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孤宿の人
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孤宿の人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.25pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全167件 41~60 3/9ページ
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「お前の名前は阿呆の”呆”だ」 そう言われながら、邪魔者のように育った少女”ほう”は、 ひょんなことから金毘羅大権現を拝みに、江戸から四国の丸海藩までやってきていた。 このときまだ9歳。 しかし、その地で、”ほう”はまるで捨てられたように、ひとりぼっちになってしまう。 地元の寺の住職の縁で、藩医を務める井上家に奉公人として預けられ 奉公人として働きながらも、跡継ぎの啓一郎に読み書きを習ったり、その妹の琴江からは行儀作法など習いしながら ようやく人の子らしい生活をしていた。 ある日、”ほう”は、井上家へまっすぐ向かってくる物頭梶原家の息女を見かける。 琴江と親しくしている娘である。 同じころ、涸滝の牢屋敷で、建築中だった竹矢来が崩れ 多くの怪我人が出たという知らせが入る。 啓一郎は、琴江を呼ぶが、なんと琴江は、毒を盛られて死んでいた…… 犯人は、梶原家の娘か! ところが、なぜか琴江の死は毒によるものではなく 心臓の発作による頓死とされる。 さらに、梶原の娘を目撃した”ほう”は、井上家を出され 一時は番小屋頭の親分に預けられるが、 ほどなく、その手下で女だてらに引手見習いの宇佐とともに暮らす。 宇佐は、この小説のもう一人の主人公と言える人物である。 その頃、丸海藩ではやっかいごとを抱えようとしていた。 元幕府の高官であった罪人、船井加賀守守利という人物を流人として預かることになっていたのである。 罪人とはいえ、お上からの大切な預かり者であるから、何事かあれば藩の大事である。 これらの事件がどう絡み合っているのか。 一生懸命で健気な”ほう”が どんどん事件の中心に巻き込まれていく。 上巻では、それぞれのミステリーが個別にていねいに描かれ 下巻では、いよいよそれらが一つになって スピーディーな展開を見せるクライマックスへと勢いよく突き進む。 命のきれいな者、そうでない者も含め やや人が死にすぎかなとも思うし、また、とても悲しくて、せつないけれども 読後には爽やかな一陣の風が吹く。 | ||||
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ストーリーテラーの力量は確かなのだが、冒頭に「香川では、ありえない」「それは違う」描写に出くわす。最初にここで引っかかると、そのあとも違和感を引きずって、どうにもならない。金比羅宮参りにあと一日という、讃岐の金比羅宮参詣者のための宿で、同伴者に路銀を持ち逃げされ、立ち往生した子供がいれば、宿や周囲の参詣者は手を尽くしてその子が金比羅宮参詣を完遂できるように助力する。間違っても、寺に預ける(参詣を完遂させない)ようなことはしないはずだ。現在でも四国では「ご接待」という、四国八十八箇所の寺の巡礼者に、お茶・食事・時には宿を提供して、巡礼を助ける伝統があるのだ。まして、江戸時代、しかも金比羅宮のおかげで商売が成り立っている宿で、金比羅宮信仰を軽んずるようなことが何の疑問もなくなされるわけがない。せめて、参詣をすませた帰り道にすれば、いただいたお札だけ国元に送って、帰りたくないという子供を篤志家が引き取るということもあり得たと思うのだが。 やはり、著者は東京の人だけに、他の土地の人を描こうとすると難しいようだ。残念なことだ。 | ||||
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武家社会の難しさを感じました。 またさまざまなひとびとの思惑が交錯するなか、主人公ほうの純粋無垢なこころにうたれました。 | ||||
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武家社会の難しさを感じました。 またさまざまな人々の思惑が交錯するなか、主人公ほうの純粋無垢な心にうたれました。 | ||||
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著者のさくひんは、いつも状況説明が、少しくどすぎる、この作品もそうだったが、中盤くらいから、面白くなってくる。 | ||||
