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孤宿の人
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孤宿の人の評価:
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点4.27pt |
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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
全171件 161~171 9/9ページ
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お上から、加賀殿を預かることになった丸海藩。財政も苦しく、粗相があったら藩のおとりつぶしが・・・。 その中で、恋敵を毒殺する梶原美祢。ところが、丸海藩の為にその事件は、病死ということで片づけられてしまう。毒殺された琴江様を慕う天涯孤独な“ほう”という子供の下女は納得がいかない。そしてその“ほう”の面倒を見る宇佐という女引手。 損得を考え、真実を曲げて暮らしている人達の中で、この“ほう”と宇佐の純粋な生き方、考え方が新鮮に感じたのと当時に、いつの時代も世の中正義だけでは渡っていけないものだと思いました。 上巻を読み終えたところですが、少し話の展開が遅いような感じで、宮部みゆきとしてはちょっと不満。下巻に期待します。 | ||||
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上巻での事件の進展はあっというまに広がるが、その中で少女「ほう」と悪鬼として怖れられている「加賀様」の交流が始まる。二人の交流はおぞましい事件の中での癒しのシーンである。蕃全体がパニックになる中で純真な少女の動きが美しい。ラストシーンではいつもの宮部作品には涙を流さない私なのに、珍しく泣いてしまった。宮部ワールド大好きの私であるが、今回は最後にぐっとくる結末で本当に久々の大感動であった。 | ||||
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幕府から罪人の加賀殿を預かることになった丸海藩。どんな粗相も藩にとっては存亡の危機になる。だから、たとえ毒死事件が起こったとしても、藩のためには決して真相を明らかにはできなかった・・・。 誰にも心を開くことのなかった加賀殿だが、下女として入ったほうと言葉を交わすようになる。ほうの無垢な心が、いつしか加賀殿の心を開いていく。「加賀殿は鬼ではない。やさしいお方だ。」そんなほうの思いとは逆に、丸海の人たちは加賀殿を、災いをなす鬼だと噂するようになる。そして次々に悲劇が起こっていく。ほうはどうなるのだろう?そして加賀殿の運命は?読み進めるほどに切なさがつのっていく。藩のためという名目で、どれほど尊い命が失われていったことか!最後まで純粋であり続けたほうの姿がとてもいじらしく、悲しかった。ラストは泣けた。 オススメです! | ||||
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冒頭の描写が美しく、それだけに急にたちこめる不穏な空気が、ここ数作になかった迫力を感じさせ、期待の持てた導入部。しかしその後のスト-リ-展開がやや陳腐で、マンガチックになる最近の臭みも出現し、一部の登場人物はあまりにステレオタイプ。期待と不満を同時に味わいつつ上巻を読み終わりました。これが宮部みゆきでなければ、結構楽しめたナ、という感想になるところなのですが、初期の宮部作品にある緊張感、切迫感、物凄さに欠けるような気がしてしかたありません。どこかに緩みや遊びがあるような。宮部さま、ゲームのしすぎではないかしらん。…この小説を☆4つにしたのは、ひとえに、ほうという少女の造形です。ほうの運命が知りたくて、下巻へと急ぎ突入したのでした。 | ||||
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失礼ながら、宮部作品を読んで泣いたのは久しぶりです。泣かせる場所とわかっていてもラストに泣いてしまったのは、ひとえにほうという少女の造形のうつくしさゆえです。スト-リ-の幕切れが見えているだけに、バタバタと筋書きが進んでいくのですが、ほうにだけは確かな手触りが感じられます。あとの人物はどうも、いかにも映像的というか(それもマンガとかアニメとか)、陰影にかけるというか、どこか浅い感じです。加賀殿にも宇佐にも、もう少し深みがほしかった。加賀殿の運命の悲哀も、書き込めばもっともっと読みごたえが出たでしょうに、もったいない。それを補ってあまりある最後の涙体験でしたので、ほうに☆5つとしました。(初期の宮部作品の物凄さはもう戻らないのかなあ。やや甘の☆5つにはその期待がこもっているのですけど。) | ||||
