洗われる涙なのでよしとします。 | ||||
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テーマは良かったと思うが、消化不足か。特に後半の展開が、話を進めるための強引なものに思えた。あの人たちを物語中で殺す必要があったのか、ラストの少女の反応はあっさりしすぎていないか。 | ||||
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帯紙に「懇親の力をこめて…」とあるが、残念ながら、まったくそうは感じられない。明らかに、少し書いてはまた書きたして、筆を休め、また思いついたら筆で書き続けていく。そんな、ゾンザイさが明らかに漂ってくる。多忙で依頼された原稿が詰まっているのだろうが…このような作者の添削直しが不充分とあられば、先がみえている。残念な失敗作と感じるのは小生だけではないであろう。 | ||||
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私自身、宮部氏の現代小説時代小説を読むのはまだ2作目であるが、正直、作者のファンでなくては、この上下巻あわせて800ページ以上を読破するのは骨が折れると思う。 淡々としながらもハートウォーミングな語り口で作品が進行するのであるが、とにかく、この作品には「抑揚」がない。なにしろ、「孤宿の人」本人が登場するのが、下巻の前半である。そして、作品のテンポがはやまり、面白くなってきたのは下巻の半分過ぎからであった。私自身、作者の作品であるからこそ、「いつか面白くなるはず」と信じて読むことができたが、他の作者の作品だったら、途中で挫折していたと思う。 また、この作品には数人の主要な登場人物が描かれているのだが、結局誰が主人公であるのかがはっきりしなかった。このへんが作品の「抑揚」のなさにつながるのかもしれない。 | ||||
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最近の宮部みゆきの中では、個人的にベストである。 宮部作品は、いつも人の「業」をテーマにしていると感じるのだが、今回はとくに無垢な存在である「ほう」を中心にすえることで、善人(宇佐・井上親子・泉医師・加賀など)である人ですら、みずから「正しい」と感じることを為すことが難しいのだという、人が生きることの苦しさが描かれていた。 これらの人々を取り囲む背景の書き方も見事である。 私にも、丸海藩からのぞむ海が見えるような気がした。 | ||||
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宮部みゆきさんのどの作品も、読書好きのだれでもが舌を巻く絶妙な描写と表現力を持ち、様々に交錯する感情の中から、人のもつ愛情、まっすぐなこころを浮きだたせる点においては、この作品もまったくひけを取りません。 そして、この作品の新しさは、宮部さんの得意とする江戸の下町を離れて、美しい海と山道のある地方へと舞台を変え、庶民の生活やこころの繊細なひだを写し取ると同時に、身分ある人々の様相や、こころの葛藤も描いているところでしょう。 庶民と武家の人間の描写においては、その言葉遣いから、立ち居振る舞いといった細微にわたり、一人一人の個性を鮮やかに映し出していきます。その対照的な身分にいるものが、主人公である幼い少女ほうによって、関わりを持つ事を見る事ができるのがこの作品の極めて精巧な面白さでもあります。 ほうが幼いうちから過酷な人生に翻弄されながらも懸命に生きてゆく姿と同時に、まっすぐで素直なこころが彼女に絶大な強さを与えている事にも感動しました。 元幕臣と、ほうがともに過ごすことなどあり得ない事が宮部みゆきによって、可能となり、そのシーンは余りにエキサイティングでスリリングで、そしていつの間にか、物語の中にすっかり引き込まれて、私も今夜は、山間の空気の静けさや凄まじい落雷を感じた気がします。 その凄まじい落雷と、その後の海に囲まれた穏やかさが、この物語の高揚と日常の部分を象徴するかのようであり、それはまた、人の人生の上り下りの激しさを暗示しているようでもあるのです。 | ||||
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