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TVで紹介されて思わず入手。 人物が生き生きとしてとても面白いです。 | ||||
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上巻から続いて一気読み。 又次の宮部さんの物さがして読みたいと思います。 | ||||
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とっても良かったです! 宮部さんの作品で私が好きな要素が全部入っていておもしろかったです。 特にラストは泣けてしまって電車の中とかでは読めないです。何度も読み返してしまいました。他の方のレビューにもありましたが、ほうちゃんの幸多い人生を願ってやみません。 | ||||
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物語のメインとなるほう、宇佐、渡部、啓一郎がそれぞれ共通の苦しみを抱えながらどんなことを思い生きていったのか。丁寧に書かれており、その時代に生きていることを想像しながら読み進めることができました。 ほとんどの大人たちは自分の生活はたまた権力のことに頭と心をいっぱいにさせる。 しかしながら、命を惜しまずそれに負けず清く生きる大人の姿はなにより美しくもなる。 それはちょうど、薬と毒が紙一重のように。 私は孤宿の人、それはほうであり、加賀殿であり、すべての人間のことなのだと解釈した。 そして、ほう、という名前…なるほど! | ||||
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「孤宿の人」宮部さんの作品の中で一番好きな本になりました。 悲しい別れや温かな思いに涙が溢れ、何度も何度も読み返しました。 ほうちゃんの健気さが、とてもいいです。 私の宝物になりました。 | ||||
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両親の顔も定かではない、孤児同然の九歳の女の子の物語である。 “ほう”という名前で、阿呆の「ほう」と言われるほど、字も読めず、数を数えることもできない。読み書きの教育を一切受けず、ただ生かされている。 その彼女が養われている主(実父)の病気回復のために四国讃岐国丸海へ巡礼に出されることになるのだが、同行の女に身ぐるみ剥がれ、路銀も奪われ、讃岐・丸海で捨てられる。しかし丸海の医師・井上家の絃州先生や息子の啓一郎、娘の琴江に救われ、“ほう”は讃岐・丸海で暮らすことになる。琴江はまめまめしく世話をやき、啓一郎は読み書きと算術を辛抱強く教え、“ほう”は井上家の奉公人となる。 やがて丸海のカレタキ(涸滝)に江戸から流されてきた加賀様という悪霊が封じられていると言われる涸滝野で、“ほう”がその悪霊の世話をすることになる。“ほう”はそこで下働きをしながら女引手の“おあんさん”から新しい知識を身に付けるが、その“おあんさん”も若くして亡くなってしまう。そこで“ほう”は「怖ろしい」と言われる加賀様に自ら近づき、字を教えられ、算術を習い、“ほう”は「阿呆」の“ほう”でなく「宝」の“ほう”だと言われるようになっていく……。 無知で幼く、孤児同然の女の子の人間性が、過酷な環境・人間関係の中であっても心優しい人々によって成長していく物語である。 「あとがき」に丸海藩も加賀様も架空のもの、フィクションであると作者は書いているが、医学の進んでいない当時の状況ー流行病やコロリ、不可解な死などーにはリアリティが溢れ、構成も素晴らしい。そしてなによりも、卓越した文章力によって登場人物が個性的に活き活きと描かれている点に、この作家の秀逸なる才能が光っている。 日本の歴史小説のミステリとして、間違いなく最高傑作のひとつである。 | ||||
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好みがだいぶ分かれると思いますが、私はベストです。何度読み返しても号泣してしまう。でもその涙はつらいばかりではない。「生きる」ということの辛さとありがたさが痛いほど迫ってくる。それぞれの立場のそれぞれの苦しさや喜びがある。虐待され続けて育ったにもかかわらず素直で健気な主人公「ほう」が後半の陰惨とも言える展開の救いであり、暗い場面だからこそほうの存在が輝く。 あえて細かいことを言うなら「加賀様が凶行に至った理由」や「ほうが女中に選ばれた理由」がいささか弱いというか不自然な感じもしますが、それらを補ってあまりある迫力ある人物描写と怒濤の展開です。 「みんなで幸せになって大団円」を期待するなら読まない方がいいと思います。ノンフィクションのような迫力ある「生きる」を感じたいならお勧めです。 | ||||