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筋立てが、都合よく出来すぎの感じを持ちました。ネタばらしが浅すぎるというか、魔は人の心に潜み、不思議なものは何もない、全部合理的に説明できる。底が浅いなと感じました。 ですが、関わる者も瞬間純真さを取り戻させてくれる「ほう」の純真さの描写は素晴らしく、思わず最近死なせた愛犬の純真さとオーバーラップしてしまい、生命を得てこの世に生きる意味を考え込んでしまいました。 | ||||
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推理小説ファンがいつのまにか宮部みゆきファンになってしまって、新刊は必ず読んでいる。予約をして買った本だったが期待を裏切らず2日間睡眠時間を削って一気に読んでしまった。 時代小説で作中に人殺しがいくつも出てくるのに、いつの間にか作中の人物たちの心の優しさに涙してしまう。謎解きの糸口は、いたるところに散りばめらて、思いもかけない方法で解決される。 やっぱり宮部みゆきなんだ。 | ||||
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届いてすぐ、上下巻を一気に読んでしまいました。人が活きているなあというのが感想の第一です。主人公「ほう」にしろ、宇佐にしろ、みな、そこに生きているのがありありと感じられます。宮部みゆきを初めて読んだとき感じた、「ああ、この人にはかなわない。」という実感を今回も感じました。 罪ある人の下に仕える少女と言う設定は山本周五郎の短編にありましたよね、宮部先生。 | ||||
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この人の新作が出るのをどれだけ心待ちにしていたか。 届いてからそれこそ寝る時間も削って読んだ。 ほうの名前の由来には怒りがしかし物語とともにほうの意味が変わっていく。 最後はやはり涙。涙。宮部みゆきさんの物語の素晴らしい所は人間の弱く汚い所もせつない所も隠さずでも最後にはやっぱり人間の美しさが出ている所だと思う。 | ||||
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わたしは、宮部みゆきの時代劇が好きだ。反対に現代を舞台にした物語はあまりに心に食い込んでくるのでなかなか読めないでいる。切なすぎるのだ。おそらく、ひとのこころを直接に感じなくて済むのが嬉しいのだ。だからといってリアリティがないと言うわけではありません。時代考証にこだわりぬいて、マニアックな輝きを放つようなタイプの作品ではないが、宮部先生の感じさせるひとのリアリティを随所で感じる。それは、日常に根ざした会話であったり、お金に関すること(つまり当時の人の感じるリアルなものへのこだわり)であったり、人情であったり。そういうものを描かれるからには、敢えて時代物をやる意義がわかるし、いたずらに新作を著作リストに並べていくだけのルーティンワークでないということがわかる。真実の江戸時代ではないかもしれないが、宮部みゆきの見た江戸時代を感じることができる一作。 | ||||
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わたしは、宮部みゆきの時代物は少し苦手だ。宮部みゆきは人情や人の心を重んじて描くが、どうしても時代物ではその真に迫った感じが薄れると思う。現代劇はカード破産など、新しい(当時のこと)事件や新しいタイプの犯罪に目を向けてその上で人間の性や業、生きるための必死さを描きつくしているように思う。だが、時代物で描かれるのは人情だけと言ってよいだろう。江戸時代の体制批判や制度批判をすることで、現代への警鐘を鳴らす役目もあることは決して否定しないが、あまりに寓話的でいて、衝撃が少ないと私は思う。無論江戸の情緒や描写を楽しむ人もいるのだろう。だが私はそれを楽しまない。現実の卓抜な描写が先にあるからだ。同じ社会をこうまで描き切る作家が江戸をどのように捉えても、本当の江戸は誰にもわからない。大変な損失だと思うのである。それでも、あくまで寓話を寓話として、現代物と時代ものの構造だけを考えるならやはり、これは優れた作品と言えるだろう。 | ||||
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