時は元禄、東北の小藩の山村が、一夜にして壊滅した。隣り合い、いがみ合う二藩の思惑が交錯する地で起きた厄災。

三島屋伊兵衛の姪・おちか一人が聞いては聞き捨てる変わり百物語が始まって一年。

夜な夜な江戸市中に出没する辻斬り「かまいたち」。町医者の娘おようは、夜おそく父を迎えに出て、かまいたちに出会ってしまう。

痒み止めの新薬「王疹膏」を売り出していた瓶屋の主人、新兵衛が斬り殺された。

蓋を開けたら災いが降りかかるという堪忍箱とは…。

父の汚名をそそぎたい。そんな思いを胸に秘めた笙之介は…。

「殺し屋が来て、兄さんを殺してしまったんです」―江戸・深川の鉄瓶長屋で八百屋の太助が殺された。

江戸・深川の料理屋「ふね屋」では、店の船出を飾る宴も終ろうとしていた。

一度にひとりずつ、百物語の聞き集めを始めた三島屋伊兵衛の姪・おちか。

墨田区・大川公園で若い女性の右腕とハンドバッグが発見された。

盆市で大工が拾った迷子の男の子。

近江屋藤兵衛が殺された。下手人は藤兵衛と折り合いの悪かった娘のお美津だという噂が流れたが…。

湯治旅の帰途、若夫婦が雨で足止めになった老女との相部屋を引き受けた。

ごめんくださいまし──。宝永七年の初夏、下野北見藩・元作事方組頭の家に声が響いた。

「模倣犯」事件から9年が経った。

事件はなぜ起こったか。殺されたのは「誰」で、いったい「誰」が殺人者であったのか―。

佐吉が人を殺めた疑いで捕らえられた。しかも殺した相手は実の母、葵だという。

今多コンツェルン広報室の杉村三郎は、事故死した同社の運転手・梶田信夫の娘たちの相談を受ける。

インターネット上に溢れる情報の中で、法律に抵触するものや犯罪に結びつくものを監視し、調査するサイバー・パトロール会社「クマー」。

失恋からコンピュータ犯罪の片棒を担ぐにいたる微妙な女性心理の動きを描く表題作。『火車』の原型ともいえる「裏切らないで」。

嵐の晩だった。雑誌記者の高坂昭吾は、車で東京に向かう道すがら、道端で自転車をパンクさせ、立ち往生していた少年を拾った。

休職中の刑事、本間俊介は遠縁の男性に頼まれて彼の婚約者、関根彰子の行方を捜すことになった。

レベル7まで行ったら戻れない―。謎の言葉を残して失踪した女子高生。

親子の救済、老人の覚醒、過去の自分との出会い、仲良しロボットとの別れ……淡く美しい希望が灯る。

もう会えないなんて言うなよ。あなたは思い出す。

月夜の晩の本当に恐い恐い江戸ふしぎ噺―著者渾身の奇談小説。

今多コンツェルン広報室に雇われたアルバイトの原田いずみは、質の悪いトラブルメーカーだった。

マンションの屋上からの飛び降り、地下鉄への飛び込み、そしてタクシーへの飛び出し。

勤め先の小学校で、ヒロインは「あそぼ」とささやく子供の幻に出会う。そんな折、校内プールに女性の死体が…。

轢き逃げは、じつは惨殺事件だった。被害者は森元隆一。

十三歳の八木沢順は、刑事の父・道雄と東京の下町に引っ越した。

「動くな」。終電帰りに寄ったコンビニで遭遇したピストル強盗は、尻ポケットから赤ちゃんの玩具、ガラガラを落として去った。

離婚した杉村三郎は私立探偵事務所を設立。

一九九四年二月二十六日未明、予備校受験のために上京した浪人生の孝史は宿泊中のホテルで火事に遭遇する。

「皆さん、お静かに。動かないでください」。

人間の愚かさ、残酷さ、哀しみ、業――これぞ江戸怪談の最高峰! 塩断ちを機に次々と家族を襲った身も凍るほどの怪異、妖を呼び寄せる声をもった女中の奉公話、世にも奇妙な写本の話……人間の愚かさ、残酷さ、哀しみ、業――清濁すべての感情を併せ呑む、

愛、裏切り、友情、報復。人間の真実を衝くサスペンス傑作。

元警察犬で現在は蓮見探偵事務所の用心棒ならぬ用心犬・マサが、加代ちゃんやその家族、前作で亡くなった高校野球のヒロー諸岡克彦の弟・進也も加わった面々と活躍する、マサの語る事件簿をこれも新装版で。

「宮部みゆき流ハードボイルド」杉村三郎シリーズ第5弾。

宮部みゆき、久々の新シリーズ始動! 謎解き×怪異×人情が味わえて、著者が「生涯、書き続けたい」という捕物帖であり、宮部ワールドの要となるシリーズだ。

森崎友理子は小学生。中学生の兄・大樹が、学校で同級生をナイフで刺し、そのまま逃走、行方不明になった。

雅男は、サッカーが好きなごくふつうの中学生。

真っ赤な朝焼けの中、娘が一陣の風とともに忽然と消えた。居合わせた父親が自身番に捕らえられるが、自ら命を絶ってしまう。

17歳のおちかは、ある事件を境に、ぴたりと他人に心を閉ざした。

四人の若者が廃工場に瀕死の男を運び込んできた。その男を“始末”するために。

中学3年の尾垣真が拾った中世ヨーロッパの古城のデッサン。

江戸は神田の袋物屋・三島屋は風変わりな百物語で知られている。語り手一人に聞き手も一人。

通信社の東京支社社会部に勤務、池袋警察署の記者クラブに詰める鶴田吉郎。

東京下町、荒川土手下にある小さな共同ビルの一階に店を構える田辺書店。

おちかに代わり三島屋次男坊・富次郎が新たな聞き手に。心揺さぶる極上の江戸怪談、新章突入─。

お姉ちゃんが死んだ。誰からも愛された人。

宮部みゆきさんの書き下ろし短編「人・で・なし」を読んだ辻村深月さんが「ママ・はは」を書き下ろし、その辻村さんの短編を読んだ薬丸岳さんが「わたし・わたし」を書き下ろし…バトンは東山彰良さん、宮内悠介さんへ。

クリスマスの朝、雪の校庭に急降下した14歳。彼の死を悼む声は小さかった。

僕は運命を変える。

彼は江戸時代における隠れたシャアロック・ホームズであった―。雪達磨の中から発見された死体。

念願の新居に引っ越した僕たち家族は、いきなり隣家の犬・ミリーの鳴き声に悩まされることになった。