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上、に続いての下に物語の展開についつい引き込まれ、一気に読みました。 | ||||
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図書館で上を借りて読んでから下を借りに行くと在庫なし。 どうしても急いで下が読みたくて アマゾンに。 なんと注文してからあっという間に届く!ほとんど送料のみのお値段。 しかも ほとんど新品! なんと便利な世の中になったものだと感謝の66歳のばあさんであります。 | ||||
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今まで読んだ宮部みゆきの時代物とはちょっと違った。 舞台は江戸ではなく、丸海藩という、架空の藩というところで、一人の罪人を丸海藩が幕府から預かることで色々な思惑や出来事が飛び交ってしまう。 物語はたくさんの人が亡くなるし、みんなどこか悲しい背景がある。 でも、ラストは自然と涙が出た。悲しいだけじゃない。人と人との繋がりをこのほうという、小さな女の子に教えてもらった。 また、この丸海藩の景色がすごく綺麗です。目の前にパッっと浮かんでくるような、描写が素敵でした。行ってみたいな。 とにかく、心情の描写、景色の描写ともに圧巻です。さすが宮部みゆきさんだなと思わせる小説でした。 巻末の解説を児玉清さんが書かれています。 この解説もすごく良いので、是非本文を読まれた後に読んでいただきたいです。 | ||||
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上巻について、物語の入りは非常に興味がひかれ、その後の展開が楽しみになった。 しかし、すぐに登場人物の背景説明にほとんどのページが割かれ、中だるみした感が否めなかった。 正直読むのがしんどいと思ってしまった。 あの長い背景説明は、今後の展開に関係あるのだろうか。 | ||||
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ほうと加賀様の交流は、べただけどとてもよかった。 トータルとして非常におもしろかったが、やっぱり上巻のほとんどの内容は いらなかったようにも思える。 | ||||
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無垢で純粋な心情を持つ、ほうと宇佐を筆頭に、ある毒殺事件から”加賀殿”に絡めて、 全て有耶無耶にしてしまおうという時点から、現代に通じる突発的な事態に対する 政治的な対応が似ていると感じた。例えば、福島原発での水素爆発によって 放射能が大量に流れ出たのに、今もって真相をひた隠しに隠している事件である。 本来なら、地域住民を政府が全精力をあげて緊急避難させなくてはならないのだが、 農林、水産業への利権や原発利権なども絡んで、事の重大さを出来るだけ 小さく見せようとしている点である。第二に20年以上に及ぶ不景気が続いているのに 消費税など増税をしようとしている点などである。 本来なら景気回復が優先課題であるにも関わらず、個人消費を冷やすであろう 増税を選択しようとしている時点で論外なのである。 いろんな面で現代にも通じる政治的な対応が事細かに描かれていて 大変に参考になる本だと思う。結論は、突発的な事態が起こった時には 江戸時代でも平成の現代でも、人間がパニック状態に陥ると 同じように物事が円滑に動かなくなり、目茶苦茶になるという事である。 | ||||
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これ、好きです。最後に私も思わず涙しちゃった。小説読んでて泣いちゃったのって、初めてかも。でも、なんでこんなにぶ厚い上下二冊なの。「本屋大賞」とってなかったら、きっと上巻だけで読むのやめてたと思う。どうして前置きがあんなに長いのか、やっぱり疑問。ということで、星は4つにしておきます。 | ||||
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宮部みゆきさんの本をかなり読んでいますが、時代劇もので長編はやはり良いです。内容もとっても哀しいけど、勉強になります。 | ||||
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